大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2007年11月6日

168-衆-法務委員会-4号 平成19年11月06日

○大口委員 公明党の大口でございます。
まず、今回の二法案につきまして、裁判官、検察官、これは司法の担い手であります、そしてその地位にふさわしい適正な給与水準を保つことが大事であります、また、これから司法制度改革ということになりますと、ますますよりよい人材を確保していかなきゃならない、そういう点で、今回の改定がそれにふさわしいのかということはしっかり議論しなきゃいけないと思います。
その上で、今回は若い人たちについて給与改定をするということであります。予算的に見ますと、本年度の採用の人数で計算すると、裁判官で大体百三十万、検察官で約百万の予算規模だと聞いております。それから、今回、期末特別手当、地域手当は指定職以上は見送る、こういうことでございます。
それによりますと、裁判官の方は当初二億四千万ぐらいの経費を考えていたものが一億ぐらいになろう、だから一・四億円が見送り、それから検察官は当初一・九億円を見込んでいたものが一億ということで九千万は凍結、こういうことになる、こういうふうにお伺いしておりますが、このことについて確認をさせていただきたいと思います。

○菊池政府参考人 ただいま御審議をお願いしております法律案で必要になる予算額は、ただいま委員御指摘のとおりでございます。

○大口委員 次に、これから私はこの司法の担い手に関連することについてお伺いをさせていただきたいと思います。
司法制度改革審議会におきまして、裁判官の増員についていろいろ議論されました。その中で、十年で五百人の増員、こういうことを考えている。審理の迅速化それから専門化、専門化というのは医療、建築関係、経済、知財、労働行政、倒産等々でございますが、この担い手を養成するということで約四百五十人、判事補の外部研修、いろいろな経験を積ませなきゃいけないということで外に出す、これは数十名、そして特例判事補制度の見直しということで六十名、こういうような内訳で考えているところでございます。
それとともに、事件数の増加ということで、民事訴訟事件数が一・三倍になった場合は三百から四百の増員が必要。弁護士の人口が増加します。規制緩和の改革の影響もあります。一方、ADRの整備あるいは紛争予防法務の発展、こういうこともあります。ただ、事件数はこれからふえていくだろうと想像するわけでございます。そういうことで増員要因がある。また、裁判員制度がいよいよ二十一年五月までに行われるわけでございますから、この関係、そして法科大学院の実務家教員の派遣、こういうことで増員要因があるわけでございます。
こういうことが司法制度改革審議会で方向づけされたわけでありますが、これまでのこの増員についての経過、今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
裁判所は、司法制度改革審議会におきまして、委員御指摘のとおり、裁判の迅速化、専門化への対応のために十年間で裁判官約五百人の増員が必要であるという意見を述べたところでございます。
司法制度改革審議会の意見書の趣旨にのっとって、平成十四年度から計画性を持って増員してきております。
また、この増員に加えまして、その後の司法制度改革の実施によって新たに生じてきた要因への対応としまして、今委員御指摘のとおり、平成十六年度に、法科大学院への裁判官教官派遣のための増員、これを若干名行っているわけでございます。また、平成十七年度以降は、裁判員制度の導入に向けた体制整備を理由の一つに加えまして、増員を計画的に行ってきております。
その結果としまして、平成十四年度以降平成十九年度までに合計約三百七十人、正確に申し上げますと三百六十七人でございますが、裁判官の増員を行ってきております。
平成二十年度以降も、司法制度改革の実施に向けまして、裁判所に与えられた機能を十分に果たし、国民の期待にこたえることができるように、今後の事件数の動向を見ながら、計画性を持って必要な人的体制の充実を図っていきたいと考えております。

○大口委員 これについて、最高裁判所の事務総局も、十三年四月十六日に「裁判所の人的体制の充実について」、こういうことで回答を寄せておられるわけでありますけれども、そこで、審理期間について、人証調べあり判決終局事件、これは二十・三カ月を十二カ月に、また平均期日間隔五十日を三十日に、合議率を五%から一〇%に、手持ちの担当事件数を百八十件から百三十から百四十件に、一カ月当たりの件数を二十三件から十五、六件に、うち人証調べあり判決終局事件は四件から二、三件に、こういう増員後の姿を示しているわけです。
これはちょっと通告していないんですけれども、今どういう状況かということをお伺いしたいと思います。着実に進んでいるかどうかということだけでいいですから。

