大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2007年3月29日

166-衆-日本国憲法に関する調査…-4号 平成19年03月29日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。早速質問させていただきたいと思います。
百六十四回国会において、与党、民主党、それぞれから法案が提出され、本委員会において精力的に議論が行われてきたわけであります。そして、一昨日、併合修正案という形で、与党案と民主党案を尊重した形の修正案が出されたわけでございます。
そこで、具体的にお伺いをしてまいりたいと思います。
三月二十二日に、江橋公述人が、「私は、憲法改正に際しては、早い段階で、改憲作業に入ることの是非と、その場合にどの部分をどのような方向で改正するべきなのか、一度は国民の意向を聞くべきであろうと考えております。こうした最初の段階の手続を省略して、国民の意向も聞かずに議会内で改正の作業を始め、改正案ができて初めて国民の同意を求めるというのは、いかにも一方的で不十分ですし、その結果、国民の意向との間にそごが生じ、肝心の国民投票でせっかくの改正案が否決される危険性も高くなります。」こういう公述をされております。私は、この御意見については、非常にこれを尊重すべきである、こう考えておるわけであります。
まず、国民投票の対象についてお伺いをしたいと思うんです。
今、この趣旨説明のところで、附則十二条の解釈として、憲法問題予備的国民投票とでも言い得る法制度を中心とした一般的国民投票制度については、この法律の公布後速やかに検討を行って、その検討条項を附則に置くこととする、こういうことでございます。
そこで、この憲法問題予備的国民投票というものは江橋公述人が公述されたものと同じものなのか、それから、この憲法問題予備的国民投票とでも言い得る法制度を中心としたということでありますが、中心というのは周辺もあるわけですね、この中心部分と周辺部分についてお伺いをしたいと思います。

○赤松(正)委員 今大口委員が御指摘をされました国民投票の対象についてでありますけれども、先ほど御指摘になったように、先般の中央公聴会で法政大学の江橋崇公述人が指摘をされたこと、あるいはまた、以前、私もこの委員会におきましてそういう可能性について言及をいたしたことがございます。
民主党の皆さんの方から提起されているいわゆる国政上の重要課題についての国民投票というのは、別途検討しなければいけない課題である、こんなふうに思いますけれども、個別の憲法改正の対象を何にするのか、国民の意図はどの辺にあるのかということについては、この法律の中に定められております憲法審査会において、私どもがしっかりとこれから現行憲法のありようについてあらゆる角度から議論をしていくという状況と、並行した形で予備的に国民の意思を同時に確かめる、そういう意味合いで諮問的な予備的な国民投票というものが必要ではないか、そんなふうな考えから今の附則の中に置かれているということでございます。
ただ、先ほど平岡委員に対する答弁の中でありましたように、幾つかの点で具体的な制度設計をする上において重要な課題があるというふうに思います。なかなかそう簡単にはいかないところがあるので、その辺のことについて、先ほど四点ほどありました、意義あるいは必要性、あるいはどういうものを対象にするのか、また、発議の形式をどのようにするのか、議決要件をどうするのか、そういった具体的な制度設計については相当に突っ込んで検討しなくちゃいけないということがありますので、その是非も含めて憲法審査会の場においてしっかりと議論をし、詰めていく必要がある、こういうふうな考えでございます。

○大口委員 次に、投票権年齢についてお伺いをしたいと思います。
この修正案附則三条一項に、この法律が施行されるまでの間に、これは三年ですね、公職選挙法、民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとすると規定されているわけです。ここで必要な法制上の措置を講ずるということについて今御説明もあったわけでございますけれども、公職選挙法、民法、その他二十八本の法令がある。そこで、この三年間の間に、どれとどの法については法改正までやる、法改正プラス施行までやる、どの法律については法改正までで施行までは間に合わない、こういうふうに最低限どういうものについて必要な法制上の措置を講ずるべきなのか、これについて明確にお答え願いたいと思います。

○船田委員 お答えいたします。
先ほども平岡委員にお答えしたところでございますが、また、今、大口委員おっしゃるように、公選法、民法、これは二十の年齢に非常に密接に関連をした法令であります。この国民投票法案が十八にする大前提として、少なくともこの二つは改正をしなければいけないと思っております。ただ、改正をして公布をいたします、それから施行するまでの間、いわゆる準備期間なり周知期間というのがあるわけですが、それはそれぞれ法令の種類、内容によっていろいろ変わり得るわけであります。
したがって、私どもは、その二つの法律についても、あるいはそれ以外の法律についても、改正をまず三年以内にきちんと行う、必要なものはきちんと行う、しかし、その施行については三年から後になっても一定期間は許されてしかるべきであろうと。改正は少なくとも必要なものは全部やる、こういう考え方でございます。
ただ、どの法律を改正すべきかどうかということについては、今明確に申し上げるわけにはいきませんで、これからのまさに検討課題であるということでございます。ただ、この二つの法律を含めて改正をした上で、さらに関連する法律の改正をある程度必要なものは行いまして、そして、附則の第三条に国民投票法のいわゆるストッパーがついておりますので、これを削除するかしないかということは、そのときに改めて判断をする、こういうことになろうかと思っております。
ただ、私、個人的に考えておりますのは、この三年間の間にできれば少なくとも公選法につきましては施行されることが望ましい、このように考えております。
なお、仮に三年という期限ぎりぎりに法改正がなされたとしても、その数カ月後には施行適用されるものだ、このように承知をしております。

