2020年3月5日

新型肺炎　公明、経済対策で第３次提言―事業継続　力強く支援―資金繰り悪化防ぎ、雇用守れ

新型肺炎　公明、経済対策で第３次提言―事業継続　力強く支援―資金繰り悪化防ぎ、雇用守れ

党新型コロナウイルス感染症対策本部（本部長＝斉藤鉄夫幹事長）、大口善徳衆議院議員らは３月４日、総理官邸に菅義偉官房長官を訪ね、肺炎など同感染症拡大による経済への影響が広がっている現状を踏まえ、経済対策を中心とした第３次緊急提言を行いました。席上、斉藤本部長は、２月下旬から党として観光業や経済界など各種団体から要望を聴取してきたと強調。現場の声を提言に反映させたとし、「今年度予算の予備費を活用し、緊急性の高い施策から迅速に実行してもらいたい」と要請しました。菅官房長官は「しっかり対応していく」と応じました。

提言のポイント
▼　旅館、飲食店の特別貸付枠を増額
▼　中小企業に無利子・無担保融資
▼　休校に応じた農産物の需給安定
▼　減収となるフリーランスも補償
▼　中国進出企業へ情報提供の充実

提言では、経済対策の柱として（１）資金繰り・助成金支援などのさらなる拡充（２）事業の継続支援（３）正確な情報発信・提供の充実（４）サプライチェーン（部品などの供給網）の維持に向けた対応（５）終息後の需要喚起対策――の五つを掲げ、政府として適切かつ万全の対策を講じるよう強く求めました。

具体的には、旅館や飲食店などに融資する「衛生環境激変対策特別貸付」について、貸付限度額の引き上げを要望。中小企業・小規模事業者に対する無利子・無担保での融資実施など政府系金融機関における柔軟な対応を求めました。雇用調整助成金に関しては、事業主の負担額に対する助成率の引き上げや、非正規雇用などへの対象拡大を盛り込みました。

個人事業者・自営業者などへの支援では、全国の小中学校・高校の休校などにより減収となるフリーランスの実態を踏まえた支援の重要性を指摘。これに対し菅官房長官は「政府として、しっかり取り組まなければならないと考えている。踏み込んで何らかの形で支援したい」と応じました。

また提言では、休校に伴う影響により、農畜産物の需要が減少していると指摘。特に生乳に影響が及んでいるとして、飲用乳を加工乳に振り向ける際の差額補填を求めるとともに、出荷時期が重なる花卉など需要の減退が顕著な品目への支援を強く要請しました。さらにはサプライチェーンの維持に向けた対応として、テレワーク導入などを行う中小企業・小規模事業者への補助金申請の要件緩和といった優先的な措置を講じることも要望しました。

医療機関などにマスク優先配布
斉藤本部長は、党の要請を踏まえて、政府が３月１０日にも取りまとめる緊急対応策第２弾に反映させるよう強調しました。

その上で、マスクや消毒液などの物資が医療機関や持病のある人に行き届いていない現状に言及し、「真に必要な人々に対してマスクを配布できる体制整備を」と求めました。

今後の感染症終息を見据えた国内旅行などの需要喚起策の必要性にも触れ、インバウンド（訪日外国人旅行者）が勢いづく支援の検討を併せて提唱しました。


（公明新聞　２０２０年３月５日付けより転載）