○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたような増員を着実に認めていただいておりますことから、審理期間につきましては順調に減っております。特に、知財訴訟なんかにおきましては、極めて顕著に審理期間が短縮しております。

○大口委員 先ほども申し上げましたが、司法制度改革において、特例判事補制度は計画的かつ段階的に解消すべきである、こういう議論がなされました。六年とか七年で単独事件をやっている、それを経験年数がもっとふえてから単独事件をやらせるようにする、こういうことについて、裁判所の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○大谷最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
今お尋ねのありました特例判事補制度の見直しにつきましては、現実的な視点に立って計画的、段階的に解消すべきであるとの認識のもとに、当面、特例判事補が単独訴訟事件を担当する時期を任官七年目ないし八年目にシフトすることを目標として、見直しを進めているところでございます。
東京、大阪を初めとする大都市本庁におきましては、期の若い特例判事補に高裁、地裁の合議事件の陪席を担当させたり、あるいは各種非訟事件等を担当させるなどしまして、ほぼこの目標を達成することができる状況になってきたところでございます。
ところで、特例判事補制度の見直しにつきましては、これを代替する判事の確保ということも大きな課題でございまして、そのためには優秀な弁護士任官者の確保が必要と考えられるところでございますが、弁護士任官が進んでいない現状にございましては、大都市以外の裁判所、特に支部についてまでこの見直しを進めていくことは実際問題としては困難な状況にあり、その意味でも弁護士任官の一層の推進と実績の向上が不可欠であるのではないか、このように考えております。

○大口委員 そういうこともありますので、やはり報酬というものをしっかり見ていかなきゃいけないな、こういうふうに思っております。
次に、法務省でございますけれども、司法制度改革審議会において、約千人の検事の増員が必要である、こういうふうに、当時は官房長でありましたが、今検事総長の但木検事総長が答えております。
この千人ということを目指してやってきたと思いますが、特に、捜査体制の充実、裁判員制度の導入で八十人とか、裁判員制度導入に伴う公判体制の充実で二百人とか、こういう内訳も示しておられます。
これについて、これまでの増員の経過と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

○大野政府参考人 平成十三年度以降の検事の増員につきまして、お答え申し上げます。
法務省では、現下の犯罪情勢、それから司法制度改革等に適切に対応していくために必要な体制の整備を行っており、検事につきましては、国民生活に密接した犯罪の処理体制の充実強化のための要員ということで百六十三人、刑事裁判の充実、迅速化のための体制の充実強化のための要員として六十八人、特捜、財政経済事犯検察の充実強化のための要員として六十二人の合計二百九十三人の増員が行われました。
先ほど、司法制度改革審議会当時に、当時の法務当局から検事千人の増員が必要であるということを主張したという御指摘がございましたけれども、そうした問題意識を踏まえまして、毎年の事件数あるいは犯罪動向も考慮いたしまして、その時々の緊要性等を検討の上、増員を要求し、実現されてきているわけでございます。
ただいま申し上げた二百九十三名といいますのは、先ほど司法制度改革審議会において必要と述べました千人の中に含まれているものでございまして、例えば委員御指摘の裁判員の関係について申し上げれば、ただいま私が、刑事裁判の充実、迅速化のための体制の充実強化に六十八名の増員が行われたというふうに申し上げましたけれども、これは基本的に裁判員制度への準備を想定した増員ということでございます。

○大口委員 十年で千人ということだったわけですけれども、その割には増員が進んでいないな、こういうふうに思っています。
その中で、最近問題となっています冤罪事件を担当した検察官は副検事である、こういうふうに報道されております。副検事さんも一生懸命やっておられますが、この冤罪事件については副検事である、こういうふうに報道されています。本来、地方事件のような重要な事件は、副検事ではなく、検事が担当すべきである、こういうことが言われておるわけであります。
法務省は、平成十二年の司法制度改革審議会において、昭和四十三年には地方事件の六〇%を検事が扱っていたが、平成十二年当時は地方事件の二五%しか検事が扱っておらない、残りの七五%は副検事にゆだねている、また副検事が本来なら扱う区の事件は検察事務官が扱っている、こういうことで、肩がわり現象といいますか、こういうことが常態化しているということですね。
ですから、これまで検事を増員して、現在、地方事件において副検事が担当している割合がどの程度改善されたのかということをお伺いします。

