大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2007年5月10日

166-衆-教育再生に関する特別委…-9号 平成19年05月10日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
きょうは、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
伊吹大臣、原理原則をしっかり踏まえながら非常にバランスのとれた御答弁をずっと私拝聴しておりまして、大変成熟した政治家であるな、こう思っております。
きょうは、まず、魅力ある教員の養成ということについてでございますけれども、今、教員の資質向上の総合施策として、養成、免許、採用、そして研修等々あるわけですね。そして、資質の保持と向上を図っていく。教員の免許更新制の導入もそういうことであると。
先日の参考人の質疑の中で、梶田参考人が、教員について、「師であるということをお互い考えようと。お友達じゃだめなんです」、「したがって、身を持して、自省自戒をして、常に自分自身が人間としての先輩として、人生の先輩として、あるいは、例えば算数、数学を教えるにしても、算数、数学を教えるということを通じながら、やはり、人生を教えていけるといいますか、人間としてのあり方を教えていけるといいますか、そういう者にならなきゃいけないんじゃないか。そのために、常に研修し、努力し、繰り返しますが、自省自戒をしようということを申し上げております。 そういう意味で、私は、専門的な力量、これは当然ですけれども、その土台に、師であるということ、これを大事にしていきたい、」こう述べられているわけですね。また、他の参考人も教員の人間性ということについて述べられておりました。
今般の教員免許更新制度導入は、教員に最新の知識と高い技能、これによって自信と誇りを持ってまた教壇に立っていただく、こういうことを何回も大臣は御答弁されておるわけでございますけれども、政府のこれまでの教員養成の考え方あるいは今後の施策の中で、このような、子供から慕われる、師と仰がれるような、そういう教員の養成についてどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

○伊吹国務大臣 先生が今おっしゃったとおりだと思います。
民主党案にもありますように、養成段階でどうするかということももちろん大切ですし、採用した後、一年間の試験任用期間というもので足りるのかどうなのか、これをまた長くすると身分が不安定だという批判が一方にあります。常に長所と短所を見ながらやっていかねばなりませんし、もっと、漠然としたことを言って申しわけないんですが、やはり社会の中のエリートと言われる人が教師の職を求めるというぐらいの社会的な評価と報酬ができれば一番これはいいわけでして、そういうことを少しずつ行政面で補っていこうというのが今回の研修制度で、必ずしもそれだけで十分だということは考えておりませんし、先生のおっしゃったような、資質を持っているということが一番教師として大切だということは、私も全く同意見でございます。

○大口委員 菅大臣にお伺いしたいと思うんですが、今回の地教行法の改正案において、文科大臣から教育委員会に対して指示及び是正の要求についての規定が盛り込まれました。大臣も御答弁されていますように、これは地方自治法の原則の枠内、地方自治事務について認められた関与の範囲内、こういう御答弁でございました。この規定については、昨年の、いじめ、未履修の問題について教育委員会の対応が適切でなかったということの反省を踏まえたものだ、こう理解しております。
しかし、地方における教育については、地方分権の観点から、地方の責任において地方においてチェックすることが重要である、こう考えております。地方自治体の長には、地方自治法第百四十七条の規定により統括代表権があり、教育委員会については、その構成員である教育委員を選任し、議会の同意を得て任命することとなっているわけです。また、議会は、教育委員会を監視する役目、役割を持つなど、自治体内でそれぞれの役割があります。
こうした現行制度の中で、教育委員会の政治的中立性を担保しつつ、いじめや未履修などのこういう問題に対して地方自治体内でどのような対応方策があるのか、総務大臣にお伺いしたいと思います。

○菅国務大臣 今、大口委員御指摘のとおり、地方の公共団体の長には統括代表権というのがあります。そして、現実的には、地方教育行政、この法案においては、教育委員会が生徒指導だとかあるいは教育課程というものは掌握しています。そして、その教育委員会の委員については、今御指摘のとおり、長が任命をする、そして議会が同意する、実はそういう関係になっています。
さらに、長は、教育に関する予算だとか、あるいはその執行、条例提案、実はこういうものを行うことができますし、また、教育行政にそういう意味で一定の役割をこれは果たしている、そういうことであると思いますし、予算の作成に当たっては教育委員会から意見を聞く、こういうことになっています。
いずれにしろ、やはり、地方公共団体の長と教育委員会とがお互いに連携をとりながらさまざまな教育問題に対処していくべきだろう、私はこのように考えています。

