大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2009年4月2日

171-衆-消費者問題に関する特別…-10号 平成21年04月02日

○大口委員 公明党の大口でございます。
きょうは野田大臣、そして金子大臣、さらに民主党の先生方、よろしくお願いをしたいと思います。
まず、消費者政策委員会は、内閣府の主任の大臣たる内閣総理大臣、消費者政策担当大臣及び消費者庁との関係において独立性を有するか。消費者政策委員会と消費者庁長官は対等なのか。また、金融庁設置法第九条には、証券取引等監視委員会の委員長及び委員は独立してその職務を行うとありますが、消費者政策委員会の委員長及び委員等は、権限を行使する上で独立性を有するか。野田大臣にお答え願います。

○野田国務大臣 消費者政策委員会は、消費者庁と上下関係にあるものではございません。また、委員会は、諮問、答申や意見具申を行うに当たり、何らの制限も加えられるものではなく、独立して職務を遂行するものでございます。

○大口委員 私の問いに対しては、独立、そして対等、それから権限の行使も独立性がある、こういうことでございました。
次に、民主党の方にお伺いさせていただきます。
まず、野田大臣もいろいろ答弁をされておりましたけれども、我々はやはり地方の消費者行政を充実させていかなきゃいけない、これが今回の法案の、要するに一番のかなめなわけであります。
野田大臣も答弁されていますように、五年ぐらいかかるかもしれないけれども、まず相談員をしっかり養成していく、そしてそのこと自体、全国のばらつきがないように、これが一つ。それから、私の願いとしても、全市町村に相談窓口が設置されて、それで職員がいて、相談員がいて、PIO―NETの端末があって、そして過疎地については国民生活センターだとか県がちゃんとフォローしていく、こういうものにしていかなきゃいけない。三番目に、相談員の待遇の改善、平均百六十五万では余りにも少な過ぎる、こういうことであると思うんです。
そういう点で、私どもは、地方財政法上としては地方消費者行政は自治事務でありますけれども、やはり相談員の人件費も含めて、国による財政支援という可能性を、本当にこれは与野党超えてしっかり勉強をして、答えを出していきたいなと思っておるわけでございます。
そういう点で、国が責任を持って地方の消費者行政を充実させるという点におきましては、政府案と民主党の案の間に認識の違いはないわけでありますが、民主党の案のように、今もちょっと関連する質問がありましたが、国直轄の相談員と地方公共団体の相談員の併存を認めますと、国の相談員と地方公共団体の相談員の間に、当然待遇の格差というものが生じてきます。その場合、地方の最前線の消費生活センターから地方消費者権利局及びその支局に人材が流出するという可能性があるんです。国民生活センターに首都圏の消費生活センターの方が移るという場合もあるわけなんですね。
そういうことで、小宮山議員の、地方公共団体が自主的に消費生活センターや相談員をふやしたりするのは望ましいとの発言と、民主党の併存状態における人材の流出ということの間にそごがあるのではないか。また、現行の地方の消費生活センターにおいて実行されている相談業務と並行して国の直轄の地方における相談、あっせんということがありますと、これは地方自治に基づく地方の消費者行政に混乱を与えるのではないかなという感じがいたします。
この併存について、いろいろ地方の御意見も聞かれたのではないかと思うんですが、そういうことも含めてちょっとお伺いしたいと思います。