○大野政府参考人 平成十八年の数字について申し上げますと、平成十八年でも、地方事件の約六八%の事件の処理が検事ではなく副検事によって行われているという状況がございます。
先ほど申し上げましたように、この間、三百名に近い検事の増員をいただいたわけでございますけれども、やはり地方事件の重大性あるいは複雑困難なものがあるという質的な困難化によりまして、検事が地方事件全部を処理するところまで実際のところなかなか手が回らないという実情にございます。

○大口委員 やはり検事は、捜査の適正の確保、被害者の言い分を十分聞く、あるいは被疑者の主張も十分聞く、こういうことをやっていかなきゃいけない。
そういうことからいきますと、肩がわり現象については改善をしていかなきゃいけない、そう考えるわけですが、大臣、いかがでございましょうか。

○鳩山国務大臣 気持ちの上では大口先生と全く同じでございまして、今、検事が千五百人ぐらい、若干千五百人を上回る程度で。私のように、法曹でなくて、そういった意味で、元素人でこの大臣の職についてみると、千五百七人というのは随分少ない数字だなというふうに思いました。率直にそう思った点が、今先生御指摘の肩がわり現象とやはり密接につながっている。
刑事事件は、犯罪の件数は平成十四年がピークで少し減り始めているとはいいますが、事件数は決して減っているわけではない。そういう中で、この間の富山の事件が副検事だったという御指摘をいただいたわけですが、地検が扱う地方事件については、当然、検事がすべて取り扱うのが好ましいことでございまして、現実には副検事が六十数%扱っているという今刑事局長の答弁がありましたが、比較的軽微な暴行傷害事件、詐欺、業務上過失傷害事件等である、検察庁全体として合理的、効率的に職務を遂行していくという観点からは、今のところではやむを得ないというか、地方事件の一部、一部といってもこれが過半数を超えているところが問題なんでしょうけれども、副検事にゆだねるという形になっております。
当然、重大あるいは複雑困難な事件は検事が中心となって対応をしていっていると思いますし、これからもそういう方向で参りますけれども、近年、組織犯罪とか、あるいは国際的な犯罪とか、そういう意味で、困難、比較的重大な事件にかかる時間が、検事さんが担当するのですが、長くなってきているものですから、余計肩がわり現象が進んでしまうという状況にある。
私は、副検事の方も立派に頑張っておられるとは思いますが、肩がわり率が下がるように、検事の増員等、予算の点等は、また与党、野党も含めて先生方の御理解を得たいと思います。

○大口委員 しっかり協力してやっていきたいと思います。
次に、大臣が就任のあいさつにおきまして、司法試験の合格者数について、平成二十二年に三千人程度にすることを目指す、ここまではそうなんでございますが、その後の将来の法曹人口のあり方については、「我が国の経済社会の法曹に対するニーズの観点、法曹の質の確保の観点、三千人では多過ぎるのではないかという観点から検討すべき問題である」、こういうふうに御答弁されているわけでございます。
非常に、この三千人では多過ぎるという御発言がいろいろなところに波紋を呼んでおります。もちろん、大臣の問題提起というのは、だからこそいろいろな議論が起こったということで、私はよかったのではないか、こう思っておるわけです。
ただ、司法制度改革審議会の意見書では、司法試験の合格者数を平成二十二年ごろに三千人達成を目指すべきである、このような法曹人口増加の経過により、平成三十年ころまでには法曹人口は五万人規模に達することが見込まれるとしています。平成二十二年から三十年までの間は触れられていませんが、同審議会の会議録によりますと、合格者数三千人の達成後、その数を維持することによって平成三十年ごろに五万人規模に達することは同審議会のコンセンサスであった、こういうふうに見受けられます。
一方、閣議決定された司法制度改革推進計画では、「平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指す。」としておって、五万人のことには触れられていません。しかし、閣議決定では、同審議会の意見を最大限尊重するとしております。そういうことでありますから、平成三十年ごろまでに法曹人口五万人規模を実現することも当然ながら政府は尊重すべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。
いずれにしましても、この問題は、法曹人口問題ということで、極めて重大な問題でございます。もし、このことを検討するということでありましたら、これはやはり内閣官房にしかるべき審議会を設置して、そしてそこで多方面にわたる意見の吸い上げをする、こういうことが手続上必要ではないか、そして閣議決定するということが必要ではないか、こう思うわけでございます。
そういうことで、大臣がそこまで考えておられるのか、考えておられるとしたら、そのスケジュールについてお伺いしたいと思うわけでございます。法科大学院関係者が非常に衝撃を受けた、あるいは法科大学院の在学者あるいは将来法曹を目指そうとする高校生や大学生、これも四年先のことですから、非常に人生を左右する切実な問題ということで、この推移を不安な気持ちで見守っていますので、具体的にお答えいただきたいと思います。

