大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2004年4月28日

159-衆-武力攻撃事態等への対処…-11号 平成16年04月28日

○大口委員 公明党の大口でございます。
また野党の中で民主党さん、社民党さんが欠席ということで、大変重要な法案であるにもかかわらず欠席されるのは非常に残念なわけでございますが、私はしっかりと質問をさせていただきたいと思います。
まず、これは昨年十二月の十三日ですか、福井県で「有事の際の国民保護に関するフォーラム」、あるいはパネルディスカッションで、有事下における住民と行政の役割、こういうものが行われたわけです。
御案内のとおり、福井県というのは原子力発電所が集中している場所でありまして、そういう点で、今回の国民保護法制を考える上におきましても、原発立地県の立場といいますか、これは非常に考えていかなきゃいけないな、こう思うわけでございます。
今、この原発についての警備状況がどうなっているのか。警察あるいは海上保安庁では、全国の原発など十七カ所、二十四時間常時警備を行っております。武装工作船によるテロ攻撃に対して、海上における安全確保体制を一層充実させるために、原子力発電所のある地域の周辺の港に、これは地域から要望が強いわけでございますが、高速高機能の大型巡視船を重点配備していただきたい。これは中部圏の知事会、富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、そして名古屋市、中部圏知事会というのを構成しているわけですが、この提言においても、また福井県においても、こういう要望が強いわけでございます。
そういうことで、今の海保の警備状況、そして高速高機能の大型巡視船の建造状況、そして重点配備についてお伺いしたいと思います。――では、今答弁者がいないようですので、次の質問をさせていただきます。
一九九六年、韓国の東海岸に座礁した北朝鮮の潜水艦から武装ゲリラを含む二十六名の兵士が韓国内に侵入した事件がありました。これについて、韓国側も十八名の犠牲者を出して、この侵入兵士と戦闘しておるわけです。韓国政府は、直ちにゲリラに対する対処をするための有事態勢をしいて、作戦は四十九日間、最大で六万人規模の兵力を動員した、こういうことでございます。武装ゲリラとの戦闘というのは非常に大変なことであるなと思います。
ただ、仮に日本でこういうことがあった場合、どうなのか。私は、海上における治安の維持ということについては、第一義的には警察機関である海上保安庁が対処する、こういうことを承知しておるわけですが、こういう韓国の例を挙げましたけれども、こういうように今、半潜水艇あるいは小型潜水艦が我が国の原発を破壊する目的で領海内に侵入してくるようなこういう試みに対して、要するに、半潜水艇とか小型潜水艦ということになりますと、対潜哨戒能力あるいは対潜水艦作戦用の武器、こういうものを海保は持っていないわけですね。こういう場合、やはり海上自衛隊というものの能力というのが必要になってくるんではないかな、私はこう思っております。
今それこそ、武装工作船で来るというよりも、これだけ二十四時間で海保が警備しておりますから、むしろ半潜水艇とかあるいは小型潜水艦で来るという蓋然性の方が高いと思うんですね。そういうことで、防衛庁長官にこのあたりのことについてお伺いしたいと思います。