○大口委員 よく連携をとるということが本当に大事だと、今回の一連の件で私も感じております。
次に、副校長等の新たな職の設置についてお伺いしたいと思います。
私は、今回の副校長、主幹教諭、指導教諭という新しい職の設置の一番大きな目的は、これによって教員が子供と向き合える時間を確保することだ、こう思っております。これは参考人の皆様も一様にそうおっしゃっております。
大臣は、この新たな職の設置によって実際に教員が子供と向き合える時間を確保することができるようになる、こういうようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○伊吹国務大臣 最終的に各学校にどのような形でこれを配置していくかというのは、各教育委員会の、先ほど来先生がおっしゃった、まさに地方教育自治の中でなされるべきことだと思いますが、御承知のように、今、校長、教頭というのは確立した職としてあるわけですが、それ以外の先生は、職員室へ入るとみんな一緒だという雰囲気ですよね。ところが、一般社会、会社なんかだと、同じ平でも先輩後輩というのがあって、先輩は、いろいろ教えてくれる、そのかわり、飲みに行くと金を払わなくちゃいけないとか、いろいろなことがあるわけですね。そういう中で、まず若い先生方にいろいろなことを指導いただける立場を学校教育法上明確にしておきたいということが一つですね。
それから同時に、教科をお持ちになるお立場の先生でも、教育に関する事務の中身について集中的にその先生がおやりになることによって、それ以外の先生方が生徒に向き合える時間をとっていただきたい、そういうことを考えているわけなんですけれども、全体としては、教職員の定数の問題をどうするかということがやはり一番大きな問題になってきますので、そこは、我々与党だけじゃなくて、民主党の先生方も含めて、年末に向かってひとつみんなで考えていただきたいポイントだと思っております。

○大口委員 今大臣がおっしゃった中で、これからベテランの教師がどんどん退職していくわけですね。そういう中で、経験の少ない若手の教員が入ってくる、だんだん広き門になっていく、そういうことで、若い教員の方に対する指導をしていくという体制、これも非常に今回の改正では大事なことである、私もそういうように思います。
そこで、こういう新たな職の設置について、教員の任命権者である都道府県教育委員会、それから、学校の設置者である市町村教育委員会、学校のマネジメントを行う、リーダーシップを発揮すべき校長、それぞれ、この新たな職の設置についての役割分担、それはどうなっていくのかについてお伺いしたいと思います。

○銭谷政府参考人 副校長あるいは主幹教諭、指導教諭の任用に当たってのそれぞれの役割でございますけれども、まず、地教行法の三十九条に基づきまして各学校の校長先生が所属職員についての意見具申というものを行うわけでございます。それから、これを踏まえまして、地教行法の三十八条に基づきまして市町村教育委員会が都道府県教育委員会に内申を行った上で、最終的には、地教行法の第三十七条に基づきまして都道府県教育委員会が適任者を任命していく、こういう構造になっております。
新たな職の創設に当たりましては、こういった関係者が十分に連携を図り、適切な配置がなされるよう運用されるということが重要でございますので、私ども、各都道府県で既に置いている県もございますし、そういった成功事例等を周知するなど、いろいろ配置を促してまいりたいと思っております。

○大口委員 確かに、これまで学校の現場というのは、なべぶた形の組織だったんですね。ここに新たな職を設置する。こういうことで現場が混乱を生じないようにしなきゃいけませんし、また、学校の規模とか地域の環境、諸条件で、新たな職をどのように置くか、どのようなイメージを大臣がお持ちなのか。そして、国として、そういうことについてガイドライン等を出される気持ちがおありなのか。それから、今先行事例については御紹介するというお話があったわけですけれども、そのあたりについてお伺いしたいと思います。

○伊吹国務大臣 おのおのの職の想定しております内容については今参考人がお話をしたとおりでございますけれども、一応、この法律が国会で議了をいただけますれば、今参考人が申しましたことも含めて、ガイドラインのようなものをお示ししたいと思っております。
同時に、この職について給与をどういうふうにするかということは、これは非常にやはり大切なポイントなので、予算編成が伴いますから、そのことも念頭に置いて、そして、我々だけではこれは決められませんので、我々は三分の一のお金しか持っておりませんから、総務大臣とも御協議しなければなりません。
そういうことを考えて、各教育委員会に我々の考えをお示しして、あとは教育委員会の自主的判断にまちたいと思っております。

