大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2007年3月22日

166-衆-日本国憲法に関する調査…-1号 平成19年03月22日

○大口委員 公明党の大口でございます。
本日は、本田公述人、山花公述人、高田公述人、大変貴重な御意見、ありがとうございます。私の方からお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、この国民投票法につきまして、本来であるならばいつごろまでに制定しておくべきことであったのか。例えば本田公述人は立法の不作為であるということでありましたら、憲法は施行して六十周年でございますから、やはり制定して、ある程度の期間にはつくっておくべきであったのではないかというお考えなのかな、こういうふうにもお伺いできるわけですね。あるいは山花公述人は必要だと、本来であればいつごろまでにつくっておくべきであったのかな。そして、高田公述人は多くの有権者の機運が盛り上がってきてからという御意見でございました。そういう点で、本来いつごろまでにつくるべきであったか、そして、どういう条件が必要なのか、また、世論が盛り上がってということですが、それは一体どういう場合なのか、御三人にお伺いしたいと思います。

○本田公述人 今の大口先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
いつごろつくっておくべきだったのか、そもそもの話になりますけれども、現行憲法がつくられたときにそういう個別法があった方が望ましかったのだろうと思います。ただ、今さら六十年さかのぼってどうのこうのできるわけではございませんので、そういう意味では、先ほど冒頭申し上げましたように、せっかく調査会あるいはこの特別委員会の先生方の御努力によって機運が醸成されていますので、いいタイミングになりつつあるのかなというふうに思っております。
以上です。

○山花公述人 私も、本来であれば現行憲法が制定された直後に制定されるべきものだったのだろうというふうに思っております。
これは言ってもせんないことなので、つまりは、制定直後に、直後といいましょうか、その後、朝鮮情勢などがいろいろあって警察予備隊が組織され、保安隊となりという、そういった中で憲法の課題が政治的なイシューになってしまって以降は政治的にも難しかったんだろうなということは想像にかたくはありませんけれども、本来であればやはり制定直後だったのだろうなと思います。
それと、なぜこういった議論が今まで起きてこなかったかということで申しますと、まさに憲法の課題というのが政治争点化してしまっていましたので、国民投票法をつくるということは改憲の入り口だとかそういう議論になってしまって、今でもそういう議論はあるんだと思いますけれども、そうであるとすると、本来であればニュートラルであるべき法律をつくろうという審議をするに際しては、これは大変恐縮ですけれども、各党とも改憲案みたいなものをばんと出さないで、出すからそのための一里塚だなんという話になってしまうわけですから、方向性として我が党はこんな感じですぐらいのところでとどめていただくということがいいのかなというふうな印象を持っております。

○高田公述人 この法案が今日までなかったということは、国会議員の皆さんがサボってきた、国会がサボってきたからなかったんだというふうには私は思いません。やはり、ないにはないなりの、つくられないにはつくられないなりの経過と理由があった、これは私が言うまでもないことだろうと思うんですね。それを、国会議員の皆さん、皆さんといってもすべてではないですけれども、それを立法不作為論で言うのは何とも私には理解しがたい。同じ党の流れを踏んで今日政党が存在しているのではないでしょうかということを一つは言いたいと思います。
それから、国民の中で改憲の世論が盛り上がったときにとはどういうことかというお尋ねですけれども、私は、少なくとも今憲法を変えろという国民の運動が盛り上がっていないと思うんです、変えるなという運動がたくさんあるのは知っています。それで先般は自由民主党はこれから改憲の国民運動を盛り上げようではないかという決定をしたんだと思うんです。盛り上がっていればこんなことを決めるわけはないわけで、これからの話だと私は理解しています。

○大口委員 次に、本田公述人にお伺いしたいと思います。
本田公述人は、この国民投票法の中に国会法の大きな改革が入っているということで、これは議運あるいは議会制度協議会で十分議論をすべきだ、こういうお話でございました。
ただ、これにつきましては、私も議運のメンバーではございましたけれども、この特別委員会に与党と民主党の案を付託する、議院運営委員会で国会法の部分も含まれた法案を付託することについて決定をさせていただいておりますし、また、中山委員長、筆頭の保岡先生も議運の理事会に見えられて経過報告をされた、そういう手続にのっとっていることを御理解いただきたい、こういうふうに思っております。
その上で、この憲法審査会、そして合同審査会、また、審査会の定足数、立法期による制限、こういうふうにかなり憲法審査会というものが特別の位置にあるということはそのとおりであろう、こういうふうに考えております。
そこで、この憲法審査会につきましては、いろいろな権限が議論をされております。非常に憲法審査会に対していろいろなお考えを持っておられるということでお伺いしたいと思いますが、まず、合憲性審査の機能ということについてどうお考えなのか、それから、基本法制の調査権についてどうお考えなのか、この二点をお伺いしたいと思います。
〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕

