大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2010年2月26日

174-衆-予算委員会-17号 平成22年02月26日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
四人の陳述者の方々、大変お忙しいところありがとうございます。
それでは、私の方から、まず小西先生にお伺いしたいんですけれども、二十三年度、今二十二年度の審議ですが、二十三年度については非常に心配だ、こういうお話をいただきました。
確かに、一般会計、特別会計、二百七兆円を組み替えて十分その財源を確保できるということで、七・一兆円のマニフェスト予算ということであったんですが、現実には三・ちょっとということになったわけですね。そういう点では、今回も、暫定税率も含めてマニフェストをなかなか実行できなかったり、あるいは子ども手当の財源として地方税の増税があったり、あるいは高速道路の無料化につきましても六千億を一千億に縮減したり等々、高校の無償化も私学の低所得者の方にしわ寄せが来てしまったり、五百億減ということですね。
こういうことで、二十二年度でさえこういう状況が続いているわけですので、二十三年度、本当にこれは心配だな、これは国民の皆さんがそう思っているわけです。
先生、財政の専門家でございますので、例えば、二百七兆円の一般会計、特別会計の組み替えで来年は十二・六兆円ですかを削るという話なんですが、そういうことが本当に可能なのかどうか。また、恒久政策についてはいわば恒久財源が必要ではないか等々という関係がございます。先生の専門家としての見通しをまず一つお伺いしたいということ。
あと、確かに今国債の金利が、まだ急上昇ではないにしても、S&Pでネガティブ、こういう格付の評価が出ました。これは本当に専門家としても注意しなきゃいけないことであると思います。そういうことも含めて、今後の長期金利の上昇等についてもお伺いしたいと思います。

○小西砂千夫君 予算の組み替えということをお尋ねいただいたわけでございますけれども、まず、非常に異常な税収の落ち込み、もちろんその背景には経済が非常に異例の状態になっているというところがありますので、その財源不足というのを、経済がせめて健康体と言える状態に戻ったときの、いわば景気が平年度化したときの税収というところをベースに考えませんと、その金額が、余りにも財源不足が大き過ぎますので議論できないところがあります。
組み替え云々というのも、結局は、そこに余剰な財源があるというよりも、諸政策を根本的に改めることが組み替えだということだと思います。ですので、不可能だというふうに言い切ることはできないわけですけれども、それをするための諸政策の見直しというものがどこまでやれるかということについては心配をしながら見守っているというような状況でございます。ですので、気が早いようですけれども、平成二十三年度予算の審議、実質的なその内容の検討については一日も早くやっていただいて、お願いしたいと思うわけです。
政権が交代していますので、それは前政権云々がどうだということではないんですけれども、現政権は、議論の中身を可視化しようというところがあります。ですから、どういう議論をしているかということを国民に見せよう、これをもっともっとやっていただきたい。そうしますと、結局、国民も無理なことをやれというふうには政治に対して言わないんじゃないか。ですから、見せて、やるだけのことはやったけれども、もうここまでしかできませんというところを本当に国民にうまくアピールできたら、そこは、変な言い方ですけれども、国民も妥協の余地はあるというところだろうと思います。
ですので、いろいろ精力的に改革はやっていただきたいと思いますが、ぜひ透明性のある議論をしていただいて、国民にある種のシンパシーを求めるようにお願いしたいというふうに思います。

○大口委員 長期金利の件は。

○小西砂千夫君 それは、国民に対する信頼と金融マーケットに対する信頼というのは、これはもうほとんど同義でございますので、結局、マーケットの方も、財政再建をするというその政治的意思及びリーダーシップを見ている、数字だけを見ているわけではないということで、基本的には同じだというふうに考えております。

○大口委員 そういう点では景気対策が非常に喫緊の課題であると思います。ただ、二十一年度の第一次補正の二・九兆円の凍結をしましたね。これがやはり相当きいている。その後、凍結の後、デフレ宣言を菅大臣がおっしゃったわけですが、デフレ対策も十分ではない。こういうことで、私どもは、早く景気対策をしっかりやっていただきたいということ。
それから、中長期の、要するに財政規律の点について、遅過ぎる。本来は、平成二十二年度の予算とセットで、中期的なフレームといいますか財政規律についても発表すべきであったわけですね。そこが発表されていない、五月とかになるということがまた、国民が不安に思っていますし、またマーケットも不安に思っていると思うんですが、このことについて、もう一回、小西先生、どう思われますか。

