大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2021年6月15日

204-衆-法務委員会-16号 令和03年04月21日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。

 本入管法改正法案は、昨年六月に収容・送還に関する専門部会が取りまとめた送還忌避・長期収容問題の解決に向けた提言等を踏まえ、作成されました。

 本法律案については、我が党は、法務部会と難民政策PTで合同で外国人支援団体や学者からヒアリングを行うなど検討を行い、昨年九月には当時の法務大臣に申入れをいたしました。また、法務部会におきましても、種々問題点を指摘をさせていただきました。

 本日は、党内論議や外国人支援団体からのヒアリングで指摘された事項について質問したいと思います。

 まず、昨日の法務委員会でも指摘されました、名古屋入管におけるスリランカ人女性死亡事案についてお伺いします。

 この件、死因の解明が未了とのことでありますが、スリランカ人女性の体調が非常に思わしくなかったことは中間報告でも明らかであり、支援者が支援を申し出ている状況を踏まえると、仮放免を許可して、外部の医療機関により継続的な治療を受けさせる必要があったのではないかと考えます。また、収容施設内で医療従事者でない看守勤務員がバイタルチェックを行っているなど、医療体制も十分でなかったと考えます。

 直ちに改善を講ずることが必要ではないかと思っておりますし、真相解明を大臣がどう取り組んでいかれるのか、この点についてもお伺いしたいと思います。

○上川国務大臣 今回の事案についてでございますが、亡くなられた方が体調不良を訴えられ、また、支援者の方からも様々な申入れがあった中で、医師による診療を行っていたものの、死亡に至ったことにつきましては大変重く受け止めております。亡くなられた方に心からのお悔やみを申し上げたいというふうに存じます。

 私は、今回、事案が発生したことを受けまして、出入国在留管理庁に対しましては、三つのことを特に迅速にやってほしいということを指示をいたしました。

 一点目は、まさに真相解明ということに至るその事実がどうなっているのかということについて、正確な事実関係をしっかりと速やかに調査をするということでございます。

 そして、二点目は、コロナ禍ということもございまして、なかなか体調については、そうでなくても状況がなかなか難しいということでございますので、現に収容中の方々に対しましては、そうした背景もございまして、一層手厚い診療、また健康管理などを行うこと、これについても指示をいたしました。

 さらに、三点目でございますが、常勤医師の確保、これは長年の問題でもございましたし、また、外部医療機関としっかりと連携をしていくということは、これはコロナ禍でも大変求められてきたことでございましたので、そうした今の制度の中でもでき得ること、これについては全てやるようにという形で、努力を指示をしたところでございます。

 事実関係の調査は、今般、現時点で判明している診療経過等の客観的な事実関係、これは中間報告としてなるべく早く取りまとめるようにということでございまして、お示しをさせていただきました。

 事案に関しての対応の適否でありますとか必要な改善策につきましては、そうしたことを踏まえた、今後、最終報告においても示したいと思いますが、今はまず事実関係をしっかりと把握していき、皆様に、忘れるような状況にならないように、早く早くまとめるようにということで指示をしております。

 また、被収容者の診療と健康管理につきましては、各施設、収容施設で体調不良等を訴えている方がいらっしゃるかどうかということについては、改めて確認を指示をしておりまして、個別の状況に応じまして、やはり外部の医療機関にしっかりと受診していただく、このことを対応を進めている状況でございます。

 また、コロナ禍の状況も踏まえまして、仮放免が適当でない特段の事情がある場合、これを除きまして、仮放免につきましては積極的に行う方針で対応を進めていくということでございまして、特に、体調不良の方の対応につきましては迅速な対応をするように、こんなところでございます。

 三点目の医療体制の充実の努力ということでありますが、何といっても常勤医師の確保ということでありますので、ホームページ等の募集、また医師会への働きかけにつきまして積極的に行いまして、連携強化が本当に進むようにということも含めまして、その体制については充実してまいりたいというふうに思っております。

 今回の改正法案でございますが、収容に代わる選択肢として監理措置を創設するとともに、仮放免につきましては、監理措置に付されない場合に、健康上の理由等により収容を一時的に解除する必要がある場合の措置として整理をすることといたしました。

