大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2011年12月2日

179-衆-法務委員会-3号 平成23年12月02日

○大口委員 公明党の大口でございます。きょうは一般質疑をさせていただきます。
まず、近年、著名な大企業の不祥事が相次いでおります。例えば、大王製紙につきましては、井川前会長による子会社からの百億円超の借り入れがなされた、それがカジノ等のギャンブルに使われた、特別背任で逮捕されている。
あるいは、オリンパスにつきましては、内視鏡で世界のシェアの七割を占めている優良企業でありますが、これにつきましても、一九九〇年代の有価証券投資の損失、飛ばし、これを穴埋めするために、イギリスの医療機器メーカー、ジャイラスグループを二千百億円で買収をして、助言会社に対して六百六十億、また国内企業三社に対して七百三十四億円の買収をしたということによって損失隠しをした。第三者委員会の調査の過程で判明をした。そして、十一月十四日には第二・四半期の決算が発表できませんで、監理銘柄となって、十二月十四日に公表しなければ上場廃止という状況にあるわけでございます。
上場企業の外国人の持ち株比率というのは二六・七%、二七%ですね、株式の売買シェアは六十数%ということで、外国人投資家も、ただ単に個別の企業ということではなくて、日本の企業に対して、国際的な信用を失わせる、こういうことになってきています。
そして、株価を見ましても、オリンパスは、ちょうど社長の退任の前日は二千四百八十二円、それが一時期、四百二十四円までなって、今また戻ってきている。乱高下ということでありますし、大王製紙も、七百円台半ばであったのが、四百三十三円になり、また少し戻している。前会長が逮捕されて株価が上がった、こういうことでございまして、やはり世界が日本の企業統治のあり方について注目をしている。
エンロン事件が二〇〇一年、そして一年後にはSOX法ということで対応したわけでありまして、そういう点でも、今、法制審議会において企業統治のあり方を含めて会社法制の見直しが審議されているわけですが、法制審議会における現在の検討状況、今後のスケジュールについて、法務大臣にお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 今、大口委員の御質問でございますけれども、法制審議会会社法制部会というのがございますけれども、会社法制の見直しにつきましては、昨年の二月、平成二十二年の二月に法制審議会に対して諮問を行ったところでございます。現在、この法制審議会の会社法制部会において、鋭意、調査審議が進められているわけでございますけれども、その中には、企業統治のあり方、そして親子会社に関する規律の見直しというものを中心に審議等が行われているということでございます。
今後の審議日程ということでありますけれども、今月開催予定の会議におきまして、中間試案というものを取りまとめる予定であるというふうに承知をしております。その後、この中間試案をもとにいたしまして、法務省としては、これをパブリックコメントの手続に付していきたいというふうに思っております。そのパブリックコメントにおいて各層の意見を幅広く聴取した上で、さらに、会社法制部会において、そうしたパブリックコメントにおける意見等も踏まえて十分な調査審議が尽くされていくものというふうに思っているところでございます。

○大口委員 十一月二十六日の朝日新聞の一面に、「社外取締役 義務化へ」「取引先は除外 検討」、政府・民主党は二十五日、方針を固めたと。そして、「社外取締役には、親会社や取引先など利害関係がある人がなるのを禁じることも検討する。」ということで、法律の改正ということで来年の秋には国会に提出する、こういうことまで報道されているわけですが、これについてはどうでしょうか。

○平岡国務大臣 この報道があることは承知はしておりますけれども、具体的な日程ということについて言いますと、先ほど、パブリックコメントに付し、そしてその後に法制審議会の会社法制部会でさらに十分な調査審議を尽くしていただくということを予定してきております。
そういう意味で、法制審議会のこれからの調査審議の動向いかんということが大変大きな影響を持つわけでございますけれども、我々として承知しているところによれば、法制審議会の会社法制部会においてもいろいろな意見が出て、なかなか一つの方向性がまとまった形で中間試案ができるということではなくて、いろいろな意見が出ている中でパブリックコメントを求めていく、そういう状況になりつつあるというようなことも聞いておりますので、パブリックコメント後の法制審議会の審議というのもそれなりに時間がかかるのではないだろうかというふうには思っています。
そういう意味では、我々の方で、今、いつの時点で法案を提出できるのかということについては、法案提出の是非といいますか、法案提出しなければならないような中身になるのかどうかということも含めて、今我々の方で確たることが申し上げられるような状況ではないというふうに考えているところでございます。

