大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2005年3月30日

162-衆-農林水産委員会-6号 平成17年03月30日

○篠原委員 今答弁を聞かせていただきましたけれども、新聞紙上では攻めの農政とか元気の出る農政とかいう言葉が躍っていますけれども、城さんが夢に描かれたような意欲的な部分は引き継がれていないのではないかと僕は思います。
皆様方のお手元に資料をお配りしてあるかと思います。それの二枚目の大きな表ですね。「供給熱量の構成の変化と、品目別カロリー自給率」、これを見ていただきたいのですが、これを、約四十年前と今とを比べてみますと、いろいろなことがわかるわけです。どこが変わったかと。
大臣の答弁の中にもありましたとおり、米の消費量が減っているというのは、これはパイが減っているというのはわかります。ですけれども、これはほぼ一〇〇%自給していると。では、どこのところがもっと白くなったか、つまり外国に頼ったかというと、やはりここのところを見ますと、小麦と油脂じゃないでしょうか。だれが見ても、これは小学校一年生じゃわからないかもしれませんけれども、小学校の上級学年になったら、どこをどういうふうにしたら日本の自給率が上がるかということがわかるんじゃないかと思います。いろいろな観点からも言えるわけですけれども、私は、小麦の復活というのが一番自給率の向上に手っ取り早いと思いますが、いかがでしょうか。

○大口大臣政務官 まず、麦というものについては、これはやはり食料自給率の向上にとって重要な作物である、こういう認識に立っております。そして、農林水産省といたしましては、麦の生産条件を改善するために、汎用化水田の整備、新品種や栽培技術の開発普及、また麦作農業者の経営安定対策などの施策を積極的に講じてきたところであります。
また、その結果、小麦につきましては、平成二十二年度を目標年次とする前基本計画の目標を超える水準まで生産が拡大したわけでございます。しかし、需用者が希望する品質や安定供給にこたえられていない、また生産性の向上がおくれている、こういうことで、依然その生産構造が脆弱であり、当面はこれらの課題に対処することが先決である、こういうふうに考えております。
このため、新しい基本計画では、小麦の生産努力目標については、近年の最大生産量としているところでございます。今後、さらに、品質、生産性の向上に向け、実需者ニーズに即した計画的な生産、担い手の規模拡大によるコストの削減等の産地改革を支援することとしております。

○篠原委員 今、大口政務官がお答えになったとおりの延長線上で考えれば、とても八十六万トン、現在八十六万トンで十年後も八十六万トンなどということはできないと思うんですが、今、なぜ、そこまでわかっておられるのに、そういうことをしないのかということですね。
乾田化が進んだ、汎用田化が進んだわけですよ。基盤整備にどれだけ資金を投入しているかしれません。今まで湿地でできなかったところに麦ができるようになったわけです。関東平野以西はみんな麦をつくって、麦の刈り取りをしてから田植えをしていたんです。全部二毛作だったんです。それをやめたわけですね。
麦だと、大豆とかもあるんですが、コンバインだとか乾燥機が米のものと汎用性があって、これも汎用性があって同じものが使えるわけです。だから、麦が一番手っ取り早いわけです。農地が限られている、六百九万ヘクタールほどあったのが、今は四百七十万ヘクタールぐらいになっている、それだったら、二回使った方がいい。耕地利用率が九四%に下がってしまった、それをかつてと同じような耕地利用率一三四%に上げるには、冬あいている田んぼを使う、その方が後々の米の生産にもいいんです。そういったことから、私は麦が一番手っ取り早いと思います。
先ほどミスマッチというのがありました。実需者が必要としているものじゃないんだということでありましたけれども、しかし、それもちょっとおかしいんですね。消費者は望んでいるんです。生活クラブ生協というところで、妻が入っているわけですけれども、そこは国産小麦しか扱いません。絶対、外国小麦は扱わない。毎年途中で打ち切りです。ないんです。どうしてそうなるかというと、皆さん、考えていただくとすぐおわかりいただけるんです。米だと産直とかいって、結構、産地と消費地が直結したりしているんです。もちろん、ミスマッチはあるかと思います。
麦の場合は、政府がかかわらないと難しいところがあるんです。なぜかというと、製粉メーカーが間に入るんです。粉にしないとならないわけです。ですから、需要拡大というのは非常に大事になってくるわけです。
国産麦の需要拡大のために、一体、農林水産省はどのようなことに取り組んでこられたのでしょうか。