○石破国務大臣 おっしゃいますとおり、今度は潜水艦かもしらぬなということは思っています。つまり、能登半島でもそうですし、九州沖でもそうですが、工作船、もう不審船じゃないですね、工作船になった。今度は潜水艦で来たら一体どうなるんだという問題意識は私ども持っております。
先生御指摘のように、海保には対潜能力はございません。見つけることもできませんし、もちろん沈めることもできないし、そんな権限も持っておらないわけでございます。
そうしますと、先生御案内のとおり、平成八年の十二月二十四日の閣議決定がございます。これは海上警備行動の下令についてですが、これが迅速にできるように定めたものでございます。
そういたしますと、私どものP3Cできちんと網を張っている。それでまず海上保安庁に連絡が行くようにするか、もしくは、これは潜没潜水艦であるというようなことになりましたときに浮上をさせる、それでもなお従わないようなときには、海上自衛隊しか能力を持っておりませんので、その場合にはP3Cと海上自衛隊で海上保安庁を挟まずに行うということも、これはあり得ることでございます。八十二条は、「特別の必要がある場合」というふうな記述になっておりますので、これはどう見たって潜水艦に対しては海上保安庁能力なしということになりますと、それはそういうような対応になります。
私どもといたしましては、平素から、海上保安庁と海上自衛隊、これはもちろん現場同士もございます、私どもの運用局と海上保安庁のいわゆる背広の方々、あるいは警備救難監を初めとする方々、もう縄張り争いとかそんなことを言っていてもしようがありませんので、どの場合にどのように対応できるか、海保でできることは海保、海上自衛隊でなきゃできないことは海上自衛隊。あわせて、国家資源の二重配分、私どもと海上保安庁が同じような船を持っていても仕方がございませんので、ここのところをどうするかということを、今、図上におきましても、また現場におきましても緊密に訓練を続けておるところでございます。先生の問題意識は強く持っております。

○大口委員 海上保安庁長官、見えましたか。――まだですね。
それでは、次に、原子力発電所をどう守るか、こういうことで、これは有事対処における大きな課題であるわけです。そして、ゲリラによって、例えば中央制御室の占拠、そして原子炉が冷却できないようにする、こういう形で原発のコントロール部分を支配されるというような場合が想定されるわけですね。こういう場合、この武力攻撃事態等で、個々の市町村だとかあるいは都道府県の区域を超えた広域な対処が一層必要になってくる、こう思うわけでございます。
ジェー・シー・オーの臨界事故がありました。その教訓の中で、要するにもう初期動作が非常に大事であって、国と自治体が連絡を強化する。それから、やはり国の緊急時対応態勢というのを強化する必要がある。こういうことが、ジェー・シー・オーの反省があって、それで原子力災害対策特別措置法というものができて、原子力災害現地対策本部というものを置くことになっているわけです。非常にこの原子力発電所の特殊性なわけですね。
そこで、武力攻撃事態等で、通常の災害等のときとは違って、けた違いの広範囲の対処が必要となってくるわけですので、原発が占拠されたり攻撃されるという武力攻撃事態等において、国としてこれは現地に対策本部を置くべきではないかなと。そして、原子力災害の場合は、国と自治体の現地の対策本部が連携をとるために原子力災害合同対策協議会というのを持って、ここで、国と自治体で連携を現地と密にとっているわけですね。
そういうことからいっても、私は、今回の法律では現地対策本部は設けないことになっておりますけれども、果たしてそれでいいのかなと。政治的にも、これはやはり現地対策本部をつくらざるを得ないんじゃないかなと。
そういうことで、まず、法律上どうなのか、それから、法律とは別に、運用上、知事の権限に影響を与えない範囲で現地対策本部というものを設置する可能性はないのか、お伺いしたいと思います。