 治療費等の負担が可能な外国人の方、第三者による支援が期待できる外国人にとりましては、この監理措置、また改正後の仮放免の手続につきましては、収容されることの負担の軽減とともに、施設外の病院におきまして継続的に治療を受ける可能性を広げるものと認識をしているところでございます。

 法務省といたしましては、この改正法案が成立した場合に、また新たな制度を適切に運用するところでございますが、まず、今できること、これにつきましては万全で臨みたいということで、努力をしているところでございます。

○大口委員 事案を重く見まして、しっかり対応をお願いしたいと思います。

 次に、退去強制手続において、庇護、在留を認めるべき外国人を適切に判別、認定した上で、送還すべき外国人を迅速に送還し、送還忌避や長期収容問題を解決する観点から、在留特別許可の申請手続の創設等の入管法改正を評価いたします。

 在留特別許可の運用の一層の適正化を図るために、我が党は、この考慮事情の具体的な考え方について、新たなガイドラインの策定の必要性も指摘したところであります。実際に、法務大臣が出入国在留管理庁に対し、新たなガイドラインの策定、公表を指示していることも承知しております。

 新たなガイドラインの検討状況と基本的な考え方をお伺いします。

 また、在留特別許可の判断において、児童の最善の利益や父母との非分離も重要な視点だと考えますが、検討中の新たなガイドラインへの記載を含め、どのような対応を考えているのか、お伺いします。

○上川国務大臣 委員御指摘の在留特別許可の判断ということでございますが、これまでも個別の事案ごとに子の利益等の様々な事情を考慮して行ってきたところではございますが、法律上、これらの考慮事情につきましては明示されてこなかったところでございます。

 改正法案でございますが、在留特別許可の申請手続を創設をいたしまして、考慮事情、これを明示をするということでございます。その上で、それぞれの考慮事情の具体的考え方につきましては、御指摘のとおり、運用上のガイドラインという形で策定することによりまして、退去強制事由に該当する外国人のうち、どのような者を我が社会に受け入れるのかを明確に示すこと、このことについては検討を進めているところでございます。

 新たなガイドラインにつきましての考え方について御質問ございましたけれども、現在検討中というところでございますが、具体的には、我が国に不法に滞在している期間が長いこと、このことが在留管理秩序侵害の点において消極的に評価されることを明示する一方、本邦で家族とともに生活をするという子供の利益の保護の必要性を積極的に評価をすること、また、その間の生活の中で構築された日本人の地域社会との関係であるとか、あるいは将来の雇用主等の第三者による支援の内容が十分なものであること、こうしたことを積極的に評価をするなど、明確に規定する必要があるというふうに考えております。

 新たなガイドラインにつきましては、改正法が成立し、同法の施行日を踏まえた適切な時期に策定をし、公表をする予定でございます。

○大口委員 改正案の施行前に、在留特別許可がされず、退去強制令書が発付された外国人について、また、今後、法改正の施行前に自ら出頭した者、摘発され退去強制手続中の外国人についても、新たなガイドラインの内容を踏まえた対応が必要ではないか。さらに、約三千人の送還忌避者や約八万人の不法滞在者も、新たなガイドラインの内容を踏まえた対応となるということなのか、確認をしたいと思います。

○上川国務大臣 現時点で既に退去強制令書の発付を受けている約三千人余りの送還忌避者でございますが、在留特別許可の判断におきまして、改正法案が意図する手続的な保障が与えられていなかったと言えます。そのことは、約八万人の不法滞在者のうち、今後、改正法施行前に摘発され、あるいは自ら出頭をしてくる者につきましても当てはまるものと考えます。

 そのため、これらの者につきましても、新たなガイドラインの内容を踏まえまして、あるいはその内容に基づき、改めて在留特別許可の判断をするということを検討しているところでございます。なお、その場合におきましても、既に不法滞在期間が長くなっている点につきましては、特例としてマイナスとしての考慮事情に含めないことも考えているところでございます。

○大口委員 それによって、不法滞在期間が長くなって、そのことを気にして出頭できない外国人もいらっしゃいますので、出頭を促す効果にもつながる、こういうふうに考えております。

