大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2004年2月26日

159-衆-内閣委員会-2号 平成16年02月26日

○大口委員 公明党の大口でございます。
私は今、党の治安対策プロジェクトの事務局長をやっております。かつて日本は世界一安全な国と評価されたわけでございますけれども、昨今、ひったくり、あるいは児童の連れ去り、連日報道されています。あるいは学校の乱入殺傷事件等の頻発、街頭犯罪とか侵入犯罪等によって地域の安全が非常に不安を増している。まさしく国民の体感治安が大幅に悪化している、こういう状況でございます。
そういう中で、戦後初めて、昨年の九月に犯罪対策閣僚会議、これが開催されて、犯罪に強い社会の実現のための行動計画、これが十二月十八日に策定されたわけでございます。
一点は、立派な行動計画ができたわけですけれども、しっかりこれを推進しなければならないという点で、この犯罪対策閣僚会議というのはアドホックなもので、随時ということなものですから、きちっとフォローアップをしていただきたい、これが一点でございます。
二点目に、今地域の取り組みが非常に進んでおります。警察庁出身で広島県警本部長の竹花氏が、今東京都の副知事でございます。昨年の八月、東京都では、早速、緊急治安対策本部というものを設置しました。竹花副知事は、治安の問題を警察任せにせず、みずからできることは最大限取り組む、安心、安全な町づくり、地域の犯罪抑止力を取り戻す、これが大事だと。やはり、地域の犯罪抑止力のアップ、これは非常に私は大事なことだろうと思います。
そういうことで、二点目に私は、地域の安全への取り組みがなされています。防犯ボランティア、頑張っていますし、あるいは防犯カメラ、それこそ町内で五百円拠出してやっているところもあります。あるいはボランティアでパトロールをしているところもあります。あるいは学校等の子供たちに防犯ベルを出したり、さまざまな取り組みをしている。ですから、やはり国としても、この地域の安全対策の取り組みについて支援をするための会議をやはり設置すべきじゃないか、また、地域の安全対策の支援の計画も立てるべきじゃないか。あるいは都道府県、市町村も個別にそういうことを条例等でつくっているところもありますけれども、こういう地域の取り組みに対してやはり国がしっかりと支援をすべきではないか、こういうふうに考えております。
この二点につきまして、官房長官に御答弁願いたいと思います。

○福田国務大臣 委員御指摘のとおり、昨年の九月に全閣僚を構成員とします犯罪対策閣僚会議、これを設置いたしたわけでございます。そして、総理の強いリーダーシップでもってこの会議を運営していくということでございますが、早速、昨年十二月に行動計画、これは犯罪に強い社会の実現のための行動計画、こういう計画を策定いたしまして、そして、水際対策を初めとする各種犯罪対策、犯罪の生じにくい社会環境の整備、それから国民がみずからの安全を確保するための活動の支援、そういったような観点から、政府が一体となって総合的な政策を推進していく、こういうことを決めたわけでございます。
また、この行動計画の中におきまして、今後五年間を目途に、不法滞在外国人を半減させるとともに、犯罪の増勢に歯どめをかけ、国民の治安に対する不安感を解消して、治安の危機的状況を脱することを目標とする、こういうようなことをこの行動計画で述べ、これを実施していこうということで今鋭意取り組んでおるところでございます。
御指摘のとおり、かつては、世界一安全な国、こういうふうに言われて久しかったのでありますけれども、この十数年の間に刑法犯だけでも倍増する、年間に二百八十万件の刑法犯が発生するというような本当に残念な事態になっているということ、そういう反省を踏まえて、今この行動計画の推進に全力を挙げていきたい。
それから、体制の方でございますけれども、今、治安とかそれから入国管理関係の職員の増員、これもいたしておりますし、一方、地方公務員は一万人を削減している、そういう定員管理をしておる中でもって、警察官だけは三千人を超える増を図るといったようなこともしております。
いずれにしましても、こういうような、関係省庁、政府一体となって計画の着実な実施を図るということによりまして、世界一安全な国日本の復活を目指したいというふうに思っております。
また、こういう防犯のことにつきまして、地域の協力が必要なのではないか、こういうこと。これはただいま申し上げました行動計画の中の一つの指針でもございますけれども、非常に大事なことであると思っております。
地域住民によります自主的な防犯活動の促進、また、警察からノウハウとか情報を提供してもらうというようなことも必要なのではなかろうかと思いますので、地方公共団体からの活動助成の充実なども図りながら、そういうような体制整備をしていきたい。また、地域住民のそういう地域的な活動の支援をしてまいりたい。そういう観点から、今御提案のありましたような地域対策というか地域の支援対策、これも考えていかなければいけない。そのためにどういうふうなことをすべきかということについても早急に検討してまいりたいと思っております。
〔委員長退席、大村委員長代理着席〕