○大口委員 そうしますと、この十一月二十六日の朝日新聞は一面で報道されているわけで、その中では、改正案を来年の秋に出すということまで決定した、こう書いてあるわけですね。今の大臣のお話ですと、改正案を出すかどうかもわからない、時期についても言えない。ということですと、全くこれは事実と違う報道がなされた。なぜこういうのが出てくるんですか。

○平岡国務大臣 これは、報道される側がどういう情報に基づいてこういうふうな報道をされたのかということも我々としてはつまびらかにしていないわけでございまして、我々としては、なぜこういう報道になったのかということについては確たることは申し上げられないという状況でございます。
いずれにしても、来秋の国会にも改正案を出すというふうに報道されていることについては、我々としては、そういう具体的な日程を今持っているわけでもないし、先ほど来から申し上げているように、これから法制審議会の方で議論する過程の中で、法案を出す必要があるのかどうか、あるいは、出す必要がある場合にいつのタイミングになるのかということについては、今確たることが申し上げられるような状況ではないということは言えることだというふうに思います。

○大口委員 世界の投資家が注目しているわけでありますので、正確な情報を法務省からも発信していただきたい、こういうふうに思うわけであります。その上で、やはりこの件につきましては、しっかりとした対応をしていくということが大事であります。
そういう点で、今回の法制審議会は企業統治と親子会社関係について諮問の対象ということでありますけれども、こういうふうに不祥事が相次いでいるわけでありますから、やはり法制審議会で、すべての課題について結論が得られなくても、現時点において一定の方向性を示される課題については前倒しで審議をしていただいて、そして答申を出していただく、こういうことを求めていく必要があるんじゃないか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。

○平岡国務大臣 今の法制審議会の会社法制部会での議論の進め方といいますか、今後の予定については、先ほど申し上げたとおりでございます。
そういう中で、我々としては、この会社法制部会においてしっかりと調査審議をしていただけるというふうに思っております。その過程の中でどういう議論がなされるのかということについては、我々が知ることはできないわけでありますけれども、今委員が御指摘になったような問題意識は当然持った上で審議をしていただけるものというふうに考えております。

○大口委員 大臣も、法制審議会に出席していろいろ思いを述べられるということも大事だと思いますし、しっかりやっていただきたいと思います。
私どもは、この企業統治のあり方について、やはりしっかり議論していかなきゃいけないと思うんですね。企業はだれのものなのか。企業統治ということは、企業が社会倫理を守りつつ、利害関係者に対してその企業価値を最大化するための枠組みであるということで、大臣に、企業というのはだれのためにあるのか、会社はだれのためにあるのかについてお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 大変難しい御質問をいただきました。
いろいろな考え方があろうかというふうに思いますけれども、私自身としては、企業というものが実際にこの世の中に存在している、その存在というのはあらゆるところに影響があるというふうに思います。そういう意味では、だれが所有しているのか、だれのために企業が動いているのかということ等も含めて、その存在というのはあらゆるところに関係をしてきているというふうに思っておりまして、そういう視点から会社法制のあり方についても検討していただけるということを期待したいというふうに思っております。

○大口委員 それだとちょっとあいまいなんですよね、そういう答弁の仕方は。
企業は株主のものであるのか、あるいは社員のためのものであるのか、そこら辺、はっきりしてください。

○平岡国務大臣 それについては、私がこの場で申し上げるということは適当ではないというふうに思います。
先ほど私が申し上げたように、だれが所有しているのか、企業はだれのために動いているのか、企業が動くときにどういうところに影響があるのか、そういう問題というのは大変幅広い問題だというふうに思っておりますので、私は、そういう視点から議論していただきたいということで、私がどちらかを決めつけるような、そういうことを今この場で答弁することは適当ではないというふうに思います。