○小宮山(洋)議員 委員がおっしゃるとおり、やはりとにかく地方の窓口にしっかりと人が必要だということでは、政府案も民主党案も変わらないと思います。ですから、政府の方によりよい、津々浦々にしっかりつくれる仕組みができるのであれば、それは伺いたいし、それは話し合いをすればいいと思うんです。
ただ、私たちが一年以上かけてつくってきた限りでは、今の自治事務の関係で、ここでも再三言われているように、政治の判断で、最初の基金が人件費には使えるという話が午前中ございましたけれども、四年目以降、今度は交付税にした場合には、これはこれに充てなさいと言えないから、そうやる以上はやはり国がしっかり財源を見るべきではないかということと、それから、最近やはり相談の質が変わってきて、一つの自分の都道府県内に限るものではありませんね、東京で悪いことをしていた人が例えば神戸に行って、そこで相談に乗ったときに、何で兵庫の県民税でやらなきゃいけないのかという話もまた別次元であるんだと思います。
いろいろな意味でしっかりとその内容に対応することと、人材を確保すること、そのためにはやはり国が財源を見なければいけない。それを自治事務になっている中でどうやるかという、苦肉の策というか、考えに考えた策が今の私たちの任期つき国家公務員ということ。ですから、地方の権利局の中に入るといっても、場所は別に移ってこなくたって構わないわけですね。今までの場所で身分保障をすることも考えられる。
それで、併存するというのはちょっと意味がよくわからないんですけれども、地方自治でちゃんと人件費も出してやっていらっしゃるところ、そこはそれでいいんだと思いますよ。ただ、例として、国の方のあれですと例えば年収三百万なら三百万になるけれども、地方の場合は二百万にしかならないということであれば、そこのところの差額をどうするかとか、研修などは地方自治体でやっていてもやはり国が見ればいいと思います。
それで、実際に今でも、県が設置する消費生活センターと市町村が設置する消費生活センターとは情報を共有しながらやっているという例があるわけですね。それが急に、国になった途端に何で遠くなるという発想になるのか。それはいろいろな方法論があるから、いろいろな多様なアクセスができた方がいいじゃないですか。別に身分が国家公務員になったからといって、その人たちが偉そうな顔をしてほかの地方の人と一緒にやらないなんてことは、現場からしたら考えられないことだというふうに思うんですね。
ですから、併存するとそごを来すというのがどうもよくわからないと思います。

○大口委員 地方の声をよく聞いていただきたいと思います。ちょっと今の先生のお考えとは感覚が違うようでございます。
それでは、金子大臣にお出ましいただきましたので、お伺いをさせていただきます。
三月三十一日の当委員会でも、小川議員の方から質問がありました。また、新聞報道でもありました。東京都港区の竹芝のマンションで、都立高校生、二年生の市川大輔さん、当時十六歳の方がエレベーターに挟まれ死亡した事故、平成十八年の六月三日で、三月三十日、二年十カ月弱ぶりにやっと書類送検、こういう形になったわけで、この場をかりてお悔やみ申し上げます。そして、この書類送検の中で、メーカー側、それから独立系の保守管理会社、そしてメンテナンス担当社員が業務上過失致死ということで書類送検されたわけでございます。
この高校二年生の市川大輔さんの痛ましい死をもたらした竹芝のエレベーター事故は、平成十八年六月三日に起きたわけでありますが、国交省が現地の調査をしたのは、二年半後の昨年の十二月の三日になるわけであります。
この現地調査というのは警察の捜査との関係があってなかなか難しい状況もあったと思うんですが、その後、京都市左京区のマンションにおける骨盤骨折事故の場合は、昨年十二月八日に発生して、十二月十日には、警察の協力のもとに国交省や昇降機の専門家が立ち会っている。それから、東京都新宿区の帝都典礼ビルの事故、これがことしの二月十六日に発生したわけでありますが、その同じ日に、国交省の昇降機等の事故対策委員会の委員の立ち会いのもとで新宿区が立入調査をする。あるいは、ことし二月二十五日発生の姫路市の食品会社の工場におけるエレベーターの死亡事故。これも二月二十五日、当日にやはり国交省委員が立ち会い、そして姫路市も立ち会って、二十六、二十七も、また三月三日も立ち入っている。
こういうことで、やれば現地調査も警察の協力を得てすぐできると思うわけです。この件につきましては二年半かかったということについては、国交省としてどう考えておられるか。
そして、事故の原因調査と刑事の責任を問うということはある意味では重なる部分もありますが、別個のことでもあるし、また、事故原因を究明していろいろな施策を講じていかなきゃいけないということからいきまして、やはり、この事故原因の調査については、国交省、できるだけ早くこれを調査してそれを公表するということが大事ではないか、こういうふうに思いますが、この点について国交省の見解をお伺いします。