○鳩山国務大臣 確かに、法科大学院に行こうかなと思っている、大学生でなくて高校生や中学生も存在していることを考えますと、余り法的安定性を著しく損なうようなやり方は問題があると私も認識はいたしておるわけでございます。
私は、よく諸外国の法曹人口の話が出ますけれども、弁護士さんの数ということになりますと、日本と諸外国とで随分制度が違って、行政書士さん、司法書士さん、土地家屋調査士さん、弁理士さん、そういうような方々が今は弁護士的な扱いを受けているような国もあると思うわけでございます。
司法制度改革審議会が内閣に設置されて、そこでお決めになった事柄に向かって進めていくわけですから、平成二十二年に三千人にするという方針は私も持っておるわけで、ことしが二千三百人ぐらいかな、新旧がまだ、合計の数なので、昔の三百人、五百人に比べればそれは大変大きな数でありまして、法科大学院と司法試験は有機的な連携をとるということでありますから、ここで三千人までいくことは問題ないと思っておるわけですが、この三千人がずっと続いて、残念ながら我が国が少子化社会に入ってまいりますと、このままでいくと人口七百人に一人法曹がいるというような形になってくる。
これは余りにも多過ぎると思うし、こういうことを言ってはいけないんでしょうけれども、やはり私の知り合いでも、かなりの年齢になって、思い立って司法試験を受けて、旧試験を受けて、受かって、司法修習は終わったけれども、さて勤めるところがなかったというようなことで、今、法テラスなど紹介したりいたしておるわけです。ゼロワン地帯ということがあることもよく認識いたしておりますけれども、ただ、三千人がずっといくと多過ぎるのではないかという認識を持っているということなのです。
ただ、先生おっしゃっているように、今の中学生や高校生が法科大学院に行こうかと考えていることを思うと、そうほうっておける問題ではないというふうに考えておりまして、これは私の一存で軽々しく物を言えることではないことは認識しております。というのは、司法制度改革審議会自体が内閣に置かれたわけですから、これをもし変更するとすれば、やはり内閣において判断しなくちゃいけないことだろう、そういう認識は持っております。

○大口委員 わかりました。
次に、新司法試験の合格率、これが非常に低いということでございます。
平成十八年度の法科大学院の定員の合計数は、五千八百二十五ということになっております。そして、新司法試験合格数を直ちに三千人にしたところ、合格率七〇%に達していないわけであります。
実際、平成十八年試験では四八・三%、平成十九年試験では、これは二年コース、三年コース総合で四〇・三%にとどまっているということでございまして、司法制度改革審議会の意見書で、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度、例えば約七、八割の者が新司法試験に合格できるようにということからすると、相当低合格率になっている、こう思うわけです。
新司法試験が低合格率になるということになりますと、法曹志望者が減少するということになってきます。すそ野がだんだん狭まってくる。特に、社会人はなかなかリスクが大き過ぎるということで、社会の各層の優秀な人に入ってもらう、そして司法を強くするということが揺らいでくる。
適性試験受験者の減少、これも半減あるいは六割減という数字も出ておるわけですね。そうなってきますと、今度は、文科系、理系を問わず、広く来てもらうということが、特に三年コース、法学部以外のコースは四分の一は修了していないという状況もあります、だから、法学部出身者の占める割合が大きくなっていくんじゃないか。そうなってきますと、多様性の後退、専門性の後退、国際性の後退、こういうことになってくるわけでございます。
それとともに、こういうふうに合格率が低いと、必死になって法科大学院は合格率至上主義になります。そして、教育も、本来のあり方だと理論と実務のかけ橋、あるいはリーガルマインドを育てる教育、あるいは人間性を豊かにさせていくとか、いろいろな理想があるわけですけれども、そうではなくて受験指導的授業に傾斜していくんではないか。ですから、例の慶応問題がある。そして、受験科目の偏重、実務や臨床科目の低下、こういうことになってきまして、法科大学院を設立した理念なり構想というものが崩されるんじゃないか、そういう危機感を私は持っておるわけでございます。
そこで、こういう場合、合格率を上げる場合の方法としては、一つは、法科大学院が自主的に定数、総数を削減していく。今の五千八百を四千ぐらいにしていく。あるいは、厳しい成績評価と修了認定を行う。これも、一たん入れておいてこれでふるい落とすということがどうなのかという問題がございます。あるいは、合格者数をふやす。いろいろな選択肢があると思うわけですね。これについては、文科省はどう考えておられるか。
それともう一つ。やはり専門職大学院設置基準の五条二項で、法科大学院の専任教員については、平成二十五年までは三分の一の範囲内で他の学部の大学院の専任教員と併任できる、こうなっています。これは、平成二十五年からさらに延長を認めるべきではないと私は考えています。そして、余裕ある充実した教育の確保、これによってリーガルライティングですとか、あるいは基礎教育の充実も図っていかなきゃならない、こう考えておるわけでございますが、文科省のお考えをお伺いしたいと思います。

