大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2012年8月1日

180-衆-消費者問題に関する特別…-6号 平成24年08月01日

○大口委員 公明党の大口でございます。
それでは、この法案について御質問をさせていただきます。
パロマガス湯沸かし器事件、あるいはコンニャクゼリー窒息事故、シンドラー社エレベーター事件、ジェットコースター死亡事故、こういうことが繰り返されているわけであります。やはり事故原因を徹底的に調査して、そして再発を防止していく、そのために国が事故調査の体制をしっかりやっていかなきゃならない、そういうことから、消費者庁設置法関連三法案のときの附帯決議で、参議院で、この事故調査体制をしっかり構築していくということが大きな流れとなってきたわけでございます。
今回創設される消費者安全調査委員会は、生命身体事故が発生した場合において、生命身体被害の発生、拡大の防止を図るため事故等原因を究明することが必要であると認めるときは、事故等原因調査、評価を行い、講ずべき施策について内閣総理大臣への勧告権や関係大臣等への意見具申の権限を有する、消費者安全の根幹を担う組織と言えるわけでございます。
そういう点で、委員を誰にするか、これが一番重要なポイントである。原発の問題で、規制委員会の人選が今国会でも話題になっておるわけでありますけれども、いろいろ、何とか何とか村というような枠の中で、このように立派な肩書を持っているけれども、本当に消費者そして被害者の視点に立った運営ができるのかどうか。そういう点では、この人事を見て松原大臣の思いということがわかってくる、こう思うわけでございます。
先ほど、この委員の持つべき資質、能力等についても御答弁がございました。科学的、公正な判断ができる、工学、医学、心理学等々についての見識を持った方々ということでございますけれども、やはり被害者の皆さんから納得性を得られるメンバーでなきゃいけない。そういう点では、独立性や公正性、そして網羅性や責任性ということをしっかり確保していかなきゃならない、こう思っております。
この点について大臣に、人選について、自分はこういうふうにするんだ、そして、本当に被害者の方々は、ある意味では、事業者に対する不信感もありますが、やはり行政に対する不信感もあるんですね、そういうものを払拭するような人選の基準というものをどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 既に、きょうの議論の中でさまざまな議論を申し上げてまいりました。科学的かつ公正な判断を行うことができると認められる者から内閣総理大臣が任命することであるとか、また、当然、これは広く生命身体事故等の調査全般に通じる知見を有する者である、さまざまな議論があったところであります。
そうした中で、今、特に委員の御指摘の部分で私が思うことは、改正法第二十二条において、事故等原因に関係があるおそれがあり、あるいはそのようなおそれがある者と密接に関係を有する委員等は調査や会議に参加できないとする職務従事の制限の規定を盛り込んでいるところでありまして、こういったところを徹底することによって、御指摘の独立性、公正性、網羅性、専門性、納得性という観点を満たしていきたい、このように考えているところであります。

○大口委員 また、委員は七人以内、全て非常勤とされているわけですね。
同じ事故調査機関である運輸安全委員会は、十三人のうち八人が常勤、こうなっているわけです。やはり常勤で、しっかり腰を据えてやっていただくということが大事だろうと思うんですね。ですから、小さく産んでというお話がありましたけれども、やはり将来的に委員の一部は常勤化していく、例えば委員長等は常勤化していくということが必要であろう、私はこういうふうに思っております。
専門委員の方は数十名、あるいは場合によっては百を超えるかもしれない、あるいは臨時委員というものも置くわけでありますけれども、しかし、やはり七人以内の委員がしっかりとした体制でなければならない。そういう点で、委員の一部を常勤化することについてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 実は、基本的に、そこの問題意識は私も委員と共有するところがあると思っております。
御答弁申し上げますが、平成十一年四月二十七日に閣議決定された審議会等の整理合理化に関する基本計画において、委員は原則として非常勤とするとされております。また、消費者安全調査委員会の事務を遂行するため、同委員会が所掌事務と権限が法定された常設の機関であれば足り、必ずしもその構成員である委員等が常勤である必要性はないと考えておりますが、私は、おっしゃるような委員の問題意識も共有しておりまして、小さく産んで大きく育てるという、これはきちっとした消費者目線の確立のためには必要ではないかと考えているところであります。

