大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2008年2月20日

169-衆-財務金融委員会-4号 平成20年02月20日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
きょうは、総理に主に聞かせていただきます。
私は、二〇〇四年、党の消費者問題のプロジェクトチームの座長をしておりまして、消費者基本法の抜本改正にかかわらせていただきました。消費者というのは保護の対象であって、権利の主体である、こういう理念に基づいて抜本改革、改正をしたわけでございます。
総理は、生活者、消費者主役の政治を主張されたのはまことに私は画期的なことである、こう思うわけであります。国民生活審議会で生活安全プロジェクトを立ち上げられ、さらに、消費者行政推進会議において、消費者行政を一元化するための強い権限を持った新組織、これの創設の検討を指示されたわけでございます。我が党も長年にわたって主張してきたことでございますので、積極的に御協力、また参画させていただきたい、こう考えております。
一九六二年三月十五日、時のケネディ米国大統領は、消費者の利益保護に関する大統領教書を発表し、消費者主権の原則を明らかにしました。
私は、総理が政治姿勢のバックボーンとして、消費者が積極的に創造する社会が掲げられることを期待しております。消費者が安心、安全に住める社会、消費者が政策決定に参画する社会、消費者が地域産業を方向づける社会、消費者が健全な心身と環境を創造する社会、そして、その具体案といたしまして、私は坂口副代表ともいろいろと話し合っておるわけでございますけれども、経済財政諮問会議、この構成メンバー、いろいろ議論されておりますが、私は、民間議員に消費者代表を加えるべきではないか、こう考えております。
また、税制とは政治そのものでございます。そういう点で、消費者の視点に立った税制改革案をまとめるということ、そして、消費者から見た地域産業の活性化案をまとめること、また、利用者、消費者から見た医療や介護、福祉政策の改善策をまとめること、この点につきまして総理の御見解を賜りたいと思います。

○福田内閣総理大臣 消費者重視そしてまた生活者重視といったようなこと、こういう発想の転換というのは、私は、正直申しまして日本はちょっとおくれているんじゃないかと思います。政治も行政もおくれていたということ。これをやはり、これからの、現在もそうですけれども、これからの日本の社会を考えた場合に、そして成熟した社会と言われる我が国の社会を考えた場合には、そういう視点というものを欠かすことはできないと思います。
あのケネディ大統領の発言も、実は私も坂口先生から伺ったことがあるんですけれども、そういうようなことをアメリカではもう四十年前に考えているということでありまして、日本はそういう意味においては大変おくれてきたということでございまして、これを一挙に取り戻さなければいけない、そういう思いをいたしております。
ですから、そういった観点から、いろいろな部門についてそういう視点を取り入れていくということは必要だろうというように思います。
経済財政諮問会議においても委員を入れてはどうかというお話もございますけれども、これは、委員の数も限られておりますので、時に応じてそういう専門の方々においでいただくというようなことをして、考え方を聴取したいというふうに思っております。
税制とかそれから地方の活性化とか、いろいろな場面がございます。そういうすべての場面において委員のおっしゃっているような考え方というのは、どの場面でも必要なんだろうと思います。その視点を忘れないで政策実現に努めてまいりたいと思っております。

○大口委員 ありがとうございます。
次に、税体系の抜本改革につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
今、社会保障給付や少子化対策の安定的な財源を確保するためにも、税体系の抜本改革は避けることができません。総理は社会保障国民会議を設置されました。これはやはり、与野党を超えて議論をし合意形成に努力をすべきである、私たちも真剣にこの議論に参加してまいりたい、こう考えておる次第です。
私は、この税体系の抜本改革に対して、私なりの四点について考え方を申し述べたいと思います。
まず一点は、税制改革による負担をお願いする前に、徹底した歳出削減、資産売却をすることが必要であるということ、二番目に、税制改革は、特に社会保障などにおける受益と負担の関係を明確にするなど、政策的必要性に基づいてそのあり方を検討すること、三番目に、その裏返しといたしまして、財政健全化に向けた国の借金の返済については、原則として経済成長による自然増を充てることを基本とし、増税分を借金の返済には充てないということ、そして、税制改革に当たっては、基本方針二〇〇七にもあるとおり、消費税だけでなく、所得税、法人税を含めた総合的な改革を行うべきである、こういうことでございます。また今、総理から、消費者の視点そして環境の視点、これも大事である、こう考えておるわけであります。
公明党といたしましても、格差の固定化、拡大を防ぐという観点や、いわゆる垂直的公平の観点から、所得税における所得再分配機能を強化する、具体的には、最高税率を現行より高くするというようなことも重要である、こう考えております。
以上のような税制の抜本改革についての私なりの考え方について、総理の御見解を賜りたいと思います。

○福田内閣総理大臣 税制を考えるに先立ってまずやらなければいけないのは、やはり歳出改革を徹底して行うということでございます。
そういう前提に立って申し上げますけれども、これからの社会保障制度を持続可能なものにしていくということも大変大事でございます。その際に、少子化対策とかそれから社会保障の給付、そういった費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う、そういうふうなことが必要なんでありまして、そのことを実現するために、消費税を含む税体系の抜本的改革というものは、これはぜひとも実現をしなければいけないというように考えております。
その際に、我が国における所得、消費そして資産等への課税のあり方といったようなことについても、各税目がそれぞれ果たすべき役割等を踏まえまして、そして総合的な見直しを行う必要があります。
例えば所得税につきましても、所得再分配機能の適切な発揮や個人の多様な選択に対する中立性の確保といったような観点、そういうものを見ながら、税率構造や所得控除のあり方、そういうことを検討していくということも課題として考えておるところでございます。

