大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2010年3月26日

174-衆-法務委員会-5号 平成22年03月26日

○大口委員 公明党の大口でございます。質問させていただきます。
まず、平成十八年の一月に最高裁の判決がありまして、貸金業についてのいわゆるグレーゾーン金利を実質認めない判決が出た。
過払い金返還請求というのは、多重債務者の救済の切り札ということがあるんですが、一方、多重債務者の債務整理を手がける弁護士もふえ、貸金業者に対する過払い金返還請求が急増した。過払い金の返還バブルと言われています。一部の弁護士それから司法書士と依頼者である多重債務者との間で、意思疎通の有無や報酬の額などトラブルが生じています。
こうしたトラブルについて、多重債務者からは、広告を出して大量に依頼を受けたが事件を処理しないまま放置する、やみ金などにも債務があるのに貸金業者に対する過払い金返還請求しか受け付けてくれない、多額の報酬を求められた、弁護士本人が直接面談しない、事務所の職員に任せている等々の苦情が寄せられ、返還された過払い金を弁護士が債務者、依頼者に戻していなかったという事例も生じています。こうしたことに加えて、債務整理をビジネス化している、こういうものが、所得の申告漏れというのも発覚しています。非常にどうなっているのかなと思っているわけであります。
日弁連はこれに対して、平成二十一年七月十七日、債務整理事件処理に関する指針によって、債務処理の際に配慮する事項を定め、弁護士に誠実な対応を求めています。しかし、トラブルは続いている。そういうことで、本年三月十八日、指針を改定して、個別の面談、広告における弁護士費用の表示等を配慮事項として追加したところでございます。
司法書士につきましても、同様の問題があって、昨年十二月十六日に指針を策定して、依頼者との直接面談や報酬の説明等を配慮すべき事項として定めているわけでございます。
今回、日弁連の会長になられました宇都宮弁護士が、多重債務者の債務整理をめぐるトラブルの背景には、平成十二年の弁護士広告の解禁や平成十六年の弁護士報酬規定の全廃が一因となっていた、これは見直す必要があるというふうな発言もしているわけでございます。
そこで、大臣に、多重債務者の債務整理における一部弁護士あるいは司法書士のこういう問題について、もちろん基本的には弁護士自治の問題であるし、また、司法書士の会の自発的な対応が必要だと思いますが、大臣の率直な御所見をお伺いしたいと思います。

○千葉国務大臣 一部の弁護士あるいは司法書士の方だと思いますけれども、このようなトラブルが発生しているということは、私は大変遺憾に思います。特に、国民の権利擁護の担い手と言われているそういう職務でございますので、そういう皆さんの中に不適切なこういう処理があるということは大変遺憾であり、あってはならないことだというふうに思います。
委員が御指摘になっておられますように、日弁連そして日司連、それぞれが会の指針を定めておられますし、さらにそれを充実していくという方向におられるというふうに思います。
私どもの職責としては、個々に直接指導監督するということはできません。また、日弁連は非常に独立性のある機関でございますので。ただ、こういう指針あるいはさまざまな施策について、私たちもきちっとその運用がうまくいくように見詰めていきたいというふうに思いますし、何か御要請があれば、必要な助言あるいは協力をしてまいりたいというふうに思っております。
また、御指摘がありましたように、一部では、これが広告の解禁とかそれから報酬規定を撤廃する、こういうことにも原因しているのではないか、こういう御指摘があることも承知をいたしております。これはいろいろと御議論のあるところだというふうに思いますので、そういうところもまた関心を持って、念頭に置いてまいりたいというふうに思っております。

○大口委員 大臣も、弁護士自治というのを御配慮されてのお話でございますが、これはやはり率直に、こういう被害も本当に出ているということで、弁護士でもあられますし、大いに発言をしていただきたいな、こういうふうに思っております。
また、金融庁におきましては、今、改正貸金業法の完全施行に向けた対応ということでいろいろとまとめておられるということでございます。この取り組みの強化の検討を依頼するということ、今広告の自主規制を要請する等の方針をいろいろと検討されているようでございますが、報道もされていますので、金融庁としての対応をお伺いしたいと思います。

