大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2006年11月15日

165-衆-政治倫理の確立及び公職…-3号 平成18年11月15日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
きょうは、菅大臣、安倍内閣の有力な大臣として改革を大いに進めていただいておるわけでございますけれども、大臣を含めて御答弁を賜りたいと思っております。
まず、今回の統一地方選挙臨時特例法において、平成十九年四月一日に政令指定都市に移行する新潟市と浜松市の選挙について、告示日時点では指定都市ではないが指定都市として選挙を実施できるよう措置を講ずることとし、さらに、両市の区域における新潟県と静岡県の県議会議員選挙についても行政区を選挙区として選挙を実施できるように特例措置を講ずることとした理由が一点。
それからもう一つ、この統一地方選挙については、近年、四月の第二日曜日に前半戦として都道府県と指定都市の選挙、第四日曜日に後半戦として一般の市区町村の選挙が行われることが定着しておりますが、今回の特例法案も同様の考え方に立っているわけであります。一方、選挙経費の節減等の観点から、この前半戦と後半戦の選挙期日を統一してはどうかとの意見もあるやに聞いております。
私としては、都道府県の選挙と市区町村の選挙期日を統一した場合は、それぞれの首長と議員合わせて最大四つの選挙が重なることになり、有権者の投票行動に混乱を来すおそれがある、こういう観点から統一については消極的な立場でありますが、総務省のお考えをお伺いしたいと思います。

○久元政府参考人 今回お願いしております法案では、指定都市の選挙期日は四月八日としております。そこで、来年四月一日に政令指定都市に移行いたします浜松市と新潟市につきまして、仮に指定都市としての選挙を行おうとした場合には、委員御指摘のとおり、市長選挙にあっては三月二十五日が、市議会議員の選挙にあっては三月三十日が告示日になるところでございます。
この点についてどういうふうに考えるのか、幾つかの選択肢があるわけでありますけれども、私どもは、この両市、また両県の議会も含めまして御意向をお伺いいたしましたところ、いずれの団体からも、三月中の告示日であってもぜひ指定都市として選挙を執行したい、こういうような強い要望がなされたところでありますので、委員先ほど御指摘いただきましたような内容の特例措置、特例法案のさらに特例措置になるわけですけれども、そういう形でお願いをしているところでございます。
それから、選挙期日を二回に分けて実施することにしている一番大きな理由は、若干の制度の経緯はありますけれども、統一地方選挙が昭和二十二年から今のような形でずっと長く続いてきておりまして、基本的には国民の間に定着しているのではないか。
ただ、最近、この統一率が低下しているということ等からさまざまな御論議があるわけですけれども、例えばこれを一回に統一するということになりますと、すべての団体で不可能であるというところまでは申せないかもわかりませんけれども、委員御指摘のとおり最大四つの選挙が重なる。そうした場合には投票所やポスター掲示場の確保が困難となるといった管理、執行上の支障を来すおそれがあるというふうに私どもも考えておりまして、今回の特例法案におきましても、こういう事情を考慮し、従来どおりのやり方で二回に分けて選挙を執行するということの方が適当ではないかと考えてこの法案を提出させていただいたところでございます。