○大口大臣政務官 国内産麦の需要拡大に当たっては、もう先生も御案内のように、平成十七年度から、地産地消を初め、産地の創意工夫ある取り組みに対し新たに支援をすることとしております。
具体的には、地元産麦を使用したパン、めん、それから麦御飯などによる学校給食の普及、また地域の生産者、実需者が一体となった麦加工品の開発などを推進してまいります。
また、国内産麦の有力な引き受け手を確保するため、これまでも中小製粉企業が国内産業を活用して、新商品、新技術の開発などに取り組む場合、金融、税制上の支援措置を講じているところであります。今後とも、このような支援を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。

○篠原委員 次のページの表を見てください、「小麦の用途別需要量」というのを。
六百三十二万トンあります。先ほどからありますように、国産が八十六万トンです。どういったところに国産が使われているか、どういったところに、外国から輸入した、アメリカ、オーストラリア、カナダですけれども、使われているか。パン用はわずか一万トン、一%しか使われておりません。
きのう、鹿野委員が指摘されておりました、麦をつくっても製粉工場がないと。製粉工場の図はその次のページにございます。それを見ていただきたいんですが、麦については、本当に農政がめちゃくちゃだったわけですね。麦のことをほとんど考えていなかった。私は、いつか物を書いたときに、猫の目農政の犠牲になったのが麦だということを申し上げましたら、専門家の同僚が、違う、篠原、それは違うんだ、麦については行政が全くなかったんだ、米に翻弄されていただけだと言われました。
私は、全国に友達というか知っている農家がいっぱいいます。この前の食料・農業・農村基本計画で、自給率を五%アップする、そう言って、麦をつくるんだと。麦と大豆と飼料作物、各県にまで計画をつくらせました。そして、目標を立てて。ですから、先ほどの答弁の中にありましたように、二年後に十年後の目標は達成してしまったんです、麦は。お金をつぎ込めばできるという証拠じゃないかと思うんです。
そのときに、全国から手紙も来ました、電話も来ました。篠原さん、本当にこれで農林水産省は麦をちゃんとつくっていいと、今度こそ本当ですねと。なぜそういうことを言ってきたかというと、今までに、麦をつくれと言って、要らない、つくれと言って、要らない、これを繰り返してきたわけです。ですから、生産者は、一体どうなのかと。それで、製粉メーカーはもっと目ざといですから、製粉工場、瞬く間になくなって、すべて臨海地に立地するようなものばかりになってきたわけです。
ですから、どこを押さえれば需要が拡大するかというと、間ですよ。臨海地にばかりあった製粉工場を内陸にもつくるというようなことをプッシュすればいいんじゃないかと思います。北海道を見てください、道東というのを。北海道の東側、北海道の議員の方、おられますかね。東側は米はつくれません、小麦の産地です。ところが、ほとんどないと。
それで、先ほど地産地消とおっしゃいました。私は、帯広に行って地産地消の話を講演でしたことがあります。そうしたら、質問をされました。大豆もキャベツも芋も何でも食べているけれども、生まれてからこの方、自分でつくった小麦を一度も食べたことがないと。どうしてそうなるかというと、本州に来ちゃったり、きのう鹿野委員が御指摘になったとおり、江別にまで行ってしまって戻ってこないわけです。
こういったところをちょっと押さえて、なぜかというと、精米は今コインでできるようになっています。ところが、製粉というのは、粉にするには設備投資がかかるんです。しかし、メーカーは、なぜそれに乗り出せないかというと、また麦なんて要らないと言われてしまうのではないかという危惧があるからです。一定した政策が必要なんです。それをちゃんと中小の製粉メーカーにも伝えるということがいかに大事かということ、こういったことをやっていただければいいんじゃないかと思います。需要は確実にあるんです。
ですから、今、学校給食について、論理的に考えるべきです。
きらら三九七、そんなにうまくないなんて言っちゃ悪いかもしれません。それで北海道は、週三回、米飯給食をしている。そうしたら、道東の人たちは週二回のパン給食を北海道の小麦でなぜしないんだと言っていいはずなんです。そして、それをバックアップすべきなんです。
別にけちをつけるわけじゃないです。高い米、米粉、これはもともと高いものを、粉にしたらまた金がかかって、それで米でパンなんというのはどだいおかしいんです。そっちじゃなくて、麦も、まま子扱いせずにちゃんと嫡出子として扱っていただかないと困るわけです。それを、先ほど申し上げましたように、米の邪魔者みたいに、今せっかくふえてきたら、再び邪魔者扱いし始めているのが現実じゃないかと思います。
しかし、一生懸命やっているところもあるわけです。先ほど鮫島委員が質問されました。技術会議、技術陣は麦を何とかしなければということで、真剣に取り組んできたはずです。小麦の品種改良もかなり進んだんじゃないでしょうか。