○大口委員 次に、我が党の神崎代表がことしの二月の十日から十二日まで訪中をいたしました。胡錦濤主席あるいはトウカセン国務委員等々、いろいろな要人と会談もいたしました。やはり、今六カ国協議がなされている、こういう中、この東アジアの安定ということを考えますと、私は、中国と日本の関係は非常に大事だろう。これはもう官房長官も御存じのとおりでございます。
そういう中で、中国国民の訪日団体旅行の問題、これは平成十二年の九月からスタートいたしまして、そして、対象地域が北京市、上海市、広東省、ここの中国国民に限定して団体旅行についてビザを発給している、こういう状況でございます。これに対して、中国の方からは、この区域だけじゃなくて、江蘇省、浙江省、山東省、遼寧省、天津市、こういうところについて拡大の要望があるわけでございます。
小泉総理が昨年の一月に、観光立国を新たな国是ということで所信表明されて、海外からの旅行者の受け入れを倍増する、そういう言及をされて、ビジット・ジャパン・キャンペーンという形で力を入れておられるわけです。こういう中で、今、日中で領事の当局者の協議会というので詰めている。そしてまた、与党三党の幹事長が昨年五月とかあるいは八月にも訪問しているわけですけれども、その中でも、団体旅行で来られた方が平成十五年の十二月三十一日までに大体八万二千四百十八名いる。ところが、三百四十五名が失踪している。中には、百名ぐらいは成田に来たときにもう行方不明になっている。そういう状況もあって、この失踪問題、これはきちっとしなきゃいけないわけでございます。
そういう問題もしっかりと精力的にクリアをしていかなきゃいけませんが、ただ、もうこういうふうに三地域に限定しているのは、この近辺では日本とニュージーランドだけなんです。オーストラリアにつきましては、昨年の十月に、重慶、河北、江蘇、山東、天津、浙江、六地域追加していますし、あるいは、韓国を初めかなりの地域がもうこの地域限定をしていないということでございます。
そしてまた、昨年の十月三十日は、中国、EUの定期首脳会議におきまして、イギリス、アイルランド、デンマークを除くEUの十二カ国、ですからフランスやドイツも、ドイツは前々からでございますが、これはもう地域の限定をしない、こういう状況にあるわけです。
今の中国と日本の関係を見ましたときに、この問題につきましては、失踪問題をクリアして、早急にこの地域の拡大というものを図っていくべきであると考えますが、官房長官、よろしくお願いします。