○大口委員 次に、公務員等、教育者の地位利用による国民投票運動の禁止規定についてお伺いをいたします。
本委員会では、与党案原案について地位利用という概念があいまいではないかという指摘がございました。これを受けて、修正案の百三条で「その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して、」こういう限定が加えられたわけであります。
この修正した条文は、公職選挙法における地位利用による選挙運動の禁止規定と意味内容は同じであると理解してよろしいのか、これがまず一点。
それから、与党原案では地位利用禁止規定に違反した場合罰則が設けられていましたが、百三条に違反しても罰則規定は存在しません。違反行為に対してどのような制裁が予定されているのでしょうか。
それから、本委員会において公務員職権濫用罪で対応するという議論もあったと記憶しております、私も議論いたしました。国民投票の場面ではどのような行為があれば公務員職権濫用罪で対処することになるのでございましょうか、お答え願いたいと思います。

○船田委員 地位利用につきまして、私どもも、原案において罰則つきということで考えておりました。しかしながら、この委員会のこれまでのさまざまな議論を通じて、そこまでというのは、国民の権利であります国民投票運動をできる限り自由に闊達に行うという趣旨から、それはやはり少し行き過ぎだろうというふうに考えが至ることとなりました。
そこで、今御指摘のように二つ修正をさせていただきました。
一つは、対象となる行為が明確になりますように地位利用の概念を明確にする。すなわち、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力または便益を利用すること、こういうふうに限定をいたしました。この内容につきましては、公職選挙法における地位利用とその意味内容は同じでございますけれども、修正案におきましては、その地位利用の意味内容をさらに具体化したもの、このようにお考えいただきたいと思っております。
なお、この罰則がないかわりと言ってはなんですが、罰則はございませんけれども、しかしながら、やはり公務員の場合には、特に悪質な行為ということになった場合には、信用失墜行為等の公務員法制上の懲戒処分、これは行政処分でございますが、そういうものによる制裁は当然あり得るというふうに思っております。
なお、公務員の職権濫用罪、これは刑事罰でございますけれども、これにつきましては、一律にどれがそれに当たるかということをお答えすることはやや困難であります。個別具体的なケースに応じて判断すべきものと思いますが、公務員としての地位を特に悪意を持って利用する、こういったものに限られていくのではないかというふうに思っております。
以上です。

○大口委員 次に、国民投票公報のあり方についてお伺いをいたします。
昨年十二月十四日の本委員会において、民主党提出者から、政党等による新聞広告については、国民投票公報があるので必要がないのではないか、こういう見解が示されました。先週行われた中央公聴会においては、浅野大三郎公述人が、投票すべき候補者を選ぶための情報の場合と制度の改正または創設が適当かどうかを判断するための情報の場合とでは、それぞれ何がより適した情報媒体であるかは違い得るであろう、国民投票の場合は読み返しができる活字による情報提供の大切さがより高まるのではないか、こういう意見が述べられたわけでございますが、国会に議席を有する政党等の行う新聞広告の一部公営制度について、現在、検討状況はどうなっているのか、民主党提案者にお伺いしたいと思います。

○鈴木(克)議員 では、私の方から御答弁させていただきたいと思います。
基本的には、昨年の十二月十四日の時点と大きくは変わっておらないということであります。今御発言がありましたように、新聞については国民投票公報で代替できる、基本的にはそのような考え方をいたしております。その分、例えばテレビとかラジオといった無料枠に充てた方が国民の皆さんへの周知徹底という意味では効率的ではないのかな、こんなことを考えておりまして、新聞等における無料枠の設定は削除していくという方向で今私どもは考えております。
以上であります。

○大口委員 次に、これは修正案に関する論点ではございませんが、個別発議の原則についてお伺いします。
法案には、「憲法改正原案の発議に当たつては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。」という規定がございますが、この点に関連して、本委員会において、憲法九条の改正と環境権の創設を一括して国民投票に付すのは明らかに好ましくないという提出者からの御説明がありました。この立場に立てば、憲法の全面改正はできなくなるのではないか、こういうふうに考えております。
そこで確認の意味で、内容において関連する事項ごとをどのように判断するのか、これは赤松委員と民主党の提出者にお伺いしたいと思います。

○赤松(正)委員 今、個別発議の原則ということでお尋ねがございました。
まさに、先ほども申し上げましたけれども、今の現行憲法をどうするのかという本格的な議論は憲法審査会の場で行われる、こんなふうに理解をいたしておりまして、その中でさまざまな議論が展開されるわけであろうと思うんですけれども、私どもは、いろいろな考えが国会議員の皆さんの中にあって、この委員会を構成しておられる皆さんもそれぞれ考えが違うわけですけれども、先ほど御提起になったような、例えば環境権といったものを新しく設けるといった場合に、それを憲法九条と一緒にして問う、こういうことはあり得ないというふうに思います。個別の案件ごとに聞くというのが原則であります。
同時に関連するものが例えば一つ二つあるという場合には、それをくくってやる場合もないわけじゃないだろうと思いますけれども、原則的には個別に発議をしていくというふうなことであるのではないか、こんなふうに私は考えているところでございます。
以上です。