○小西砂千夫君 中長期の財政収支の均衡化について強い政治的メッセージをできるだけ早い時期に発信する必要は、やはり先ほど御質問いただいた金融マーケットの関係からもあるのではないかというふうに思います。
一方、マクロ経済というのはまた、現状ではガラス細工のようなところがありますので、余り増税そのものを急ぐと、マクロ経済のマイナスになると、角を矯めて牛を殺すようなことにもなりかねない。
ですので、中長期で均衡するという何か強いメッセージが欲しいなというのが正直な私の感想でございます。

○大口委員 東大阪といえば、東の大田区、西の東大阪というぐらい、我々静岡の人間も物づくりということで注目をしているわけです。そして、この東大阪というのは、今、嶋田さんあるいは三谷さんがおっしゃいましたように、集積をしていて、本当に、一つのネットワークということで、いろいろなものについてどんどん対応していける、こういうことである。
そのネットワークが少し今壊れてきている。一万社ぐらいあったのが六千数百社、こういうことで、嶋田さんは副会頭でいらっしゃるということで、本当に、御自分の仕事もそうですが、地域のネットワークが壊れつつあるということに対して非常に危機感を持っておられる、こういうふうに思っているわけであります。
そういう点で、中小企業政策は、予算、あるいは税制、そして融資、それから、雇用調整助成金という、雇用の維持、こういうものがあると思います。
これにつきまして、一つ、減税ということで、民主党さんは、一八%を一一%に法人税を引き下げるということも、これはマニフェストであったわけでありますけれども、この法人税の減税、それから投資減税ということを強く求めておられましたが、これについて。
それから、実は物づくりの件では、二十一年度の第一次補正予算で、ものづくり中小企業製品開発等の支援補助金ということで、試作品開発、これは五百七十億でございましたが、七千件ぐらい要望があったんですね。東大阪でも相当これについては要望があったと思うんですが、これが事業仕分けで打ち切られましたですね。これについてどうお考えなのか。よろしくお願いします。三谷さんにも御感想を言っていただけたらと思います。

○嶋田亘君 一番最後に言われました試作品関係の補助金の打ち切り、これに関しては、何とか復活をしていただきたい。これは非常にいい政策で、非常に期待しておったわけなんですけれども、これがなくなるということは、やはり新産業の創造ということに対して打ち切りを言っているような感じがするわけなんです。
それで、今、東大阪では、クリエイション・コアというのをつくっていただきまして、そこでいろいろと大学と、産官学、こういうような形で新しいものを創造していこうよというようなことでしきりに頑張っておるわけなんですけれども、何か、そういうものの要するに出ばなをくじかれたというような感じがいたしますので、ぜひとももう一度考えていただきたいと思います。
それから、金融面でいろいろ御援助、御支援いただいているわけなんですけれども、これは非常にうまく回転しておるんじゃないかなと僕は思っております。非常に感謝しております。ただ、余りおくれてくると、ただ単なるモルヒネ的な役割になってしまって、本当の援助にならないということもあろうかと思いますので、この辺の取り扱いについても、それこそ本当に助けるべきものをもっと助けていくというようなことでやっていけたらなと思っております。
いずれにしましても、これだけマーケットが変わってきますと、新しい産業の創造がなければ食っていけなくなってくると思いますので、ぜひともそういう政策をよろしくお願いしたいと思います。

○三谷信雄君 物づくりの補助金という点では、我々は余りそういうことに携わらない部分が多々あると思います。
ただ、一つ、最近我々の間で危惧しているのは、雇用助成金等をもらって会社が休みがふえるということになると、納期の問題で、例えばいついつ受けていついつ持っていくといったって、そこが休みがふえて納期が必然的に延びてしまう、しかし最終的な納期は守らなければならないというところで、雇用助成金をもらって休みがふえるということは、特に従業員のモチベーション、意欲という点でも、本当は、景気が回復して雇用助成金なんかは配らなくても企業活動ができるような、そういう方向へ行かないと、そこをもらうことで、割と安易に休みがふえて、労働者のモチベーション、そういうものもちょっと薄れるということ。
仕事の関係の納期なんかでも、例えば塗装屋へ持っていく、それから穴あけ屋へ持っていく、ところが休みだ、こういうことでは納期が必然的にずれてしまうことで、ちょっとそういうことも危惧しているというようなことを考えております。