○井上国務大臣 まず、結論から申し上げますと、この現地対策本部を置くというのは、私どもとしましては想定しておりませんし、余り適切な方法ではないんじゃないかと思います。
といいますのも、この武力攻撃事態等、これはまさに国の有事でありまして、こういう事態が起こりますと、国を挙げて対処をしていかないといけないわけであります。国も都道府県も市町村も、あるいは関係機関も、総力を挙げてそういう武力攻撃事態に対応しないといけないわけですね。武力攻撃を排除するとか、あるいは国民保護のための措置をとっていかないといけないということでございまして、そういう意味では、司令部に当たります国の機能というのは非常に大切だ、こんなふうに思うんです。また、都道府県の方も、国のそういう対応を受けまして、それこそ一〇〇%十分な措置をとらないといけない、そういう役割を果たすんだろう、こんなふうに考えるわけであります。
どうも現地の対策本部をやりますと、私は、組織といいますのは、決定があれば迅速にそれを実行していくような組織が一番いいわけですね、簡潔で迅速に対応するという。そこにまたもう一つ新しい組織が来ますと、そういう点からいいましても若干の問題が出るんじゃないか。あるいは屋上屋を重ねるようなことになりまして、中央で意思決定したことが、その現地の対策本部に参りますとそれはどうもそうではなくなるような、多少また食い違うというような場合もあるわけでありまして、そういう組織の上から問題があるんじゃないのかなというのが一つです。
それからもう一つは、やはり国の本部といいますのは、日本全国を見ないといけないわけですね。日本全国を見まして、その計画、計画というか対策をつくり、また、問題のところにつきましてはその是正の措置をとっていかないといけないわけでありまして、私は、そういう全国を見るというような視点からも、やはり現地対策本部をそれぞれの現地に置いていくということはいささか問題があるんじゃないかな、こんなふうに思います。
それでは現地との連絡が問題じゃないか、こういう御質問だろうと思うのでありますが、これは、都道府県の対策本部の中に、国の出先機関ですね、指定地方行政機関と言っておりますけれども、そういった職員だとか自衛隊の職員なんかも入るようになっておりますので、そういう中で十分な意思疎通をしながら国の方とも意思疎通をしていく、こういうことで対処できるんじゃないかな、こんなふうに考えているわけでございます。
意思疎通が必要なことは十分理解をいたしますけれども、それはこの都道府県対策本部へのそれぞれの職員の派遣ということで成果を上げていくべきだし、上がるんじゃないか、そんなふうに期待をいたしているわけでございます。

○大口委員 屋上屋を重ねるというお言葉については、原子力災害の場合どうなのかとか、あるいは非常災害対策本部の場合どうなるのかということがあります。ただ、時間もありませんのでこの程度にとどめておきます。
海上保安庁長官、来られましたか。私の質問は聞いておられますね。では、よろしくお願いします。

○深谷政府参考人 遅参をいたしまして恐縮でございます。
原子力発電所の警備の関係でございますけれども、海上保安庁といたしましては、平成十三年、例の九・一一の米国の同時多発テロがございましたけれども、それ以降、本庁に海上保安庁国際テロ警備本部、こういうものを置きまして、各種テロ対策、それからテロ発生時の即応態勢、こういったものについて整えてきているところでございます。
具体的な原子力発電所の警備、これに関連いたしましては、警察機関との間における共同訓練の実施でございますとか、あるいはホットラインの設定というふうなことを含めまして、緊密な連携をとりながら、我が庁といたしましては、巡視船艇を全国十七カ所の原子力発電所に常時配備をいたしておりまして、必要に応じて航空機も運用をいたしながら、周辺の海域についての巡視警戒、これをやっておるところでございます。
無論、事業者との連携も大事でございますし、また、事業者自身に対しましても自主警備の強化、これもお願いしているところでございます。
今後の話といたしまして、御指摘の高速高機能大型巡視船、これの配備の問題でございますけれども、いわゆる高速高機能大型巡視船、こう申しましているものは、工作船、不審船事案がございましたけれども、これのほか、いわゆる薬物、銃器の密輸、あるいは原子力発電所を含めた警備、こういった関係のテロ対策に対応すべく十四年度予算から整備を始めておりまして、今年度予算におきましても認めていただきまして、合計六隻を代替建造すべく、今整備中でございます。
具体的にどこにこれを配備していくか、この点につきましては、現在まだ具体的には決定しておりませんけれども、全体的な対応業務をよく考えまして、先生の御指摘も踏まえまして、いろいろ今後具体的に検討させていただきたい、かように思っております。