○鈴木(克)議員 個別発議の原則について私の方からも御答弁させていただきます。
基本的には、今赤松委員から御答弁があったこととよく似ておるわけでありますが、国家の基本ルールの変更ということでありますので、まさに民意を正確に反映させなきゃならないということであります。したがって、今大口委員がおっしゃったように、九条の改正と環境権を一緒にということは非常に大きな混乱を招くということになるわけでありまして、決して好ましいものではない、このように考えております。したがって、それはきちっと分けていくということを明記していきたいというふうに思っています。
ただ、問題は、内容がどういうふうにまとまりのある事項として判断をするかというところが一番問題でございまして、いずれにいたしましても、矛盾のない憲法体系を構築するという要請から、しっかりと内容ごとにまとめていく、そして別個に上程をするという形を考えていくべきだ、このように考えております。
いずれにいたしましても、具体的な憲法改正の内容の理解に密接に関係するものでありまして、この手続法の議論に当たっては、これ以上この場で言及することは差し控えさせていただきたい、このように思っております。

○大口委員 次に、施行期日についてお伺いします。
与党案原案では施行期日が公布から二年を経過した日というふうにされていたわけですが、修正案で、附則一条で公布から三年を経過した日と修正されたわけでございます。この理由について、これも赤松委員にお伺いしたいと思います。

○赤松(正)委員 当初二年ということであったときの経過というか、第一義的には、この二年につきましては、本法を施行するための十分な準備期間の必要性ということから、戦後六十年余りを経て初めて行われることであるということで、その内容の重要性をかんがみて、国民への周知や実施のための準備期間、そういった観点から二年というふうなことが主軸になって決められたというふうに私は理解しております。
同時に、当然、それにあわせて、先ほど来申し上げております憲法審査会においてしっかりとした議論をしていかなくちゃいけない。例えば憲法の具体的な条項につきまして、衆議院憲法調査会の最終報告書において改正すべきだとする意見が多数であったというふうな具体的な項目が幾つかあるわけですけれども、そういった論点を基本にして、さらに実際改正するに値するのか、それとも法律の対応で済むのかどうか、その辺の詰めをしっかりしていくという観点から、じっくりとした議論をする必要がある。そういった意味で、二年では少し短過ぎる、もう少し時間をということで三年にしたということが二つ目の理由であろうと思います。
さらにつけ加えますと、先ほど来、幾つか附則に掲げている部分があります、そういったものの検討、あるいはまた、十八歳に投票権年齢を引き下げるといったことに伴うさまざまな関連法案の準備問題、こういったことも含めてより慎重にきちっとした議論をする、その期間として三年、こんなふうに御理解いただきたいと思います。

○大口委員 最後に、民主党の枝野先生にお伺いをしたいと思います。
枝野議員は、昨年十二月の十四日の本委員会において、憲法記念日には国民投票法制が国会で成立していることを期待している、こういうふうに発言をされました。それは、やはり枝野議員がこの憲法特別委員会において並々ならぬ精力を傾けられ、そして、与党、民主党が本当に合意を目指していく思いがこういう形で発言に出たのではないかなと思います。そして、そのお気持ちがお変わりでないのかどうか、それが一つ。
それから、昨日、与党が我が党案を丸のみしない場合どうするか一切議論していない、我が党は独裁政党ではない、党のしかるべき議論の上で判断する、当然民主党さんは独裁政党ではないと私も信じております、そういう点で民主党の今後のこの議論についてもお伺いしたいと思います。

○枝野議員 まず第一のお尋ねでございますが、私は、本来、六十年前の五月三日に国民投票法制ができていたことが望ましかったし、そうあるべきだったという立場であります。ただ、その後つくられてこなかった経緯については、いろいろな歴史的な事情があって、当時の社会情勢等からありますので、私は、立法不作為という立場には立ちません、それには一定の合理性があったというふうに思っています。
そして、昨年十二月の状況では、私は、十分にことしの五月三日までに、冷静な場における広範な合意が可能な状況であるというふうに思っておりましたので、五月三日までに成立させることが望ましいし期待をすると申し上げました。望ましいとは思いますが、残念ながら、せっかく、少なくともこの十年ぐらいの間に、改憲、護憲に偏らない中立公正な国民投票法制をつくり得るような環境がつくられてきていたにもかかわらず、どなたかがたった一人でそれをぶち壊しにした、そういう状況であるということを指摘しておきたいというふうに思います。
後者につきましては、私どもの案をいずれどこかで、もう一度中央公聴会などありますし、それを踏まえて議論をして、いずれどこかで民主党として修正案を出させていただくつもりでおりまして、それについて公明党さんを含め与党の皆さんにも賛成をしていただけると思っております。

○大口委員 以上で質問を終わります。

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