○大口委員 次に、統一地方選挙の対象選挙数の全体の選挙数に対する割合、いわゆる統一率は低下傾向にあります。平成十九年度の統一見込み率は三〇・五〇%になるようでありますが、そういう中で地方選挙を年一回ないし二回に再統一すべきだとの意見というものも以前からもあったわけであります。ただ、一方、地方分権の時代と言われている昨今、地方選挙の実施は地方公共団体の判断に任せればよい、こういう考えもあるわけですね。このようなさまざまな意見があるわけでありますが、地方選挙を年一回ないし二回に統一することについて、総務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○菅国務大臣 委員御案内のとおり、地方公共団体の議員及び長の選挙については、昭和二十二年四月に全国で統一されて実施した。しかし、その間に四年ごとの四月に選挙が行われてきたんですけれども、途中で議会の解散あるいは市長が死亡するなど、統一をされて行われる選挙が年々減少してきていることは事実であります。
こうした状況を踏まえて、国民の地方選挙への関心を高めるとともに、選挙の円滑な執行と、選挙執行のための効率化等によって、地方選挙の再統一に向けた議論がなされてきています。ただ、もしこれをやるとした場合に、年に一回とか二回にする場合には、任期の特例、延長等という措置が必要になってきますし、また、長年にわたって定着してきた地方選挙の仕組みを変える、こういうことにもなろうというふうに思っています。
実は、委員御記憶にあると思います、たしか五、六年前だったと思いますけれども、二回にしようという議論がかなり煮詰まってきたときがありました。しかし、党内の議論も、私ども自民党内でも最終的には二分をしてしまいました。これは、都市と地方によって、あるいはそれぞれの政策による考え方によっても、最終的議論の中で党内が二分をしてしまいましたので、それだけ各方面に極めて重大な影響を与えるということであるというふうに思っていますので、このことは当時の経験からすれば非常に難しいなというのが私の今の実感であります。いずれにしろ、この問題については、やはりそれぞれの各党会派の議論にゆだねるべき問題であるというふうに思っています。

○大口委員 次に、公選法で禁止されております戸別訪問についてお伺いをしたいと思います。
私は、戸別訪問は全面的に解禁をすべきだ、こう考えております。その理由でございますが、第一に、戸別訪問は選挙運動の中で最も基本的なものであり、欧米諸国で戸別訪問を禁止する国は存在せず自由な選挙運動が担保されている。第二に、戸別訪問は金銭的負担の少ない選挙運動方法であり、解禁は金のかからない選挙の実現にもつながる。第三に、戸別訪問の解禁により有権者と候補者の距離が近くなるために、国民の意識の喚起につながり、投票率の向上にも資すると考えられる。第四に、実情では、例えば商店街において候補者が戸別訪問に該当するような選挙運動を行っている場合も考えられるため、実情に合わせた法改正が望ましい。こういうことが挙げられるわけでございます。
戸別訪問の全面的解禁の主な懸念として、一つに、買収、利害誘導等の選挙の自由、公正を害する犯罪の温床になる。二つに、戸別訪問で次々に自宅や勤務先に来られたら生活の平穏が害される。こういうことを指摘されているわけでありますけれども、これについても、国民の政治に対する意識も成熟しており、戸別訪問を解禁しても買収の温床となることは考えにくいこと。そして、選挙人に迷惑をかけること自体が候補者に不利となるため、実際には選挙人の私生活の平穏を害してまで候補者が戸別訪問を行うことは考えにくい、こう思うわけでございます。
私は、いつまでも戸別訪問迷惑論とか買収問題とか、こういったことで禁止する時代ではない。少なくとも、一対一で候補者あるいは運動員の皆さんが有権者の皆さんと対話しながら、さらに政策論議をし質を高めていく。これは有権者の政治参加への意識を変えることになり、日本の議会制民主主義の向上に大きく寄与することになると思います。そういう意味で、早急に戸別訪問の全面的な解禁を目指して取り組む必要があると考えるわけでございます。
昨年の二月の八日、小泉前内閣総理大臣が、衆議院の予算委員会におきまして、我が公明党の山名靖英議員の質問に対して次のように答弁しております。「戸別訪問は、私も前から、戸別訪問をやるというのは、選挙に立候補しようと思えば、また応援する人の立場から立ってみれば、できるだけ多くの人に支援を依頼するんだから自然な行為ではないかなと思って、当選以来、かなり議論を重ねてまいりました。」「こういう新しい時代になって、選挙制度も変わりました、議論して、私は方向性としては認めてもいいのではないかなと思っているんですが、より慎重論もありますから、よく議論をしていただきたいと思います。」そう答弁されています。
実は、小泉前総理は、二十七年前、昭和五十四年二月九日の朝日新聞の論壇に「戸別訪問を解禁せよ カゲでコソコソが腐敗を生む」というタイトルで戸別訪問の全面解禁をすべきとの論を展開して、そういう点でも一貫して大したものだな、こう思っておるわけでございます。
この戸別訪問の全面的解禁について、菅総務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○菅国務大臣 そもそも戸別訪問というのはいつから始まったのかということを調べてみました。戸別訪問の禁止について、買収などの温床になりやすいこと、候補者、選挙人にとって大変煩わしいことなどの理由によって、これは大正十四年なんですね、男子の普通選挙の際に禁止された、そういうことであります。
時代もこれだけ変わってきていまして、戸別訪問の解禁についてはいろいろ議論もされてきています。そして、平成五年に政府が提案をした政治改革関連法案の中で、戸別訪問は候補者と有権者がじかに触れ合える有力な選挙運動の手法であるから、これを自由化することといたしたものでありますけれども、当時の国会における議論の中で、従来どおりこれを禁止する、こういうことになった経緯も実はあります。
この問題につきましては、選挙の土俵づくりという極めて大事な問題でありますので、先ほど総理の答弁について委員からも御指摘がありましたけれども、総理は前向きだけれども議論してほしい、そういう答弁だったということであります。いずれにしろ、やはり私は、それぞれの政党、各会派で議論を詰めていただきたい、こう思います。

