大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2011年5月11日

177-衆-法務委員会-10号 平成23年05月11日

○大口委員 公明党の大口でございます。
東日本大震災から二カ月が経過いたしまして、いまだに行方不明になっておられる方の捜索ということで、現場は本当に瓦れきの処理等、復旧段階で、復興にまで及ばないというような状況もございます。私も、この連休、沿岸部も回ってまいりましたけれども、そういう点で、被災地の復興ということも考えてみましても、被災地の方あるいは被災中小企業の方々、こういう方々が再生をしていただくために、本当に我々の責任は重いというふうに考えております。
そこで、今、第一次補正が成立したわけでございます。早く執行していただくということでございますけれども、次の第二次を視野に入れますと、法テラスに関する予算等、これはしっかり考えていただかなきゃいけないと思うんですね。
この大震災に起因する法的な問題の増加、これに対処するためにも、被災者に対する民事法律扶助事業、これのさらなる拡充が求められます。法律相談、代理援助等の今後の件数の増加、被災者に対する償還免除、それから震災対応のコールセンターの設置、震災対応職員の確保、臨時事務所設置経費などの予算措置が不可欠だと思うんです。
法テラスと弁護士会あるいは司法書士会等々が、被災地や避難所に出張、巡回もして、法律相談もしております。それから、外国人の被災された方が多いわけでありますけれども、外国人からの法律相談とか、そのための通訳の配置、専門性のある弁護士の配置、そして相談場所の配置等、これも万全の体制をとる必要がございます。そのための十分な交通費とか人件費、広報費、通訳費等の確保も必要でございます。
今回、第一次補正予算では法テラス関係の予算措置は講じられていません。震災関連の法テラスの事業が円滑に遂行されるように、今後、二次補正ではこれを盛り込んで、そして十分その活動ができるよう、やはり法務大臣として責任があると思います。当初は運営交付金ということで対応しておりますけれども、この点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣 東日本大震災発災からちょうど二カ月ということで、今日まで本当に皆さんにいろいろの御協力をいただきながらやってまいりました。そんな中で、法テラスは、今委員御指摘のとおり、これからますますさまざまな法的トラブルが発生して、法テラスの活躍の場というのは本当に広がっていくのだと思っております。
法テラスは、関係のいろいろな、税理士さんあるいは土地家屋調査士、司法書士の皆さんとか、そういう皆さんと協力をしながらやっているわけですが、これまでのところは災害復旧ということで、法テラスについては、通常の運営費交付金、これで賄ってまいりましたし、これで十分賄える状況に推移をしておりますが、これからの増加に伴ってどう経費が増加していくか、これを今見通そうとしているところで、今委員おっしゃる旅費なども、実績を積み重ねながら、いずれ第二次補正予算というのが必要になってきますので、その中で関係府省としっかり協議をさせていただいて、適切に対応していく決意でございます。

○大口委員 心置きなく活動していただけるよう、しっかり大臣としてこれは取り組んでいただきたい、このように思います。
次に、阪神・淡路大震災が発生したときは震災に伴う多くの法的な紛争が生じたことから、この紛争を解決するために、平成七年四月に、神戸地裁本庁と神戸簡裁にまたがる形で、震災事件処理センター、震災センターが設置されました。この震災センターで、三年間にわたって、神戸簡裁管轄の震災調停事件及び神戸地裁本庁管轄の罹災非訟事件や借地非訟事件の処理を受け付けから終局まで一貫して集中的に行い、また、震災センターと連動して、受け付け相談の事務処理体制が整えられ、相談業務の充実を図った、こう聞いています。読売でも社説でそのことが紹介されておりました。
今回の震災というのは、阪神・淡路の大震災よりも規模が大きい、また広域である、そして、要するに地震、津波、原発という複合的なものであって、そういう点では、さまざまな問題が、法的な紛争が生ずるわけでございます。
そういう点で、竹崎最高裁長官も、五月二日に、司法もまた、国の機関として、復興のため最大の努力をしてまいりたいということで、被災者の方々の需要を的確に把握し、復興の過程で生じるさまざまな法的問題に迅速に対応できるよう努めていくつもりです、こう答えているわけでございます。
そこで、こういう震災処理センターの設置というような、とにかく被災者あるいは被災企業の側に立った処理というものを最高裁としても挙げて対応していくべきである、こう考えますが、これについていかがでございましょうか。