 それから、この改正法案の第五十条三項では、在留特別許可を申請できるのは退去強制令書の発付前となっています。

 この点、現行法下においても、退去強制令書が発付された外国人が在留特別許可を求める事実上の行為として、いわゆる再審情願が行われていますが、改正法案では退去強制令書発付後の在留特別許可はどうなるのか、お伺いしたいと思います。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 再審情願とは、法令上の手続ではなく、退去強制令書の発付を受けた者が、その後の事情変更等を理由に改めて在留特別許可を求めることの実務上の呼称として運用がなされているところでございます。

 そして、今回の改正法案におきましては、委員御指摘のとおり、退去強制令書発付前の者について在留特別許可の申請手続を創設しております。

 もっとも、退去強制令書の発付後に在留特別許可をすべき新たな事情が生じることもあり得ます。そこで、今回の改正法案におきましても、このような事情が生じた場合には、法務大臣が職権により在留を特別に許可することができることとしております。

○大口委員 入管法案の第五十条の一項ただし書において、一年を超える実刑を受けた者を在留特別許可の原則的な不許可事由としています。ただ、ここには、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある外国人についてはその限りではないということでございます。この対応についてお伺いします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 無期又は一年を超える懲役、禁錮、実刑でございますが、これらに処せられたとして退去強制事由に該当する者は、類型的に、我が国での在留を例外的、恩恵的に認めることが好ましくないものであると考えております。そのため、これらの者に対しましては、テロリストや暴力主義的破壊活動者と同様、原則として在留特別許可をしないことを法律上明示しております。

 他方、御指摘のとおり、在留を希望する事情は様々でございまして、御指摘のような者でございましても、個別の事案によってはなお在留を認めるべき事情が例外的に認められるケースはあり得るところでございます。

 そのため、改正法案では、例えば、本邦で家族とともに生活するという子供の利益の保護の必要性等の積極的に評価すべき事情が消極的に評価すべき事情を明らかに上回るときとか、難病や重篤な病気に罹患し、本邦における治療が困難であり、本邦の医療機関において治療を受けることを必要とするときなど、本邦への在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情があると認めるときに限り、在留特別許可ができるものとしたところでございます。

○大口委員 我が国における難民の認定数、認定率のいずれについても諸外国に比べて低いことが指摘されています。午前中の参考人の御意見ですと、認定基準については、安冨、柳瀬両参考人は、外国とは違わない、市川参考人は、日本は解釈と立証が厳しい、こういうふうに述べられてもおります。

 補完的保護対象者の認定制度を創設することと併せて、難民認定制度自体を一層適正化する取組を進める必要があると考えますが、難民該当性に関する規範的要素を明確にする運用指針の策定、難民認定申請者の出身国情報の集積、分析を行い、難民調査官や難民審査参与員に提供する体制を整備し、研修等により難民調査官の調査能力の更なる向上など、どのような取組を進めていくのか、また、取組を進めるに当たってはUNHCR等の協力を得る必要もあると考えますが、どのように連携を図っていくか、大臣にお伺いします。

○上川国務大臣 委員御指摘いただきました規範的要素の明確化ということでございますけれども、この難民該当性に関する規範的要素の明確化のために、我が国及び諸外国のこれまでの実務上の先例のほか、UNHCRが発行している諸文書等を参考にさせていただきながら、その検討を行っているところでございます。

 規範的要素の明確化は、難民及び補完的保護対象者のより適切かつ迅速な認定、また判断の透明性の確保にもつながることでございまして、申請者サイドにおきましても、適切、的確な申請を行うことが可能となると考えております。策定後、できるだけ早期に公表をしたいと考えております。

 さらに、職員の調査能力等の向上ということで御指摘がございました。UNHCRとの協力連携を通じた研修や提供を受ける外国情報等を積極的に活用させていただきまして、入管職員の能力向上をさせるとともに、早い段階で難民等につきましてより適切かつ確実に判断することが可能となるというところでございます。

 さらに、在留期間を超えて在留を希望する外国人につきましては、その状況、意図を的確に把握し、適切な助言、また入管法上の対応につなげて、不法滞在者になることを防止することも必要でございます。仮に不法滞在となった後でありましても、早期に適切な指導等を行うことによりまして、濫用、誤用的な難民等の認定申請を可能な限り防止することも重要と考えております。

