基礎研究が生んだ成果―党部会でノーベル賞の吉野氏が講演
「研究の成果がこうした形で実を結び、お祝い申し上げます!」――。10月18日に衆議院第1議員会館で開かれた党文部科学部会に駆け付け、今年のノーベル化学賞の受賞決定を報告した吉野彰旭化成名誉フェローに対し、山口那津男代表、浮島智子部会長(衆議院議員)らが万雷の拍手で祝福すると、吉野氏は「ありがとうございます!」と満面の笑みで応えました。
席上、講演した吉野氏は、受賞理由となったリチウムイオン電池の開発について、1981年と2000年にそれぞれノーベル化学賞を受賞した福井謙一氏と白川英樹氏の研究成果を引き継いだと強調。
「2人の基礎研究がなければリチウムイオン電池は生まれなかった。しっかりとした基礎研究があって、産業界の私がバトンタッチできた」と述べ、基礎研究の裾野を広げ、産学連携を深めていくことの重要性を力説しました。
未来の子どもたちに向けては、自身の経験も踏まえ、研究者が成果につながる研究に着手する年齢は35歳前後が多いとして、「35歳の自分に向けて勉強し、力を蓄えてほしい」と呼び掛けました。
あいさつした山口代表は、再生可能エネルギーの利活用へリチウムイオン電池が果たす役割が大きくなる可能性に触れ、「エネルギー資源に乏しいわが国にとって朗報だ」と述べ、祝意を示しました。
(公明新聞 2019年10月19日付より転載)