○戸倉最高裁判所長官代理者 委員御指摘のように、阪神・淡路大震災の際には、特に調停事件が集中的に申し立てがあるだろうという予想のもとに、神戸に集中して処理する震災事件処理対策センターというものを設けたところでございます。
今回の大震災は、阪神・淡路に比べましても被害規模が大きく、かつ範囲が非常に広範であるというような特徴もございますが、こういった阪神大震災の際の例をも考慮しつつ、かつ、現在、どういう事件が今後起きてくるだろうかということにつきまして、弁護士会あるいは法テラスにおきます法律相談といったものの内容等を情報交換しながら分析しておるところでございます。
こういった分析結果を踏まえまして、どういう体制で行えばいいのか、実際どういう問題が生じてくるであろうかということを十分予測いたしまして、こういった問題に迅速に対応できるような体制の整備に努めたいと考えております。
こういった検討の際には、今委員御指摘のような、被災者が裁判所を利用される際の使いやすさといったことにも十分配慮した体制を検討してまいりたいというふうに考えております。

○大口委員 次に、二重ローン問題についてお伺いをしたいと思います。
今回の連休、四月二十九日から五月一日まで、法テラス、仙台弁護士会、日弁連、それから十三の弁護士会、延べ三百五人が宮城県下の震災避難所で無料法律相談を実施して、九百五十六件の相談が寄せられた。中でも、住宅、車、船等のローンやリース関係の相談が百六十五件寄せられていましたし、土地の所有権の問題も数えますと相当の二重ローンに対する相談が寄せられた。
その相談内容の中で、新築の家の売買契約をし、三月十一日、震災の当日に引き渡しを受けたが、引き渡しのわずか三時間後に津波に襲われ家が流されてしまったということで、住宅ローンだけが残った、このローンは今後も払わないといけないのか、こういう相談であったり、あるいは、漁業経営者が家も漁具も何もかも津波でさらわれた、漁業で今後も生活を立てる意向だが、既に漁具購入等に充てた漁協からのローンがある、そして船の購入をするなど数千万円かかる、生活の立て直しをどうしたらよいのか、こういうようなことが相談内容で紹介されているわけでございます。
そして、兵庫県の弁護士会で、阪神・淡路のときの経験を生かして、岩手県の避難所の様子を発表されております津久井進さんという弁護士の方も、この津波により壊滅的な被害を受けた沿岸部では漁業事業者及び関連事業者が多い、漁船や加工工場の設備等の生産手段を失ったにもかかわらず、その借入債務、リース債務は残存しており、二重ローンと同様の苦しみに直面していると。そして、阪神・淡路も十六年たったんですが、いまだにこの二重ローンで十六年間苦しんでおられて、結局は破産に及ぶ、こういうケースがあるんだ、こういうことも紹介しているわけでございます。
この被災者や被災中小企業の二重ローンの負担については、やはり支援策が必要だということで、五月一日、参議院の予算委員会で自民党の野村参議院議員が菅総理に対してこの問題について問うたところ、総理は、「金融の範囲だけで対応できない問題があることをよく承知をしております。」「いろんな手法も含めて、今ローンを抱えているいろんな事業主が更にローンを積み増すという形ではない形のある意味での救済措置も検討してまいりたい」、こういうふうにテレビつきの予算委員会で発言をされ、この発言に地元の人は期待をされているわけでございます。
こういうことにつきまして、まず法務大臣から、この二重ローン問題についてのお考えをお伺いしたいと思います。昨日、日弁連からも、要するに平成の徳政令ということで、金融機関の債務免除の促進、それから債権買取機構の利用、国と自治体による土地の買い取りというようなことで説明を受けておられるということでございますので、法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣 これは本当に深刻な課題だと思っております。
委員御指摘の、震災の発生の日に新築住宅の引き渡しを受けて三時間後に流されちゃった、ローンだけが残った、これは民法の一般論で言いますと、そのとおりになってしまうわけですね。債務は丸々残って資産は何もないという状況。しかも、もしその家を担保にしていれば、担保までなくなるから、担保の積み増しとかいうようなことにもなるかもしれない。そういう一般論をそのまま当てはめると、とてもそれは一人の人としての生活もできない、あるいは企業活動も到底立ち上がることができない、そんな状況にあるということを私どもはよく認識をしなきゃならぬと思っております。
住宅の場合、工場の場合、あるいは自動車、船舶等、いろいろなケースがあると思います。そういうときに、二重ローンの問題というのは、現存する、残っている債務をどうするのかと。
これも払わなきゃならぬわ、その払う状態があるから新しいローンを組むことはできないわ、これではどうにもならない。仮に組むことができても、前の債務も今度の債務も払わなきゃいかぬというのでは、これもどうすることもできないということで、既存の債務について、債務の免除ということがあるのか、あるいは繰り延べということがあるのか、あるいはその債務をどこかに引き取ってもらってというような方法があるのかなど、いずれにしても、そういうものがあるから新たなローンを組めない、これではもう再建に決定的な障害になってしまうので、そうしたことがないようにするために、これは検討すべき事項が多岐にわたるので、政府全体で取り組むべき重要な課題だと思っております。
法務省は、法的問題についていろいろ助言はできる立場にあると思っておりますが、実際にいろいろそうしたスキームをつくり、動かしていくのは関係の府省だと思いますので、そういうところと密接に連絡しながらやっていきたいと思っております。
もう一つ。昨日、日弁連から提案も受けまして、この中に私的整理というのがございまして、法的整理以外に私的整理というのも、これもなかなか味のある解決の仕方ができる場合がありますので、そうしたことも念頭に置いていきたいと思っております。

