大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

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2013年11月27日

185-参-政治倫理の確立及び選挙…-3号 平成25年11月27日

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
まず初めに、提案者に確認いたします。
本案は、都道府県議会議員の選挙区についての法案ですが、この都道府県議会議員は、その県民全体の代表であると同時に、地元地域の住民の声を代弁するという側面もあると考えますが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(大口善徳君) 吉良委員にお答えいたします。
今、地域代表の側面があるのではないかということでございますが、そのとおりでございます。
ただ、今回、郡の制約を撤廃した趣旨というのは、地域の代表の単位としての郡の存在意義が大きく変質しているということに鑑み、郡の制約を撤廃することにしたわけでございます。地域の実情に応じて、各町村の地域的なまとまりを踏まえた選挙区の設定を行うことが可能でございます。
公選法上も、十五条のこれは七項で、選挙区を設ける場合においては、行政区画それから衆議院の小選挙区選出の議員の選挙区、地勢、交通等の事情を総合的に考慮し、合理的に行わなきゃいけないということで、地域の事情ということをしっかり反映しなきゃいけないということもございますし、また、最高裁の平成七年の三月二十四日、これは平成五年の東京都議会議員選挙に関する定数訴訟なんですが、これも特例選挙区、これは公選法二百七十一条の二項でございますが、これにつきましても、地域代表を確保することが必要とされる場合があるということで、最高裁でもそういう形で例示しているということでございます。

○吉良よし子君 地域代表の側面もあるということでしたけれども、私は現在、都道府県議会議員における地域代表としての側面が損なわれてきているのではないかという点を危惧しております。
ここで再度、提案者に確認いたしますけれども、先ほどもお話あったように、本案の趣旨説明の中で、「郡には行政単位としての実質がなく、さらに、市町村合併の進行により、地域代表の単位としての郡の存在意義が大きく変質している」と述べておられましたけれども、この間、市町村合併が進んだことも今回の法改定の背後にあるということでよろしいでしょうか。

○衆議院議員(大口善徳君) 現在、郡は行政単位としての実質がなくなっていると、そして単なる地理的な名称になっているわけですね。本改正の契機となったのは、全国都道府県議会の議長会からの緊急要請でありました。平成二十一年の十月、また二十二年も十一月も出されているわけでありますけれども、その中で、「合併の進行によって地域代表の単位としての郡の存在意義は大きく変化している。」とされているわけですね。これは全国の都道府県議会の議長会でございますからもう実態を踏まえた意見でございまして、市町村合併の進展により生活圏の変化や地域的なまとまりの変化が生じ、それが本改正案提出の理由の一つとなっているということでございます。

○吉良よし子君 合併も一つの要因であるということでしたけれども、ここで事実を確認していきたいと思います。
まず、この間の平成の大合併と言われる市町村合併がどのようなものだったのか。私、調べたところですと、全国の市町村の数は平成の大合併が始まる前の一九九八年度末には三千二百三十二だったところが、二〇一三年一月一日時点では千七百十九へとほぼ半分に減ったということ、大変驚きました。
これについて総務省は、二〇一〇年三月にそれまでの総括するための「「平成の合併」について」というもの、こちらですね、取りまとめていますけれども、この中の概要部分に合併による主な問題点、課題が挙げられています。
総務省、その内容を御紹介ください。

○政府参考人(山崎重孝君) 今御指摘がありました「「平成の合併」について」という文書におきましては、平成の合併の評価として四点、それから問題点、課題を四点書かれております。
具体に申しますと、まず一番目に課題としましては、合併により面積が大きくなった市町村において周辺部の旧市町村の活力が失われているのではないかという指摘があります。二つ目に、合併により市町村の規模が大きくなることによりまして住民の声が届きにくくなっているのではないかという指摘がございます。三つ目に、厳しい地方財政の状況を踏まえまして、住民サービスが低下したのではないかという評価がございます。四つ目に、旧市町村地域の伝統文化、歴史的な地名などが失われてしまうのではないかという点が挙げられております。
ただ、これらに関しまして、合併市町村におきましては、合併後のサービスの維持のため様々な方向でいろんな方策をやっておりまして、地域審議会とか地域自治区とか、一体的な振興とか、周辺地域への対応に取り組んでいるところでございます。

○吉良よし子君 私もこの「「平成の合併」について」というものを読んでみましたけれども、課題に挙げられていました一つ、住民の声が届きにくくなったという問題の事例として、市議選で、合併された旧四町の選挙区は全市一区に変更されたが、旧町選出の市議は引退し、立候補者はゼロとなった。人口四十六万人の市で旧町は約三千人、合併で地方自治に地元の声が伝わりにくくなった罪は大きいと、埋没への不安が募るということが書かれておりました。私も、市町村合併によって地元住民の声が届きにくくなっているということは大きな問題だと思っております。地方自治にとって住民の意思を反映させることは何よりも大切なことであり、その中心的な役割を果たしているのが地方議員だと思います。だからこそ、住民の声を十分に酌み取るためには一定の議員の数が必要だと考えますけれども。
ここで総務省に伺います。都道府県議会、市区議会、町村議会の議員定数について、先ほどと同時期、一九九八年末、直近の二〇一二年末のそれぞれの数と合計数を示してください。

