大口よしのりの政策・実績

大口よしのり政策提言

大口よしのり政策提言

2009年12月7日

vol.30  事業仕分けの問題点

政府の行革刷新会議による「事業仕分け」が行われました。私は、予算編成過程が透明化され、納税者の関心を集め予算を国民に身近なものにした点は評価してよいと思います。しかし、93年秋の総選挙で誕生したカナダ自由党政権が首相と財務相の強い指導力で歳出に切り込んだプログラムレビューとは異なり、そもそも政務三役の政治主導による査定が不十分なため、来年度予算の概算要求額が実質97、8兆円に膨れあがってしまったことによる自作自演ではないかとの批判があります。また、国家戦略や政策の基本方針が不明確なため、判断基準や優先順位が不明瞭となり、大きな混乱が生じました。仕分け人の選定基準についても十分な説明がなく、結果責任を負わない民間仕分け人の政治的正当性の根拠があいまいです。また、対象事業の選択や仕分けの結論が財務省の誘導によるものではないかとの指摘もなされています。
12月3日、公明党の科学技術委員会の席上、科学技術関連予算について、ノーベル化学賞受賞者の野依良治理化学研究所理事長は、「私は一般的な仕分け事業の対象はコストであるが、科学技術振興や人材育成は投資だと思っている。コストと投資は区別されるべきものだと強調したい」、また「科学技術の成果が実を結ぶまでには、長い時間がかかる。拙速に成果を求めるのではなく、将来への投資として継続性を持って科学技術振興を考えてもらいたい」と訴えられましたが、きわめて重い発言だと思います。
さらに、私は、法務委員会や質問主意書で、来年度予算の概算要求を政治主導で査定し決定した政務三役が、事業仕分けの対象となった事業に関して説明責任を負っているのに、なぜ、事業仕分けの場で説明者の席に座らず、コーディネーター側の席に座っているのかにつき問い質しました。政治主導の事業仕分けとするには、主に政治家同士が評価者と説明者になって議論を闘わすべきであり、さらにいえば、本来は、国会の予算委員会や決算行政監視委員会などで徹底的に行うべきであると考えます。

大口よしのりについて
大口よしのりについて
活動記録
活動記録
政策・実績
政策・実績
リンク集
リンク集

▲このページの先頭へ