大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2009年6月19日

171-衆-法務委員会-11号 平成21年06月19日

○神崎委員 このたび三会派によりまして修正合意ができましたけれども、これは高く評価をいたしたいと思います。
修正案を中心に質問をいたします。
まず、特別永住者証明書関係でありますけれども、修正案におきまして、特別永住者証明書及び特別永住者に係る旅券の常時携帯義務と違反に対する過料の規定が削除されました。私どもは、特別永住者の皆様から、かねてからその要望をいただいておりまして、我が党といたしましても、この修正を行うべきだと強く主張をいたしてきましたので、大変喜ばしいと思っております。
提出者に改めてこの修正の趣旨をお伺いしたいと思います。

○大口委員 お答えをさせていただきます。
神崎委員もこの問題に熱心に取り組まれて、ことしの二月、森法務大臣に要望をされたわけでございますけれども、特別永住者につきましては、御案内のように、一九五二年、サンフランシスコ講和条約で国籍を離脱された方、そのまた子孫であるわけでございます。こういう歴史的な経緯、それから、今や四世、五世もいらっしゃる、日本に生まれ、育った方であるということで、定着性もあります。そういう特別の配慮が必要であるということで、平成十一年、外登法の改正のとき、今から十年前、このときも、こういう歴史的経緯とか定着性ということをとらまえて、衆参で附帯決議がなされたわけであります。
今回は外国人登録証明書がなくなりまして特別永住者証明書になるわけでございますが、その当時、外国人登録証明書の常時携帯義務の必要性、合理性について十分な検証を行い、同制度の抜本的な見直しを検討すること、とりわけ特別永住者に対しては、その歴史的経緯が十分考慮されなければいけない、衆参で、立法府の意思として、特に特別永住者については配慮をすべき、こういうこともあったわけでございます。
そういうことで、十年前に刑事罰から行政罰、過料になったわけですが、これについて、この適用が実際になされていない、弾力的運用でもあった、また成り済ましの危険性も格段に低い、ほとんどない、こういうこともありますので、今回、この特別永住者への配慮の必要性また附帯決議の趣旨を踏まえて、改めて特別永住者証明書の携帯義務の要否について真摯に検討を行った結果、この審議の中あるいは修正協議の中で検討を行った結果、常時携帯義務の規定を削除することとしたものでございます。

○神崎委員 次に、在留カード番号関係についてお尋ねをいたします。
プライバシー保護の観点から、在留カード番号を記載事項から削除すべし、こういう意見も当委員会での議論の中であったわけでありますけれども、在留カード番号を券面に記載する必要性、これにつきまして提案者にお伺いいたしたいと思います。

○大口委員 お答えをいたします。
外国人の場合は、同一国籍の同姓同名が多く見られる上、生年月日も不明なために便宜的に一月一日とする例もあります。国籍、氏名、生年月日等の身分事項だけでは個人の識別に支障が生ずる可能性が高く、何らかの番号を使用して個人の識別を行う必要があります。
また、法務省では、現在、外国人による届け出先の一部が市町村から地方入国管理局になることに対して、外国人の利便性についていろいろと配慮しておりまして、郵送でありますとかインターネットを利用した届け出を検討しているところでございます。
在留カードの番号を在留カードの券面記載事項から除外した場合、郵送やインターネットを利用した各種の届け出において個人の識別に困難を生ずることになります。このような支障を避ける必要もあることから、在留カードの番号については券面記載事項にすることが不可欠である、こう考えております。

○神崎委員 再交付されます在留カードにつきましては、従前と同一のカード番号を付さない、外国人が希望する場合には、実費相当の手数料を負担の上、新たな番号のカードの交付を求めることができるという規定を設けることになりましたけれども、これらの規定を設けることによって、在留カード番号をキーとすることによる不当なデータベースの構築を防ぐことはできるのか、提案者にお伺いをしたいと思います。

○大口委員 今回、この入管法の十九条の四で、交付ごとに異なる番号を付す、それから、希望があれば、十九条の十三で再交付もできる、こういうことで、在留カード番号というものを変更する制度を盛り込ませていただきました。
個人識別番号をキーとした個人情報データベースの作成には、さまざまな情報を少しずつ収集する必要性があることから、一定の期間必要であると思われます。したがって、これらの在留カード番号が変更される制度を採用することによりまして、在留カード番号をキーとした情報の集積が困難となり、個人のデータベースの構築を防ぐ効果がある、こういうふうに考えております。

