大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2004年3月1日

159-衆-予算委員会第一分科会-1号 平成16年03月01日

○大口分科員 金子大臣、よろしくお願いいたします。
今回、二月二十七日に地域再生推進プログラムが決定されました。これはもう地域においても大変期待をしておることでございまして、我が静岡県におきましても、静岡政令県構想、それと奥大井・南アルプスマウンテン構想、この二点、申請をいたしました。
そして、奥大井・南アルプスマウンテン構想については、国立公園の拡大と三項目を認められたわけでございますけれども、静岡政令県構想、これにつきましては、権限の移譲九十二件あるわけでございますけれども、これが支援措置は全く行われない、こういう回答であったわけでございます。
御案内のとおり、この政令県構想というのは、これは静岡県県知事が熱心に研究されて、そして静岡県内政改革研究会、こういう研究会を立ち上げて、昨年の十一月に報告書もあるわけでございます。これは、この地方分権の大きな流れ、そしてまた国と地方の内政の機能の最適化、そのために再構築をしていく、こういう非常に意欲的な試みでございます。
来年、静岡市が政令指定都市に向けて、今その予定でございます。静岡県で初めての指定都市が来年の四月に誕生します。また、平成十九年の四月には、西部を中心にしまして二番目の指定都市が誕生する。今、静岡県は、この指定都市に対して、法定の権限以外に思い切って権限をこの政令指定都市に移そう、こういうことをやっておりまして、県の事務を大幅に移譲する、こういうことで、総合的に地域の課題に対応できるように移譲をする、こういうことでございます。
また、新型の指定都市というふうにこれは言っておるんですが、それ以外に広域連合というものを設けまして、そして、この広域連合に新型の指定都市と同様の機能を担うように権限も移す。そして、県の本庁、それから出先機関、県の行政センター、健康福祉センター、農林事務所、土木事務所、こういうものを移譲していくということで、かなり踏み込んだ県内の改革を打ち出しておるわけです。
そして、県におきましても、それこそ、人口、面積、あるいは県内総生産、一人当たりの県民所得、あるいは財政力指数、県によって大規模もあれば中規模もあれば小規模もある。ですから、やはり都道府県の格差に合わせて、一定以上の規模、能力を備えた府県については、それこそ現在地方支分部局等が行っている国の事務を法令により移譲する、これが政令県構想でありまして、そして今の都道府県でも、ある程度の規模のものはこれは政令県に移行する、それから小さな県については、例えば合併によって政令県に移行する。
そしてさらに、静岡県のこの構想というのは、道というものを、これは政令県よりも人口が多い、面積が広いというものでございますけれども、こういう道というものを考えて、そして産業政策あるいは交通政策の内政に係る国の事務をすべて付与する、こういう道の構想も立てておるわけでございます。
そこで、今回のことにつきまして、この静岡県の政令県構想につきまして、九十二件の権限移譲につきまして、大臣、地域再生本部としてどのような方針でこれに対応されたのか、それから採用できるものがなかったのか、どういう点が問題点なのか、こういうことをまずお伺いしたいと思います。

○金子国務大臣 御指摘のとおり、静岡県の今度の政令県構想というのは、私は画期的なお考えだと思っているんです。中身を、知事にもおいでいただきまして、よくお話を伺いました。将来の道州制がこの中にちゃんと入っているんですよね。そういう意味で画期的な構想だと思いますし、知事の意欲というものは本当に感じさせていただきました。
ただ、今おっしゃいますように、権限の移譲という意味では、九十何件でしたか、九十二件だったですね、六件はどうも多分、今まださらに検討しているところがあるんですけれども、権限を移譲できるという状況というのが今出てきております。
ただ、大口先生、これは、単に権限を一つ一つ、ワン・バイ・ワンで移譲していく話なのかということよりも、知事のお考えというのはそもそも、やはり道州制の一つのプロセスとしてとらまえている。だから、第一段階、今のような政令県、指定都市、そして次は道州制という意識がお考えの根底にあるんですね。プロセスの一つだと。そういうことになりますと、北海道も今議論がありますけれども、全体としてそういう地方と国のあり方をどうするのかという、改めて地方自治体と国のあり方の枠組みとしてとらまえてあげないと、何件か権限は移譲したけれども中途半端なものになっちゃうんじゃないでしょうか。
私は、そういう意味で、この問題というのは、今回はちょっと口火を知事も切らせていただいたけれども、いずれ私自身としては地方制度調査会という場でこれをきちっと取り上げてもらって議論をしていきたいテーマだと思うんです。
もう一つ、余談ついでで恐縮でありますけれども、静岡県というのは、道州制というのを考えた場合に、さあ、中部ブロックなんだろうか、関東ブロックなんだろうか。先生のお地元は……(大口分科員「中部ですね」と呼ぶ)中部でしょう。浜松や遠州なんというのは明らかに経済的にも中部だろうけれども、それより東は多分関東圏。だから、国の支分部局も二つに分かれていますよね。
それで、今までの道州制の議論というと、何となく中部ブロックとか東北ブロックとかいうのが固定していましたけれども、東北の方でも、山形を除いた東北三県で一つのブロックをつくりたいといったような考え方。静岡も、そういう意味では中部とか関東とかいうことを超えて、新たな道州制のような地域を考えていく一つの手がかりだと思っておりまして、それだけに非常に大事な御提案だと思っているんです。
だからこそ、地域再生チーム、短い期間でどうするという、単なる権限移譲、何件できたということではなくて、もっと大きなテーマで取り上げてあげた方が県の知事の御意向にもかなってくるし、我々政府としても、そういうテーマとしてきちんと議論をしてみたいと思っております。