○本田公述人 今の御質問にお答えする前に、先生おっしゃったことでちょっと申し上げたいんですけれども、確かに議運と所管の整理ができていることは承知しております。ただ、法案の中身を見てみますと、その整理だけで済むのかという疑問を持っているわけです。何度も申し上げますけれども、国会のあり方、議会政治のあり方、あるいはこれまでの議案審議のあり方にかかわる重要な部分が随分盛り込まれているわけですので、それは議運との連合審査、できれば議会制度協議会において最終的にもう一度確認をしていただきたい、そういうことで申し上げていまして、別に、ここがおかしいことをしているとか、そういうふうには私は全然申し上げておりません。
憲法審査会の役割ですけれども、合憲性の判断ですとか、あるいは基本法制、そういうものの提案は最終的には政治判断といいますか、立法政策としてお決めいただければよろしいんじゃないかと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、どうしてもひっかかっておりますのは、その位置づけが明確にならないと、どういう権能を与えるか、なかなかそこまでの議論に進まないのかなというふうに思っております。
以上です。

○大口委員 山花公述人につきましても、この憲法審査会の合憲性審査権、あるいは基本法制の調査権についてお考えがあればお願いしたいと思います。

○山花公述人 憲法審査会のというか、今の合憲性審査権であるとか基本法制に関する審査権についてですけれども、これは評価をされてよいことだと思います。
実は、こういった仕組みをとらないと、私はかねてより、かつて、この場でというのはちょっと違うんですけれども、憲法調査会の方で発言をさせていただいたことがございますけれども、例えば予算委員会などで与野党の議論が紛糾をして、最後に憲法の適合性はどうなんだという議論になると、内閣法制局の長官が出てきて、こうでございますと。あたかも何か政府の見解を、政府のというか、それが最後の国会での決着みたいな形で出てくるというケースが間々ございました。
ただ、内閣法制局というのは内閣法制局設置法に基づいて設置されている内閣を補佐する一部局にすぎなくて、その局長さんがあたかも合憲性の審査権を持っているかのような国会のこれまでの運営をするよりは、むしろ第一次的には、過日小林節先生もここでおっしゃっておられたと思います、第一次的な合憲性審査というのは本来は国会がやるべきことでございますので、そういったところで合憲性の審査であるとかあるいは基本法制の審査を行うというのは、むしろその方が自然な姿ではないかと考えております。

○大口委員 特に合憲性の審査権につきましてはいろいろ十分に慎重に議論はしなければならないと思うわけでありますけれども、この点についてはさらに議論を進めていかなければいけないな、こういうふうに思っております。
そこで、今回、この国民投票について対象をどうするか、これは今最大の争点になっているわけでございます。もう御案内のとおりでございます。それに対して本田公述人は、あくまで原則論を立てて一般的な国民投票については否定的である、こういう原則論を立てていただいたわけでございます。それに対して山花公述人は、どこかでこの制度は導入しなきゃいけない、今ちょうどこの審議をやっているのだから、民主党の案の中に入っているのであるから、ここで議論をすべきではないか、こういうことでございました。
そこで山花公述人にお伺いしたいんですが、一つは、確かに先生がおっしゃるように諮問的であるならば、憲法四十一条、唯一の立法機関であること、また、国会が、二つの例外があるんですが、単独で決められるということには抵触はしないと思いますが、ただ、諮問的であるにしましても、国民投票というものが事実上の拘束力があるということは先生もお認めになったのでありますけれども、非常に政治的な拘束性がある。そういうことからいって、この扱いについては十分考えていかなきゃいけない。まさしく本田公述人がおっしゃったように、議会制民主主義の根幹にかかわるものである。そういう点で、これはこれでしっかり議論をしていかなければならない、こういうふうに思うんですね。
ただ、憲法に係る事項については、例えば、江橋公述人も午前中お話をされておりましたが、江橋公述人はこういうふうに述べています、「憲法改正に際しては、早い段階で、改憲作業に入ることの是非と、その場合にどの部分をどのような方向で改正するべきなのか、一度は国民の意向を聞くべきであろうと考えております。こうした最初の段階の手続を省略して、国民の意向も聞かずに議会内で改正の作業を始め、改正案ができて初めて国民の同意を求めるというのは、いかにも一方的で不十分ですし、その結果、国民の意向との間にそごが生じ、肝心の国民投票でせっかくの改正案が否決される危険性も高くなります。」と。こういう憲法事項についてはこういう予備的な国民審査というものを提案されています。小林節教授もそういうことを言っています。
そこで山花公述人に、どういう場合に、一般的なもので制限をしないでやればいいというお考えもあるわけですけれども、先生がおっしゃっているように例えば七割、八割の賛成が必要な場合もあれば、過半数でいい場合もあるということで、憲法の改正の国民投票とはある意味では質的に異なる部分があるわけですね。そういうことからいいますと、その部分は切り離したらどうなのか。
ただ、今江橋公述人の考えを御紹介しましたが、憲法に係る事項について予備的な国民審査はやっていいのではないか、こういう考えもあるんですね。ここら辺についてお伺いをさせていただきます。