○和泉政府参考人 お答え申します。
御指摘の事故、大変痛ましい事故でございまして、市川大輔さんに心からお悔やみを申し上げます。
国土交通省としましては、この事故の発生直後から、社会資本整備審議会の中で、想定される問題点を踏まえて再発防止策に取り組んでまいりまして、累次にわたって政省令の改正等基準の強化を図ってまいりました。
しかしながら、今先生も御指摘のように、警察との連携が不十分であり、その結果でございますが、実地調査が極めておくれてしまった、こういった御指摘を賜っておりまして、この辺は反省すべき点と思っております。
そういったことを踏まえまして、二月でございますが、社会資本整備審議会の中に、こういった問題に対応するための常設の委員会としまして昇降機等事故対策委員会を設置しまして、専門の先生方に集まっていただきまして、再発防止について万全を期す、こういう体制を整えましたし、加えまして、警察との連携をさらに強化する意味で、今後は、事故があった場合については、事故現場に特定行政庁あるいは私どもの職員、並びに今御紹介しました委員会の専門家、こういった方々が素早く現地へ入って調査を行い、そして再発防止等について万全を期す、こういった体制を整えたところでございます。
今後ともこの委員会をフルに活用しまして、今後はそういったものについて素早く対応するような体制を整えてまいりたい、こう考えております。

○大口委員 新聞報道によりますと、あるいは前回の小川議員からもありましたが、業界関係者の話として、エレベーターメーカーは安い価格でエレベーターの設置の契約を結ぶ、その後、保守点検を系列会社に担わせて利益を上げている。メーカー側にとっては独立系の保守点検会社はライバルであり、取扱説明書や設計図など保守点検に必要な情報が引き継がれないことが多いと言われています。ある独立系会社の幹部は、メーカー側に故障情報を求めても門前払い、ひどい場合は修理に必要な部品すら売ってくれないこともあった、こういう証言をしているわけです。
平成十四年七月、公正取引委員会でこの大手エレベーターメーカーによる独立系の保守点検業者への業務妨害に対し排除勧告を行っているということが前回の委員会でも明らかになっているわけでありますけれども、私は、大手のエレベーターメーカーと独立系の保守点検業者との関係、業界の実態、これは構造的な問題がある、こういうふうに思っておる次第でございます。
そういう点で、国交省に、こういう昇降機等の事故対策委員会というのをせっかくつくったわけでありますから、このような業界の実態というものを早急に調査すべきではないか、私はこういうふうに考えますが、大臣の御答弁をお願いいたします。

○金子国務大臣 私も、改めまして、お亡くなりになられました市川大輔さんに、御遺族に、心からお悔やみを申し上げます。
今委員御指摘の問題というのは、本当にそのとおりだと思っております。独立系、メーカー系、これの保守点検会社の実態調査はやった方がいいと思っています、やる必要があると思っておりますので、昇降機等の事故対策委員会にやってくださいと申し上げようと思っています。

○大口委員 大変前向きな答弁、ありがとうございます。
このエレベーター事故というのは、私も国交省に聞きましたら、大体、エレベーターで保守点検をやっている台数が六十六万四千三百四台あるということでございます。それで、人身事故でございますが、平成十五年八月から平成二十一年三月三十一日まで、一般利用者の人身事故は三十四件なんですね。そうしますと、二カ月に一回こういう人身事故が起こっている、こういう状況にあります。
これは、エレベーター事故の調査等のために、私は、法律に基づき、運輸安全委員会のような調査権限を有する独立した調査機関を設置すべきではないかなと思うわけです。
鉄道事故は高速で水平に動くわけです。不特定多数の人が利用する。エレベーターの場合は上下に高速で動く。これも不特定多数の方が利用されるわけです。そういう点では、私は同じような扱いをすべきではないかなと思うわけですが、よろしく御答弁をお願いします。