○大口委員 今局長の方から先行事例についてお話がありました。その先行事例から考えても、この新たな職の設置というのは必要だ、こういうことだと思うんですね。
そこで、その先行事例について御紹介いただければと思います。

○銭谷政府参考人 ことしの四月一日現在で私どもが把握をしている状況でございますが、副校長という職名を置いている地域は二十三の教育委員会でございます。それから、主幹教諭あるいはこれに類する職を置いている地域は十三の教育委員会でございます。それから、指導教諭あるいはこれに類似をしている職を置いている地域は十四の教育委員会でございます。
それぞれ、その配置によりまして、どういう成果、効果が上がったか、いろいろございますけれども、特に副校長につきましては、やはり学校全体のマネジメント体制の強化が図られたということが非常に大きいと思います。
また、主幹教諭、指導教諭につきましては、若手教員の授業改善の面で大きな成果を上げたり、あるいは、教員の意見を吸い上げるようにして円滑な学校運営に資している、そういったような成果の報告がございます。
いろいろ課題もございますけれども、こういった事例について、私ども、今後、よく紹介をしていきたいというふうに思っております。

○大口委員 次に、学校の評価についてお伺いしたいと思います。
平成十七年度データによりますと、教員による自己評価、これは九七・九%の実施率、それから外部アンケートも含めた実施率が八三・七%、そして学校関係者評価については五一・九%、こういうことでありますが、公表率が非常に、例えば自己評価については五八・三%と低いわけですね。私学については二四%にとどまっております。それと、PTA全国協議会の調査によりますと、学校評価を実施していることを知らない保護者が七五・九%と全体の八割を占めている、こういうことであります。アンケートをとっている場合は八七%ということなんですかね。
そこで、学校教育法改正案の第四十三条に規定していることもその対応の一つだと思うんですが、この学校評価の結果の公表率を高め、さらに、学校評価制度を正しく理解していただくための改善策、これにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○伊吹国務大臣 学校評価を公表した結果、その公表された評価を見て、学校に対して何を期待し、そして学校がどのように動いていくかというところが機能しないと、結果的に、公表を促しても意味がないわけですから、地域の方々の、公明党さんがよくおっしゃる地域との連携ということを考えて、去年の三月ですか、学校評価ガイドラインというものを策定して、学校便りやホームページの活用などによる自己評価結果の公表を促すということをやってきたわけですが、今回の改正案では、御承知のように、四十二条で、実施をする、四十三条では、保護者等に積極的に提供するということを、これは促し規定ですが、書いております。
すべての学校が自己評価を実施することによって、学校自身がまたその批判あるいは評価にこたえて、おのおの工夫をして、そして保護者からも提案があり、そして一体となっていい学校をつくっていく、こういう方向が出てくるように促すということが一番大切なことだと思います。

○大口委員 次に、学校評価の第三者評価についてお伺いしたいんです。
昨年、平成十八年の九月から本年の一月まで、文科省で全国百二十四校の小中学校を対象に第三者評価の試行実施をした、こういうふうにお伺いしております。この第三者評価の現状や課題をどのように認識しておられるか、これが第一点。
また、この学校評価には、自己評価、学校関係者評価、これは外部評価ともいいます、そして第三者評価があるわけでございますけれども、今回の改正、四十二条という話がありましたように、この四十二条の学校評価はどこまで含むのか、この三つの評価のどこまで含むのか。
また、昨年の試行実施を踏まえ、第三者評価の今後のあり方について、大臣にお伺いしたいと思います。

○伊吹国務大臣 どこまで含むかについては、これは予算上の問題もありますし、ともかくまず自己評価、それから地域の皆さん、保護者を入れた評価、これはまず最小限やっていただきたいと私は思っております。
第三者評価につきましては、昨年は試行的に文部科学省がああいうことをやりましたが、これはやはり評価の内容をどうするかということをよほど慎重に考えないと、不当な支配という言葉もありますし、教育の国家管理ということも言われております。ですから、将来的には、できれば、政府がもちろん評価をしなければならないんですが、文部科学省から独立をした第三者的な八条機関のようなものができて評価が行われるということが私は一番望ましいんじゃないかなという気はします。
しかし、すぐに予算あるいは行政機構等からそこまでいけませんので、慎重の上にも慎重を期して、いやしくも、イズムに関する評価とか学校の微妙な心のあり方に関する教え方の問題等については非常に慎重に対処をしていくべきで、私は、マネジメントのあり方についての評価を第三者評価についてはまず優先すべきだと思っております。

○大口委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
本当にありがとうございました。

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