○大口委員 ぜひとも、これは附帯決議案でも入れさせていただいているところなんですけれども、しっかり対応をお願いしたいと思います。
次に、何といいましても、こういう調査委員会というのは事務局体制が極めて大事でございます。そういう点でいいますと、今回、事故調査室で二十人程度でやられるということで、独自の事務局は持たれない。また、予算についても八千五百万ということがありました。年間でも二億円に満たないということですので、運輸安全委員会の独立した事務局は百七十六人、予算も二十一億、十分の一程度になっているわけですね。
この事故調査というのは、報告徴収、立入検査、質問、物件提出・留置、物件保全・移動禁止、現場立入禁止、こういうことを行い、そして被害者の支援、そして申し出への、本当に被害者に寄り添う形での対応、こういうことで多岐にわたっているわけであります。そういう点から、やはり事務局体制を強化すべきである、私はそう思っております。
そういう点で、今、行革の観点からの御答弁がございましたけれども、後藤副大臣は小さく産んでというところまではおっしゃったんですが、大きく育てるというところまではおっしゃらなかったんですね。やはり、この事務局体制についても、大きくといいますか強化をしていくということについて、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 委員御指摘のように、消費者安全調査委員会の事務局機能を担う事故調査室は二十人規模の体制で立ち上げることを予定しております。また、予算規模も、二十四年度は半年分で八千五百万円を計上しているところであります。
消費者安全調査委員会を消費者庁に置くことで、消費者庁に一元的に集約される事故情報を事故調査に効率的に活用することができると考えているところでありますが、私も、委員御指摘の部分というのは、やはり見合いで見ると、いわゆる運輸安全委員会との比較において我々は今小さくスタートをするわけでありますが、実績を積みながら、またさまざまなトレーニングをしながら、こういったものに関しては、一定の消費者目線に応える規模のものは私は将来的には必要だろうというふうに認識をいたしております。

○大口委員 今回、消費者庁にこれは置かれる。そして、これまでの委員の質問にもありましたけれども、内閣府の外局として、独立性の高いいわゆる三条委員会とする必要があるんじゃないか、こういうことが提起されているわけです。
今回、消費者庁に消費者安全調査委員会を置く、密接性もあるということで、これはこれでいいんだ、こうおっしゃったんですが、しかし、独自の事務局体制の問題もございます、委員の常勤の問題もあります。そういうことからいって、もし今回の消費者安全調査委員会というものが十分機能しない場合は、やはり内閣府の外局に置いて三条委員会とすべきだ、こういう声が非常に高まってくると思うんですね。その点についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 三条委員会でなくて八条委員会でということに関して、先ほど民主党議員との間でも質疑があったところであります。
私は、八条委員会で、この権能をもって消費者目線は基本的に確立をできるのではないかということで頑張っていきたいと思っておりますが、委員御指摘のようなことも含め、将来の課題としてはあるのかもしれないと思っております。
ただ、一方における行政の流れというものもこれまたあるわけでありますから、そういったものを総合的に勘案しながら見ていかなければいけない。大事なことは、実際にこの組織がきちっと、さまざまな権限を生かし、消費者被害をなくすことができるかどうか、その実績を見ながら我々は判断していくべきだと思っております。

○大口委員 次に、今回の安全調査委員会の調査、評価件数というのは、予算の計上があるということで、年間百件程度を見込んでいるということでございますが、なぜ百件程度なのか、その根拠。
そして、やはり必要な調査、評価が漏れなく実施されるということが大事でございます。そういう点では、必要性があれば百件ということにこだわらないという思いというのも大事でありまして、予備費でありますとかそういうことも活用できるわけでありますから、そういう点で、必要な調査、評価は漏れなく行うんだ、百件にはこだわらないということについて大臣の御答弁をいただきたい。
とともに、今回の選別の指標について、何を対象とするかについて、公共性、単一事故の規模、多発性、消費者自身による回避可能性、被害の程度等を挙げておられるわけでありますが、特に、その単一の事故の規模が小さいから調査しないとか、あるいは、消費者自身による回避可能性があるから調査しないとか、こういうマイナスの観点でこれを捉えられると困ってしまうんです。
そういう点で、何を対象とするかという基準を、基本方針をしっかり立てていただいて、そして、安全調査委員会が選別基準については指針を策定するということであるべきだと思いますが、お伺いさせていただきます。