○大口分科員 今大臣から御丁寧な御答弁、ありがとうございます。
本当に、そういう点では、国と地方の内政の機能の再配置、再構築という、内政構造改革という非常に大きなテーマであるわけです。ただ、今現実にこの議論が、いよいよこれから平成の合併が終わって、今進行中でありますけれども、その次の大きなテーマになるわけです。そういう点では国民的議論をしなきゃいけないわけですが、今ある現行のスキームの中で、やはり芽出しをしたいといいますか、この政令県構想という構想のもとで芽出しをしたい、この知事の思いもある、こう思っておるんです。
そういう点で、今、六月の二次募集に向けて静岡県も検討しておるようでございます。それにつきまして、留意点等ございましたら、お願いしたいと思います。

○金子国務大臣 とりあえずできる部分を進めていくというのは、あの九十二件の構想の中で、既に権限移譲六件、進めるという方向で省庁間で議論してもらっていますけれども、できるところはやっていった方がいいと思います。
ただ、繰り返しますけれども、一部権限移譲したからといって、あの政令指定県構想というのが全部実現できるというわけではないので、そういう権限移譲できる部分と、それから全体の政令県都市、静岡県知事が御提案されるような趣旨と、ある意味二段構えで進めていったらどうかと思っております。

○大口分科員 また、今、北海道道州制特区構想、これが小泉総理から御提案があった、そして、竹中大臣にしっかりと前向きに検討するように、こういうお話があったと聞きます。総理から竹中大臣にどのような御指示があったのか。そして、今現在、北海道におきまして鋭意これは検討をしております。北海道がまずみずから考えなさいということで、一生懸命今検討しておるわけでございますが、その構想の今後の見通し、スケジュール、伊藤副大臣にお伺いしたいと思います。

○伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
地方分権の進展に伴い、道州制や都道府県合併など、将来的な広域自治体の姿については、大口先生からも静岡の構想について御紹介をいただいたわけでありますが、幅広く議論がされておるわけであります。
そうした中で、北海道は、その規模や地理的条件などから、こうした検討を独自に先行させることが可能な条件を有しているというふうに考えております。経済財政諮問会議においては、昨年の十二月、北海道知事から道州制特区のアイデアを御紹介いただいたところでございますが、会議では、総理から、北海道より提案がなされたことを評価するとともに、これを支援する旨の御発言があったところでございます。さらに、去る一月十九日の総理の施政方針演説においては、北海道が地方の自立・再生の先行事例となるよう支援する旨の表明がなされております。
これらを踏まえ、内閣府におきましては、北海道との連絡に当たる担当を指定するなど支援体制を整備したところであり、今後とも、北海道と緊密な連絡を図り、具体的な成果が上がるように適切に対応していきたいと考えております。

○大口分科員 では、伊藤副大臣、これで。ありがとうございました。
今、北海道道州制特区構想ですね、鋭意検討されておるわけでございますが、これも大きな構想なんですよ。ただ、やはり今、現行のスキームでいきますと、地域再生本部に対してプログラムを応募する、こういうことが考えられると思うんですね、権限の移譲等あるいは規制緩和等。それにつきまして、もしこういうものが出された場合、金子大臣としてどのように対応されますか。