○大口委員 企業統治について御見識が全くないということで、今の答弁では、これから前に議論を進められませんよ、これ。(発言する者あり)

○小林委員長 法務大臣、少し突っ込んで話してください。

○平岡国務大臣 私は、今の法制審議会の議論というのが、いろいろな専門家の方々が集まってやられている中でも、企業はだれのものなのかという非常に根本的な、原則的な問題についてはいろいろな考え方があろうかというふうに思います。その考え方はその考え方でしっかりと議論していただきたいと思いますけれども、私として思っているのは、企業という存在がどういうものであるのかということについては、いろいろな角度から問題があるので、そういう角度はしっかりと踏まえた議論を法制審で行っていただきたいということを申し上げているのであって、このこと自体が私は見識がないということではないというふうに思います。

○大口委員 大体、企業は所有と経営の分離ということで、株主のものなんですよ。その上でステークホルダーに対していろいろな配慮をしていくということであって、企業は株主のものであるというのは当たり前のことで、そこから企業統治ということは出てくるんじゃないですか。皆さん、民主党の皆さん、みんなうなずいていますよ。

○平岡国務大臣 私が答弁で申し上げたのは、企業はだれのものなのかというその所有関係について言えば、先ほども申し上げたように、株主が所有しているということでそれはいいと思います。ただ、企業はだれのものなのかという、そういうその所有関係以外に、やはり企業が果たしている役割というものはいろいろあるということでありますから、だれが所有しているのかというふうに単純に聞いていただければ、それは株主が所有しておりますというふうに私もちゃんと答えます。
そういう、何といいますか、質問との関係において、私は、もっと幅広く考えて法制審議会でも議論をしていただきたいということを申し上げたということでございます。だれが所有しているものなのかという御質問であれば、それは株主が所有しているものであるというふうに私も答弁申し上げたいと思います。

○大口委員 こういうことで時間を無駄にしたくないんですけれども、余りにも、企業統治のあり方について聞いているわけですから、こういうことが論点だということは当然法律家である大臣はわかっているはずなんですけれども。こういう形だと本当に困ります。抗議しておきます。

○小林委員長 大臣も丁寧に答えるように。(発言する者あり)場外、委員とやっているわけじゃないので。(発言する者あり)はい、では、とにかく不規則発言は余りしないようにしていただいて。大事な質問の質疑時間ですので、不規則発言はできるだけ抑えて。(発言する者あり)こちらの答弁者が答えたわけじゃないので。場外。(発言する者あり)どんどん質問して。いいですよ、大口さん。