○和泉政府参考人 委員の御指摘の点でございますが、まず冒頭申し上げたいことは、委員も十分御案内のように、建築行政の場合には特定行政庁が一義的に責任を負っておりまして、いわゆる運輸安全委員会が持っておりますような立入調査あるいは報告徴取、是正命令等、そういった権限を行使しているわけでございます。そういった意味で、私ども、そういった特定行政庁の権能が十全に発揮されて所期の目的を達成されるように、技術的な助言等々を通じて御支援申し上げている、こういった立場でございます。
そういう中で、先ほど御答弁申し上げましたが、常設の委員会としまして、まさに国の機関である社会資本整備審議会の中に昇降機等事故対策委員会を設けまして、ここで十全に、情報の収集、現地の調査あるいは再発防止策の検討、こういったことをする体制をこの二月に整えたばかりでございます。
今後は、まずはこの委員会を十全に活用してどこまでやれるかというようなことをしっかりと見きわめた上で、御指摘の点につきましても引き続き検討してまいりたい、こう考えております。

○大口委員 被害者の方からも多くの署名が出ております。国交省としてもしっかり対応していただきたいと思います。
次に、静岡県に本社があります、これは関東から東海そして近畿圏まで七十八支店を設け、百四十四カ所の住宅展示場に出店していました個人用の木造住宅ハウスメーカーの富士ハウスというのがあります。ここが、ことしの一月二十九日、東京地裁に六百三十八億円の負債で自己破産の申し立てをしたわけでございます。この富士ハウスの破産というのは普通の破産ではなくて、多くの消費者が被害を受けている、こういうことを国交省あるいは弁護団からも聞いているわけでございます。
特に、着工前、全く着工していない物件について見ますと、手付金の支払い状況ということ、全く未着工は八百四件あるんですね。これについて言えば、二千万以上受け取っているのが二件、一千万以上受け取っているのが十件、五百万を超えて一千万以下が七件、そして三百万円を超えて五百万円以下を受け取っているのが三十六件。こういうふうに、未着工なのにこれだけのお金を受けている。
そしてまた、着工済みのものにつきましても、加工前、刻みを入れる前の棟上げ前の場合、五十六件あるんですが、そのうち七割以上支払っているのが十八件。それから、加工済みで棟上げ前が八十五件のうち七割以上支払っているのが五十六件。あるいは、おおむね、四、五割完了している棟上げ後大工工事完了前、三百三十七件のうち全額払っているところが五十九件、こういうふうになっているわけでございます。
これにつきまして、ことしの十月一日から例の住宅瑕疵担保履行法の施行が始まります。新築住宅に欠陥が見つかった場合に備え、補修や建てかえに充てる資金をあらかじめ確保するために保険とか供託で販売業者とか建設業者に義務づけをする、これが十月の一日から施行するわけでございます。これは倒産ということがあってもということなんですが、今回のように工事途中にハウスメーカーや工務店が倒産した場合、完成保証制度があるわけですね。富士ハウスの場合はほとんど完成保証制度に未加入であったということで、消費者が救済を受けられない。全く着工されていないのに二千百万円も借金がある、かわいいお子さんがいて、自殺も考えたという方々がいらっしゃるわけですね。
消費者保護の観点から、完成保証制度を、広報を徹底的にするということとともに、場合によって、これは義務化ということも検討できるんじゃないか。あるいは、社団法人の住宅生産団体連合会が、ことしの三月二十七日、請負工事代金の前払いを受ける場合、できるだけ工事の出来高に応じた前払いになるように徹底するという内容の自主的なガイドラインを発表していますが、これも法的な規制が必要ではないか、こう考えるわけですが、国交大臣の御答弁を願います。