 これらの点につきましては、入管庁と支援団体、また外国人コミュニティーの皆様との連携が不可欠である、こういうことも認識をしているところでございます。

○大口委員 難民条約上の難民ではないものの難民に準じて保護する、今回、補完的保護対象者の認定制度が法案に盛り込まれたわけでありますが、この対象を拡大すべきとの指摘があります。どのような対応を考えているのか、伺います。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 補完的保護対象者は、難民条約における難民の要件のうち、迫害の理由が、人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見であること以外の全ての要件を満たすものであることを明文で規定しているところでございます。そのため、難民条約上の迫害を受けるおそれがある者は、その理由を問わず、難民か補完的保護対象者として保護することが可能となります。

 さらに、難民と同様に在留資格を認めるべきものとの視点からも、その対象範囲は適切であると考えているところでございます。

 なお、補完的保護対象者とは認定できない場合でございましても、本国情勢等を踏まえて、人道的な配慮を理由に我が国への在留を認めることが相当と判断される場合には、在留特別許可をすることなどにより適切に対応したいと思っております。

○大口委員 また、入管法改正法案における送還停止効の例外は、これは我が党も、ノン・ルフールマン原則に照らして、この例外ということを相当議論させていただきました。その結果、例外中の例外とすべきだという申入れを行わさせていただきまして、三回目以降の難民認定申請者を送還停止効の例外とすることになったわけであります。

 ただ、三回以上の難民認定申請の場合においても、しっかりやはり考慮すべきであろうということで、この難民認定された例、それについて、一つは、三回以降の難民認定申請で難民認定とされた例があるのかということを確認したいということと、他方で、三回目以降の申請については、認定を行うべき相当の理由がある資料が提出された場合には、この送還停止効は続くということですので、このことを的確に確認することが非常に重要であると考えております。

 現時点でどのような手続、方法を考えているのか、お伺いします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 まず、これまでに、三回目以降の申請に対しまして難民認定手続で難民認定された事例は、確認可能な限りでは承知しておりません。

 また、三回目以降の申請者が提出した資料が、難民又は補完的保護対象者の認定を行うべき相当の理由があると認められるか否かは、申請者の陳述を始め、申請者が提出をした申請書等の資料の内容に難民等の認定を行うべき事情が含まれるかどうかを個別に検討した上で判断することとなります。

 そして、その判断の慎重を期すため、地方の入管局ではなく、出入国管理庁本庁においてもその点を確認する予定でございます。

 なお、相当な理由がある資料の提出があった場合は、速やかに難民等の認定手続を進め、難民等の認定を行うことになります。

○大口委員 この送還停止効の例外に該当すると判断された場合、外国人本人に速やかに告知されるのかということをまず確認をしたいと思います。

 そして、また、行政訴訟の係属中や二度目の難民不認定処分に係る取消し訴訟の出訴期間中の送還停止といった、裁判を受ける権利を保障するための仕組みは設けられているのか、お伺いしたいと思います。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 当庁といたしましても、難民認定申請を行っている外国人がその申請中に送還され得る立場にあるか否かを認識できるようにすることは、送還を適正かつ円滑に行う観点から重要であると考えているところでございます。

 この点、改正法案におきましては、退去強制令書の発付後、早期に、当該外国人を直ちに送還することができない原因となっている事情を把握した上で、退去のための計画を定めることとしております。

 この退去のための計画につきましては、例えば、送還停止効の適用等といった、送還を妨げる事情がなくなった場合には、その後の適切な時期に送還を行うものとして送還予定時期を定め、本人に説明するなどの運用を考えております。退去のための計画の内容やその変更等につきましては、当該外国人が送還され得る立場にあるか否かを常に認識することができるよう、運用上、当該外国人に適時かつ丁寧に説明することを予定しており、その具体的方法について、現在検討を行っているところでございます。