○福田国務大臣 今、日本に来る外国観光客は、中国、韓国、台湾、もうこれでほとんど占めてしまうというぐらい多いんです。中国からもたくさんの方が来られるわけでございますし、そのこと自身は大変結構なことでございます。日本を理解してもらうということ、またそういう際に日本も中国人に接することができるということ、相互理解という観点からこれはさらに充実強化していかなければいけない、そう思います。
ところが、反面、今御指摘のように、日本に来てどこかへいなくなってしまう、そしてその結果、不法滞在によって、その間いろいろと犯罪を起こすといったような、そういうような事実もあり、また懸念も大きいものでございますので、査証事務についてもっとしっかりやってほしい、こういう要望というのは、我が国政府からも中国政府に対して今までもいろいろな形でもって伝えておるということでございます。
私も、昨年八月に中国を訪問した折に、この問題を解決したい、そういう提案をし、また、関係当局との間の交流というか、相談も、協議も、これもよくやってほしいという提案をいたしたこともございますけれども、この問題は中国も今真剣に取り組んでいるというふうに思っております。
しかし、我が方の受け入れの体制ということもありますので、双方が今後よく協議して改善をし、そして交流の拡大に努める、そういうふうにすべきではなかろうかと思っております。
細かい点につきましては、外務省の担当がおりますので、お聞きいただきたいと思っております。

○大口委員 官房長官、そこで、見通しですね、なかなか答弁しづらい面があると思いますが、そこら辺を、いつまでなのかというそのあたりの見通しをお願いしたいと思います。

○福田国務大臣 いつまでというのはちょっと、担当部局に聞いていただきたいんですけれども、方向としては、例えば、今三カ所で査証事務を行っております。これをふやさなければいけない。中国は広いですから、やはりそれなりの、そういう査証事務をする地点が必要なんだろう、こう思います。これによって大分改善されるだろうというふうに思います。

○大口委員 これは、警察庁、警察部門の方もこのことについては当然の関心があるわけでございます。国家公安委員長、この点について。

○小野国務大臣 先生の方から今お話がございましたけれども、中国国民訪日団体観光旅行、日中双方の相互理解という上では、先生今おっしゃられましたとおり、とても大事なことであると思いまして、基本的には私どもも意義のあることと考えております。
ただし、我が国の来日外国人によります治安問題というのは御案内のとおり大変大きなものがございますので、そうした点を勘案いたしながら、治安への悪影響がないような対象地域、その拡大について関係省庁と十分に検討してまいりたい、そのように思っております。

○大口委員 ちょうど一昨日、外務省の領事部門の、日中の領事当局会議というもの、フォローアップの会議がありました。今、日本も八項目ぐらい、昨年五月ですか、与党の代表から提案しておるわけですけれども、その八項目の、こちらの、日本の側の要望に対して中国がどういう反応を示しているか。それと、一昨日、二月二十四日のその会議の中身について御答弁願いたいと思います。

○鹿取政府参考人 今先生御指摘のとおり、中国との間で領事当局間協議を行いました。その議論において、今御指摘の八項目の実施について、中国側の対応の現状について照会するとともに、その実施の重要性を改めて指摘いたしたところでございます。
これに対して、中国側からは、日中双方で問題解決に向け引き続き努力していきたいということをやはり確認しております。ほかの議題もありましたので、余り詳細には入りませんでしたけれども、引き続き東京とそれから北京で議論を継続するということになっております。
ただ、もちろん今御指摘の八項目の中には、幾つかあります旅券発給時の審査の厳格化であるとか旅行会社の名義貸し出しの防止、あるいは違法行為を行った中国の旅行者に対するペナルティーをどうするか、こういう問題についても、一応中国側との考え方を整理したところでございます。
旅券発給時の審査の厳格化については、中国側としても、引き続き関係当局へ伝えて厳正な対応をお願いするということを申しておりましたし、また、旅行会社の名義貸し出しの防止については、日本側で実は幾つか改善案を考えまして、例えば、添乗員についてはこれまで割とフリーであったんですけれども、添乗員に対する審査は通常の査証と同じように厳格にする。ただし、添乗員に対しては数次査証を出す、こういうことを我々の方から提案いたしました。
また、違法行為を行った旅行会社に対しましては、日本の旅行会社に対しては今ペナルティーという制度を導入しておりますが、このペナルティーを中国側の旅行会社に対しても導入するということで話をしております。
こういうことで、領事当局間協議で議論いたしましたけれども、さらに北京及び東京で議論を継続することになっております。