○金子国務大臣 大口委員がおっしゃるような考え方、完成保証への義務づけ、一つの課題だと思っております、あるいは考え方だと思っております。将来そういう方向でやるべきなのかどうか、少し議論させていただきたいと思っています。
ただ、現在、住宅完成保証制度というのが今できています。必ずしも利用率が高くないんだけれども、どこにその問題があるのかという点検も含めて、今の制度で、何かコストが高過ぎるのか、あるいは何か使い勝手さがあるのか、こういうものも少し検討してみる必要があるなと。
あわせて、先ほど委員御指摘のように、住宅関係の業者の皆さんが、ガイドラインをつくっていこうということで先般出されました。これを、今度は大手だけじゃなくてもっと中小のメーカーにも広げて、今のガイドラインをどの程度、今委員が御指摘のようなことにならないように広げられるのか、あるいは、このガイドラインの中で相当の強制力を持てるようなものにできるのかどうか、それも含めて検討してみたいと思っております。

○大口委員 あと、金融機関の対応も問題があるんですね。金融機関は、富士ハウスの請負工事代金の支払い方法の異常性について特に指摘することもなく、富士ハウスの約定に従って多額の融資を実行。建物の登記完了前は抵当権設定登記はできないものですから、本融資ではなく、つなぎ融資が行われるのが通例ですが、つなぎ融資ではなく本融資を行っていたケースもあります。
それから、特に、近畿圏のある銀行ですが、地盤改良が終了したにすぎないケースで、破産直前に住宅ローンの全額融資を実行し、しかも、富士ハウスの口座に直接融資金を振り込んでいたということが確認されたわけです。
金融機関の富士ハウス関係の融資のあり方について、私は問題があるというふうに思うわけでございます。金融庁として、これについてどういう対応をされるのか。弁護団も、きょう、そういう被害者の側の実情について説明をしているようでありますけれども、御答弁願いたいと思います。

○谷本副大臣 お答えいたします。
金融機関による融資やその返済条件については、一般的には、金融機関みずからが、個人や企業の借り手の資産や経営状況あるいは資金の使途、回収可能性等を総合的に勘案いたしまして、みずからの経営判断で、借り手との交渉等により決定されるものと認識をしております。
このように、個々のケースにおける金融機関の対応は、基本的に経営判断によるというものではありますけれけども、本日委員からの御指摘があったことも踏まえた上で、金融庁としては、金融機関に対して、顧客の実態を十分把握しつつ、真摯に協議を行うなど、きめ細かい対応を行うように監督指導してまいりたいと思っております。

○大口委員 しっかり監督指導していただきたいと思います。
この富士ハウスは、国交省から、長期優良住宅のモデル事業の対象となっていました。富士ハウスは、二百年住宅、国交省認定、超長期住宅先導モデル事業認定、国で認められた先進の住まいなどの広告を大々的に打ち出し、モデルハウスでは大きな垂れ幕をかけ、国が認めているから絶対大丈夫といううたい文句を使っていました。
この二百年住宅の政策というのは非常に大事な政策だと思うんですが、国交省のモデル事業の採択を受けた企業であるからと、信頼して発注した消費者もいるんですね。国が富士ハウスにお墨つきを与えたことになり、消費者の信頼を裏切った結果ともなっているわけでございます。
こうした企業への信頼を与えてしまったことについてどう考えておられるのか、何らかの消費者救済策を検討できないのか、お伺いします。

○和泉政府参考人 委員御指摘のように、この富士ハウスは、超長期住宅先導モデル事業、こういったものの採択を受けております。しかしながら、これは委員も十分御案内のとおり、いわゆる住宅の長寿命化につきましてモデルとなるような提案を国土交通省が募集しまして、それを第三者の評価委員会が評価して、技術的に、すなわち耐久性、耐震性等々、そういった意味ですぐれたものについて支援することによって住宅の長寿命化を進めていこう、そういった趣旨の事業でございまして、まさに今委員御指摘のように、その企業自体の経営の健全性等についてお墨つきを与えたものではございません。
しかしながら、こういった事態になりまして、私ども、財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センター、こういったものを十全に活用して、今困難な状況に陥っている方々に対する相談、あるいは各県弁護士会による相談会の開催等について努めさせていただいている、こういった状況でございます。