○政府参考人(安田充君) 一九九八年、平成十年及び二〇一二年、平成二十四年の十二月三十一日現在の都道府県議会、市区議会及び町村議会のそれぞれの議員定数及びそれらの合計でございますけれども、一九九八年、平成十年は、都道府県議会議員が二千九百四十人、市区議会議員が二万百九十五人、町村議会議員が四万一千五百七十七人で合計六万四千七百十二人となっております。
二〇一二年、平成二十四年でございますが、都道府県議会議員が二千七百三十五人、市区議会議員が二万四百六十一人、町村議会議員が一万一千七百五十七人で合計三万四千九百五十三人となっております。

○吉良よし子君 一九九八年末から二〇一二年末の間、つまり先ほどの平成の大合併で市町村の数が半減する中で、地方議員全体の数も約半分に、およそ三万人も減っているということですから、私も驚きました。今回の法案に係る都道府県の議員数だけ取っても減らされているという事実もありますし、中には大幅な削減を行っている自治体もあります。
改めて総務省に伺いますけれども、この九八年末から二〇一二年末の間に都道府県議会議員の定数を削減した自治体の数は幾つありますか。また、削減数が多い、特に七名以上定員削減をした自治体名と削減数もお示しください。

○政府参考人(安田充君) 一九九八年、平成十年末から二〇一二年、平成二十四年末までの間に都道府県議会議員の定数を削減した団体は四十五団体となっております。
削減数が七以上の団体名及び削減数でございますが、群馬県七名減、神奈川県八名減、新潟県十名減、富山県七名減、岐阜県七名減、静岡県九名減、熊本県七名減、宮崎県八名減となっております。

○吉良よし子君 つまり、平成の大合併が進んだ時期に、東京都と沖縄県以外の全ての道府県で議員定数の削減が行われている、多いところでは十名減らされているということです。
こうした合併と同時に議員定数削減が行われる中で、議員の地域代表としての側面が失われているという事例もあります。
例えば、総定数を九人減らした静岡県では、市町村合併に伴い、静岡市と浜松市が政令市となっていますけれども、全国都道府県議会議長会が総務省地方行財政検討会議に配付した資料の中で、二政令市からの選出議員が全体の四割を超えるなど、郡部から地域代表を選出できない状況が生じていると述べています。これは、合併によって選挙区は大きく広くなったけれども、総定数削減されたために郡部からは地域代表が送り出せないという典型的な事例であると思っております。
そして、時間がないのでちょっと先に進めさせていただきますけれども、同時に、先ほどの事例は、合併に伴う選挙区の改定と定数削減は切り離せないものであり、全く関係がないとは言えないということも示していると思うのです。
総務省にここで確認します。九八年以降、都道府県議の定数が減少した時期と削減数をお示しください。

○政府参考人(安田充君) 一九九八年、平成十年以降、都道府県議会議員の定数が減少した時期及び減少数についてでございますが、一九九九年、平成十一年に三十名、二〇〇三年、平成十五年に三十六名、二〇〇七年、平成十九年に九十名、二〇一一年、平成二十三年に四十九名、それぞれ減少となっているところでございます。

○吉良よし子君 私もこの時期について調べてみたんですけれども、まず一九九九年というのは、自民党政権下での地方分権改革の中で議員定数制度の見直しが行われ、法定定数制度から条例定数制度になったと、そういう時期です。そして、次の二〇〇三年というのが、この定数制度の見直しが施行された年となっています。次の二〇〇七年というのが、平成の大合併が次々と行われた時期であり、九十も定数が減らされていると。そして、最後の二〇一一年というのが、民主党政権下での地域主権改革で、目安となっていた定数の上限すらも撤廃されてしまったという時期に当たる。
結局、こうした法改定によって一斉地方統一選挙が行われる年の区割り変更と同時に定数削減が行われてきて、削減に歯止めが掛からなくなってきているのではないでしょうか。実際、次の統一地方選、再来年に向けて、自治体では本案を見越して区割りの見直しと同時に法定上限撤廃後の総定数の設定について議論を始めているところもあると聞いています。私は、本案をきっかけにして、都道府県議会の区割りの見直しと併せて定数削減が行われるのではないかということを今大変危惧しています。
改めて提案者に伺いますけれども、こういうことが行われていけば、住民の声がますます議会に届かなくなるのではないでしょうか。お願いします。

○衆議院議員(大口善徳君) 私、静岡県なものですから、マイナス九ですか、実態はそうであると思います。
ただ、この改正案は、あくまで都道府県議会の議員の選挙区設定のルールを、これを改めるものでありまして、市町村合併や議員の定数削減については何も定めていません。中立であるということでございます。
本改正案は、町村の区域に係る選挙区の設定について、郡の縛りを、これを撤廃すると、その自由度を高めることとして、地域の実情に応じて各市町村の地域的な一体性を踏まえた選挙区の設定を可能としているわけでございます。
また、合併特例法によりますと、市町村合併後、次の一般選挙により選挙される議員の任期が終わるまでの間に限り、合併前の従前の選挙区によることができると、こういうことになっております。
また、先生御指摘のことは、これまでも数々、衆議院におきましても委員から御指摘ございました。附則の四条で、やはりこういう合併の場合の郡部の方の意見を反映させるような選挙区の区割りというものも検討すべきじゃないかと、こういう御意見もあります。これは、まずこの本法案が施行されて、そしてまた状況も見て、後日の課題にさせていただきたいと、このように思っています。

○吉良よし子君 選挙は民主主義の根幹ですから、制度は議会に民意が正確に反映されることを基本に考えるべきと考えますし、今回の制度については、枠組みとはおっしゃいますけれども、過去の例を見ていけば、今回の法改定によって定数削減が促進されることにつながりかねないという問題があるということを指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

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