 また、退去強制令書が発付された場合、入国警備官は、退去強制令書が発付された外国人を速やかに国外退去させる行政上の義務を負うところでございます。

 もっとも、この当該外国人が行政訴訟を提起し、これを受けて、裁判所が送還に関する執行停止の判断、これは決定でございますが、これを行った場合、法律上、送還は停止されます。この点、例えば、退去強制令書が発付されたときは、当該処分に係る取消し訴訟の出訴期間などを教示しなければならず、退去のための計画と併せて、本人が訴訟により処分の効力を争う機会は確保されていると考えているところでございます。

○大口委員 また、この改正法案においては、収容期間の上限、あるいは事前の司法審査を設けていません。

 それで、この点について、いろいろと、支援団体や日弁連等からも意見がございます。収容期間の上限については、期限が来ましたら全員の収容を解かなきゃいけない、収容が解かれることを期待して退去を拒み続ける人も出てくると。

 事前の司法審査については、行政訴訟の手続があるというようなことは説明は受けているわけでありますけれども、ただ、これは専門部会でも議論になったと承知しておりますけれども、一定の期間を超えて収容を継続しようとする場合、その要否をできる限り公平公正な立場から適切な判断がなされることを十分に担保する仕組みを検討すべきであると、我が党も申し入れたところでございますけれども、現時点でどのような対応を考えているのか、お伺いいたします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 改正法案による監理措置や退去命令制度等の創設によりまして、被収容者数、中でも長期被収容者数につきましては減少するものと認識しております。

 具体的には、長期に収容されることとなる者は、一定の犯罪を犯した者と、逃亡のおそれが極めて高く、かつそれぞれの個別事情により迅速な送還を妨げる要因が存在する者に限られると考えているところでございます。

 その上で、御質問の仕組みといたしましては、例えば、一定期間を超えて収容されている被収容者につきまして、地方官署、地方の入管局でございますが、地方官署に報告を求め、退去強制令書を発付する主任審査官よりも上位かつ独立した立場の者である出入国在留管理庁長官が、被収容者の個々の事情を踏まえ、収容継続の要否を検討した上、監理措置に付する旨の決定をし得るのかを審査することなどを現在検討しているところでございます。

○大口委員 長官が自らしっかり責任を持って判断するということでよろしいんですか。

○松本政府参考人 御指摘の内容での運用を検討しております。

○大口委員 次に、監理措置に付された外国人の方がどのように生活をし、医療を受けられるのかということで、これについても、支援団体の皆さんからも、例えば、国民健康保険の適用というのは考えられないのか、あるいは、特に退去強制令書発付後においては、要するに、就労ができない、生活ができないんじゃないかというような御指摘をいただいているわけです。被収容者の場合は生活費とか医療費というのは国が負担するのであるわけだから、同様に、国が監理措置に付された方の生活費とか医療費について負担をすべきだ、こういう指摘もあるわけであります。

 この点についてどのように入管庁は考えておられるのか、お伺いします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 監理措置に付されて社会内で生活しながら退去強制手続を受ける外国人は、適法に在留する外国人と同様、自ら又は家族、親族等の援助により生計等を維持すべきものと考えております。そして、退去強制令書発付前の者につきましては、一定の要件の下、生計を維持する範囲内での就労を認めているところでございます。

 当庁といたしましても、監理措置対象者につきまして、必要に応じて、大使館、領事館に対し、自国民保護の視点からの支援を要請することも考えております。また、退去強制手続を迅速的確に進めることは、被監理者の我が国における生活、医療上の負担の軽減にもつながるものと認識しております。

 その上で、当庁といたしましては、正規在留者が不法在留者とならないために、あるいは不法滞在となった場合でも、可能な限り早期に適切な対応を取るためにも、ふだんから、外国人を支援しておられる組織、団体、あるいは外国人コミュニティーとの連携というものは非常に重要であると認識しております。そのような組織等との適切な連携の在り方につきましては、引き続き積極的に検討する予定でございます。

○大口委員 支援団体の皆さんは、本当に献身的に支援をされているわけであります。支援団体の方々と連携をしていくというのは分かるんですが、やはり、財政的な確保等、常々、支援団体の方々も苦労されておるわけです。そこら辺について、どう認識され、どう考えているのか、お伺いします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、監理措置という中で監理人に就かれることを予定されておられる支援団体、あるいは支援組織の方々が財政的な支援等を求めておられるというところは、当庁といたしましても認識しておるところでございます。