○大口委員 同じように、消費者を取引の相手とする企業へ、補助事業というのはいろいろ行われているわけです。企業が国から補助を受けたということを消費者にPRするということも多いわけであります。例えば、省エネのためのリフォーム工事や耐震改修工事の補助においても、国庫補助事業の対象工事を行っていることだけをもって優良企業であるかのような宣伝をするような企業も少なくないと思われますので、やはり、悪質リフォームやリフォーム詐欺に利用することがないように、このあたりもしっかり国交省は見ていただきたいと思います。
そういう中で、悪質リフォーム等の犯罪的な行為が発生する場合、この被害を未然に防止することが一番大事であるわけです。同じような被害を拡大させないということが重要です。
財団の住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、リフォームに関する相談件数が年間二千件を超えているということでございます。こうした相談のうち、悪質な事案については、被害の拡大防止の観点から、悪質な事案の企業名や事案を早期に公表すべきではないか、そのために、財団の住宅リフォーム・紛争処理支援センターの業務を法律上規定している品確法に公表の根拠規定を措置する等、積極的な公表を行うことを可能にすべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

○金子国務大臣 御指摘の財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センター、ここで、リフォーム事業者に関する情報の提供、一方で収集も行ってきているわけであります。
御提案につきまして、法律上の措置も含めて、内容、方法について、今後検討してまいります。

○大口委員 最後に、民主党さんにもう一問お伺いさせていただきます。
民主党の案では、適格消費者団体について、現行の認定制から登録制に変更することとしています。現行の認定制としているのは、差しどめ請求権という重要な権利を付与されるにふさわしい法人を適切に選定し、制度の信頼性を確保するためでございます。
現行の認定要件との違いとして、申請者の活動実績に関する要件が削除され、法人の目的が、消費者の権利利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的としない法人でなければ登録を拒否されないこととしています。これでは、それまで何ら消費者の利益擁護を図るための活動を行ったことがない法人であっても、定款の目的さえそのように変えれば登録が拒否されないことになるわけでございます。それでも適切に差し押さえ請求や損害賠償に関する訴訟をすることができるとお考えなのか。暴力団の排除規定はありますけれども、私は暴力団ですと言ってやるところはないんです。
そこら辺、御答弁願います。

○小宮山(洋)議員 御指摘のとおり、民主党の案では、申請者の消費者団体の活動実績の要件を排除しております。また、これまでNPO法人、一般社団、財団法人に限定していますけれども、民主党案は、生協などほかの非営利法人に拡大もしております。
御懸念の点でございますけれども、今の適格消費者団体の数は、再三申し上げるように七つしかなくて、余りにも要件が厳し過ぎる、差しとめ請求権の行使さえ今十分に行われない状況だ。これは厳格に認定し過ぎているせいではないかと思いまして、どこに着目をしたかといいますと、そこの団体が、今適切に差しとめ請求や損害賠償等団体訴訟を行うことができるかどうかということをチェックすればいいと考えまして、そのためには過去の活動実績が二年なきゃいけないとかいうのはちょっと、そういう要件を課さなくても、適切にできる団体であればいい。
そのために何が必要かということで、訴訟を行うことの許可要件として、適格消費者団体が適切に訴訟を行うことができると認められることというふうに規定をしてございます。それからまた、適切に損害賠償等団体訴訟を行わないときは、訴訟を行うことの許可決定を取り消すことができるというふうにもしております。そして、配当手続について、損害賠償請求権等の管理または配当を適切に行っていないときは、その適格消費者団体に対する指定を裁判所は取り消すことができるとしております。
さらに、消費者権利官が情報提供や資金援助、訴訟参加というこの三つの方法で訴訟援助をすることによって適切に訴訟が行えるように支援をするということを、この法案の四十八条、三十六条、四十九条で規定をしておりますので、適切に差しとめ請求や損害賠償等団体訴訟が行われるように今のような指定を置いておけば、委員の御懸念は当たらないと考えております。

○大口委員 ドイツでも、連邦最高裁が、定款の定めのみを基準にしたのでは法律の意図に反して提訴権が広がってしまうということで、登録制といいながら、やはり実績を問うということをやっているわけでございます。
裁判所に何でもお任せということであれば、これは裁判所も大変でございます。そういうことも御理解を賜りたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

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