○大口委員 だから、理事会でちょっと検討してください。

○小林委員長 では、後で理事会で話をするということね。
では、大口君。

○大口委員 まあ、これはもう本当に基本中の基本についてお伺いしたんですが、残念なことでございます。
そういう中で、日本の企業統治というのはいろいろな問題点があるわけですね。また、日本の企業統治というのはいろいろな特色があります。
アメリカでは、企業の運営に関する権限というのは、非常に大きな部分が取締役会にある、ゆだねられている。取締役会は業務執行の監督機能を果たすのみで、実際の業務執行の責任は負わない。取締役会は外部者が構成員の多数を占めているということでございまして、そういう点で、企業の各部署の執行責任を負っている内部者は、取締役会の中には一人だけ、CEOしかいないというふうに言われておるわけですね。日本の場合はどうかというと、委員会設置会社もあります。しかし、それは大体二%ぐらいです。ほとんどは監査役設置会社ということであります。そういう点で、かなり日本の企業とアメリカの企業は違うというような状況であります。
それから、そういう点では、日本の企業というのは取締役がほとんど内部者であるということから、やはり会社の経営者の意向を反映した人事になるという点では、企業統治という観点からいきますと、なかなか企業統治というものが十分きかない、取締役会のチェックがきかない、あるいは監査役会のチェックがきかない。このことが今回の問題にも発展してきているわけであります。
そういう点で、今回の大王製紙を見ますと、ガバナンス体制は、社外監査役は全監査役五名のうちの三名ということでありますが、社外取締役については一名も選任されていない、こういうことです。あるいはオリンパスにつきましては、社外監査役は全監査役四名のうちの二名、それから、社外取締役も三名いるんですが、この三名の社外取締役も会社との関係性が非常に濃厚な三名であって、結局は、今回、企業統治という点におきまして、取締役会あるいは監査役会が十分機能していない、こういう状況であります。
そういう点で、今会社法の審議がなされているわけでありますけれども、そういう点ではしっかりこれは対応していかなきゃいけない、こういうふうに思うわけであります。
それで、今回、法制審議会でいろいろと議論がなされているわけでありますけれども、一つは、社外取締役の選任の義務づけということについてどういうふうに考えておられるのかということが一つ。そして、監査・監督委員会の設置、これについてどういうふうに考えておられるのか。この二点についてお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 今、大口委員が御指摘になった社外取締役の選任の義務づけの問題あるいは監査・監督委員会設置会社制度の問題、これはいずれも、法制審議会の会社法制部会において調査審議されている重要なテーマでございます。私がお聞きしている限りにおいては、会社法制部会においてもいろいろな議論が出てきているということでございまして、今月開かれる会社法制部会においても、かなり議論がいろいろな視点に分かれるのではないだろうかというふうにも私としては見ております。
そういう意味において、これが重要な問題であり、そして意見が分かれている、議論の大変活発に行われている部分であり、これからまたパブリックコメントにも付していくという問題でもございますので、私が今ここでこれについての方向性ということを言うことは適当ではないというふうに思っております。
そういう法制審議会におけるさまざまな手続を経て、慎重に審議していただいて、結論を出していただきたいというふうに考えているところでございます。

○大口委員 委員会設置会社、大臣御存じですよね、これは二%ぐらいしか設置されていないということですね。そういうことからいくと、指名委員会、報酬委員会、監査委員会、そして委員の過半数が社外取締役だ、こういう厳格な委員会設置会社、これは日本の企業ではなかなか受け入れられていない。ですから、もう少し使い勝手のいいもの、それでガバナンスのきいたものということで、監査・監督委員会設置会社というものを今検討しているわけですね。
この今の日本の、なかなか委員会設置会社が広がらない、そして今回こういう大きな問題があったということにおいての監査・監督委員会設置会社の検討がされている、この件についてお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 まさに大口委員が御指摘になった問題意識というものは、多くの方々が共有しているものだというふうに私は思います。ただ、これをどういうふうにしていくのかということについては、まさに法制審議会会社法制部会の方で今議論をし、そしてこれからパブリックコメントにも付していくという状況でございますので、私の方からどうあるべきかということについての御答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。

○大口委員 大臣が発言しても、法制審議会には影響されませんから、そんなものじゃないですから。大臣の御見識を、やはり世界のマーケットは見ているわけですし、会社法について真剣に議論しているわけですから、例えばこういう委員会設置がなかなか広がらないことについてちょっと御見識を披露していただくとか、それぐらいの答弁はしていただかないと。どうも何か、平岡大臣、大臣になってから物言わぬ大臣になられたような感じで、本当にちょっと失望しているんですがね。
それから、会計監査人の独立性の問題につきましても議論されています。
それで、今、現行法上は、この会計監査人について、選任について同意権がある、それから報酬についても同意権がある。それから、選任については提案権も監査役会にあるということであるわけですね。監査役会は、選任について同意権と提案権、報酬についての同意権があるということでございます。今回、これについては、A案、B案、そしてC案、見直さないものとする、こういう選択肢もあるわけでありますが、やはりこの会計監査人の独立性ということは非常に大事なことでございまして、今、インセンティブのねじれという状態が続いているわけでございます。
これについて大臣の御見識をお伺いしたいと思うんですが、監査基準、あるいは公認会計士法で公認会計士の独立性ということは規定はされておりますけれども、さらに、インセンティブのねじれ現象、これを解消するということについて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 今、会計監査人の重要性については大口委員が触れられたとおりでございますし、現行法上の仕組みについても今委員の質問の中にも入っておったというふうに思います。
今、法制審議会の会社法制部会においては、会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等についての決定権を監査役に付与することの当否について、調査審議の対象となっているというふうに承知をしております。これについても、法制審の会社法制部会においては議論が分かれている状況にある。つまり、これも、大口委員が御指摘になったような、A案、B案、C案といったような形に今なっているということも聞いているところでございますけれども、そういう意味では、一定の方向性が決まっている状況ではないというようなことであります。
こういう状況の中で、またこれからパブリックコメントに付していくということでございますけれども、そういう手続の中でしっかりと議論をしていただきたいというふうに私としては考えているところでございます。