○金子国務大臣 地域再生の方ではなくて、今、竹中さんの方でこれは検討している、それから調査費もつけているということでありますので、実は、我々のチームでは余り細目の検討を議論していないんです。
ただ、今御指摘のように、特区で申請が出てきたらどうするのか、受けるのか。先ほど申し上げたように、特区で申請できる状況というのは、それなりに、自治体あるいは北海道庁といったような、ある意味整理がついてでなければ上げられてこないと思うんです。ですから、そういう状況を自治体が済ませて、整理をされて上げてこられるというところまで来るならば、検討としてはあり得るのかと思うんですが、しかし、先ほどちょっと静岡県の政令県都市構想もそうなんですけれども、やはり国全体の枠組みの問題でありますので、これは単に北海道だけでないんでしょう。静岡県も当然議論としてあるんだろうと思っているんです。
これは、地方制度調査会でこの問題は議論をするという方向になっておりますので、逃げないんです。逃げないんですけれども、むしろ、まともにきちんと調査会で議論していただいた方が、単に道だけの話ではなくて、全国のこういう地方分権と道州制に絡む話なものですから、地域再生の何か特区の案件というよりは、どうでしょう、やはりきちんとあり方はどうするんだということを議論していただいた上で特区で申請をしていただいた方が、私自身は望ましいと今のところは判断をしております。

○大口分科員 また静岡県の政令県構想に戻ります。
これにつきまして、地方分権を推進する総務省のこの構想についての評価、これをお伺いしたいと思います。

○畠中政府参考人 お答えいたします。
静岡県の政令県構想についてのお尋ねでございますが、静岡県から御提案がございました政令県構想とは、先生もよく御承知のことかと存じますが、指定都市制度と同様に、一定の人口と行財政能力を有する府県を政令県として位置づけまして、国の地方支分部局等が有する一定の事務権限の移譲を認める措置を講ずることを内容とするものというふうに承知しております。
今後の我が国のあり方を考える上で、国は国がやるべきことに専心し、地方にできることは地方にという地方分権の原則のもと、国、地方を通ずる行政の構造改革を進めることが大切であるというふうに考えております。そのためには、地域住民のニーズを的確、迅速に把握しまして、行政に反映させることが重要でございまして、できる限りその事務権限を地方に移譲することが必要であろうというふうに考えております。このような事務権限を地方に移譲するという観点から考えますと、静岡県の構想は意義のある提案ではなかろうかというふうに私ども考えております。
また、その実現の手法として地域再生の枠組みを活用するというふうにされておりまして、これも現実的な対応をしておられるんじゃないかというふうに考えております。
総務省といたしましては、今後とも、国から地方により多くの事務権限が移譲されるよう積極的に取り組んでまいる所存でございます。

○大口分科員 次に、構造改革特区についてお伺いをしたいと思います。
構造改革特区の目的は、経済の活性化のための規制改革を行うということでございます。民間の活力を最大限引き出すということがまた目的でもあります。規制改革は民間事業者にとってメリットが大きいと考えられるわけでありますが、特区における規制改革の提案が民間からのものが少ない、こういうふうに聞いております。
どれぐらい今まで民間からの提案があったのか、そしてまた、民間からどのような提案が採用されているのか、また、代表的な事例をお伺いしたいと思います。さらに、民間の提案がもっと多く出されるようにどうこれから対応していかれるのか、金子大臣にお伺いしたいと思います。

○金子国務大臣 御指摘のとおり、まだ民間、我々の認識でも、御提案いただいているのが少ないなと。全体件数で、第四次では百二十二件、これまでの累次三百五十件、やはり提案数の約三割にとどまっております。これは御指摘のとおりなんです。
ただ、大口先生、民間の方は、自分で提案できないという、まだこれは市町村がやるものだという意識が、つまり逆に言えば民間の方がみずから提案できるんだというところが、我々のPR不足、まだ知られていないという部分が相当あります。
先日行われました岩手県の遠野タウンミーティングでも、このことを、民間でもできるんですよと私お話ししましたら、ああ、そうなのと、皆さんちょっとびっくりしていました。今までは、市町村長が大体やるか、県がやるかというふうに御理解されていたようで、我々、これはまだ十分周知させ切れていないなと。既に担当の室は、全国のJC、青年会議所ですとか、それから各地区行きまして、それぞれの地方説明会やっているんですが、まだ不十分だなと。これはいろいろな場を通じて、民間の方でもできるんですと。
これまで出てきた案件の代表例をという御質問でありますが、例えば株式会社で学校を設立できる、これはもう認可が出てまいりました。
それから、大谷町、大谷石を掘り返しちゃって穴があいちゃったまま、ここのところは民間の事業者の方が提案しまして、廃棄物、一般廃棄物、家庭ごみ、ふん尿、こういうものを溶かした後の、溶融スラグというんですけれども、これを粉末にしまして穴に埋めるということを提案されてきました。地区の協議会の皆さんと協議して、これは今度、ゴー、オーケーとなりました。
あと幾つか、大きなマンションであれば、エコレンタカーというのをマンションの中に置いておきまして、それをマンションの住民の人たちがだれか管理して、これから仕組みをつくるんですけれども、シェアリングできるというような民間の提案もある。
幾つか出てまいりましたけれども、御指摘のとおり、まだまだ民間の方に提案していただいて、市長がやるんじゃない、知事が異論を示したからといって、それでもって上げられないということではないということを周知徹底させていきたいと思っております。