○大口委員 私は、今、衆議院の憲法調査特別委員会のメンバーでもございまして、国民投票権者の範囲について、十八歳以上か二十歳以上か、大きな争点になっているわけです。最近、自民党の委員からも、十八歳以上に拡大すべし、こういう意見も出ているわけですね。このような議論は選挙権の年齢と非常に密接な関係がございまして、そういうことから選挙権の年齢についてお伺いをしたいと思うんです。
憲法十五条三項は公務員の選挙については成年者による普通選挙を保障するとあり、公選法九条一項は選挙権を二十歳以上の者に定めているわけでございます。世界の各国の選挙権の年齢は、国会図書館の調査資料によりますと、調査した百八十二カ国・地域のうち、十八歳以上、これは十五歳から十七歳以上も含みますが、百五十九カ国、八七・三六%となっているわけですね。このように、選挙権を十八歳以上とするのは世界の大勢となっております。
公明党でもマニフェストで十八歳選挙権を実現します、こう掲げておるわけです。民法や少年法等の法体系の見直しともかなうわけでございますけれども、選挙権年齢を十八歳以上とすべきだと考えております。
菅総務大臣は非常に世界を展望しながら改革を進めておられるわけでございますので、前向きな御答弁を賜りたいと思います。

○菅国務大臣 委員御指摘のとおり、世界百八十二カ国の中で百五十九カ国が十八歳ということであります。この選挙権年齢の問題というのは、民法上の成人年齢や刑事法での取り扱いなど法律体系全般とも関連をしておりますので、十分配慮しながら検討する必要があるというふうに私は思っています。
我が党の中にも、今御指摘ありましたように、そうした意見がかなり出てきているということも事実であります。選挙年齢のあり方については、先ほどと同じように、やはり選挙の土俵づくりの中で極めて大事な問題でありますので、これもやはりそれぞれの政党が、各党会派でしっかりと議論をしてほしい、こう思います。