○松原国務大臣 まず、百件ということの根拠でありますが、例えば、従来、事故情報分析タスクフォースでは十一のテーマについて事故情報の分析、原因究明を行ってきた。その大体十倍が百なんでありますが、ただ、私は、百ということに当然とらわれるものではなくて、必要であれば百を超えてもやるというのは当然のことだというふうに思っております。
後段の指針の分野に関しては、委員御指摘のように、これは新しくつくられる消費者安全調査委員会で決めるというふうに私は認識をいたしております。

○大口委員 その上で、この基準について私がちょっと御質問しましたね。その点についてはどうですか。

○松原国務大臣 この基準についてでありますが、基準は、今委員御指摘のようにこの調査委員会で議論するわけでありますが、基準については、何でしたっけ。

○大口委員 では、もう一回。
ですから、選別の指標について、大臣が、公共性とか単一事故の規模、多発性、消費者自身による回避可能性、被害の程度ということを挙げられましたけれども、例えば単一事故の規模あるいは消費者自身による回避の可能性というものを、これを道を閉ざすマイナスの方向で判断してもらっては困る、こういうことを言ったわけです。

○松原国務大臣 当然、委員御指摘のように、それは道を閉ざすわけではなくて、必要なものに関してはきちっと取り上げるということであります。

○大口委員 次に、今回の法案で、他の行政機関等の調査の評価の結果、必要に応じて、安全調査委員会がみずから調査を行う、こう規定されているわけですが、このみずから調査を行うその基準についても明確にしていただきたいと思うわけであります。そうやって、必要な調査は漏れなく行われる仕組みというのを構築していかなきゃならないと思うわけであります。
それから、事故調査等の申し出制度を規定されているわけですが、安全調査委員会または他の機関の調査結果に対し不服がある場合、安全調査委員会に対し再調査を求めることも可能とすべきである、こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。

○松原国務大臣 消費者安全調査委員会は、他の行政機関等による調査等の結果を評価し、消費者安全の確保のために必要な事故調査が十分なされているとは言えないものについては意見を述べ、また、必要があると認めるときは、みずから調査を実施するところであります。
また、消費者安全調査委員会は、事故等原因調査等を完了した後でも、新しい証拠や知見を得た場合であって、これを利用して再度事故等原因を究明することが被害の発生、拡大を防止するために必要であると認められる事案については、再調査を行うこととしております。
特に、以前の調査結果に基づき実施された施策とは異なる対策が必要となる可能性があるような場合には、再調査の必要性は高くなると考えているところであります。

○大口委員 次に、医療分野に係る事故調査についてでございますが、これについてはどのようにお考えなんでしょうか。

○松原国務大臣 お答えいたします。
医療事故についても、消費者事故等に該当するものについては、消費者安全調査委員会の調査対象となり得るわけであります。もっとも、医療分野の消費者事故については個別性の高い事案も多く、消費者安全調査委員会はこうした事情を考慮しながら、優先的に取り組むべき事案かどうか判断を行うこととなります。
その意味では、医療事故の中で、例えば医療器具のふぐあいによる医療事故や家庭で患者がみずから使用する医療機器等に関する事故などは、調査委員会による原因究明を再発、拡大防止につなげる余地が比較的高い事案であると考えられます。
なお、美容関係のトラブルの中には医療行為にかかわるものもあると承知をいたしております。
医療事故に関しては、現在、厚生労働省が検討部会を立ち上げ、医療事故に係る調査の仕組み等のあり方の検討を進めているものと承知をしております。これは運輸安全委員会のようなものになると思料されております。

○大口委員 今回法案の修正案でも出させていただきましたが、やはり施行前の事故についても、これは当然、事故等原因調査対象とすべきであるということ、これはもう各委員も指摘しているところでございます。
次に、平成二十三年の保育施設における死亡事故が全国で十四件あったんですが、自治体が管理監督する施設において事故は多数発生しています。こうした事故に対して、自治体が独自に第三者機関を設置し、調査することもあるわけですね。
本法律案では、法律あるいは法律に基づく命令の規定による自治体の調査等は評価の対象とされていますが、法律の規定によらない自治体の調査に不足があるというようなときはどう対応いたしますか。