○大口委員 次に、財政健全化と道路特定財源の関係についてお伺いしたいと思います。
二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化するということについて、前の先生方からもこれについての危機感というものの表明もあったわけでございます。そういう中で、道路特定財源の暫定税率がなくなると、国一・七兆円、地方が〇・九兆円の減収、合わせて二・六兆円の歳入減になるわけでございます。
民主党は、国の直轄事業の地方分担金を廃止し、地方道路整備臨時交付金については法改正によって七千億円を維持するなどして、地方の道路財源は従来と同水準を確保でき、地方に財政負担を求めない、こういうふうに主張されておるわけでございます。
ただ、昨日の公開討論会で麻生福岡県知事はこういうふうにおっしゃっているんですね。暫定税率廃止で地方収入が一・六兆円減る、民主党は地方には今までどおりの金を渡すと言うが、国の二兆円の道路予算が四千億円になり、基幹的な高速道路整備がとまる、道路体系が意味をなさなくなる。また、東国原宮崎県知事も、主要都市を高規格道路で結ぶことの重要性を訴えておられます。これは新聞報道でございますけれども、二月八日に上田清司埼玉県知事が民主党の幹部を訪れて、民主党案では国道の完成に時間がかかってしまうと詰め寄ったということが報道されております。
地方自治体の道路予算が減らなくても、国が整備する幹線道路がつながらなければ意味がないということであります。直轄にしろ補助にしろ、全国各地の道路整備は、国と地方双方の財源によっています。地方の財源を確保しても、その分国の財源が減れば、国、地方全体としての道路整備水準は大幅に低下し、地方における道路整備も大きな打撃を受けるわけでございます。これは、大体すべての都道府県知事の共通認識であるわけであります。
全国各地域における真に必要な道路整備水準を確保するということを前提にいたしますと、財政的に見ますと、一つとしては、社会保障や教育など他の経費を削減することになるのではないか。これは、東国原宮崎県知事が、道路以外の予算を道路整備に回せば医療や福祉に影響が出る、こう言っております。また、もしそういう他の社会保障や教育にしわ寄せをしないということになれば、国が、あるいは地方が借金をふやして歳入を確保する、こういうことになるわけでございます。
そういうことで、基本方針二〇〇六で定められた歳出改革、これに悪影響を及ぼすとともに、せっかく四年連続、平成二十年度におきましても、新規国債発行二十五兆三千億円より確実に新規国債発行もふえるのではないか。
そういうことで、この道路特定財源に穴があいてしまうと財政健全化の流れとの関係ではどうなのか、総理に御見解をお伺いしたいと思います。

○福田内閣総理大臣 もう委員御案内のとおり、日本の財政状況というのは極めて厳しい状況にあるということでございます。
今後は、その上に高齢化が進むという、これは財政にとってはマイナス要因を抱えているわけですね。そういうような状況の中で新規国債の発行を抑制しなければいけない、こういうふうな財政状況で新規国債ということは考えられないというような財政健全化の努力を継続して平成二十年度予算も組ませていただいたということでございます。
それは、要するに、将来世代にツケを回さないということが我々の責務であるという考えに基づくものでございます。債務残高の累増を避け、そして財政健全化をさらに進めるという観点からも、暫定税率は維持しなければいけないというのが我々の考えでございます。

○大口委員 道路特定財源には三つの偏りがあります。油種の中で、揮発油または軽油等に高い税率がかけられている。自動車のユーザーだけに課税されている。そして、東国原知事も主張されていますように、公共機関が発達していない地域、日常生活に自動車の利用が不可欠な方の負担がそうでない方よりも大きいということ。ですから、この偏りを納税者に理解していただくために、使途が極めて大事である、こう思います。
道路整備にこれだけ必要なので必要な費用の負担をお願いするということが大原則であって、そのための財源措置として暫定税率をお願いするということでございました。受益と負担の関係からも整合性があるわけでありますし、逆に、その費用を道路と直接関係のない一般財源に使用するというのであれば、果たして納税者の理解を得られるのか、こういう疑問があるわけでございます。東国原宮崎県知事が、自動車ユーザーがなぜ一般財源に税金を払わなきゃいけないのか、こういうことを言っておるぐらいでございます。
昨年の道路特定財源に関する政府・与党の合意に、道路整備予算が毎年シーリングによって特定財源部分を下回ってくるような状況の中で現行の暫定税率を維持するためには、納税者の理解がなければならないという立場から、無駄な道路を廃しコストを縮減するということは当然のことでありますけれども、地方道路整備はもちろんのこと、あかずの踏切の解消、そして使途の拡大分については、高速道路料金の引き下げ等、そしてまた一般財源については、環境対策などに活用することを強く公明党も主張してまいりました。
平成二十年度の予算において約千九百二十七億円が一般財源として活用されるわけでございますが、納税者の理解を得るということが非常に大事になってきます。この一般財源部分と納税者の理解との関係について、総理にお伺いしたいと思います。

○福田内閣総理大臣 道路特定財源につきましては、受益と負担の考え方、これを踏まえまして、暫定税率を維持した上で、その上で真に必要な道路整備を行う、そういうようなことを行うとともに、これを上回る額は納税者の理解を得られる歳出の範囲内で一般財源として活用する、こういうふうな仕組みになっているわけであります。
それで、二十年度予算におきましても、千九百二十七億円を一般財源として活用するというようにしておりますけれども、これは、従来より一般財源で措置してきております、自動車に関連する、地球温暖化対策とか信号機の整備、交通事故対策といったような自動車関連歳出の範囲内でございまして、納税者の理解を得られるように説明を申し上げているところでございます。
今後は、一般財源としての活用を図っていくということに際しまして、さらに納税者の理解を得られるような努力をしていくということが必要だと考えております。

○大口委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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