○田村大臣政務官 問題意識に関しましては、先生と全く共有しているところでございます。
先生も十分御案内と思いますけれども、金融庁が中心となりまして、副大臣、政務官レベルで、関係省庁、法務省、ですから中村政務官にも御参加をいただいて、あと、消費者庁の副大臣、政務官で貸金業に関するプロジェクトチームというものを、現在、もうそろそろ終盤にかかっていますが、議論を続けているところでありまして、十三回、各関係者からヒアリングをいたしました。
そして、宇都宮先生にも、まだ会長になられる前ですけれども、お話を伺いまして、指針はつくったもののまだ不十分だということは宇都宮先生もおっしゃっておられたところでございますので、会長になられて、そこはしっかりと指導していただけるだろうと御期待もしているところであります。
このプロジェクトチームとしましても、やはりそこはしっかりと要請をしていこうというふうに考えているところでございまして、おととい、プロジェクトチームの座長試案を出させていただきました。そこにも、大きな項目としまして、広告内容の適正化を初めとしまして、報酬についての顧客に対する事前説明の履行の徹底ですとか、あるいは弁護士、司法書士等の社会的責任に応じた自発的対応の促進といったことをしっかりと要請していこうと考えているところでありますし、プロジェクトチームでしっかりと案を固めた後は、多重債務者対策本部で、さらに関係者の意見も踏まえて要請をしていきたいと考えています。

○大口委員 しっかりよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、死因究明制度の改革の推進ということで質問させていただきたいと思います。
死因究明というのは最後の医療行為であり、いわば命の尊厳を守る最後のとりでである、こういうふうに思っております。
平成十八年に、パロマ工業社製のガス湯沸かし器の一酸化炭素中毒の事故があった。そして、平成十九年には、大相撲の時津風部屋の力士死亡事件があった。そして、最近ですと、例の埼玉、東京であったり、あるいは鳥取であったように、殺人の疑いがあって、連続不審死事件が発覚しているわけです。これは、早目にやっておけばこんなに被害者は出なかったと思うわけでありますけれども、一酸化炭素中毒死ですとか自殺、事故死に見せかけた、こういうようなことがありました。
そういう点で、死因究明制度の不備が改めて指摘されているところであって、そして、ことしの二月に水戸市で七十三歳の女性が自宅で殺害されていることが発見され、遺体発見当初の警察の検視では心不全による病死の疑い、こういうことであったんですが、発見後、県警捜査員が遺体の写真を見て不審点に気づき、司法解剖したところ、のどの骨が折れていたことがわかって、窒息死と判明して、そして殺人事件として捜査を開始したということでございまして、こういうふうに、本来刑事事件になるもの、殺人事件になるものが、それを逃しているということが現実に日々起こっているというふうに考えるわけであります。
この法務委員会でも、平成十九年から二十年にかけて六回勉強会を開いたり、あるいは、二十年の七月には、海外の調査議員団ということでスウェーデンに行かれて、そして、当時の下村委員長が保岡法務大臣に提言を出されたり、あるいは、今、自公で異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟、議連というのがありまして、議員立法等も検討している、こういう状況でありまして、民主党さんも非常に、今、細川厚生労働副大臣でありますが、大変熱心で、そして議員立法ということで二本、いわゆる死因究明関連二法案を出されて、これは廃案になる、こういうことでございます。
非常に関連する省庁がこの問題は多い。内閣官房、警察庁、法務省、厚生労働省、文科省、こういうことでありますので、縦割りの弊害ということで、やはり司令塔を置かないとなかなか前に進まないなと思っているわけでありますが、そういう中で、とにかくこの死因究明の推進について、基本理念とか、国、地方公共団体の責務を明確にし、基本となるような事項を定め、必要な体制を整備することによって、死因究明を総合的かつ計画的に推進する、こういう法律というのは必要だな、今、非常に切実にそう思っておるわけでございます。
この点につきまして、法務大臣に、この死因究明制度の抜本的改革の必要性についてお伺いしたいと思います。

○千葉国務大臣 今委員から、この間の国会でのさまざまな御議論、そしてまたそれの本当に大きな成果も上げられているというお話がございました。私もその経緯を幾ばくかは承知しておりまして、何とかそういう流れを生かしていかなければというふうに思っているところでございます。何しろ非自然死体の解剖率が約一〇%ということでもございますので、これではなかなか本当の死因というのがわかりにくいということだというふうに思います。
現在、警察庁で研究会を立ち上げられまして検討を進められております。これには法務省からも参加をしておりますので、当面はこの研究をできるだけ深めていく、そういう観点から、私どもも協力をしながら検討を進めていきたいというふうに思っております。
また、いわゆる医療関連にかかわる問題も当然これからまたあろうかというふうに思います。そういう分野とどういう関係性を構築していくのか、そういうこともありますので、これからぜひ、おっしゃったように縦割りの弊害ということでこの議論が進まないというようなことになりませんように、そういうことを注意しながら、私どもも積極的に検討に参加をしてまいりたいと考えております。