○神崎委員 在留カードの交換を希望する者がみずから手数料を負担しなければならない、こういうことにしていますね、在留カード番号の交付ですね。これは一体どういう理由でそういうふうにしたのか、提案者に伺いたいと思います。

○大口委員 六十七条の二にそれがあるわけでございますけれども、これは、外国人側の都合、希望による在留カードの交換については、その費用を行政側の負担にする理由がなく、受益者たる外国人本人に負担を求めることが相当である、受益者負担という考えでございます。
なお、現行法においても、例えば外国人が就労資格証明書等の交付を受けるときには、実費を勘案して手数料を納付しなければならない旨の規定が置かれております。

○神崎委員 法務当局にお伺いしたいと思いますけれども、手数料は幾らぐらいになるのか、大体の予定、見通しについてお伺いをしたいと思います。

○西川政府参考人 お答え申し上げます。
手数料につきましては、いわゆる生カード代等の材料費と、それから発行に要する人件費等の積算により決定されるということになろうと思います。
現時点における材料費等の状況によりますと、おおむね二千円程度を見込んでおりますけれども、今後、具体的に積算作業を進めることにしたいと考えております。

○神崎委員 次に、個人情報保護関係でありますけれども、修正案におきましては、法務大臣は、在留管理の目的に必要な最小限の範囲を超えて情報を取得、保有してはならず、情報の取り扱いに当たっては個人の権利利益の保護に留意しなければならない旨の規定を置くことになっておりますが、この規定を置いた趣旨について、提案者にお伺いをいたしたいと思います。

○大口委員 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律というものがございます。これは八条の第一項であります。そこには、「行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」こういう規定もあるわけでありますけれども、今回、新たな在留管理制度において、やはり、法務大臣が外国人本人や所属機関からの届け出等により取得する情報は、在留管理のために必要な最小限の範囲に限定をする、そして、当該外国人に係る個人情報の利用や提供については、法令に基づく場合等を除き、原則として目的外の利用等をすることができないという形で新たに規定をさせていただいたわけであります。
これは当然のことでございますので、今般、法務大臣が外国人の在留情報を継続的に把握する制度を構築するに当たり、情報の取り扱いに当たっては、個人情報の保護に対する十分な配慮が必要であるということを明確にするということで、修正案にあるような規定を置くことにしたわけでございます。

○神崎委員 次に、在留資格の取り消し関係についてお尋ねをいたします。
配偶者の身分を有する者としての活動を継続して三カ月以上行わない場合には在留資格の取り消しを認める規定につきまして、取り消しをしようとする場合には、在留資格の変更の申請の機会を与えるよう配慮しなければならない旨の規定を設けた上、当該活動を行わないことに正当な理由がある場合を除外すること、それから、三カ月を六カ月に修正をいたしたところでございます。
まずお伺いしたいのは、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行わないことにつき正当な理由がある場合、これはどのような場合を指すのか、提案者に伺いたいと思います。

○大口委員 これは二十二条の四の一項の七号でございますけれども、ここに、「(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)」こういう規定になっております。
活動はしていないのに在留していることにつき正当な理由がある場合ということは、例えば、日本国籍を有する子供の親権を争って離婚の協議中であるとか、あるいは調停中でありますとか、こういう場合などは、活動を行わずに在留を継続していることにつき正当な理由があり、在留資格の取り消しをすべきでない場合と考えられるわけでございます。
このような者については、在留資格取り消し手続における意見聴取の際にそうした事情が判明すれば、在留資格の取り消しはしないこととなりますが、このような趣旨を明らかにするため、配偶者の身分を有する者としての活動を行わないことにつき正当な理由がある場合を除外することを明文をもって定めたところでございます。