○西川政府参考人 麦の品種開発でございます。
特に小麦について申し上げますと、これにつきましては、平成十年に「新たな麦政策大綱」ができまして、それを踏まえまして、日本めん用としては、色相、製粉性を一層重視するとともに、わせ性、穂発芽耐性、赤カビ病抵抗性を有する品種を開発しよう、パン用など特色ある麦品種を開発しようといったことで取り組んできております。
その結果、これまでに、日本めん用では、わせで、めんの食感がすぐれ、製めん適性にすぐれる、これは関東中心になりますが、「あやひかり」。早まきにより一週間のわせ化が可能で、めんの食感がすぐれる「イワイノダイチ」、これは九州中心に、東海地方でもできますけれども、西日本の品種。耐倒伏性にすぐれ、めん色、食感がすぐれる「ふくさやか」、これは近畿中心になろうかと思います。そういった十品種ぐらいつくっております。
また、パン用では、これは最近の成果でございますけれども、北海道向けでは、春まきの「はるひので」に加えまして、秋まきで製パン性にすぐれる「キタノカオリ」、関東以西向けでは、「ニシノカオリ」、「ミナミノカオリ」ということで、七品種をこれまで育成しているところでございまして、現在、作付面積もこれらの品種がちょうどふえ始めている、そういう状況にございます。

○篠原委員 品種改良も着実に進んでいるんですね。
私が聞いているのでは、例えば、「ニシノカオリ」というのを佐賀県で佐賀市長が一生懸命、そこでできた小麦でもってパン給食をしようというのを取り組んでいます。それから、毎日新聞がやっております地方自治大賞というのを、ことしの大賞は今治市が、地元の小麦でつくったパン、もちろん有機野菜とかいうのも、もう地元産、地産地消を地でいっているわけですけれども、米とか野菜だったら幾らでもやっているところがあるわけですけれども、パンにもやっているということで大臣賞をもらっているはずです。このように、やろうと思えばできるわけです。
そして、一番最初のページの資料を見ていただきたいんです、「生産努力目標の比較」というのを。これは、こういう表がなかったので農林水産省に要請いたしましてつくってもらいました、基準年の平成九年、一番直近の十五年がどうか、二十二年の目標値がどうかというのを。
上から二段目の小麦のところを見てください。基準年は五十七万トンだったのに、先ほど申し上げましたように、一生懸命やったので八十六万トンになりました。ですから、二十二年の目標値を超えているわけです。それを、今後十年、八十六万トンで全く変えないという。同じだと。意欲の一かけらも感じられないんじゃないかと思うんです。小麦農家はがっくりしています。
明らかに小麦と大豆なんです、自給率を高めるのは。一体なぜそんなふうになるのかというのを、まじめに検討されたのかどうかということを私は疑うわけです。この点についてはいかがでしょうか。

○大口大臣政務官 先ほども申し上げましたように、国産小麦は、実需者が求める品質や生産性の向上の要請にこたえていない状況にあります。そういうことで、平成二十七年を目指して、日本めん用を中心に、国産小麦の需要を将来にわたって安定確保していく、そしてまた、パン用あるいは中華めん、この割合も一割ぐらいにしていく、ですから、日本めん用の方は五十万トン、六割ぐらい、そしてまた、パン用、中華めんの方は一割、九万トンぐらいを今後目指していくという形で、そういう形で、生産量だけが拡大したならば、現行の需給のミスマッチがさらに拡大する、将来に向けた安定的な需要の確保も難しくなる、そういうおそれがあります。
したがって、新しい基本計画では、小麦の生産努力目標については、近年の最大生産量としているところであります。今後さらに、品質、生産性向上に向けた産地改革の支援に重点的に取り組むことにしております。

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