○松原国務大臣 法律の規定に基づく調査ではない、地方自治体が第三者による事故調査委員会を設置して調査等を行った場合、消費者安全調査委員会は、その調査を評価するのではなく、みずから調査の対象として取り扱います。
なお、消費者安全調査委員会は、地方自治体が設置した第三者委員会と同じ調査を繰り返すのではなく、その調査結果を活用しながら、みずから調査を進めてまいります。そのため、地方自治体が設置した第三者による事故調査委員会の調査に不足があったとしても、消費者安全調査委員会がその不足分も含めてみずから調査を行うこととなります。
以上です。

○大口委員 次に、被害者等に向き合う事故調査の必要性を指摘したいと思うんですね。
被害者等への情報提供、説明のための常設の対応窓口の設置、被害者等に配慮した事情の聴取、被害者の視点を生かした調査、申し出制度、事故の記憶の保存、こういうことが検討会の取りまとめでも提案されているわけであります。
本法律案において、申し出制度や被害者等への情報提供については規定があるわけでありますけれども、被害者支援策についてどのように今検討しておられるのか。例えば、事故報告書もわかりやすいものにしなきゃいけない、また、メールでの情報提供ですとかホームページの積極開示ということもあるんですが、きめ細かくやっていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

○松原国務大臣 そもそも、消費者目線という観点から、委員御指摘の点は極めて重要なことであるというふうに認識をいたしております。消費者安全調査委員会が十分な原因究明を行うために、被害者等の協力を得て行うことが必要であり、被害者と向き合う事故調査という姿勢が重要であります。
このため、事故等原因調査等の実施に当たっては、被害者等の心情に十分配慮しながら、当該事故等原因調査等に関する情報を適時適切な方法で提供してまいります。
また、事故等原因調査の結果を取りまとめた報告書はホームページで公開するほか、被害者等には、その求めに応じ、報告書の内容をわかりやすく説明してまいりたいと考えております。
また、事故等原因調査等の申し出に当たっては、窓口に消費生活センターの相談員等の経験者等を配置するなどして、申し出方法や申し出に関する相談に丁寧に対応していくことと考えております。
以上であります。

○大口委員 今回修正案でも出させていただきましたけれども、重大事故について、被害者等による調査の申し出に対してその調査を実施しないとしたときは、やはり、その旨を通知するだけじゃなくて、その理由についても通知すべきだ。
私は、やはり、大臣がおっしゃったように、消費者、被害者重視ということからいえば、当然理由についての規定も入っていなきゃおかしいと思うんですね。それが抜けていた。今回修正で出させていただきましたけれども、その姿勢はもう一度反省していただきたいというふうに思っております。大臣が決裁された法案ですから。このことを指摘しておきます。
次に、勧告及び意見具申についてでありますけれども、今回、調査等が完了した後に被害の発生、拡大の防止のため講ずべき施策、措置を求める内閣総理大臣に対する勧告権と、消費者安全の確保の見地から、調査完了以前でも随時行うことができる内閣総理大臣または関係行政機関の長に対する意見具申、これが安全調査委員会の権限として規定されているわけでありますが、これについて、被害の発生、拡大の防止のために、この権限は積極的に行使されることが望ましいわけであります。
勧告を受けた内閣総理大臣の場合は、講じた施策については安全調査委員会に通報をしなければならない、こういう規定があって、こういう形でやりますということが通報されるわけですが、早急に対応が求められる意見具申についてこういう規定がないわけです。
私は、やはり内閣総理大臣、関係行政機関の長が、意見具申についても、これを尊重し、真摯にかつ速やかに対応し、そして、求められるのを待つのではなく、みずから積極的に安全調査委員会への通報をすべきであると考えますが、大臣、いかがでございましょうか。