○大口委員 そして、この死因究明で、重点施策として私どもの議連でも五つ挙げています。警察における検視の実施体制の充実、医師の検案能力の向上、法医学に係る教育及び研究拠点の整備、行政解剖を担う体制の充実、死亡時画像診断の活用、こういうものを重点施策として挙げているわけなんです。
その中で、警察における検視の実施体制の充実ということでは、やはり、いわゆる検視官、刑事調査官の増員、これが非常に大事であろうと思います。
今の現状は、とにかく、刑事調査官が平成二十一年では全国で百九十六名しかいない。現場で検視の指示、指導等、現場に行く臨場率といいますか、これは二〇・三%ということでございますから、残りの八〇%近くは、検視の専門家でない、刑事調査官不在のまま犯罪性の有無が判断されている。だから水戸のようなことが起こるわけでございます。
そういう点で、刑事調査官の増員、臨場率を向上させるということが死因究明の充実に不可欠でございます。どのような計画を持っておられるのか、どの程度臨場率を上げていくのかということについて、警察庁にお伺いしたいと思います。

○金高政府参考人 刑事調査官は、委員御指摘のとおり、十分な捜査経験と検視の訓練を積んだ、警察の中での死体取り扱いのプロというべき存在でございまして、死体の検視等に専従しているという職にございます。この増員を図り、臨場率を上げるということは極めて重要というふうに私どもも考えております。
平成二十一年度予算、二十二年度予算と二年連続で刑事調査官及びその補助者の増員をお認めいただいているところでございまして、二十一年四月現在の全国の刑事調査官数は、対前年比では三十六名プラスして、百九十六名となったというところでございます。これに伴いまして、臨場率も、前年より約一万体増加しておりまして、約三万三千体ということでありますが、御指摘のとおり、まだそれでも二〇・三%という現状にございます。
今後どこまでこれを増員し、どこまで臨場率を上げるべきかというお尋ねでございますけれども、異状死体が十六万体を超すという状況の中で、全件臨場できればそれにこしたことはないというふうに思うわけでありますけれども、そのためには現在の数倍の刑事調査官が必要となるということと、また、刑事調査官は捜査の十年選手という条件になっていますので、育成するのにそれなりの時間がかかるということもございます。したがいまして、なかなか一朝一夕には実現が難しいものというふうに考えております。
一月からスタートいたしました死因究明に関する有識者研究会でも、刑事調査官のあるべき体制とかあるべき臨場率等については御審議をいただくということにしておりますけれども、警察庁といたしましては、引き続き体制の強化に努めていく。
また、その一方で、警察署の死体見分とか検視担当者に対する研修によるレベルアップとか、あるいは、警察の担当者が死体を取り扱う際に現場からリアルタイムで動画を本部の刑事調査官室に送りまして、そこで指導、指揮を受けながら検視を行うというシステムを活用したり、全体として、犯罪死を見逃すことのないような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。

○大口委員 そういう点では、一般の警察官の能力の向上ということも大事で、研修も年に一回、一週間ぐらい、各警察署から一名ずつ出してやっておられると聞いております。
それと、あと、薬毒物の検査、これにつきましては、トライエージというんですか、薬物検査キットというものを配備していて、一万二千セットここ数年やっておられるということですが、これも、一セット三千円ですか、もっとどんどん積極的に使うべきだと思うんですね。ここら辺もしっかり指導していただきまして、外表からわからないことについてもちゃんとやっていただきたい、こう思う次第でございます。
次に、医師の検案能力の向上ということで、今、監察医制度というのが、東京二十三区、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市の五都市、それ以外は、地域の開業医の方が日常的な診察の傍ら死因調査に協力していただいている。三千四百名の警察嘱託医がいらっしゃると聞いています。その中で死体検案に携わっている先生方がいらっしゃるということでございますけれども、この能力をしっかり高めていくためにも、国としてもしっかりやっていただかなきゃいけない。この点について、今どうなっているか、今後どうするのか、お伺いしたいと思います。

