大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2006年2月28日

164-衆-予算委員会第八分科会-1号 平成18年02月28日

○大口分科員 公明党の大口でございます。
きょうは、地元の諸課題について、大臣並びに局長の皆さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、沼津駅周辺鉄道高架事業についてお伺いいたします。
沼津市は、静岡県東部の拠点都市にふさわしい魅力と活力ある町の実現を目指して、沼津駅周辺総合整備事業の推進に取り組んでおります。本事業は、鉄道を一定区間連続して高架化し、道路との立体交差化、踏切除去と、高架下の土地利用を図ることにより、踏切の事故防止、都市内交通の円滑化、都市機能集積を図る土地利用の促進、周辺市街地との一体的、総合的な都市基盤整備などを実現することを目指しております。
そして、事業の中核となる、貨物駅、車両基地を含む沼津駅付近鉄道高架に伴う都市高速鉄道の決定、これらに関連する高架側道の追加、公園変更に関する都市計画案については、縦覧、沼津市都計審、そして県の都計審の審議を経て、平成十五年一月十日に都市計画の決定及び変更がなされました。
さらには、鉄道高架に先行して必要となる新車両基地造成事業について、平成十五年度に事業認可を取得し、本年三月末には、約九割を超える用地の取得を目指しているところでございます。また、新貨物駅造成事業についても、十六年九月に事業認可を取得し、本格的な用地取得を開始するなど、大きな進展が図られているところでございます。
そこで、御要望させていただいておりますけれども、この沼津駅周辺鉄道高架事業は、鉄道事業者の協力を得ながら、県、市一丸となり、平成十八年度の連続立体交差事業の認可取得と今後の安定財源確保を望んでおり、国としても積極的に推進していただきたい、こう考えておりますが、北側大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
〔主査退席、三原主査代理着席〕

○北側国務大臣 この沼津駅周辺の連立事業につきましては、委員からも、また沼津市長からも直接御要請をちょうだいしているところでございます。
この沼津駅周辺における連立事業におきましては、JRの東海道本線と御殿場線の延長約五・三キロメートルを高架化することによりまして、十三カ所の踏切を除却して、市街地の道路交通円滑化とともに、踏切事故の解消を図るということでございます。
さらには、土地区画整理事業などのまちづくりと一体となって、鉄道によって分断されています中心市街地の一体化を図るものということでございまして、静岡県東部地域における拠点市街地の形成を図る上で極めて重要な事業であると私どもも位置づけをさせていただいているところでございます。
今、委員のおっしゃったように、十五年度に着工準備採択をしておるところでございますが、現在、十八年度中の都市計画事業認可に向けて地元調整中の状況でございまして、国交省といたしましては、引き続き、この事業の促進が図られるよう、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

○大口分科員 大臣から大変力強いお言葉をいただきました。ありがとうございます。
次に、政令指定都市になりました静岡市にとりましても、多彩な交流と連携が図られる便利な交通体系を構築し、各交通網と都市拠点とを結ぶインフラを整備し、災害対策の観点からも道路のネットワーク化をすることが重要な課題でございます。
第二東名自動車道及び中部横断自動車道の早期開通や、静岡空港の平成二十一年度開港、さらには地域高規格道路である静岡東西道路、静岡南北道路、静岡環状道路などの社会資本の整備が静岡市の魅力あふれるまちづくりに不可欠である、こう考えておるわけでございます。
そこで、幹線道路の整備促進の今後の見通しにつきまして、具体的にお伺いをしたいと思います。
まず、地域高規格道路静岡東西道路、静清バイパスの路線をどう整備し、それをいつまでにやるのか、見通しをお伺いしたいと思います。そして、静清バイパスのうち、現在、平面四車線区間の清水区横砂東町から同区八坂西町間の高架化の見通しはどうか。
この二点につきまして、道路局長にお願いしたいと思います。