○山花公述人 一応私も申し上げたつもりではあったんですけれども、原理原則としては、私は国民投票を何でもかんでもやれというのは非常にネガティブです。むしろ、代表制民主主義の根幹ということでいえば、そんなのはめったにやるべきことだとは思っておりませんということが一つ。
ただ、話が繰り返しになってちょっと恐縮ですけれども、ドイツ的な発想でいくんですかという話で、そうじゃなくて、どこか補完すべきところがあるのではないですかというスタンスですので、その上で、テーマについてはむしろ本当に絞っていかないと、これも本論で申し上げましたとおり極めて政治が無責任になるおそれがあって、いざ解決に困ったら、じゃ、国民投票でもやろうやというような話になってしまうのはよろしくないと思いますから、例えばどういうテーマでやるかという手続のところで、一つの考え方ですけれども、全会一致でなきゃ発議できないとか、そういうことでいうと、一つのヘッジになるのかなというふうに考えております。
そして、御質問のまさに中心的な点ですけれども、憲法事項については予備的な調査はいいのではないかという話が小林先生からもあったことは承知しております、きょうは江橋先生からもあったということですけれども。憲法事項についてであればよいという根拠は一体何なんでしょうか。つまりは、法律をつくるのも国会の権能である、それについて諮問的にやっちゃいけないという発想からすれば、憲法の改正の発議をするのは国会ですから、それについて予備的にやるというのもいけないという議論になるはずです。先ほど私が例えの中で六割、七割の賛成が必要なケースもありますよねと言ったことから、御質問では質的に異なるんじゃないですかということなんですけれども、法的性質について申し上げますと、それはたとえテーマが憲法の課題に関してであっても、そうじゃなくて今の民主党案であったとしても、法的性質については一緒のはずです。
ですから、区別してやったらどうかというお話であるとすると、既に当委員会に付託されている案件なのですから、別に挑発をしているわけではありませんけれども、もしそういう案があるんだったら、それを示してこの場で議論をして、そこで本当に必要なのか、あるいはどういうやり方があるのかという議論をこれからもやっていただければいいのかなというふうに思っております。

○大口委員 ただ、先生も七割、八割の賛成でいい場合とそうでない場合とを場合分けしておられますね、この国民投票について必要な賛成の割合を。それは、要するに法的な違いですね。そうなってきますと、事項によっては法的な違いがあるんじゃないでしょうか。

○山花公述人 つまりは、憲法を対象とする予備的な投票であったとしても、私が七割とかそういう数字を出しちゃったから混乱してしまっているのかもしれませんけれども、そうでないものであったとしても、諮問的なものであって、例えばそれをクリアしたから法律をつくらなければいけない、あるいは憲法改正のこういう原案をつくらなければいけないというようなものではないという意味で、あくまでも諮問的なものですから、法的性質としては一緒のはずですよという話をさせていただいているわけです。

○大口委員 以上で終わります。ありがとうございました。

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