○大口委員 現状を変えないという選択肢は、私はないと思うんですね。ですから、やはり大臣もリーダーシップを発揮していただきまして、今回の問題についてしっかりこれは対応していただきたいと思っております。
金融庁にお伺いします。
金融庁は、証券取引所等の所管でもありますし、また、公認会計士あるいは監査法人についても所管をしているわけであります。そういう点で、上場企業の情報開示を充実させるため、企業会計基準あるいは監査基準の改定。それからまた、証券取引所などにおける株式上場を廃止する基準、これを厳しくしていくこと。あるいは、社外取締役の確保の義務づけ。
これは、この三月から、東京証券取引所有価証券上場規程四百三十六条の二で、独立役員、一般株主と利害相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役というものの確保の義務は規定されているんですが、さらに踏み込んで、これは独立役員または社外監査役ということで、社外監査役を置けばいいことになっているんですが、そうではなくて、社外取締役の確保の義務づけ、こういうものについてどう考えておられるのか。
さらに、今回の件も含めまして、公認会計士や監査法人の懲戒処分というのができるわけですね。これについての厳格な対処についてのお考えをお伺いしたいと思います。

○中塚副大臣 先生から数々のお尋ねをいただきました。先ほど来御質問になられておりますオリンパスや大王製紙に関するこういった問題については、本当に内外の投資家から、我が国の市場の公正性、透明性に対して疑念を持たれているということであって、極めて憂慮すべきことだと金融庁としても考えておるところであります。異例のことではあるんですが、先月の十一日になりますが、私どもの自見金融担当大臣の英語のステートメントもホームページ等に掲載をさせていただいたということでございます。
さて、たくさんお尋ねをいただきました。例えば、情報公開を充実させるための会計の開示基準の中身の見直しでありますとか、上場廃止基準の厳格化とか、あと、独立役員制度にもお話をいただきました。公認会計士の懲戒等の処分のことについても言及をいただいたわけであります。
いずれにしても、今、大王製紙は、もう調査委員会は報告書を出したわけですけれども、元会長が捜査を受けているということでございます。オリンパスにつきましては、けさ私も報道で知りましたが、来週には第三者委員会が調査報告書をまとめるということであります。今調査中ということですが、そういったものを子細、詳細に検討をいたしまして、私どもとしては、本当に今回のことを深刻に受けとめておりますから、事実の解明を通じまして、先生が御指摘になられたいろいろな点について、改善すべき点がある場合には、過去もやってまいりましたが、きちっとスピード感を持って対応していきたい、そう思っております。