○神崎委員 正当な理由があるのかどうか、この点について、どのようなメルクマールというんですか、どういう基準で判断をされるのか、法務当局にお伺いをいたします。

○西川政府参考人 お答え申し上げます。
正当な理由の有無というのは、当該事案に即しまして正確に事実関係を把握するということになろうと思いますが、まず婚姻の実態を含む在留の状況や当該活動を行わない状態に至った経緯や原因等を個々的に正確に把握しまして、総合的に決めていくということになろうというふうに思います。
その適切な判断のためには、正当な理由の有無について、当該外国人に認められる事情を正確に把握する必要があると考えられますが、在留資格取り消し手続におきましては、当該外国人の意見を聴取することになりますし、関係者への質問や文書の要求、公務所または公私の団体への照会等の事実の調査をすることができますので、これら手続を通じて事実関係を正確に把握した上、正当な理由の有無について適切に判断してまいりたいというふうに考えております。

○神崎委員 三カ月を六カ月に修正をいたしておりますけれども、その趣旨を提案者にお伺いいたします。

○大口委員 活動を行わない期間ということでございますが、いわゆる就労資格等で在留する場合については、三カ月以上継続して活動を行わない場合が取り消し事由となります。
ただ、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行わない期間ということにつきましては、これは就労者資格での在留の方よりも一般的には日本社会とのつながりが深いということでございますし、また、完全に婚姻関係が破綻したのか、あるいは修復の可能性があるのかということをやはり慎重に見きわめる必要がございます。そういうことで、三カ月というのは短いのかな、六カ月にした理由でございます。

○神崎委員 修正案におきまして、在留資格の変更の申請の機会を与えるよう配慮しなければならない旨の規定を設けることといたしておりますけれども、その趣旨、あえてこういう規定を設けた趣旨について提案者にお伺いをいたします。

○大口委員 配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行っていない場合に、例えば配偶者からの暴力が原因で離婚したような事案が含まれます、DVですね。このような事案については、申請があれば定住者等の在留資格への変更の許可が見込まれる場合があります。
在留資格取り消し手続における意見聴取の際に、外国人に対して、在留資格変更申請を行う意思があるか否かを確認し、在留資格変更許可をするのが相当である場合には、在留資格取り消し手続を終了させ、外国人の在留資格は取り消さないこととなりますが、このような趣旨を明らかにするため、在留資格変更の申請の機会を与えるよう配慮することを明文をもって定めたところでございます。

○神崎委員 法務当局にお伺いいたしますけれども、在留資格の変更の申請が認められる場合として、どのような場合が考えられるのか、その点についてお尋ねをいたします。

○西川政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、典型的な例として挙げられますのが、いわゆるDV被害者が日本国籍を有する実子を監護養育しているような場合、このような場合については、日本人の配偶者等から定住者という形で在留資格の変更が認められる例が多いということが予想されます。

○神崎委員 DV被害者が加害者に所在を知られないようにするため住居地の変更を届け出なかった、こういう場合はどのような手続を踏むことになるのか、法務当局にお尋ねをいたします。

○西川政府参考人 お答え申し上げます。
DV被害者が加害者に所在を知られないようにするため住居地の変更を届け出なかった場合は、入管法第二十二条の四第一項第九号、改正の法案ですが、「届出をしないことにつき正当な理由がある場合」に当たり、在留資格の取り消しを行わないということになろうと思われます。
また、DV被害者が配偶者としての活動を行えない場合には、配偶者の身分を有する者としての活動は認められなくても、定住者等の他の在留資格への変更が可能であれば、在留資格変更許可申請をさせた上で、引き続き在留を認めることになります。
このように、DV被害者については、在留資格の取り消し手続において配慮する取り扱いにすることになると考えております。

○神崎委員 次に、附則についてお伺いをいたします。
附則の中に、仮放免されてから一定期間経過した者の情報を市区町村等に通知する、こういう規定を設けておりますけれども、その趣旨につきまして、提案者にお伺いしたいと思います。

○大口委員 第六十条一項にこの規定を設けたわけでございますが、現在、外国人登録を利用するなどして、母子保護、母子手帳等の交付、それから児童に対する予防接種、これは案内、そして教育、これは就学案内等、そして人道等の観点から行政サービスは仮放免された者にも提供されておりますが、この改正法施行後もなおこれらの方が行政上の便益を受けられるようにするためには、例えば予防接種の案内の発送等、市町村における外国人の居住実態を把握する必要がある場面があります。
そこで、法務大臣において、仮放免されてから一定の期間を経過したものについて、施行日以後においてもなお行政上の便益を受けられるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市町村に迅速に通知すること等について、個人情報の保護にも配慮しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしたものでございます。

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