○松原国務大臣 委員と思いは全く同じでありまして、意見具申にかかわる広範な内容を含めることから、法律上、委員会への通報義務は設けていないところでありますが、意見具申を受けた機関が積極的にみずから講じた施策または措置について調査委員会に通報していただくことは望ましい、極めて望ましいと考えております。
仮にみずから調査がなされなかったとしても、消費者安全調査委員会は、関係省庁に対して必要な協力を求めることができるとしております。そこで調査委員会は、通報義務規定がなくても、関係省庁が意見具申に基づきどのような対応を行ったかについて報告をするよう求めることができることとなっております。
委員御指摘のとおり、報告を求めるまでもなく、こういったものについて報告がなされることを私たちは望ましいと考えております。

○大口委員 大臣の今の答弁をしっかりこの委員会が受けとめてもらえる、こういうふうに期待をしております。
次に、事故調査と刑事捜査との調整についてお伺いします。
もちろん、目的は、事故調査は事故の原因を究明して予防、再発防止をする、刑事手続については刑事責任の追及、こういうことで目的は相違するわけでございます。そういう中で、この安全調査委員会の事故調査と刑事責任追及のための刑事手続が競合する場合の両者の関係については、法律上規定されていないわけでございます。
運輸安全委員会は、平成二十年九月五日、警察庁と国土交通省が、犯罪捜査と運輸安全委員会が行う事故調査が競合する場合の総合調整について合意をしているわけでございます。私もその合意の文書を持っているわけでございますけれども、こういう合意につきまして、消費者庁は警察庁と、消費者安全委員会の事故調査と犯罪捜査の総合調整について、単なる申し合わせではなくて文書による取り決めをするのか、そしてその内容は運輸安全委員会のものと同様なのか、お伺いします。

○松原国務大臣 結論としては、そういったものも含め検討しているというところであります。
事故調査と刑事手続は、一方が他方に優先するという関係にはなく、双方がそれぞれの目的に沿って支障なく円滑に実施されることが重要であります。そのため、運用面において、調査委員会と捜査機関がそれぞれの役割、責務を尊重し、必要な協力や活動の調整を行っていくことができるよう、制度開始までに消費者庁と関係省庁との間で必要な検討を進めてまいりたいと思います。
今委員御指摘の、運輸安全委員会と警察庁との間のお話がありましたが、これを参考にして、ほぼ同様の事項について取り決めを行うべく、警察庁と調整を進めてまいりたいと考えております。

○大口委員 附帯決議案に私どもは提案させていただきましたが、やはり、消費者安全調査委員会が、事故等の原因調査に必要な事故の現場の検証やあるいは生命身体事故等の関係者からの事情聴取について、刑事手続との関係で制約されることなく十分に実施されることができるよう、よく考えていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
次に、多数消費者財産被害事態についても質問をさせていただきますけれども、なかなか時間がないものですから、そういう点では一、二点お伺いさせていただきたいと思います。
やはり、今も御指摘がありました、注意喚起ですとかあるいは措置要求についてはほとんど実績がない。注意喚起あるいは措置要求について実績がない中で、果たして、今回のすき間財産事案についての事業者への勧告、命令や、あるいは関係行政機関への情報提供の措置というものが、十分迅速で機動的な対応ができるのか。体制整備が大事だと思うんですね。
都道府県の関係で、これまで三十一県、八政令指定都市が、これまでの消費者庁の委任について同意を得たということなんですが、やはり四十七都道府県、全ての政令指定都市にこれが同意していただけるよう、なぜ、どういうところをきちっとやればそれが御理解いただけるのか、そこら辺も含めてお伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 今御指摘のように、九件と少なかったというお話もありました。こういったことも含め、消費者庁自体ももちろんこれからさらに積極的に行ってまいるわけでありますが、人員等の問題もありました。そこで、地方自治体との連携というものも必要になってこようかと思っております。
そういった意味で、地方自治体等の同意が三十一ということでありましたが、四十七全てそういったものをつくるべきではないか、全くおっしゃるとおりでありまして、そういったことも含め、消費者庁の存在感を出しながら、消費者庁が何をやっているか、消費者目線で今何が問題か、こういったことを安心、安全のアクションプランということで、これからさらに進めていきたい、このように思っているところであります。