○大口分科員 やはり民間の知恵というのは、もう生きるか死ぬかで一生懸命今考えておられるわけですから、もっと民間の知恵を特区構想の中で生かしていけば、またすごいことになるんじゃないかと私は思っております。
次に、幼稚園と保育園の一元化、いわゆる幼保一元化はこれまで長い議論がされていました。私どもは首長さんとお話ししますと、必ずこの幼保一元化についての強い要望があります。所管の省庁が文部省と厚労省ということで違うことから、この幼保一元化を進めようとすると補助金の返還等の問題が生じる、これが大きな問題であったわけでございます。今回の特区でどのような取り組みがなされているのか、その対応についてお伺いしたいと思います。

○金子国務大臣 全国で二十四件でありますけれども、この幼保一元化特区、幼稚園と保育園それぞれに、幼稚園は幼稚園で保育園児教室をつくって幼保一元、逆に保育園は保育園で幼稚園の部屋もつくって合同教育する、あるいは合同保育というんでしょうか、合同活動してもいいという、全国で二十四の特区が出てまいりました。

○大口分科員 坂口厚生労働大臣等に大臣も働きかけられたようでありますけれども、そこら辺をちょっとお伺いさせていただきたいと思います。

○金子国務大臣 最初に幼保一元化をしたいという特区が岐阜県の瑞浪市で出てまいりました。地元のお父さん、お母さんから見ますと、幼稚園は近いけれども保育園は遠い、逆に保育園は近いけれども幼稚園が遠い、そういうことで非常に不便である、何とか一元化してほしい。特区では認めたんです。
ところが、特区で認めたから行けるだろうと思ったらば、厚生省が、保育園に使った補助金をそれなら返還しろと言ってきたんですよ。これは幾ら何でも同じ国の金でしょうよというんで厚生省に初め言ったんだけれども、補助金は目的外使用はできません、返還はやはり返還ですという話があったんで、坂口厚生大臣とかけ合ったんです。彼はすぐぴんときたんですね。そんなもの何やっているんだということで事務方を説得してもらいまして、坂口大臣と私の間で、彼がすぐ反応してくれまして、補助金の返還要せずということを彼も決断をしてくれて、全国で第一号でありましたけれども、おかげさまで幼保一元化が実現できました。
これがきっかけになりまして、全国的な幼保一元の展開、つまり幼稚園、保育園、あるいは幼保が一体となった総合施設、これは初めは文部省も厚生省ももう少し先だったんですけれども、前倒しして十七年から実験的な施設、十八年からもう全国的な措置で行こうというきっかけをつくることになった。そういう意味では、坂口大臣、大変力強い働きをしていただいたと私は評価しております。

○大口分科員 特区で講じた規制改革は、特区のみではなく全国に展開していくことが日本全体の活性化に重要だと考えます。今後、特区での規制改革をどのように全国展開していくのか。その規制改革の評価を本年四月から本格的に着手すると聞いておりますが、その評価と全国展開を迅速に行うことが重要である、こう考えます。今後の見通し、また金子大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

○金子国務大臣 まさに、大口先生が御指摘いただいた、また今御意見をいただいたとおりだと思っておりまして、御指摘のような方向で進めたい。一年たったらば、一年後、半年以内に評価をして、特に障害、問題がないものについて、半年以内に評価させてもらいまして、そして全国展開に移行していくというプロセスを今つくらせていただいているところであります。

○大口分科員 大変ありがとうございました。
きょう大臣が御答弁いただきました中で、静岡県が今度六月の第二次募集で、検討してまた出させていただくということでございます。六分野については前向きにということでございました。そこら辺についてのお話を最後にお伺いさせていただいて、質問を終わりにしたいと思います。

○金子国務大臣 六分野についてまだ必ずしもゴーサイン、各省庁から了解ということにはまだ煮詰まってないようでありますけれども、しかし、静岡県のせっかくの要望でありますので、できるものは順次やっていきたいと思っております。

○大口分科員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○松岡主査 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。

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