○谷口政府参考人 お答えいたします。二つ御質問いただきました。
国道一号静清バイパスでございますが、国道一号の交通渋滞の解消のみならず、政令市になりました静岡市の環状道路の一部として大きな役割を期待されているということでございます。
全体延長二十四・二キロメートルの大きなバイパス事業でございますが、これまで順次整備を進めてきておりまして、平成九年三月までに全線暫定二車線で供用を図ってきたところでございます。その後、渋滞の激しい地区について四車線化及び立体化を進めてきておるところでございまして、平成十六年度末で四車線化になっておりますのは六・五キロメートル、また、六分の四でございますが四車線になっているところが〇・二五キロメートルということになっております。
現在、千代田上土・唐瀬地区の平成十七年度末、今年度末の四車線供用を目指し、鋭意、最後の仕上げをしているところでございます。また、八坂・鳥坂地区の四車線化及び昭府地区の暫定二車線での立体化につきましても、鋭意、工事を進めさせていただいておりまして、平成十九年度供用を目指しているところでございます。
賤機山トンネルの四車線化につきましては、こうした前後区間の整備状況等を勘案し、整備着手の時期を検討させていただければと思っておる次第でございます。
また、静岡市清水区横砂東町から八坂西町間の高架化の見通しについてお尋ねがございました。
この区間につきましては、平面四車線で昭和四十九年十一月に都市計画決定が行われて、それに基づいてこれまでに平面四車線で供用を図ってきたところでございますが、その後、当該区間におきまして、清水港への交通などの増大により渋滞が激しくなってきたことから、平成十三年度より、地元自治会、関係行政機関等と一体となって、立体化に向けた調査検討に着手させていただいたところでございます。
平成十六年度には、地元自治会等からの提案を専門的立場から公正に整理、分析するため、第三者機関の清水立体有識者委員会を設置し、平成十七年七月に、望ましい整備のあり方について提言がなされたところでございます。この提言を踏まえまして、現在、都市計画変更に必要な予備設計、二千五百分の一で調査を実施させていただいているところでございます。
引き続き、関係機関等との調整を進めさせていただきまして、できるだけ早い時期の都市計画変更を目指して調査を推進させていただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。

○大口分科員 さらに、中部横断自動車道、第二東名から中央道の整備の見通し。これも、先般の国土開発幹線自動車道会議で、静岡市については有料方式ということでございますけれども、その整備の見通し、それと、東名から清水港へのアクセスとなる道路計画の方針についてお伺いをしたいと思います。

○北側国務大臣 中部横断自動車道は、静岡市を起点といたしまして、長野県の佐久市に至る高速自動車国道でございますが、東名、中央そして上信越自動車道とネットワークを形成することによりまして、広域的に経済振興等に非常に資する路線というふうに考えております。
しっかりとこの高速道路がネットワークとして早くつながるように、早期完成に向けて、地元の御理解、御協力を得ながら、事業を推進してまいりたいと考えているところでございます。

○大口分科員 あと、清水港への……。

○北側国務大臣 済みません、一つ忘れまして。
清水港との連携というのは、物流を効率化していくためにも極めて重要であると考えております。この高速道路網、東名とこの清水港とのアクセスをどうしていくのか、地元とよく調整しながら検討を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
地元におきましては、清水港関連道路網協議会の準備会というのが既に設立されておりまして、もう既に御議論も始まっていると聞いております。しっかりこの準備会の御議論を見守らせていただいて、このアクセスがいかなる形になるか、これは今後の議論でございますが、国土交通省といたしましてもしっかり支援をさせていただきたいと考えております。

○大口分科員 近年、集中豪雨が頻発し、都市部での浸水被害が増大しております。その背景には、かつての農地や山林などが宅地や道路などに変わり、雨水が地下に浸透しづらくなり短時間で一気に河川に流出してしまう、こういう状況があると思います。
平成十五年の七月と平成十六年の六月に甚大な浸水被害に見舞われました静岡市(特に長田地区など)では、このたび浸水対策推進プランを発表しました。これは、一に、浸水対策施設整備計画ということで、浸水常襲地区四十一地区に対して重点投資による対策の推進をする。そして、総雨量の五%分、これは雨水の流出抑制対策でやるということで、流出抑制対策重点地区実施計画ということで、重点地区として、巴川流域、下川原、登呂の三地区を指定し、市所管施設へ貯留浸透施設を計画的に整備、国、県、その他の公共団体の施設への協力依頼、大規模民間施設への指導、各家庭への貯留浸透施設の設置促進。そして三番目に、超過降雨における事前情報提供による自助の促進。こういうことが盛り込まれているわけでございます。
そこで、河川局長にお伺いしたいんですが、一つは、国として総合的な治水対策を推進すべきではないかということと、これらの浸水被害に対応するために、下水道による都市浸水対策も積極的に進めるべきではないか、この二点、お伺いしたいと思います。