○大口委員 しっかりやっていただきたいと思います。
次に、今刑法犯の認知件数が非常に多くなってきた。大体今から三十年ぐらい前、要するに昭和の時代というのは百四十万前後であったわけですよ。それが今、認知件数が二百八十五万と倍増しているという状況にある。それから、検挙率が、昭和の時代には大体一般刑法犯で六〇%台、それが平成に入って四〇%、そして最近は二〇%を切る場合もある、前後、こういうふうに非常に検挙率が下がっているわけです。
それについて、前田雅英さんという都立大学の法学部長さん、この人の本の中には、平成に入って警察庁の捜査の方針が変わったと。要するに、軽微な事案の検挙よりも重要な事案に力を入れる、そういうふうに方針転換をしたことが原因ではないかと。確かに、警察官の人員というのは非常に限られている。ところが、いろいろな犯罪がどんどんふえてくる。そういう中で、やはり重大な犯罪をきちっとやりなさい、これは国民の声だと思うんですね。ですから、そういう方針転換したということは、当時の学者先生たちもそれは大体賛成したのかもしれない。
しかしながら、ニューヨークのジュリアーニ前市長が、これはジョージ・ケリングという教授の割れ窓理論、これによって、要するに、万引きとか、あるいは無賃乗車だとか落書きだとか、こういう小さな軽微なことをきちっとやらなければ治安はよくならないんだ、この割れ窓の理論というものをジュリアーニ前市長が実践して、そのかわり警察も大変増員してこれをやって、そして今ニューヨークが非常に安全な地域になったわけです。
そういうことで、やはりこの平成元年の警察庁の動きを見ていますと、例えば、自転車盗の取り締まり活動についてということで、保安部長あるいは刑事局長が通達を出していますね。そこでは、自転車盗の可罰性の減少、被害意識の希薄化の傾向が見られること。それから、発生件数が多数に上ることにより、効率的に対処する必要があること等から、検挙については、悪質常習事犯及び被害者の被害意識の高い事犯に重点を志向することと。こういうことで、これは自転車盗についてのものでございますけれども、当時の警察庁の空気をうかがい知る通達になっておるわけです。
では、そういうことで重要犯罪が減ったか、検挙率は高まったかというと、これはまたそうではないんですね。例えば、強盗が、これは平成六年は七八%だったのが五〇%を最近切って、やっとまた平成十四年で戻ってきた。あるいは放火も、平成六年九二%が、平成十四年六七%。強姦は、九二%が六二%。強制わいせつが、九二%が三六%。重要犯罪が平均して平成六年八九%、それが五〇%になっているということで、重要犯罪の検挙率も非常に下がっている。
それからもう一つ、軽微な事案ということでいえば、暴行が、これが平成六年八一%の検挙率が、平成十四年四四%。住居侵入が、これは昭和五十八年四五%、平成六年三四%、平成十四年は二〇%。器物損壊に至っては、落書き等だと思うんですが、これは平成十四年五%なんですね。昭和五十八年は三〇%、平成六年が一二%だったのが、平成十四年は五%、こういう状況でございます。
そういうことで、この割れ窓の理論等も御考慮されて、なぜこの検挙率が低下したのか、その警察庁のお考えと、であるからこそ、この検挙率を上昇するためにどうするのかということを明確に答弁していただきます。