○大口委員 若い人の投票率が、特に二十歳から二十四歳までですか、男性の場合三十数%というふうなことで非常に低いわけですね。投票率を上げるということのためにも、本当に、高校を卒業して、もう若いうちから選挙権を得ることによって意識が高まってくると思うんですね。ですから、十八歳以上にすべきということは、本当に大臣も、やはり総理にもお話をしていただきまして、リーダーシップをぜひとも発揮していただきたい、こういうふうに思っております。
次に、最近の福島県知事を五期務めた佐藤前知事が逮捕された汚職事件や岐阜県の裏金づくりに見られますように、地方自治体の首長の不祥事が明らかになるたびに、首長の多選の弊害が指摘されているわけであります。
地方自治体の首長は、議会の招集権、予算の執行権そして人事権等を握っており、議院内閣制の首相と違って大統領並みに権力が集中しているということでございます。それだけに長期政権になればなるほど利権構造ができやすく、庁内に物を言える空気がだんだんなくなってくる。知事の顔色を見ながら、本当に思い切ったことが言えなくなる。そして、しっかりと議会のチェック機能を働かせていかなきゃいけないと思います。これは議会にも責任があると思うんですが、こういうチェック機能が働かないと、腐敗の危険性もさらに増す可能性がある。
我が公明党は、平成十年、一九九八年の十一月に首長の多選問題について原則三選までと決めておりますし、最近でも十一月一日の選対委員会、また十一月二日の中央幹事会でこの原則三選までを確認しておるわけでございます。一方、自民党でも、この間の十一月の九日、党改革実行本部で、来年の一月一日から都道府県知事と政令市長についての推薦、公認を三選までとすることを決めたということも報道で聞いておりますし、また民主党も同様の原則がある、こういうふうに報道されているわけでございます。
過去三たびにわたって、いわゆる多選禁止法案が議員立法で国会に提出されていたわけでありますけれども、いずれも審査未了で廃案となっている、こういうことです。
ただ、今、地方自治体も動きが出ています。埼玉県、あるいは神奈川県の川崎市、あるいは神奈川県の城山町、それから大分県の中津市、東京都の杉並区等で首長の多選自粛条例が制定されております。また、最近は、神奈川県の松沢知事が、知事の任期を三期十二年までに恒久的に制限する多選禁止条例を十二月の県議会に提出すると記者会見をしている、こういうことでございます。
本日の朝日新聞にも出ておりました。諸外国も見てみますと、例えば米国の州知事の場合、五十州のうち三十六州が条件つきを含め任期を二期八年か一期四年までに限っている。イタリアの広域自治体の首長は、一期五年で、二期連続で務めると三期は原則立候補できない。こういう例もあるわけでございます。
多選禁止について、各政党が内規で決めるだけでなく、多選禁止の法制化まで行うか、その場合、一、憲法で保障された参政権や職業選択の自由の点に抵触するおそれはないか、二、法律により全国一律に多選を禁止するのか、三、地方自治体がみずからの判断で条例による多選禁止が可能となるよう制度改正するのか、四、知事や政令市長と他の首長との区別が可能かなどの論点があるわけでございます。
この知事などの首長の多選禁止について、法的な規制が可能かどうかを検討する有識者の研究会を月内に設置する方針を菅総務大臣は出されておるわけでございますけれども、総務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○菅国務大臣 ここに来て多選の弊害がかなり出て、今さまざまな汚職事件につながったり、そういう中で多選禁止の問題が、今、大口委員に言われましたけれども、公明党さん、そして民主党、私ども自民党も、三選というのは大体そろってきたのかなと実は思っています。
しかし、これについては、先ほど来議論の中にありますように、立候補の自由や職業選択の自由などの憲法との問題、あるいは、多選を制限する場合にはその期数あるいは対象とする地方公共団体の長の範囲、また全国一律なのか、あるいは地域の自主性は認められるのか、さまざまな実は問題があります。
そういう中で、総務省は今まで踏み込んだ議論はしておりませんでした。私は、そうした議論の高まりを踏まえまして、今月中に憲法学者、あるいは行政の方の学者、そうしたいわゆる有識者と言われる先生方から、今私が申し上げました点についての基本的な考え方というものを審議して、幅広く研究をして、私ども答申を受けたい。そういう形で、この問題に対して国の考え方というんですか、そういうものを明らかにできる仕組みをつくっていきたいと思っています。

○大口委員 時間が来ましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

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