○渡辺政府参考人 静岡の市内におきましては、平成十五年の七月の豪雨、また十六年六月豪雨で大変大きな被害が発生いたしました。今委員のお話にあったとおり、平成十八年の二月に静岡市で、静岡市浸水対策推進プランというものを作成いたしまして、河川や下水道の施設に入る前に一時的に雨水をためたり、また、地下に浸透させたりする、そういうような流出抑制施設を、巴川流域、また下川原流域地区、そして登呂地区において重点的に実施するというふうに伺っております。
このうち、巴川につきましては、昭和四十九年七月、いわゆる七夕豪雨で大変大きな被害がありましたので、昭和五十四年度から、総合治水対策特定河川ということで、河川改修と雨水貯留施設を組み合わせて対策を実施しているというところでございます。
大口委員の御指摘のとおり、河川改修と雨水貯留施設などの流域対策を一体としてやるということは大変重要なことだというふうに私ども考えておりまして、今お話のありました下川原地区の丸子川、また登呂地区の浜川等につきましても、静岡県、静岡市の進めます総合治水対策を積極的に支援していきたい、こう考えております。
あと、もう一点につきましては、都市局長の方から。

○柴田(高)政府参考人 御指摘いただきましたように、都市の浸水対策につきまして、下水道も非常に大きな役割を果たしてございます。
御指摘の静岡市の浸水対策推進プランの中でもきっちり位置づけられているわけでございまして、本プランでは、下水道によります対策といたしまして、九地区のポンプ場、一地区の貯留施設と、これに関連する雨水管渠等の整備を推進することとされております。これは、巴川流域、下川原地区、登呂地区でございます。
また、十八年度予算におきまして、下水道総合浸水対策緊急事業の創設を今お願いいたしているところでございまして、多発する都市型水害の現状を踏まえまして、安全かつ安心な社会の実現に、ハード対策にソフト対策や自助を加えた総合的な対策をとることによりまして重点的かつ計画的な対策をとっていきたいというふうに考えてございます。
国土交通省といたしましては、静岡市のお考えを十分お聞きしながら、下水道総合浸水対策緊急事業などを活用いたしまして、雨水管渠やポンプ場、貯留浸透施設などのハード整備に加えまして、内水ハザードマップの作成、情報提供などのソフト対策、各家庭への貯留浸透施設の設置などの自助による総合的な都市浸水対策を積極的に支援してまいりたいというように考えております。

○大口分科員 本当に、夏、集中豪雨があると、雨が降り出すともう眠れなくなる、そういう住民の思いをぜひとも受けとめて、対策をお願いしたいと思います。
去る二月の二十一日、北側大臣に静岡県の富士市の鈴木尚市長から説明をさせていただきましたように、富士市は、交通体系の将来像を構想する中で、公共交通を動く公共施設と位置づけ、公共交通の基軸としてDMV、デュアル・モード・ビークルの導入に取り組み、一、早期の実用化に向けた支援の充実、二、DMVの新しい活用方策を視野に入れた技術基準等の整備などを要望しております。
そこで、大臣にお伺いしたいと思います。
JR北海道が開発中のDMVに試乗されたと聞いておりますが、大臣として、まちづくりへの活用を含め、このDMVの将来性をどうとらえておられるのか、お伺いしたいと思います。
二点目に、大臣が札幌でDMVを視察された後、記者会見で、早期実用化を踏まえた関係法令の改正について、一番大事な安全確保ができる仕組みをつくりながら、できるだけ早く検討したい、こう表明されています。早期導入のための環境整備をどう進めていくのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います

○北側国務大臣 このデュアル・モード・ビークルでございますが、わかりやすく言いますと、マイクロバスが鉄道の上も走る、そして道路も走る、鉄道と道路を両用できる車両でございます。
現在、JR北海道が独自に開発を進めておるところでございまして、今委員がおっしゃったように、私も先般乗せていただきました。意外に速度も速くて、乗り心地も決して悪くありませんし、私の第一感で感じたのは、これから過疎化していく地域においてこれは公共交通機関として非常に有用であるなということを感じました。地域の鉄道、バスの交通ネットワークをやはり維持していくためにも、また、公共交通の活性化に資する新たな地域の足としても、非常に私は期待ができるところというふうに考えているところでございます。
やはり公共交通機関でございますので、何よりも安全の確保を十分に図って実用化を図っていくことが必要でございまして、JR北海道の方は平成十八年度に開発を終えたいという目標でございます。可能な限り早期に実用化できるように、安全面からの技術的な課題等につきまして、しっかりと私どもも支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
また、実用化に向けましてはさまざま課題がございます。今年度は、国土交通省といたしましては、実用化に向けまして、安全運行のために解決すべき技術的課題の整理を進めているところでございます。
こうした整理を受けまして、今後は、事業者における安全上必要な事項の確認や導入に向けた社内基準の検討、これも進めていく必要があるわけでございますが、国におきましても、制度面の対応などにつき、鉄道局それから自動車交通局の連携のもと、速やかに検討を進めさせていただきたいと考えております。必要な環境整備を早く進められるように頑張ってまいりたいと考えております。