○大口委員 これも、マーケット、世界が注目していますので、緊張感を持って金融庁としてやっていただきたい、こういうふうに思います。
震災関係についてお伺いしたいと思います。
東日本大震災から、もう九カ月近くになりました。被災地において、原発の損害賠償の問題を抱えている方々、あるいは二重ローン、今回、支援機構法もようやく、遅まきながら成立したわけでありますが、そういうこと。そしてまた、解雇された方がいらっしゃる、借金を相続した被災者の方もいらっしゃる。法的支援を必要とする方が相当数存在して、これからますますそういう点では需要が多くなる。
このような法的支援を必要とする被災者に対して、現行の総合法律支援法では、法律相談、代理援助等の支援を受けるに当たって、法テラスの民事法律扶助では資力要件がある。これは三十条ですね。資力があると判断された場合は支援の対象外となっているわけです。地震保険については、家財についているのは二百万ぐらいなんですが、建物については一千万ぐらいになるわけです。こういう地震保険を受けた場合は、資力があるということで法律相談あるいは代理援助等の法的支援を受けられなくなる可能性があるわけであります。
ですから、本当にすべてを流された被災者に対して、法テラスの出張所に相談されてきた方に一々、地震保険はどうですかとか、そこでもらっているということになると相談も受けられない、こういう事態が起こっていまして、法テラスの方も弁護士会の方も、あるいは司法書士さんの方も、現地に沿岸部に出張所をどんどん開設していっている状況の中で、この資力要件ということが非常に障害になっているということでございます。
そういう点で、この支援の対象というのは主に民事裁判に限定されているし、二重ローンの問題の解消とか、あるいは原発事故の迅速な被害回復のために国が創設した解決手続、以前にも私は質問しましたけれども、この支援が難しい場合が出ている。そして、民事法律扶助というのは、小規模な法人からの相談とかあるいは代理援助というのはできないことになっているわけであります。そういうことで、現行の総合法律支援法では被災者の支援に限界があるということでありますので、やはり新たな法的支援事業、これを創設する必要があるというふうに考えているわけであります。
例えば、資力を問わない無料法律相談の実施でありますとか、あるいは個人債務者の私的整理に関するガイドラインの利用促進でありますとか、あるいは小規模の事業者や法人からの法律相談や代理援助、また、東日本大震災以外の他の災害においても必要な法的支援を迅速に実施する、こういう必要性はあるわけでありまして、我々立法府としてもこれは待ったなしではないかな、こういうふうに思っておるわけですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 大震災からの復旧復興というのは、野田内閣でも最優先の課題であるということでこれまでも鋭意取り組んできているわけでございますけれども、その中でも、被災者の皆さん方の支援ということは大変大事な政策課題であるというふうに私も認識をしておるところでございます。今大口委員が御指摘になられた問題についても、いろいろお困りになっている方々がおられるという中で、関係者の方々の中に何とかこれを救済できないだろうかという動きがあるということも、私としては断片的に話としては伺っているところでございます。
さはさりながら、今大口委員の方から御指摘のありました総合法律支援法というもののたてつけといいますか基本的な考え方というものがやはりあるわけでございますけれども、私からあえて申し上げれば、この法テラスの民事法律扶助制度というのは、資力が乏しいために弁護士等に依頼することのできない方の裁判を受ける権利を実質的に保障するためのものであり、そのため、その利用に当たっては、先ほど来から御指摘いただいているように、資力要件が定められているということでございます。そうした資力要件を問うことなく法律相談、援助などの民事法律扶助を実施する制度を創設することについては、現行の民事法律扶助制度の根幹にかかわるものであるというふうに思われますので、我々としては、慎重な検討が必要であるというふうに考えているところでございます。
さはさりながら、大口議員が御指摘になられた、現実の状況というものが大変厳しい状況であるということについては、しっかりと認識をしてまいりたいというふうに思っております。

○大口委員 これは立法府としてもしっかりやらなきゃいけないな、こう思っております。
次に、東日本大震災による被災者からの相談対応について。
これは、日本司法支援センター、法テラスや、あるいは日本司法書士会連合会が今、被災地に事務所を設けて体制を構築する動きがあると聞いております。消費者庁あるいは独立行政法人国民生活センターが実施している専門家派遣事業を活用した支援はできるのか、お伺いしたいと思います。