○大口委員 それこそ、総理の一番近い大臣ということでありますので、あの総理の答弁が形のあるものになるよう、内閣の一員として非常に期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、中小企業金融円滑化法で、今回改正をされた、我々公明党もこれは強く求めたわけでございますけれども、これについて、債務者のローンの一部免除、全部免除というようなこともこの金融円滑化法の法的な根拠としてあり得るのか、要するに条件変更に債権放棄が含まれるのか、金融庁にお伺いしたいと思います。

○和田大臣政務官 大口委員にお答えいたします。
先般、御審議いただきまして、一年ほど延長していただきました中小企業金融円滑化法でございますが、今お問い合わせの債権放棄、一部免除も全部免除も含めて条件変更という言葉に含むのかとお問い合わせでございます。
この条件変更には、御指摘のものも含めまして、債務の返済猶予だとか、また、より長期の返済計画を立てるとかいろいろな計画の変更、それらをもろもろ、全般含むというふうに思っております。

○大口委員 だから、一部免除、全部免除も入るということでございますね。
ただ、金融機関が債権放棄、債務免除ということをする場合に、ポイントはやはり無税償却にできるかどうかということでございますが、この無税償却は厳格な要件があります。これは法人税の基本通達等でも非常に厳格に定められていて、法的整理の場合とか私的整理も非常に厳格になっているわけでございます。ですから、そういう点で、この一部免除なり全部免除に対しては、ここが一つ非常に大きなポイントであると思います。
しかも、今回、保証人がある場合なんかは、保証人に対しても履行の措置をとらなきゃいけないとか、あるいは、東京電力福島原発の問題で、計画区域の方々というのは立ち入りもできないわけですから、そういう状況の中において、一応資産というのがあるわけですけれども、実際それを使えない、こういう場合の問題もございます。
そういうこともありまして、今、金融庁と財務省、国税庁でこの無税償却の要件の緩和について協議をするということでございますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

○和田大臣政務官 今、大口委員御指摘のように、実際に債権放棄が必要な場合に金融機関がいろいろ判断をすることとなりますが、委員の御指摘は、その際にインセンティブを付与してはどうかということだと思います。
私ども、債権債務関係につきましては、個別の金融機関がそれぞれ債務者の事情を一番よく知りながら融資をしておりますので、できるだけその判断を尊重したいと思いますが、その際に、今現存する制度では、事業者が事業再生を図るという目的のもとに金融機関が債権放棄をする場合には、税法の通達で無税償却が認められるということになっております。
しかし、先ほどもちょっとお話ございましたが、今回の場合、そういった例だけではなくて、住宅ローンを抱えていらっしゃる個人の方々も同じような状況に陥っていらっしゃるということもありまして、この部分につきましては、本当にどれだけのことが最大限できるか、財務省等とも鋭意協議しながら決めてまいりたいというふうに思っております。

○尾立大臣政務官 大口委員にお答えをいたします。
国税庁におきましては、いわゆる被災者の二重ローン問題に関しまして、金融機関が債権放棄をする場合の税務上の取り扱いにつきまして、今金融庁と協議を開始したところでございます。今後とも、しっかり両省において協議をしてまいりたいと思います。