○大口分科員 北海道の場合は地方路線の存続。ただ、この富士市の場合は公共交通の基軸、まちづくりの基軸としていきたいということで、過疎地ではなく都市部においても非常に大事である。そこをもう一度、大臣、お答えいただきたいと思います。

○北側国務大臣 JR北海道の場合は、そういう意味では過疎化に伴う公共交通をきちんと維持していくために非常に有益な取り組みである。
今おっしゃったように、富士市においてはそうではないということは承知しております。新幹線とつなげていこうという非常に大きな、地域の中の主要な公共交通機関として活用していこうという取り組みであることは、私もよく承知をしておるところでございます。

○大口分科員 次に、浜松市の中田島砂丘の保全についてお伺いしたいと思います。
この浜松市南部の太平洋側に広がる中田島砂丘は、日本三大砂丘の一つと数えられ、東西約四キロメートル、幅五百メートルの規模があり、美しい風紋に魅せられて、毎年百万人以上の観光客が訪れています。また、国際希少野生動物種に指定されたアカウミガメの産卵の北限地として、観察や子ガメの放流会に訪れる親子や環境保全のボランティアの団体や市民でにぎわっております。
しかし、昭和三十年代に天竜川に多数のダムが築造された結果、遠州灘への流下土砂量が激減し、最大二百メートルも海岸が侵食され、かつて雄大な景観を誇っていた砂丘は消失しつつあり、台風などの高潮に脅かされる状況になっております。さらに、予想される東海大地震を前に、津波などの海岸災害に対する防護機能の大幅低下による沿岸住民の生命や家屋、農地への被害などが懸念されるに至っております。遠州灘の海岸全体の侵食対策が喫緊の課題となっておるわけでございます。
そこで、国の天竜川ダム再編事業において、侵食の激しい遠州灘海岸への環境保全及び治水事業に十分配慮しつつ安定的な土砂供給を図るべきである、こう考えますが、国はどう考えておられるか。そして、海岸事業としても侵食対策に取り組むべきではないか。この二点、河川局長にお伺いします。

○渡辺政府参考人 今委員の方から、遠州灘海岸の侵食対策、そして中田島砂丘の対策ということで御質問がございました。
天竜川ダムの再編事業につきましては、天竜川の沿川ではこれまでもたび重なる洪水被害、また土砂災害に見舞われている、あわせまして、下流河道におきます河床低下、また、れき河原の減少、遠州灘海岸におきます侵食の発生など、大変さまざまな問題を抱えているところでございます。
この天竜川ダム再編事業は、このような諸課題に総合的に対応するために、既設の佐久間ダムを活用して洪水調節容量を確保するとともに、上流から下流海岸まで総合的な土砂の管理を行って、治水安全度の向上、自然環境の改善、海岸の侵食防止等を目指す事業でございます。この事業は、平成十六年度に実施計画調査に着手して以来、事業計画の策定と早期の建設事業着手のために、佐久間ダムを管理します電力事業者と連携して、土砂に関するさまざまな調査を進めてきたところでございます。
本事業は、天竜川沿川の諸課題の総合的な解決を目指す重要な事業であり、これによりまして、天竜川下流域の安定的な土砂供給を早期に実現し、遠州灘海岸の侵食の防止にも役立てていきたいと考えているところでございます。
また、中田島砂丘につきましては、日本を代表する美しい砂浜海岸ということで、委員のおっしゃったとおり、三大砂丘といいますのが鳥取と九十九里と中田島、こういうふうに認識しておりますけれども、この砂浜がなくなるということは大変大きな問題だというふうに考えております。
景観、利用面だけではなくて、高潮の問題等も生起するということでございますので、早急に侵食対策を講じる必要があるというふうに考えているところでございます。具体的には、県とよく調整しながら、進め方について考えていきたい、こう思っております。