○大口委員 今前向きな答弁がありましたので、しっかりやっていただきたいと思いますが、武力攻撃事態への対処という、武力攻撃の態様を具体的に想定して必要な対処の措置を明らかにするために、原子力発電所に係る被害の特殊性を考慮して、電気事業者、地方自治体、それから有事の専門家等で構成する専門委員会、これを設置すべきではないか。
そして、運転の停止基準とかその手続とか、そういうことも検討する。そして、この原子炉本体だけじゃなくて、冷却水の取水口をどう守っていくかとか、使用済み核燃料貯蔵施設あるいは送電施設、変電施設、資機材の搬入路等の施設ごとに、被害区分に応じた必要な対処の措置を検討しておく、こういうことも必要だと思いますね。
これも、この専門委員会というものをきちっと設置して、これから方針ですとかあるいは国民保護計画だとか、そういうこともありますので、オフィシャルなものを設定すべきだ、こう考えていますが、いかがでしょうか。

○井上国務大臣 御指摘の点はごもっともなことばかりでございまして、私ども、これから十分検討いたしまして、いろいろな基準、あるいは作業手順でありますとか、そういうものの中身につきまして、きっちりと決めていかないといけないものばかりでございますので、十分検討して対処していきたいと考えます。

○大口委員 原子力安全・保安院長も来られていますので、御答弁をお願いします。

○佐々木(宜)政府参考人 今御指摘のような要望が原子力発電所の地元の地方公共団体からも出されていることを承知しておりまして、こうした要望も踏まえまして、有事における原子力施設防護に係る対策についての意見交換等を行うため、現在、内閣官房と原子力安全・保安院の共催におきまして、関係省庁、関係の地方公共団体及び電気事業者で構成する懇談会を設置しておりまして、既に二月に第一回会合を開催したところでございます。
この懇談会では、有事の対応を想定いたしまして、有識者あるいは専門家から必要に応じて有事の際の原子力施設の防護対策について説明を聴取しながら、原子力発電所の運転停止命令のあり方、原子力発電所の運転停止時の電力の安定供給のあり方など、有事におきます必要な対応策を検討しております。本年の夏を目途に取りまとめることといたしております。また、取りまとめ結果は、必要に応じまして、今後の国民保護法制の運用や計画等に反映させていきたいと考えております。また、この懇談会における配付資料あるいは議事録概要につきまして、公表可能なものは、すべて原子力安全・保安院のホームページに掲載等を通じて公表することといたしております。
また、各施設において攻撃に対してどのようなシミュレーションを行うかについても、私どもの方でいろいろ今検討しているところでございます。

○大口委員 次に、自衛隊法の第百三条に基づく自衛隊のための土地の使用等、これは県知事の法定受託事務、こういうことになっておるわけですが、今回の国民保護法におきまして、避難住民等の収容施設等のための土地使用等というものが、これは国民保護のための措置も都道府県知事の事務、こうなったわけです。
このため、都道府県の中には、国民保護の任務のために、自衛隊法百三条に基づく要請に迅速にこたえられるのか、また、同法百三条に基づく要請と国民保護の任務が競合した場合、どのように対応すべきかといった不安の声が出ておるわけです。
より具体的に言いますと、同法の百三条に基づく土地使用等の要請と国民保護法案に基づく使用等が競合した場合、例えば、同一の土地の使用が競合した場合等、どうするのか。このあたりにつきまして、防衛庁長官に見解をお伺いしたいと思います。