○大口委員 とにかく、現行の延長線上だとどうしようもありませんので、思い切った緩和、特例を、法的な改正も含めて協議していただきたい、こう思っております。
それから、今回の震災で、沿岸部の被害が特に甚大であった。その沿岸部を営業拠点としている協同組織金融機関、信用金庫、信用組合等ですね、その財務内容の悪化が懸念されております。
金融庁は金融機能強化法の改正を検討しているようでありますけれども、経営責任を求めないといったことのほか、協同組織金融機関が地域の経済の担い手としての役割を十分に発揮できるように、協同組織金融機関向けに大胆な資本注入を考えるべきだ、こう思います。
また、これは日経新聞、五月七日でありますが、七十七銀行、東北では大きな銀行ですね、ここは多分、七十七銀行というだけじゃなくて、地域の金融機関のことをおもんぱかってだと思いますけれども、被災企業向け債権は国が簿価で買い上げてほしい、こういう発言までしているわけであります。
私どもも沿岸部を見てきましたけれども、○○金庫とか○○信組、その営業エリアが全部津波にさらわれているという状況でございます。六月には決算、それを延ばすかどうかわかりませんけれども、今、資産査定等もしているようでございますけれども、それ自体の査定も遅々として進まないのではないかな、こういう状況の中で、この金融機能強化法の改正の中で、今私が申し上げた点についてお伺いしたいと思います。

○和田大臣政務官 今お問い合わせの金融機能強化法でございますが、今御指摘いただいたように、私どもも、今回被災された地域の企業、金融機関、もっと言えば個人と金融機関、こういった関係の中で、金融機関に東北地域を再興するのに大いに貢献していただきたいという気持ちを持っております。
金融機能強化法、資本注入をする仕組みを整えている法律でございますが、今までいろいろと資本注入をさせていただくような法的スキームというのは、どちらかといえば、状況が悪くなった金融機関に、ぎりぎり自己資本比率等を維持するためにも注入するということが考えられてきたものがメーンでございますが、今私どもが改正を考えております金融機能強化法は、健全な金融機関を含めまして、より地域経済や中小企業に貢献していただくために、その金融機関が必要だと考えれば資本注入を申請していただく、私どもも積極的にそれを考えていくというふうに思っているところでございます。
中で御指摘いただきましたように、今までは、そういったことはあるとはいえ、経営責任の明確化等を条件としてうたっておりましたが、今のこの震災の被災状況は、だれにも責めを負わすことができないような自然の現象でございますので、そういった経営責任を負うということを条件から外してもよいというふうに考えています。
また、御指摘の協同組織金融機関、おっしゃるように、私自身も実は連休中に岩手県の方にお邪魔しまして、事情をいろいろとお伺いしました。御指摘のように、あの状態の中で地域金融機関が一生懸命地元の企業を守り立てていこうとされている姿に本当に感動さえ覚えた次第でございますが、こういった協同組織金融機関、信金、信組を含めまして、地域を守り立てようとしていらっしゃる金融機関であれば、ぜひその金融機能を維持強化していただけるように仕組みを整えていきたいというふうに考えています。

○大口委員 やはり国が中央機関と一緒になって直接資本注入していくというようなことも含めて考えていただきたい、こういうふうに思います。
次に、東北財務局の岡部局長がブログでこういうふうに報告しています。とにかく多くの個人や中小企業や民間金融機関から、新たに借金をする余裕はない可能性があり、やはり公的金融機関の関与による適切な支援が求められると考えていますと。
それで、四月の二十一日の岩手県復興に向けた金融関係機関連携支援対策会議、この中で、中小企業の再建には何らかの公的支援が不可欠との意見が多く出され、意見交換の場では、「金融機関等のトップから、工場、設備を流され資産を失った一方で、借金だけが残っている中小企業の再建(二重債務問題)には、何らかの公的支援が不可欠との発言が相次ぎました。」と。地元の金融機関の危機感ですね。「その中で、岩手銀行の高橋頭取より、被災地の金融機関の預金保険料を五年間免除して、それを財源とした基金を創設し、その基金から二重債務問題を抱えた被災中小企業に対して、資本注入による支援を行うという案が提言されました。その財源については、議論があるとは思いますが、基金の創設は検討に値するものと思われます。」こういうふうに、これは東北財務局の岡部局長が自身のブログで述べているわけでございます。
そのほか、七十七銀行の日経新聞における発言もありましたし、五月九日の読売新聞の報道によれば、岩手県は二重ローンを抱える中小企業を支援するため、地元の金融機関と共同で一兆円規模の基金を創設し、二重ローンを抱える被災企業への低利融資や担保条件を緩和した融資を実施する方針、こういうようなことも報道されているわけでございます。
五月一日に総理から、この二重ローン問題をしっかりやるという答弁をしたわけですから、そのスキームの構築に向けた指示が、それこそ経産省、金融庁、国交省にあったのか。
そして、例えば、仮称被災者再生支援基金や被災中小企業再生支援基金のようなものを設けて、国が中心となって出資するファンドが不良債権の買い取りや債務の免除、出資等による支援の仕組みをつくる必要があるというふうに考えますけれども、これについて経産省、金融庁、国交省から答弁を求めたいと思います。