 その点につきまして、どのような当庁としての対応があり得るのか、現在検討しているところでございます。

○大口委員 これは大臣にも、通告していないんですが、ちょっとお伺いしたいと思います。

○上川国務大臣 新しい制度も組み込まれた新たなこの改正案が成立した暁には、それが適正に運用されること、そしてまた、持続可能な形でこの日本の社会の中でもしっかりと息づくことというのは極めて必要なことでございますので、様々な御指摘を今もいただいておりますが、その一つずつについては検討するということ、そして、その部分について、関係する皆さんの声もしっかりと伺いながらということで、この間やってきましたので、こうした姿勢で、今答弁したとおりでございます、検討をさせたいと思っております。

○大口委員 本当に前向きにこれから検討していただきたい、こういうふうに思います。監理措置が成功するかどうかは、やはりそこにかかっている要素が非常に強いと思っております。

 次に、監理人の義務が過度な負担となると監理人のなり手がいなくなり、監理措置がうまく機能しないおそれがあります。違反した場合、過料の制裁が科される届出義務が負担となる旨の指摘もあります。

 届出事項の具体的な内容や、この届出の方法、例えばオンラインなどの簡便な方法についてどのような対応を考えているのか、入管庁にお伺いします。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 当庁といたしましては、監理措置に付された者による逃亡等の条件違反行為を未然に、かつ適切に防止するとともに、仮に何らかの支障が生じた場合は監理人と適切に連携して対処するため、生活状況等の必要な事項について監理人からの届出を受けることにより、対象者の状況を的確に把握することが、本制度上、監理措置上、必要かつ重要であると考えておるところでございます。

 このように、監理人の届出義務は監理措置制度の中核を成すものでございますので、その違反については一定の制裁を設けて、その履行を担保することも必要であると考えております。もっとも、届出人の届出事項は、その負担を考慮し、法律上、必要最小限度のものとしております。

 さらに、簡便な届出の方法等、これは委員の御指摘も含めまして、その運用の在り方につきましても、監理人の負担の軽減の観点から、積極的に検討してまいりたいと思っております。

○大口委員 次に、これは日弁連の皆さんからの意見なわけでありますけれども、難民不認定処分取消し訴訟や退去強制令書発付処分取消し訴訟を受任している弁護士は、つまり依頼人の監理人となった場合に、届出義務との関係で守秘義務違反や利益相反とならないか、また、そうならないための何らかの手続的な工夫を考えているのかということについてお伺いしたいと思います。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 弁護士の方が監理人になられて届出義務を履行するなどされた場合、その行為が弁護士の守秘義務等に違反するかどうかは個別の届出の内容等を踏まえて判断されるものでございまして、一概にお答えすることは困難でございます。もっとも、一般的に、弁護士の守秘義務は、当該秘密の主体の同意があれば解除されると考えております。

 また、当庁におきましては、既に訴訟等を受任しておられる弁護士を含め、監理人として選定された者に対しまして、運用上、監理人の届出義務の内容等を御説明する予定でございます。

 さらに、当庁におきましては、外国人を監理措置に付そうとする際には、監理人が法律上必要な事項を入管庁、当庁に対して届け出ることにつきまして、当該外国人から事前に書面で同意を得ることも予定しているところでございます。

○大口委員 書面で監理人の仕事の内容をしっかり確認した上で、同意書を取るということをしっかりやっていくということですね。

 次に、監理措置のこの監理という言葉についても、これは何といいますか、支援団体の方々としては、非常にこの監理という言葉に抵抗がある、こういう議論もありました。

 この監理措置制度の監理について、法律上の用語としては監理人という用語を用いることとなったわけでありますけれども、対象外国人に対する必要な情報の提供や助言、援助等を行うよう努めることとされているわけであります。そのため、監理人になっていただく方々や対象外国人にその役割が的確に伝わるようにするために、例えばサポーターというような呼称を運用上定着させることが重要であると考えます。