○石破国務大臣 これは静岡県の知事さんからも随分と言われておりまして、全国知事会等々でも大分議論はいたしました。
要するに、知事は忙しいのではないか、そういうときには住民の避難とかそういうのに忙殺されておって、そんなことをやる暇はないので、都道府県知事を通さずに直接国がやってくれぬか、端的に言えばこういうようなお話ではなかったかと思っております。
ただ、私ども、仕組みといたしまして、やはりその場で、これを使わせていただいていいかどうかということについては、どうも防衛庁長官や総監等々ではわからない。やはり、地元はこうです、こうなっていますというようなことに通暁しておられるのは知事さんなのであろう。したがって、防衛庁長官または陸上自衛隊の方面総監が知事さんに対してそれを使わせてくださいというふうに要請をし、それを受けて、知事さんが土地等の使用権を得られました上で自衛隊に使用させる、こういうような仕組みにしておるわけでございます。
しかし、先ほど申し上げましたように、とてもとても忙しくてそんな要請にはこたえられぬということもございましょうから、百三条一項ただし書きに基づきまして、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、防衛庁長官等は、知事さんに通知をいたしました上で、みずから土地を使用する権限を行使することができる、こういう仕組みになっておるわけでございます。
これが、知事さんが判断できないというような場合にはどうなるであろうか、あるいは、先生がおっしゃいますような競合ということになればどうなるであろうかということでございますが、優先順位は知事さんが順番に判断をしていただくということになるのですけれども、そういう事態において、本当に忙殺されている、あるいはどっちがいいかわからぬということになりますれば、これはもう最終的に、内閣総理大臣が対策本部長といたしまして、これは法的根拠は事態対処法十四条第一項でございますが、総合調整を行うということになります。
これはどちらがいいのかというような議論のあったところでございますが、やはり法的な仕組みとしてはこういうことになるのではないか。しかし、かといって、知事さんに御負担をかけたりというようなことは避けていかねばならないけれども、よく麻生大臣がおっしゃいますように、これは、見たことも聞いたこともない防衛庁長官が、あの土地を使う、こうやって言いますよりは、やはり基本的に知事さんにお願いをするというふうな法的な仕組みの方が実効を得やすいのではないかと考えておる次第でございます。

○大口委員 そこら辺、どういう状況になるのかということで、知事としては、防衛庁長官からの要請というのはこたえたいという気持ちもあると思うんですね。ただ、有事の避難とかそういうことについては、これは相当の事務量だし、大変なことになっているということからいくと、本当に受けられませんよと。それで、ただし書きで、長官が、防衛庁が直接交渉する。実際、では、そういうことが可能なのかというと、地理不案内な、法律上は可能だけれども、実際上できるのかということからいえば、むしろできないことを想定して、各都道府県にそういうような担当の者を置いて、そういう者にさせた方がいいのではないか、その方が現実的じゃないか、こういう趣旨だと思うんですね。
ですから、そこは、知事の対応を期待してやるのがいいのか、それとも、それはもう最初から期待しないで防衛庁でやった方がいいのか、そこら辺の判断だと思うんですが、長官、そこら辺はどうでしょうか。

○石破国務大臣 それは、先生御指摘のように、どっちが実効性が上がるかね、こういう判断なんだろうと思っていますが、先ほどの答弁の繰り返しでございますが、事態に照らし緊急を要すると認めますときは、防衛庁長官等は、通知をした上で、みずから土地使用等の権限を行使することができる、こういうことになるわけでございまして、そこのところをどういうふうに判断するのかなということにもなろうかと思います。
これは当面、もし御賛同が今国会においていただけるということになりますれば、これで参りますが、本当に、ずっとこの法案を議論しておりますときから、先生が御提起になりましたような話、私ども、よく考えておるところでございます。実際その場になって動くのかということが一番必要でございますので、よく検証してまいりたいと思いますし、今後ともお教えをいただきたいと思います。

○大口委員 それから、これは各都道府県で、今度、避難所というものとか、いろいろつくっていくわけですから、そういう情報といいますか、各県ごとにあるわけです。そういう点で、Aという県からBという県に例えば避難するという場合、どこに避難所があるかとか、そういう避難についてのいろいろなデータベースといいますか、情報といいますか、これはやはり各県が持っていたいわけです、他県の情報についても。
そういうことで、例えば、国で避難所のデータベースを持っておって、それで提供するというような、そういう考えはないですか。