○小野国務大臣 お答えをさせていただきます。
先生の方から大変今細かい数字をいろいろとお出しをいただきましたけれども、原因は何かということ、今先生からもお話がございましたけれども、犯罪の増加に検挙が追いつかないというこの現実もございます。二百八十五万四千件というのは平成十四年で、平成十五年度が六万四千件減りまして二百七十九万件という刑法犯認知件数でございます。
幾分かは少なくなりましたけれども、しかし、これだけ多くの犯罪があるということは大変なことでございまして、そうした中に、初動捜査に追われまして、余罪の解明が困難になっている。新聞を拝見しておりましても、私どものデータもそうですけれども、とにかく一人が一件ということはあり得ないわけですね。数件持っているわけです。そういうことで、いろいろと時間をかけて余罪を解明していくことがどうしても少なくなってしまう。そこに二三・二%という大変少ない数字が出てきまして、警察は何をやっているんだ、そういうおしかりをいただくことになるわけでございます。
そういった点からは、一万人計画の増員を十三年度に皆様の御理解をいただきながら、十四年度が四千五百人、十五年度が四千人、そして十六年に向かいまして三千百五十を今お願いしているところでございますけれども、一人の警察官の負担人数も相当違いまして、諸外国で五百人台というのは非常に奇異な状況でもございますので、何とか増員と、それから、警察官でなければできない部分と、警察官以外の民間の方々にお願いしながら、本来の警察官が行うべき捜査、逮捕とか、そういうことに今後私どもも方向づけを、今後の法案等も含めまして持っていかなければ、そんな思いをいたしております。
犯罪対策閣僚会議で策定いたしました行動計画に基づきまして犯罪対策を推進するほか、科学捜査の強化や、やはり優秀な捜査官の育成に努めていかなきゃならない。
先生からいろいろお話がございましたけれども、どうしても、凶悪犯が多くなりますと、重要凶悪犯に関してしっかりやれ、こういうお声が出てきますので、実際的にはそういうことに取り組むことになったということも現実でございますけれども、今私申し上げましたように、さまざまな犯罪の増加、検挙率の低下、追いつかない、こういうことを少しでも解明しながら、そしてまた先ほどからお話がありますように、来日外国人の犯罪が非常に多くなっております。こういうことも含めまして、これからの安心、安全を目指す日本のあり方に対して、警察庁を督励してまいりたいと思っております。

○大口委員 それから、二十五日、昨日ですね、ちょうど北朝鮮在住のよど号ハイジャック事件メンバーの魚本公博容疑者、安部公博ですね、の妻民子容疑者が、北朝鮮から北京経由で帰国し、午後七時二十四分、旅券法違反で成田空港で警視庁に逮捕された。この魚本公博容疑者、夫は、元神戸外大の有本恵子さんの拉致に関与したという疑いで、結婚目的誘拐などの容疑で国際手配されております。
北朝鮮による拉致容疑事犯の解明に対する国家公安委員長の決意をお伺いしたいと思います。
〔大村委員長代理退席、委員長着席〕

○小野国務大臣 お答え申し上げます。
御指摘のよど号の犯人の妻、魚本民子につきましては、二十四日、警視庁におきまして、旅券法の違反容疑で逮捕したものと承知をいたしております。警察におきましては、同人を含みますよど号グループの海外における活動には重大な関心を持っておりまして、引き続き、こうした活動の全容解明に誠心誠意取り組んでまいりたい、そのように承知をいたしております。
なお、警察によりますこれまでの一連の捜査の結果、魚本民子の夫である魚本公博につきましては既に、一昨年の九月に有本恵子さん拉致容疑事案に関しまして逮捕状の発付を得ておりますので、国際手配を行うとともに、その他のよど号グループや拉致容疑事案関連の国際手配を既に被疑者として行っております。そんなことで、北朝鮮に対しまして身柄の引き渡し要求を行っていると承知をいたしております。
北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、国民の生命財産を私どもは守る責任がございますので、これからもその全容解明のために、関係機関とも十分連携をしながら、鋭意捜査を進めていくものと承知をいたしております。