○大口分科員 今、海岸事業について局長から大変前向きの答弁をいただきまして、ありがとうございます。
次に、平成十一年四月十六日、私は、衆議院の当時は建設委員会におきまして、汀線測量それから深浅測量の全国調査、それから安倍川をモデルにした総合土砂管理計画の策定、海岸堤防が老朽化している問題から海岸堤防の総点検等について質問をいたしました。その後の進捗状況についてお伺いをしたいと思います。
まず、安倍川の総合土砂管理計画の途中経過と今後の事業計画への取り組みについてお伺いをしたいと思います。
そして、静岡・清水海岸の侵食対策について、以前の砂浜幅の七十メートル以上まで回復するのに四十年ぐらいかかる、当時こういうふうに答弁されたわけですが、現在の海岸侵食対策の取り組み状況と砂丘回復の見通しについてお伺いしたいと思います。

○渡辺政府参考人 安倍川の総合土砂管理及び静岡・清水海岸の侵食対策につきまして、回答申し上げたいと思います。
安倍川の総合土砂管理につきましては、平成十年七月の河川審議会総合土砂管理小委員会からの報告を踏まえまして、総合土砂管理計画の策定を目指して、洪水時から平常時まで土砂移動の量と質をとらえるために、モデル河川において調査に取り組んできたところでございます。
安倍川におきましても、このモデル河川の一つといたしまして、これまでに十四カ所の雨量観測、七カ所の水位・流量観測等を毎年実施するとともに、十二年度からは出水時及び平常時の流砂量の観測を開始しまして、現在七カ所で実施しているところでございます。また、十六年度からは、レーザープロファイラー計測によります河床変動調査を実施するとともに、れきに低周波発信器を埋め込むことによる土砂の移動追跡調査等を行っているところでございます。
今後とも、大きな石は捕捉しますが細かい土砂は流すようなスリットダム、こういうものの整備等を進めながら、現地における観測等の土砂移動モニタリング等を行い、精度の高いモデルを構築して、総合的な土砂管理計画の策定を目指していきたいと考えております。
もう一点でございますけれども、静岡・清水海岸の侵食対策につきまして、これは、抜本的な対策としては、安倍川から海岸へ供給する土砂を増加させるということかと思っています。
このために、昭和五十五年に骨材採取等を目的とする土砂採取を禁止したところでございますけれども、これだけではなかなか回復ができないということから、安倍川から供給される土砂が砂浜を回復する効果を発揮するまでの間の措置として、安倍川に堆積した土砂を海岸に人工的に搬入する養浜対策、またヘッドランド等の整備を実施してきました。これによりまして、最も侵食が進行した時期は一部区間で全く砂浜がなくなったという状況ですけれども、今は全区間で四十メーター以上の砂浜が戻ってきたという状況にあります。
委員に御答弁した平成十一年当時の予測では四十年を要するという見通しでありましたけれども、現時点の回復状況は、おおむね順調に回復しているところだというふうに考えております。

○大口分科員 また、静岡・清水海岸における堤防の津波に対する安全点検の結果はどうなのか。
それから、平成九年の河川法の改正に伴って、これまでの治水、利水に加えて、河川環境の保全が法の目的として追加されたわけです。安倍川は冬場に表流水がかれ、自然環境に深刻な影響が出ている、こういう心配の声も寄せられておりまして、河川環境の保全の観点から、安倍川を今後どう整備していくのか、お伺いしたいと思います。

○渡辺政府参考人 二点御質問がございました。
一点は、静岡・清水海岸におきます堤防の安全性の点検結果でございます。
これにつきましては、海岸堤防や護岸が津波に対して、また地震に対して所定の高さを確保しているのか、安全度を確保しているのかということで、平成十六年度に全国的な点検を実施したところでございます。
その結果によりますと、東海地震を想定した地震また津波に対しまして、静岡・清水海岸の堤防延長十七キロのうち、地震についてはすべての堤防で満足しているという結果が出ております。また、高さにつきましては、一部百十七メーターですけれども、津波高よりちょっと低い状況にありましたけれども、ここの箇所につきましても、背後地に堤防より高い道路がございまして、これを考えますと、おおむね必要な安全性は確保されている、こういう結果になってございます。
もう一点、安倍川の問題でございますけれども、これにつきましては、今、委員の御指摘のありました安倍川の水の問題がございます。これにつきましては、今、河川整備計画の策定を進めているところでございまして、これは平成十六年六月に河川整備基本方針を策定して、整備計画の策定に向けた今作業を進めているところでございます。
これに当たりましては、安倍川流域委員会の学識経験者の先生方から御意見を伺うとともに、地域の方々の意見を踏まえまして必要な措置をとっていきたいと考えております。現在の見通しでは、十八年中には河川整備計画を策定して必要な対応をとっていきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

○大口分科員 どうもありがとうございました。

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