○草桶政府参考人 お答え申し上げます。
現在、日本司法支援センター、法テラスが開設した出張所、宮城県の南三陸町と山元町でありますが、これについては、被災地の自治体からの要請を受けまして、消費者庁と国民生活センターとで進めております専門家派遣事業によりまして、司法書士を初めとする各分野の専門家を派遣しているところでございます。本事業につきましては、被災地域のニーズを踏まえた自治体からの要請を前提としまして、相談窓口に各種の専門家を派遣するものでございます。
したがいまして、日本司法書士会連合会の取り組みにつきましても、地域との連携を深めまして、自治体からの要請を前提に、本事業を活用して支援することが可能でございます。

○大口委員 しっかり対応していただきたいと思います。
次に、大臣は少年法についてはいつも関心を持っておられるわけでありますが、平成二十年の少年法の改正によって、殺人事件等、一定の重大事件の被害者等から申し出があって、家庭裁判所で少年の年齢及び心身の状態、事件の性質、審判の状況その他の事情を考慮して、少年の健全な育成を妨げるおそれがなく、相当と認めるときは、被害者等が少年審判の傍聴ができることになっているわけですね。これは、平成二十年の十二月十五日からこの改正少年法が施行されて、間もなく三年になるわけであります。
これまでの実施状況がどうなっているのか。すなわち、申し出の対象事件の数、申し出のあった事件の件数、申し出をした者の人数、そのうち傍聴を許したのは何件、何人なのか、また、傍聴を認めなかった理由はどういう理由かについて、そして、それについて被害者等へどういうふうに周知をされているのか、お伺いしたいと思います。

○豊澤最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
平成二十年改正少年法の施行日である平成二十年の十二月十五日から昨年の十二月末までの実施状況に関する数値につきましては、最高裁判所のホームページにおいて既に公表しているところでございます。ここでは、本年の十月末までの、これは速報値ではございますが、最新の数字をお答え申し上げます。
この十月末までの約三年弱の間の、傍聴の対象となる事件は五百三件でございます。そのうち、申し出のありました事件の件数は二百三十五件、申し出をした者の人数は四百七十六人でございます。そのうち、傍聴が認められましたのは二百四件、四百六人でございます。傍聴が認められませんでしたのは二十七件、五十七人でございます。
その理由につきましては、審判が開始されずに事件が終局したことによるものが十三件、被害者を傷害した事件においてその生命に重大な危険を生じさせなかった、そういうふうな判断がされたものが九件、傍聴についての相当性がないと判断されたことなどによるものが四件、傍聴対象事件に当たらないとされたものが一件という内訳になってございます。
それから、傍聴制度の周知の関係でございますけれども、傍聴対象事件が家庭裁判所に送致されてまいりました際、まず、被害者の方は、家裁に送致されたかわからない方もおられることに配慮して、家庭裁判所の方から被害者の方に対して、傍聴制度やその他の被害者配慮制度を簡潔に説明したリーフレットを送付して、その制度内容の案内を行っております。
また、傍聴対象事件におきましては、多くの事案において、家庭裁判所調査官が被害者の方と直接お会いして、被害の状況やその心情などをお聞きしているところでございます。その際にも、改めて傍聴制度等の被害者配慮制度についての説明を行っております。
こういった形で、さまざまな機会を通じて制度の案内を行っているところでございます。
以上でございます。

○大口委員 これは三年の見直しということですので、平成二十三年十二月十五日には見直しをするかどうかということを決めなきゃいけない。
当初心配されていた萎縮効果というのは、これは必要的付添人でありますので、そういう努力もあって、あるいは審判官もいろいろ配慮されて、弊害がそうないとも聞いておりますが、この見直しについて、大臣の方から御所見をお伺いしたいと思います。

○平岡国務大臣 見直しについてでありますけれども、委員が御指摘になったように、法律の附則の中でしっかりと書かれているわけでありますけれども、これから審判傍聴制度の運用状況を分析した報告書が最高裁の方から作成されるというふうに聞いております。その結果を参考にして、また、最高裁判所あるいは日弁連といったような関係者ともよく協議をしながら、幅広く運用の実情を把握し検討していきたいというふうに考えているところでございます。

○大口委員 時間が参りましたので、以上で終了したいと思います。
ありがとうございました。

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