○大口委員 また、私どもの治安対策プロジェクトでもいろいろ議論が出ました。やはり、一つは、割れ窓の理論ということでいきましても、またそういうことを考えますと、交番の機能というのは非常に大事である。そういうことで、空き交番の解消、これはもう警察官の増員ということで頑張っていただいているわけですが、さらにやはりしっかりしていかなきゃいけない、こう思っております。
そして、そのことを考えますと、警察官のOBの方を、まだお元気ですから、大いに活用すべきである、こういうふうに考えますし、また、東京都でもやっておりますが、地方自治体の職員、これを警察の方に出向する等の警察支援ということも考えるべきだと思います。そしてまた、民間警備会社等の民間会社の活用というものも、これは大いに活用すべきである。
今、緊急地域雇用創出特別交付金、六カ月なんですが、これを使って学校パトロール、地域のパトロールを県警から民間委託するとか、こういうことがなされているわけですが、六カ月で切れちゃうわけですね。こういう形が果たしていいのか、やはりもっと恒常的なことも考えていかなきゃいけないんじゃないか、こう思ったりしております。
また、空き交番につきましては、今、交番に足を踏み入れると、全自動接続のテレビ電話というものもできている。あるいは、スーパー防犯灯の整備。これは、やると街頭犯罪が減っていく、こういうこともあります。
私はまず、町の安全ということからいって、やはり私が今言ったようなことはしっかりやっていただきたい、これが第一点でございます。それについてお伺いして、時間がないものですから、二番目に、子供の安全についてということがございます。
連日、それこそ児童の連れ去り、きょうも、けさ報道されておりました。現職の警察官もそういうのにかかわった、非常に悲しむべきことでございます。やはり、こういうことを考えますと、学校の安全、子供の安全という視点から、学校施設とか通学路の防犯診断とかあるいは安全対策、しっかりやっていかなきゃいけない。また、そのパトロール、それから、地域ボランティアでありますとか、あるいは民間警備会社に自治体が委託してパトロールしているところもございます。
また、防犯カメラの設置でありますとか、あるいは、これは杉並区は全区立小学校で設置するそうでございますけれども、子供の緊急通報装置の整備、また、児童全員に防犯ベルの貸与。これ、一個二千二百円ぐらいだそうです。この前、杉並の小学校の子供に聞きましたら、中学三年生になったらまた返すんですとちゃんと言っていました。それから、GPSの活用による緊急通報者の位置特定システムの普及、こういうこと、子供の安全ということで、私は提言したいと思います。
三番目、女性の安全ということでございますけれども、強姦もかなり平成八年から六十数%増しているわけですね。あるいは、強制わいせつに至っては三・八倍ぐらいになっているということでございまして、我々も要求しております強姦罪の罰則の強化、集団強姦罪の創設、これを提案しておるわけでございます。実現を図っていきたいと思うわけでございますが、女性が、性暴力だとかDVでありますとかいろいろなことについて相談しやすい環境、性犯罪の被害について相談しやすい環境、これをつくっていかなきゃいけない。
滋賀県警では女性警察チーム・クララというのができておりまして、女性や子供の、犯罪の相談、保護、警戒活動を進めている。千葉県警でも女性相談所等いろいろと工夫されている。そういうことで、警察の相談窓口に女性職員を配置するなどをやっていかなければならないんじゃないか、そういう環境も整備していかなきゃいけないんじゃないか、女性の被害者が相談しやすい環境を整備する必要があるのではないか、こう思うわけです。
それと、そういうことからいきますと、女性警官が、今警察官二十四万一千人、女性警官が一万二百人、四・二%なんですね。男女共同参画型社会からいって、ちょっと警察は遅れているんじゃないか。国家公安委員長は女性ということで、それはかなり変わってきたわけでございますけれども、やはり女性警官というものをきっちりと採用していく。それから、蔵前署長の坂口知子さん、十年ぶりに警視庁で二人目の女性署長、これも、その登用もしっかり考えていただきたい。
この、要するに町の安全、子供の安全、女性の安全について、まとめて御答弁いただきたいと思います。