○田嶋大臣政務官 お答え申し上げます。
まず、先ほどの指示があったのかということでございますが、総理のそういう御答弁はございましたけれども、具体的に経済産業省、指示を受けているとは承知はいたしてございません。しかし、そういう状況ではいけないと私は思っておりまして、御指摘もございました、私も同じ時期に被災地を回ってございまして、たくさん同じような声を聞いておるところでございますので、これは具体的ないろいろな御提言も受けながらスピードアップしなきゃいけないというふうに考えておるところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それと同時に、経済産業省といたしましては、中小企業基盤整備機構というところに三・一一以前から再生ファンドというのがございまして、その中で、いわゆる過剰債務を抱えている状況の中での債権債務関係の整理ということもできる状況になってございますが、これも調べたところ、現在、東北では福島県にしかございません。そういう状況の中で、ほかの被災県に関しても同じようなファンドをつくることができないかどうか、そういうことも検討していきたいというふうに思っております。
以上です。

○和田大臣政務官 金融庁の方では、総理の御答弁、御紹介いただいたようによく認識いたしております。既に、それより随分前から二重ローンという言葉自体は国会の審議の中でもるる御指摘いただいてきたところでございますので、私どもとしては問題意識を持って取り組んでおるつもりでございます。
先ほど御答弁あった経済産業省におかれても、また私どもにおいても、また、それからいろいろ法的な要するに枠組みにつきましても、いろいろと各省庁と連携をとらなきゃいけないというふうに思っています。
一つ。先ほど申し上げたように岩手県にお邪魔してまいりましたが、これから先、非常に難しいなと思うのは、事業者の再生ということを考える場合に、一企業を金融機関などが一生懸命守り立てていきたいという気持ちは十分持っていらっしゃるんですが、残念ながら、あの津波の状況では、ほとんどすべての企業がやられているという状況でございまして、企業というのは一企業だけでは成り立たない、サプライチェーンの問題もございましたが、川上から川下まで、それからいろいろ共同の、類似の業者が集まってやらなきゃいけない、こういった関係もございますものですから、実際には地域の方々の本当にやりたい御意向に沿っていろいろな仕組みを考えていく必要があるのかなというふうに思っている次第でございます。
いずれにしましても、御指摘いただいていることはもう十分認識しまして、一生懸命取り組んでまいります。

○市村大臣政務官 お答え申し上げます。
先ほど大口委員には出していただいたんですが、阪神・淡路大震災のときの被災地の方もこの二重ローンに大変苦しんでいらっしゃるということもあります。私も三年間、阪神・淡路大震災の復興事業に携わっておりまして、そこで縁を得た方と話をしていると、何が一番つらいか、この二重ローンであるということをしみじみとおっしゃっていました。私も個人的にはこの問題に取り組んできた者でございます。
そこで、国交省は、一応これまでも、総理の指示があるまでもなく、例えば返済期間の延長とか利子補給とかについて、住宅ローンを抱えた方に対しての施策はこれまで取り組んできておりますが、さらに、きょうこうした議論がありましたし、この二重ローンの解消に向けて、また皆さんといろいろな知恵を出し合いながら、どうすればいいか。
ただ、モラルハザードを起こしてはいけないというのがあります。例えば宮城の場合、地震保険に加入していた方が実は三〇%以上いらっしゃったわけであります。恐らく沿岸部はもっと高いだろうと思います。そうした備えていた方と備えていない方のバランスをどうとればいいのか等々の問題もありますので、またその辺、皆さんの知恵をいただきながら、解決に向けて取り組んでまいりたいと思います。

○大口委員 総理の答弁というのは、これまでの枠組みを超えた、それこそ政府全体としての取り組みをするという約束であったと思います。経産省から、指示を受けていないという答弁があって残念なわけでありますけれども、この機会に、本当に各関係省庁が集まっていただいて、しっかりとこれまでにないスキームを検討していただきたい、こう思います。
時間がたちましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

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