大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2010年2月24日

174-衆-予算委員会公聴会-1号 平成22年02月24日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。三公述人の先生方、大変お忙しいところ、ありがとうございます。また、貴重な御意見、本当にありがとうございます。
まず、子ども手当についてお伺いしたいと思います。
昨日から子ども手当の審議に入りました。ここで、やはり財源の確保ということが一番の問題になっておりまして、その結果、政府内におきましても、満額、月二万六千円を二十三年度からできるのかどうかということが、やはり慎重論もある、こういうふうに言われております。
そして、現金給付だけではなくて、やはり現物給付、保育所サービスあるいは放課後児童クラブ、こういうものも必要であって、これについて政府も、一月二十九日、子ども・子育てビジョンを閣議決定した。ただ、このために必要なお金というのが年間七千億円、そして、保育所料金の軽減、こういうものを含めますと一兆六千億円にも上る、こういうふうに言われているわけでございます。そして、ライフ・ワーク・バランス、こういうものがそろって少子化対策というのは効果があるということは、ドイツとフランスの例を見ても明らかではないかな、こう思っております。
そこで、三公述人の皆さんには、今、子ども手当について、政府内でも満額について慎重論もある、あるいは、少子化対策というのは三本の柱、要するに、現金給付と現物給付、そしてライフ・ワーク・バランスということが大事である、こういう観点から、二十三年度以降、この子ども手当はどうあるべきか。しかも、国がすべて負担する、こういうこともおっしゃっているわけであります。ここら辺について、お伺いしたいと思います。
それでは、順次お願いいたします。簡単にお願いします。

○高橋(伸)公述人 かつては家族が家族を扶養していた、そういう時代が終わったわけであります。まさに、高齢者については社会が扶養するということで合意ができ、社会保障が整えられていると思います。今後は、子供も社会がやはり育児をする、育てるということが大変重要でありまして、私は、子ども手当はその試金石というふうになると思いますので、ぜひ満額で実施してほしいというふうに思います。
以上です。

○高橋(紘)公述人 世上、こういうことを言っているんですね。親が二万六千円もらって、子の世代に倍返しだという話があります。実は、私は、今回の子ども手当はバウチャーを考えたらよかったのではと。要するに、いわゆる保育所だとか現物給付、さまざまな諸サービス、そういうものに特定するような仕掛けを制度的に工夫すべきで、二万六千円配るというのは乱暴だと私は思っております。
家族政策は足りないんです、日本は。しかし、ああいう政策は論外だというふうに思っております。もし財政的な余裕があればいいわけですが、子ども手当のために、重要な日本の科学技術開発や文化政策やさまざまなことが犠牲になる、教育が犠牲になる、これでは将来にはつながらないというふうに思っております。

○菊池公述人 子ども手当、こういうふうに本格的に出すのは日本では初めてだと思いますので、これは私は賛成でございます。
ただ、金額と、もう一つ、やはり子供の教育といいますか、そういうことを考えたときに、子供も含めた社会福祉施設、そちらとのバランスというものをどうとっていくのか。
私は、先ほど申し上げましたとおり、日本はやはり政府支出を出して、それで経済の底上げを図っていくべきだという大きな、マクロ的な方針を持っておりますので、そのときにはやはり、生活に密着した分野への政府投資をして施設をつくっていく、その中には、こういう保育所ですとか、それから高齢者の福祉が入ってくるわけですね。
ですから、保育所も、これはつくるという予定も入っていると思いますけれども、子ども手当とのバランスが、例えば、端的に言って、子ども手当を満額出すと、福祉施設といいますか、そういう子供施設に対するお金が足らないというようなことであれば、例えばそこをうまく調整するとか、ちょっとやってみて、状況をよく調べてやってみたらどうかなと思います。
そういう意味では、社会的な基盤を強化する、本当にずたずたになった、そういう日本の経済の底をしっかりと固めるという意味では、賛成でございます。