 法務大臣にお伺いします。

○上川国務大臣 監理措置における監理人につきましては、外国人の家族やまた親戚などの方々だけではなく、支援者や支援団体、あるいは行政書士や司法書士等、可能な限り多くの方たちに引き受けていただける環境の整備ということが必要ではないか、必要というか、重要であるというふうに認識をしているところでございます。

 今、呼称ということでございますが、例えば日本司法支援センターという法律がございますが、その愛称として法テラスという、これが今や多くの方々に親しみとともに定着してきた、こういうこともございますので、監理措置制度におきましても、先ほど委員御指摘のように、対象外国人の方々への指導助言等を担当する地方入管局職員と密接に連携していただくなどの観点から、委員御指摘のサポーターというフレーズにつきましては、そうしたことを取り入れた呼称といったことを用いることも考えられるところでございます。

○大口委員 次に、監理措置制度が機能するためには、監理、支援を担当する職員と監理人が手を携えて被監理者である外国人の方に寄り添っていく、そして助言や支援を行うことが求められるわけです。その際には、やはり入管庁の職員と監理人、被監理者とが対立する構造は、これは望ましくないわけでございます。

 そういう点で、この監理、支援を担当する職員には、外国人を収容等する入国警備官とは別に、どのような立場の職員を充てることを考えているのか、これをまずお伺いしたいと思います。

 それから、この監理措置というのは、入管庁にとっては新たな取組になるわけでありますので、職員に対する研修やノウハウの蓄積が重要になってくるわけであります。どのような体制を構築していくのか、入管庁にお伺いしたいと思います。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 改正案におきましては、監理措置に付され、社会内で生活しながら退去強制手続を受ける外国人に対しまして、監理人が、当該外国人からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めるものとされているところでございます。

 そして、当庁におきましても、外国人を収容等する入国警備官とは別の職員が、監理人と緊密に連携して当該外国人の生活状況等を把握し、外国人に対し必要な助言をするなど適切に対応することを予定しております。

 また、退去強制令書発付後におきましては、入国警備官が、当該外国人の意向を聴取するなどして、退去のための計画を定めますところ、その際、当該外国人につきまして支援を要する事項等を把握した場合には、当該外国人の了解を得た上で、監理人と当該担当職員にその情報を提供することを予定しております。

 監理措置に付された外国人への必要な支援は、これらの法律上の制度や運用上の措置により図られるものと認識しております。

 また、運用上参考となる事例や、逆に対応上問題や課題が認められる事案につきましては、これを適切に蓄積し、組織内における情報共有とともに職員の研修にも活用することとしたいと考えております。

○大口委員 監理、支援を担当する職員なんですけれども、具体的にはどういうふうに考えていますか。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 保護の分野で、保護観察官と保護司さんと対象者という取組がございますが、それを念頭に置きまして、入管庁の職員は、対象外国人の生活上のいろいろな課題等々につきまして監理人とともに適切な指導助言を行う、そのようなことをイメージし、それにふさわしい職員を充てることを想定しております。

○大口委員 もう時間もありませんので、最後にお伺いしますけれども、この送還忌避や長期収容問題を解決するため、本改正法案は私は必要だとは思います。

 他方で、この入管法改正案に対しては、支援団体、外国人支援組織の皆さんでありますとか、あるいは国際機関等から様々な指摘や懸念の声が示されていることも事実であります。

 この入管法改正案を円滑に施行していくためには、こういう支援組織、団体や機関等の理解や協力を得ることが極めて重要だと考えております。本当に、監理人にしっかりなっていただくということが非常に大事なわけであります。

 そういう点で、今後どのように対応していかれるのか、大臣にお伺いしたいと思います。

○上川国務大臣 改正法下におきましては、例えば、新設する監理措置等の円滑な運用、先ほども御質問がございましたけれども、難民認定制度の一層の適正化のための様々な手続、こういったことの充実を図るためには、何と言っても支援団体やまた国際機関でありますUNHCR等の国際機関に御協力をいただくことが必要であるというふうに考えております。

 これまでも出入国在留管理庁におきましては、支援団体やUNHCR等とは累次にわたりまして協議をしてきたところでございますので、さらにまた、改正法案の内容やまた懸念事項、こうしたことにつきましても考え方を説明し、また様々な指摘もいただいてきたところでございます。