○大口委員 多数消費者財産被害を発生させた悪質な業者に対して、やはり不当な取引の取りやめなどの勧告、命令の行政措置だけでいいのかということがあるわけですね。
そういう点では、泣き寝入りになってしまうことが多い消費者被害を一括して救済する新たな訴訟制度でありますとか、また、そういう利益を得させないということが大事でありまして、集団的消費者損害回復に係る訴訟制度、あるいは行政による経済的不利益賦課制度及び財産の隠匿、散逸防止策、こういうことを検討していただいているんですが、特に、集団的消費者被害の訴訟制度については今国会で出されると。私どももそういう対応をしておったんですが、今回出されない。これも、本当に消費者団体の方々も失望されているんです。
今回、この多数消費者財産被害については、こういう法案を、消費者安全調査委員会の設置という形で、また、すき間事案について対応するということで出されたわけでありますけれども、今宿題となっているこの課題についてどうなのか、お伺いしたいと思います。

○松原国務大臣 いわゆる集団的消費者被害回復に係る訴訟制度というのは極めて重要な法案であると思っております。
現在検討中のものに関しては、我が国の民事訴訟制度の大きな例外であり、他の分野にも前例がない制度であったり、また、いわゆる仮差し押さえ、御案内のように、率直に中を言いますと、最初の第一段階の前に仮差し押さえという、これが従来と違う枠組みになろうかと思っておりまして、こういったところのさまざまな法的な実証や整備に時間が非常に求められているのは事実でありますが、これはもうきちっと近いうちに、この国会に仮に間に合わなくても出すということで頑張っていきたいと思っておりますし、また、そういったことも含め、我々は消費者目線を確立させるということで、さまざまなことをこれから取り組んでいきたいと思っております。
先般、内閣において、総理大臣が全体を取りまとめる中の政策会議も行われて、いわゆる安心、安全のアクションプランということも指示が総理からあったところでありまして、こういったことも含め、消費者の目線を確立し、委員御指摘のようなことを現実にするための施策は全力で講じていきたい、このように思っております。

○大口委員 時間が参りましたので、これで終わります。
ありがとうございました。

○阿久津委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、井戸まさえ君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、国民の生活が第一・きづな及び公明党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。大口善徳君。

○大口委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。
その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。
消費者安全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一 消費者安全調査委員会は、事故等原因調査等を完了した後に、究明した事故等の原因(事故については、事故に伴い発生した被害の原因を含む。)に変更を生じる可能性のある新たな証拠又は知見が利用可能となった場合において、生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るため当該生命身体事故等に係る事故等原因を再度究明することが必要であると認めるときは、事故等原因調査等を改めて行うこと。
二 消費者安全調査委員会は、必要な調査等が漏れなく行われるよう、生命身体事故等の中からその対象を選定するため、「公共性」「単一事故の規模」「多発性」「消費者自身による回避可能性」「被害の程度」等の観点を踏まえ、指針を策定すること。
三 消費者庁は、消費者安全調査委員会の委員の一部を常勤とすることを検討すること。
四 消費者安全調査委員会が、事故等原因調査に必要な事故現場の検証や生命身体事故等関係者からの事情聴取について、刑事手続との関係で制約されることなく十分に実施することができるよう、必要な措置を講じること。この場合、警察等の捜査機関にあっては、消費者の利益の確保と再発防止を図る観点から、積極的に資料提供に協力すること。
五 消費者庁は、多種多様な生命身体事故等に係る事故等原因調査等や、申出制度・情報提供等における被害者支援を消費者安全調査委員会が十全に行えるよう、その事務局機能の充実強化を図ること。
六 消費者庁は、消費者の財産被害の発生又は拡大の防止を図るため、消費者安全法に基づく消費者への注意喚起、各大臣に対する措置要求の権限とともに、関係行政機関の長等に対する情報提供、多数消費者財産被害事態に係る事業者に対する勧告及び命令の権限を、積極的かつ実効的に活用すること。
七 消費者庁は、多数消費者財産被害事態を発生させた事業者に対し、必要な調査等を迅速かつ十分に行うことができるよう、体制の整備に努めること。
八 消費者庁は、財産分野における消費者被害の更なる救済等を図るため、集団的消費者被害回復に係る訴訟制度、行政による経済的不利益賦課制度及び財産の隠匿・散逸防止策の検討を早急に進めること。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

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