○大口委員 公明党は、児童手当を財源との見合いで、こつこつこつこつやってまいったわけでございます。二十二年度限りのものについては、児童手当プラスアルファという形の設計になっているということでございます。
さて、実は本日、公明党は午前中、我が党の山口代表が首相官邸を訪れまして、鳩山総理に対して、介護保険制度の抜本的改革に取り組むよう、新介護ビジョン、これを取りまとめて申し入れをしたところでございます。
昨年の十一月から一カ月間、全国三千人の議員が一丸となって、四十七都道府県で介護総点検を一斉に実施いたしました。そして、十万件を超える介護の現場の貴重な声を聞いて、それに基づいて新ビジョンを出させていただいたわけです。中でも、介護施設の不足、在宅支援体制の不足、そして介護労働力の不足、この三つの不足、これを不安に思っておられる方が非常に多いということでございました。
そこで、高橋紘士先生にお伺いしたいと思います。
先生は、介護保険について、本当にフィールドワーカーとして一番現場をよく御存じで、私どもとしても、先生のお話を聞いてこのビジョンづくりにも参考にさせていただいたわけでございます。
そういう点で、介護保険の制度の施行から十年を迎えて、本当に今、介護現場では深刻な問題が山積しています。七十代の高齢者を介護する家族の半数以上が七十代以上という老老介護の実態、先生はこれはもう普通のことになっているんだと。それから、自宅で介護する家族の四分の一にうつ状態が疑われる、介護うつの問題も深刻。そして、シングル介護など、家族の介護のために転職、離職を繰り返し、収入面の不安を抱え、先行きの見えないまま介護に踏ん張っている実態もあるということでございます。
平成二十四年には、診療報酬と介護報酬の同時改定がありますので、この介護保険制度の骨格の部分の見直しが必要だと思います。先生から、本当に地域の尊厳あるケア、そのためには地域ケアを主軸に、そして新しい民間というお話をいただきましたが、この抜本的な見直しについて、さらに先生のお話をお伺いしたいと思います。

○高橋(紘)公述人 これはまたどこかでお話しする機会があります。
私が申し上げたいのは、家族扶養補完型のシステムはやめないといけません。要するに、家族に頼る介護はやめるということ。そうしますと、今の居宅サービスの仕掛けを抜本的に変えないといけないというふうに思っております。
これは、一方で効率化が必要です。そういう意味では、本当に必要な在宅中重度者、先ほどの、単身者が大都市では三倍にふえますから、そういうことも必要です。そういう意味で、介護保険そのものの改革、これは重要でございますが、もう一つ指摘しておきたいのは、「たまゆら」事件ではございませんが、住宅、要するに在宅の宅が、住まいが非常に貧しいんです。今までの政策は、私的市場で住宅を供給するという政策をとっておりましたが、住宅を社会保障として考える、そういうことをきちっとやっていただきたい。
そういう意味で、私は、今の前原大臣がお取り組みになっているさまざまな住宅局の施策、これは大変高く評価をしているものでございます。ダムの方は評価しませんが、住宅局にかかわるさまざまな政策で大変見るべきもの、これは、前内閣の財産をきちんと創造的に発展させたというふうに評価しておりまして、そういうことを含めて、住宅と介護の連携、あるいは、権利擁護が非常に重要なんですが、このことも非常に不十分なままでございます。
さまざまな介護保険内部の改革と同時に、介護保険をめぐるさまざまな政策を多角的にやる。これは、今やらないとだめです。一五年というのは、もう時間がありません。要するに、サービスというのは、人をつくり、さまざまな支援の仕掛けをつくるためには、団塊の世代が六十五歳になり、七十五歳になるのは意外と短いのです。それを想起しながら、早急に議論を始めていただきたいというふうに考えております。

○大口委員 ケアつき住宅といいますか、こういうものも、我が党、今回の提言の中に入れております。いずれにしましても、住宅あるいは人権擁護、しっかりやっていきたいと思います。
そういう中で、高橋伸彰先生、今回のことで、雇用税の導入をおっしゃられました。要するに、法人税の引き下げと雇用税の導入ということですが、この雇用税の導入については、これは雇用コストを高め、企業の海外移転を促進しないのか。今、海外への移転というものが、むしろそういう方向になってきていますと、逆に非常に心配だな。今、中国特需なんということも言われていまして、この前、大阪に行きましたときに、やはり中国への輸出がいいので中小企業は今もっているというお話もありました。そういうことで、雇用税の導入についてお伺いしたいと思います。
それから、菊池英博公述人は、純債務が三百兆円、こういうことなんですが、これは財務省側の資料に基づいて、OECDでは、純債務の国際比較ということで、OECDの比較でいきますと、日本が一〇四・六%、純債務残高の国際比較ではそうなっていまして、イタリアよりも悪く、債務残高のGDP比の数字が一〇四・六となっております。
先生は年金積立金についても引かれていると思うんですが、これは将来のためのことではないかな、こういうふうに考えるわけです。このあたりについてお伺いしたいと思います。