○大口委員 この試作品の開発支援の補助も、本当にそういう点では、現場では強い要望があるんですが、残念ながらこれが仕分けになりました。ですけれども、やはり、特に東大阪のように一つのネットワークがあるところであればこそまたいろいろな試作品も、人工衛星までやっておられるわけですから、本当に中小企業がチャレンジできることですので、しっかりこれは我々としても復活を求めていきたいな、こういうふうに思っております。
それから、三ッ木陳述者にもお伺いしたいと思います。
私ども公明党も、介護総点検活動というのを、昨年の十一月から十二月、一カ月間かけて、十万件アンケート調査をとらせていただきました。介護の問題一つとってみましても、本当に施設が足りない。特に、二〇二五年にはもう団塊の世代はすべて七十五歳以上になるわけですね。施設の整備の要望が非常に強い。それから、介護従事者の、人の確保ということもこれは非常に大事である。それから、介護難民が出てくるのではないか。
そしてまた、医療の方も、やはり、今、高額療養費の上限についてもっと下げてもらわないと難病の方とか慢性疾患の方は大変だ。
あるいは、年金につきましても、本当に、今、国民年金の方の場合は満額でも月六万六千円、年間で八十万弱ですから、これの加算をお願いしたい。そしてまた、二十五年掛けないともらえないということで、二十三年と少しだというようなこともあるわけでございます。
年金、医療、介護、それぞれ、これから自然に一兆円ずつ社会保障費がふえていくわけでありますけれども、そういう中で、なおかつこれを充実させていかなければならない。
それとともに、子育て支援も大事でございまして、子育て支援も、現金給付だけではこれは実は少子化をストップできないですね。フランスとドイツを比較しますと、フランスは、現金給付だけじゃなくて現物給付もしっかりやって少子化をストップした、ところがドイツの場合は、現金給付だけだったので効果が上がっていない。やはり、現物給付、保育園等の子育て支援も、環境整備もしっかりやらなきゃいけない。こういうことでございますので、今の民主党のマニフェストについて。
私どもは児童手当を推進してきているわけであります。今回、児童手当にプラスアルファという形になったわけでありますけれども。
いずれにしましても、社会保障全体における、あるいは負担と給付という中での財源の確保、これが非常に大事である。やはりバランスのとれた社会保障制度、それとやはり財源の裏づけのある社会保障制度というのが持続可能な社会保障制度を確立していくことだと思うんですが、この点について御意見をいただければと思います。

○三ッ木宣武君 社会保障制度の満足度というのは、それに該当する人によって違うと思うんです。それぞれみんな、こういう面を充実してもらいたい、ああいう面を充実してもらいたい。ですから、おっしゃるバランスというものは大事だと思います。
子供がふえることについての外国の例は、生活様式も違いますし民族的な感覚も違うわけですから、そのものをそのまま日本に入れて、フランスやドイツ並みにしたら子供がふえるなんということにはなかなかなりにくいのではないかなというふうに思っております。
私は、介護に従事している方の生活をしっかり見てあげないと、それは、施設とか、介護難民とかいろいろおりますけれども、それを介護する人がいなければどうしようもない。
たまたま私は大阪の労働委員会をやっていまして、いろいろな事件のあっせんで見ますと、結婚もできない、生活もできない、だから三カ月か四カ月するとやめてしまう。しかし、政府の方で、月々幾らか介護従事者に回るようにとお金を出しているんですけれども、それがそこまで行かない、要するに施設の方でみんな食ってしまうというふうなことですから、高齢化社会というのは、医療制度が非常に発達したから高齢化社会になると思うんですけれども、それに付随して、やはり高齢化というのは介護の問題というのが非常に大切な問題だというふうに思います。
先ほど、子供が海外の場合はこうやってふえますと言いましたけれども、例えばスウェーデンへ行きますと、寝たきりの人が少ないんです。そうしますと、介護に必要な療養のあり方について根本的に見ていかないといけないのではないか。何か調子が悪かったらすぐ病院へ入院するということでは歩けなくなるということですから、そういうことを全般的に見直さないと、なかなかこの介護の問題は解決しないと思うんです。
ただ、介護の問題で一番大事なのは、介護従事者について、生活ができるような保障をしてあげてくださいということが非常に大事ではないかというふうに思います。

○大口委員 ありがとうございます。
四人の方々から貴重な御意見をいただきました。しっかりまた対応していきたいと思います。介護従事者などの待遇改善は、本当にこれは喫緊の課題であると思います。またしっかり力を入れていきたいと思います。
以上です。

大口よしのりについて
大口よしのりについて
活動記録
活動記録
政策・実績
政策・実績
リンク集
リンク集

▲このページの先頭へ