○久保政府参考人 お答え申し上げます。
まず、法科大学院につきまして、その課程を修了した者のうち相当程度が新司法試験に合格できるようということにつきましては、私ども、法科大学院に対しましてしっかりした教育を行うべきだという努力目標、到達目標を提示されたものだと思っておりまして、それに向けて、各法科大学院は質的向上に向けて今努力しているところでございます。
その中で、そういう意味で法学教育、司法試験、司法修習が有機的に連携したプロセスとしての法曹養成の仕組みが整う、その結果としていい法曹が生まれるという中でございますので、法科大学院で質の高い教育をする、質を向上すると同時に量的な拡充が図られるという中でいい法曹養成制度がつくられていく、今その段階だと思っております。
その中で、今後その量的なものをどうするかということにつきましては、一つは、合格者の問題、量的な拡充もございますけれども、私ども、委員御指摘いただきましたように、まずは第三者評価でしっかりとチェックをするということが大事だと思っております。
法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律五条の規定によりまして、専門職大学院の第三者評価の中でも法科大学院の評価につきましては、一般の第三者評価の仕組みに加えまして、法科大学院の評価基準を法曹養成の理念を踏まえたものとして、各法科大学院が、教育研究内容がその基準に適合しているか否かの認定、適合認定を受けるということに加えまして、各法科大学院における成績評価、修了認定の客観性、厳格性が確保されているかどうかという取り組みも必ず第三者評価を受けることになっております。第三者評価を受けてその結果が社会に公表されることを通じまして、厳格な成績評価についての各法科大学院の取り組み状況が問われていくことになると思っているところでございます。こういった制度はさらにしっかりと運営されていくように、私どもも意を用いていきたいと思っております。
他方、法科大学院の設置につきましては、司法制度改革審議会意見書におきまして、関係者の自発的創意を基本としつつ、基準を満たしたものを認可することとし、広く参入を認める仕組みとすべきとの提言を受けまして、現在のところ、厳格な審査を行った上ではございますが、基準を満たしたものを認可した結果、先ほど委員御指摘のような数になってございます。今後、当面は、各法科大学院におきましては、その第三者評価を踏まえつつも、競争的な環境の中で切磋琢磨することによって、教育の一層の充実のための努力を続けていくことがまず必要だと思っているところでございます。
もう一点でございますが、専任教員のカウントの問題でございます。
一般的に、法科大学院教員も含めました専任教員につきましては、専門職大学院の専任教員につきましては、他の学部等の専任教員の必要数に算入しないものとされることになっておりますが、御指摘のように、制度発足時におきましては、他の学部におけます教育をうまくやっていかなければいけないというその関連性を考慮しまして、優秀な教員を確保するという観点から、十年間の経過期間、三分の一につきましてダブルカウントができるようになっているところでございます。
現在、その設置から四年目を迎えたところでございまして、本年度、初めて未修者コースの修了者が司法試験を受験したという状況にございます。各法科大学院におきましては、もとより、司法制度改革の趣旨を踏まえた法曹養成の実現を図るために、試行錯誤しながらいい教育をどうやって行うか一生懸命取り組んでおりますものですから、その制度等の見直しにつきましては、今しばらく推移を見守っていく必要があると考えております。
この取り扱いにつきましては、今後、各法科大学院におけます優秀な教員の確保の状況を十分見きわめながら、中央教育審議会での御議論を踏まえつつ適切に対応していきたい、こう思っているところでございます。

○大口委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、法科大学院を修了しますと、法務博士ということになるんですね。この法務博士を、例えば、簡易裁判所の判事あるいは副検事等に活用する道もぜひとも考えていただきたい、こう思っております。
以上で終了します。ありがとうございました。

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