○小野国務大臣 大方先生がもうお話ししてくだすったような感じがなきにしもあらずでございますけれども、空き交番の問題というのは、本当に交番があるだけで住民の皆様方がどれだけ心の安心をお持ちになられるかということで、今回の三千百五十人も、もしお通しをいただければ、全国津々浦々にぜひ分配をして安心をしていただこう、そのように考えております。十三年度以降、設置されました警察官の増員のうちの相当数を今その空き交番対策に充てているということも御理解をいただきたいと思います。
それから、地方財政計画、先生もおっしゃってくださいましたけれども、退職警察官の問題、あるいは交番の相談員それから警察安全相談員とかそういう方々に、OBの方々に参加をしていただこう。それから、先生おっしゃいましたテレビ電話システムですね。だれもいないときに、ぽちっと押しまして、どうなさいましたかという、テレビ電話をもって安心してお話をしていただく。空き交番の足らざるところを、交番の方々は巡回をされるものですから、そういった意味でもなお空き交番になってしまうというのが現状でございます。
そういったさまざまな防犯施設の整備や、あるいは関係団体、そういう皆さんと一緒になりまして、特にスーパー防犯灯、これは大変功を奏しておりまして、いざというときには押すだけでカメラは回りますし、即座に逮捕につながっていくという。ただ、本数がまだ、平成十五年度から始まった事業でございますので、二十三地区で二百九十四基を整備するというところでございますから、十六年度にも引き続き整備を進めていきたい、そのように考えております。各都道府県におきまして、単独事業として整備されているものもあると承知をいたしております。
それから、警備業者の活用につきましては、今後大いに力を入れてお願いしていきたい。そして、本来の警察官ならではのところを警察官の方々に頑張っていただけるようにシフトをしていきたい、そのように考えております。緊急地域雇用創出特別交付金事業、これを活用していくということで、防犯パトロール等の事業、こういったものの委託を、平成十五年度では三十四都道府県及び六十七市町村において実施されると承知をいたしております。
口早で恐縮でございますけれども、それから、子供たちの問題でございます。本当に、学校に行くときとか帰るときも、ある程度の道路までは集団下校、集団登校というのがありますけれども、一番、家のそばの近場になりますと、皆一人になるわけです。その辺をどうするかという問題が、今回のいろいろな事案に関しましても、本人が一人になったところを襲われるということがありますので、笛も大事ですけれども、周辺の皆様方がやはり子供たちが帰ってくる時間であるという認識を持って、何か皆さんの周辺の目を防犯カメラにしていただきたい、私はそんなふうにも考えております。
そんなことで、地域の皆さん方と連携をしてやっていかなければ、警察だけでも難しゅうございますし、また家庭だけでも補え得るものではない、社会全体で、皆さんのお力を合わせて、防犯訓練の実施とか防犯教室とか、そういうものを通しながらみんなで子供たちを守っていこう、そういう考えでございます。
それから、女性警察職員の件でございますけれども、被害相談の体制、この辺はやはり女性ならではの問題で、特にDVの問題もございますので、話しやすいように女性警察官を、性犯罪が大変多くなっておりますので、登用して頑張っている。特に、交番の女性相談員、そういう方々、それから駅に女性被害者相談所を設けるなど、女性職員によります被害相談体制の整備を今推進しているところでもございます。相談しやすいということと、安全確保と、被害防止を図るためにこういうことに気をつけたらいいですよという御指導もあわせていただけるのではないか、そのように考えております。
最後に、女性警察官の総数一万二百人、私も中に入らせていただきまして、何人いるんですか、一万二百人、少ないですねというお話をさせていただき、また出生率のこともありますから、お子さんたちどれくらいいらっしゃるのなどという座談会も早速開かせていただきました。なかなか細やかに、産休に関しましても、それから仕事をしながら働けるような条件整備をいろいろと工夫されているという実態もわかりましたので、ぜひとも、これからの時代、男女共同参画型社会の実現のために警察庁もいろいろと力をなしてもらいたい、そのように考えております。
先般、三人目の女性の警察署長が警視庁で誕生したという大変うれしいニュースもございますので、今後政策決定の場に女性がどんどん登用されるように、その辺も心してまいりたい。そういった意味におきましては、女性は今、地域、交通、刑事、警備等の幅広い分野で活躍しまして、ただ駐車場の札切りだけではない、大変大きく活躍の場を広げていただいているということも御紹介をさせていただきたいと思います。

○大口委員 どうもありがとうございました。

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