○足立大臣政務官 お答えいたします。
まず、一般論があると思うんですね。これは今どうなっているか。一般の医師になるわけですけれども、これは、国家試験の中で、異状死の判断とかあるいは死体検案ということについて問題を課すようになっておりまして、つまり、それは学生の間に勉強している。
今委員がおっしゃった警察医のことについてですが、これは、研修は国立保健医療科学院で、三日間ですけれども、平成十七年度から毎年百名単位で研修をするようにしております。
いずれにいたしましても、冒頭委員がおっしゃったように、死因を究明するということは、死者に、亡くなった方に対する最後の尊厳だと思っておりますから、これは医師の資質としても極めて大事なことだと思っております。

○大口委員 そういう点では、法医学における教育研究拠点の整備ということがさらに大事になってくるわけであります。
大臣もおっしゃいましたね、御答弁されましたように、今、法医解剖の解剖率が大体一〇%、そして、日本法医学会の調査では、この法医解剖、これは司法解剖と行政解剖を含みますけれども、これを行う医師は約百五十名。ですから、大体一万五千体、平成十九年は解剖されていますので、年間、一人のお医者さんが、法医解剖の方が百体の解剖をしている、こういうことでございます。
そして、今回、警察庁の研究会のメンバーの千葉大学大学院の岩瀬博太郎教授が、やはり解剖率二〇%を目指すということであれば三百人の解剖医が必要だ、こういうふうにおっしゃっています。
ところが、全国医学部長病院長会議及び臨床研修協議会アンケート調査、これは平成二十年十二月二十六日現在でありますが、その調査の結果、要するに、将来従事したい診療科または基礎系分野の間で、法医学については、医学生、六年生は五千二百五十七人の回答者のうち八人、約〇・一五%しか法医学というものに従事したいと思っていない。それから、初期研修医は、千八百六十一人中三名、〇・一六%しか希望しない。卒後三―五年目の医師は、千三百四十八人中ゼロ。こういうことで、法医学を目指す方が本当に極めて少ないという状況であります。この点につきまして岩瀬教授は、ポストさえあれば法医学をやる人はふえると確信している、こういうふうにおっしゃっているわけでございます。
こういうことについて、とにかく、今、法医解剖を担う大学の法医学教室は、旧国立大学の場合は独立行政法人化して、定員、予算も縮小されている、こういうこともあって、やはり予算を確保して、解剖医の育成のための受け皿を確保し、そしてポストの確保をし、キャリアパスというものをしっかり構築していかないとこれは厳しい、こういうふうに考えますけれども、文科省、お願いいたします。

○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。
現在、医学部を有しております七十九大学にはすべて法医学講座等は設置をされておりまして、そこで教職員等の数は六百二十六名、そのうち医師は百九十一名というふうになっております。
大学の法医学講座等では、本来の目的であります教育と研究を行っておりますが、加えまして、警察等からの依頼を受けて法医解剖を実施しているところでございますが、先ほど来お話ございますように、現状の体制のもとでの司法解剖率、平成二十一年度では四・一%ということでございます。
文部科学省といたしましては、今御指摘もございましたが、国立大学法人にもなっております。司法解剖にかかる費用というのは警察から措置をしていただいている謝金等でやっているわけでありますが、そうしたものも活用しながら、大学医学部における死因究明体制の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○大口委員 本当に将来心配でありまして、このあたりはしっかり推進していただきたい、こういうふうに思っているわけであります。
もう一つ、法医中毒学者の育成、これも問題になっていまして、これも、警察庁の研究会のメンバーの福岡大学の影浦光義教授が、法医中毒学というのは、事件、事故とかかわりを有する事例から得られた試料中の薬毒物を分析し、その結果から、薬毒物関与の有無、程度などを正しく解釈、評価、真実を究明する、こういう学問分野だ、こういうふうに聞いています。これは、アメリカ合衆国の主席法医中毒学者あるいは副主席法医中毒学者に相当する人、非常に最高レベルの人ですね、これが日本においては十人に満たない。これは、私、法務委員会の勉強会で聞きましたら、そういうお話です。ほとんどは五十代後半で、それより若い方については人材育成ができていない。これも、予算、ポスト、キャリアパスがあれば育成ができるんだけれども、こういうお話でございました。
これにつきましても、文科省、御答弁をお願いしたいと思います。