○井上国務大臣 今の時点ではそこまでは考えていなかったのでありますけれども、そういう各種の避難についてのデータ、それについてデータベースをつくってだれでも利用できるようにするということ、これは大変いい考えだと思うのでありまして、検討させていただきたいと思いますし、方向としてもそういったことをやっていくのはいい、そんな感じがいたします。

○大口委員 昨日、安全保障と防衛力に関する懇談会というのが発足しました。新たな脅威あるいはBMD導入等、いろいろこれは議論があると思うわけです。
私は、その中で情報収集というのが非常に大事だということで、情報本部というのも防衛庁にできたわけでありますが、周辺の情報、それからアジアの情報、それから世界の情報、これから国際平和協力ということもありますから、そういう点で、情報衛星といいますか、いわゆる偵察衛星といいますか、非常に大事になってくる、こう思うわけです。
昨年の三月二十八日に日本初の情報収集衛星の二機が種子島宇宙センターから打ち上げられ、一機は解析度一メートルの光学衛星で、もう一機が夜間や霧などの悪天候の中でも地上撮影のできるレーダー衛星、こういうことです。ところが、この二機だけでは二日に一回ということでございまして、毎日一回見るにはあと二機必要だ、こういうことでございます。
そして、昨年十一月二十九日にH2A六号機が打ち上げられたわけですが、これが失敗した。そして、固体ロケットブースターのうちの一本が分離できないで、地上から指令破壊という形で失敗したわけであります。
いわゆる偵察衛星というのは地上の情報収集に非常に有効である。それに、例えば、周辺の情報というのは、ヒューミントということを組み合わせれば、アメリカにその情報は違いましたということも言える、そこを我々は目指していると思うんですね。そういう点で専守防衛に果たす役割も大きい。ぜひとも四機体制を早期に実現していきたい、こう思っておるわけです。
そこで、事故調査委員会等で、この事故原因は何なのかということで、十四名から成る、有識者から成る宇宙開発委員会の調査部会というのが開かれ、昨年十一月ですか、そして、この失敗の原因が、ブースターのノズルが削れて穴があいて、燃焼ガスが漏れてブースターを分離する導火線を損傷したと断定して、ノズルの形状変更などを盛り込んだ報告書がまとめられたわけです。
これに対して、宇宙開発委員会の井口委員長は非常に強く反発して、実物による燃焼試験が必要だと宇宙航空研究開発機構に直接申し入れをした、こういうふうに伺っています。
打ち上げ失敗で深海に沈んだブースターノズルは発見できなかった。一九九九年十一月のH2ロケット八号機の打ち上げの失敗のときは、小笠原諸島水深三千メートルのところからエンジンを引き揚げたと「プロジェクトX」でも話題になったわけですけれども、今回は引き揚げられなかった。
そういうことで、この井口委員長はどういうふうに言っているかというと、故障した六号機と同型のロケットブースター四機が残っている、打ち上げの失敗の原因を究明するには、この失敗したのと同型のロケットブースターの実物で燃焼実験をすべきではないかと。損失額で六百三十三億ですね。これに対して、実物のブースターで実験をすれば費用は数億なんですね。
やはり私は、これは実物実験をやった方がいい、こういうふうに考えておりますが、これに対していかがでございましょうか。

○自見委員長 簡潔にお願いをいたします。

○坂田政府参考人 ただいま先生お尋ねの件でございますけれども、事故原因究明をやっておりました宇宙開発委員会の調査部会の報告書案におきましても、今回の事故の原因と考えられます問題につきまして、関連してデータ取得を継続して行うべきであると指摘もなされておりますので、宇宙航空研究開発機構におきましては、この点も踏まえまして、六号機のものと同型の固体ロケットブースターを用いて燃焼実験を実施するという方向であるということを聞いております。
今後、この宇宙機構におきましては、専門家の意見もよく聞きまして、試験の実施の方法、それから、何をデータとして取得するのか、よく検討して対応するというぐあいになっているところでございます。

○大口委員 ありがとうございました。
以上で終わります。

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