 今後も、引き続き、この支援団体、国際機関の理解をしっかりと得た上で、しっかりと御協力をいただいて、この新たな制度そのものも含めましてこれが我が国に定着することができるようにするためには、そのための環境整備というのが極めて重要であるというふうに考えておりますので、丁寧に説明を尽くしながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○大口委員 時間が来ましたので、以上で終了いたします。

 ありがとうございました。

2021年5月31日

204-衆-憲法審査会-1号 令和03年04月15日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。

 この通常国会でやっと憲法審査会が開会される、会長、会長代理、また幹事の皆様の御尽力に敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

 昨年二回行われた本審査会での質疑、また、今、新藤筆頭からも整理をいただきました。この公選法並びの措置を講ずるいわゆる七項目案については十分に質疑を尽くされているのではないか、そうであるなら速やかに採決を行うべきではないかと考えるところでございます。

 その上で、次の議論のステージとして、例えば、CM規制の在り方やインターネットを用いた国民投票運動への対処などが、既に本審査会でも取り上げられているところであります。これらの議論は、国民投票運動の自由と国民投票の公平公正のバランスをいかに図っていくかという慎重な検討が必要な事項であり、本審査会において、各会派の御意見をいただきながら議論を重ねていくべき問題であると思います。この点については、先国会の自由討議で私からも発言させていただいたところでもあります。

 また、新藤筆頭がこれまで何度もこの審査会の場で御発言されているとおり、CM規制を始めとする国民投票法の議論とともに、憲法本体の議論も同時並行で行っていくものと承知をしております。今、いろいろ最高裁の判決等も出ておりまして、憲法問題がいろいろ議論されております。こういうことにつきましても、この審査会でしっかり議論していくということが国民の期待に応えることではないか、このように考えております。

 他方で、公選法並びということであれば、七項目以外にも検討すべき項目があるということは、委員の皆様方も認識を共有しているところであります。

 令和元年に成立した改正公選法は、選挙における管理、執行の合理化を図る観点から、災害時など、選挙期日の直前に開票区を分割しなければならない場合における開票立会人の選任の要件や手続に変更を加え、また、投票管理者や投票立会人のなり手不足を解消するため、その選任の要件を緩和する等の措置を講ずるものであります。

 この二項目の内容は、国民投票法においても、実際に国民投票が実施されるまでに同様に措置されるべきであると考えます。この二項目についてどのようにお考えか、七項目案の提出者である北側幹事に御見解をお伺いしたいと思います。

○北側議員 大口委員にお答えをいたします。

 まず、現在審査されております国民投票法の改正七項目につきましては、先ほど来お話があるとおり、もう三年前に提出をされまして、審議をされているところでございまして、この七項目案については、早急な成立をお願いしたいということを申し上げたいと思います。

 その前提の下で、公選法改正の方で既に成立をしております二項目、こちらにつきましては、一つは、台風の影響等で投票箱を離島から本土の開票所に送ることができないときはどうするのかとか、又は、人口減少等に伴う投票立会人のなり手不足にどのように対処するのか、こういう課題に対して、選挙であれ国民投票であれ、変わるものではないと考えますので、この令和元年の改正公選法と同様の措置が取られるべきものと認識をしております。

 現在、この二項目のほかにも、倫選特の方では、選挙の際に投票所に足を運ぶのが難しい高齢者や障害者の投票機会を確保するため、郵便投票の範囲をこれまでの要介護五の人から要介護四や三の人にまで拡大することを内容とする公選法の改正案、これが議論をされておりまして、法案の提出はまだでございますが、野党の皆様にも働きかけをしているというふうに聞いているところでございます。

 大口委員御指摘の二項目や今申し上げた郵便投票の拡大など、必要となる項目につきましては、与野党の協議を踏まえながら今後とも検討を進めていくべきものと考えております。

 いずれにせよ、まずは、現在審議されております七項目案について早急な成立をお願いしたいと思いますし、国民投票法という手続の議論と憲法本体の議論とを同時並行でこの審査会では行っていくことがこの審査会の役割であるというふうに認識をしております。

 以上です。

○大口委員 時間が終わりましたので、以上で終わります。

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