○高橋(伸)公述人 雇用税に関しましては、私は、やはり人を雇うということに対しては、その人の生涯に対する責任の一端も担うということでありますので、きちんとした税金を企業が払うような仕組みをつくるべきだと思います。
国際競争力の点については、これは、一部の企業だけがこの税金を払えばその企業が競争力を失うことになりますけれども、すべての企業に対して雇用税を求めるのであれば、国際競争力は為替の調整によって均衡されるというふうに思いますので、すなわち、雇用税を導入することによって、為替レートが円安に振れれば、そういう点では国際的な競争の面でも特に問題ないというふうに考えております。

○菊池公述人 純債務のお話でございまして、二件ございました。
まず第一に、私は、きょうお渡し申し上げました資料で、純債務は大体三百兆円台だというふうに申し上げました。これでいきますと、ざっと六〇%から七〇%台になりますね、GDP比が。ところが、OECD比だと一〇〇%いっているじゃないか、こういう御質問ですよね。
これは、私は、この資料はほぼ十年以上前からずっとつくってきているんですよ。そして、感ずることは、何だか債務がどんどんどんどんふえていくんですよ。それで、一度、内閣府に行きまして、どうしてこんなふうにしているんだということを聞いたことがあるんですよ。これは印象のお話なんですけれども、何か、特に債務を次々と追加しているんですね、いろいろな形で。これはOECDの一つの基準がありますから一〇四%というのを出している。ただ、これを出しているのは日本でございますから、日本の内閣府と恐らく財務省でしょうね、そちらが来て出しているわけですから。ですから、そう考えると、やはりOECDの数字はそうだ。
ところが、私が申し上げている三百兆に近い数字が最近、財務省から出たんですよ。これは何かといいますと、財務省が二〇〇八年度末で国の貸借対照表というのを公表しています。御存じですね。これによると、債務は二百五十兆です。そうなると、純債務は私が言う三百兆に近いわけですよ。
だから、いろいろな計算はあるかもしれませんけれども、私は、ちょっと基準は違うんですけれども、財務省さんも出しているんだから、二百五十兆から三百兆というのが妥当じゃないかなと思います。
それからもう一つ、年金のことですね。これについては、こう考えているんです。
つまり、端的に言いますと、一般会計五百五十兆債務がある。一方、年金の積立金二百二十兆あるとしますね。そうすると、年金は、今先生がおっしゃられましたとおり、これは国民から預かって、いずれ国民に払わなければならない債務であります。そういう意味では債務なんです。しかし、我々国民は全部拠出していますよね。拠出して、政府にこれを預けている。そして、政府は、それを政府の資産として運用しているわけです。
ですから、我々国民から見れば、年金収支は今黒字ですから、全部拠出しているわけですね。そのお金をどう使うかなんですよ。だから、ある意味では、我々が出した二百二十兆というものが、ちゃんと、かなりのものは国債にも購入という形で直接使われておりますから、国全体としての債務だったら、その二百二十兆というのをそこの資産として入れてもいいんじゃないかと思っております。
こういう例があります。一九九八年にマレーシアで通貨危機がございましたね。そのときに、マレーシアも同じようなシステムをとっていたんですよ、年金の積み立てについて。そのときの時のマハティール首相は、それは国民の拠出金なんだから、それを担保にして国債を発行して景気を振興しよう、そうすれば通貨危機後の債務が、通貨危機後の不良債権が少しでも楽になるだろう、こうしました。そうしまして、結果的に、今のような考え方、私のような考え方で国債を発行しました。そうしましたところ、これはうまく成功したんです。それに対して、後ほどIMFのコンサルテーションがありましたときに、非常に褒められています。だから、国際的にこの考えは通用すると私は思っています。

○大口委員 以上で終わりたいと思います。
S&Pの格付が引き下げられたというようなこともありまして、財政規律はしっかりやっていきたいと思います。
ありがとうございました。

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