○鈴木副大臣 現在、文部科学省におきましては、医学教育の指針とされております医学教育モデル・コア・カリキュラムで、法医学に係る学習到達目標を盛り込んで、各大学に提示するなどを行っているところでございます。
今御指摘のございました法医中毒学を含む法医学の養成でございますが、平成二十二年度の医学部入学定員増に当たりまして、十七名の研究医枠を設定しておりまして、その中で、大学院までの教育プログラムを充実し、法医中毒学を含む研究者養成の拠点形成を図っていきたいと思っておりまして、具体的には、山口大学、長崎大学でこうしたプログラムをやっていただくための準備、設定が行われているということでございます。
それから、平成二十二年度予算におきまして、加えまして、法医学を担う人材養成の拠点的な取り組みを行う大学を支援する経費、これは運営費交付金の特別経費の一部を充てているわけでありますけれども、これは東北大学と長崎大学においてそのような取り組みをしていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、最近の犯罪動向等を踏まえながら、文部科学省と警察と大学、連携をいたしまして、法医中毒学者などの必要な専門家の養成についても努力してまいりたいというふうに考えております。

○大口委員 それから、これはまた警察庁の研究メンバーの方で、中園一郎日本法医学会の理事長さんが死因究明センター構想というのを発表されていて、やはり国の予算で、専門知識を有する医師による検案、そして死因を明らかにできない場合は解剖をする、こういう新たな組織を都道府県単位で設置すべきではないか、こういう提案があります。
民主党さんも、死因究明関連法案の中で、法医科学研究所を設置して、支所を設置する、そして警察庁に死因究明局を設置する、そして調査専門職員というのをつくる、また、監察医制度を廃止する、こういうような法案を出されているわけでございます。
この死因究明医療センター構想についてどうお考えなのかが一点。
それからもう一つ、行政解剖を担う体制の充実ということで、先ほどの監察医制度のあるところはいいんですが、そうでないところもあります。この監察医制度についてどう考えるのか、行政解剖を担う体制の充実についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○足立大臣政務官 ちょっと質問が多岐にわたりましたけれども、まず一つずつ。
死因究明医療センター構想についてでございます。
私は、死因究明すべきであるというこの姿勢は、やはり大変評価できるものだと思います。私も、でき得る限りその全文を読もうと思って努力いたしましたけれども、全部は読み切れませんで、概要を見ましたところ、問題点があるとすれば、これは必要に応じて医師の判断で解剖するということになっている。そのときには、家族の、遺族のあるいは希望はどうなるんだろう、その承諾についてはどうなるんであろうか。これは人口百万人当たり一人、専任医師を置く、となると百数十名、これをどう確保するんだろう。そして、それを全部国費で賄うとなると総額二百四十億円以上になるのかなというような、問題点がさまざまあるんであろうなと思います。
その後の御質問ですが、これは公明党さんも議員立法等を考えておられるように、私は、解剖ということも非常に大事だとは思います。しかし、これは国民にとって非常に高いハードルでもあります。画像診断、Aiのことを触れておられましたが、その方がはるかにハードルは低い。そこで疑問がさらに残るケースについては、やはり解剖も納得されやすいのではないかという考えを持っております。
いずれにいたしましても、やはり死因をしっかり究明するということはぜひ必要なことだと私は思っております。

○大口委員 Aiの装備を充実するということも本当に大事だと思いますが、エコー、CTスキャン、またMRIもしっかりしていただきたいと思います。
最後に、警察庁の今回の研究会のホームページを見ましたが、議事要旨ということでプリントアウトしたら、議題が書いてあって、議事概要が本当に三行なんですよ。これだけ死因究明というのは大事なことなんだから、議事の内容については、立派な先生が出席されているわけですから、ある程度これは詳細に発表すべきである。やはり国民に一番知っていただくということが大事なわけですから、こんなお粗末なホームページはないと思うんですよ。
これは警察庁、前向きな答弁をしてください。

○金高政府参考人 御指摘の研究会につきましては、中井大臣の御指導によって、ことしの一月二十九日に、法医学、法医中毒学、法歯学、刑事法学者、それに法務、警察の実務担当者から成る研究会としてスタートをさせたものでございます。
今までに三回会議を開催しておりまして、死体取り扱い全般についてさまざまな角度から意見を述べ合うとともに、時津風部屋事件の被害者の御遺族においでいただいて意見を聴取したり、関係省庁からも意見を聞いたりということで進めてきております。
御指摘の検討状況の公開につきましては、現在までに、第一回の会議の概要を警察庁のホームページに掲載したわけでございますけれども、第一回目ということで、論点整理もまだ余りできていない段階でありまして、また、当局からの説明が比較的多かったということもあって、御指摘のとおり、議事項目程度にとどまってしまっております。
二回目以降につきましては、御指摘を踏まえて、改善を図ってまいりたいと考えております。

○大口委員 以上で終了します。ありがとうございました。

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