大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2013年4月25日

183-衆-憲法審査会-7号 平成25年04月25日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
憲法第八章地方自治に関する諸論点につきまして、公明党を代表して意見を申し述べたいと思います。
まず、地方自治の本旨の明確化等でございます。
現行憲法の規定の充実の必要性についてでありますが、現行憲法は、地方自治について、わずか四カ条しか規定を置いていません。そういうことで抽象的な規定となっているわけであります。
九十二条の地方自治の本旨についても、それが何であるかを憲法は規定しておらず、具体的な内容が曖昧であるとの意見も党内に多くございます。
そこで、地方自治の原則として、国が地方自治体と地域住民の意思を尊重することや、地方自治体が自立と責任の原則に立つことを規定すべき等の意見が党内で大勢でございます。
他方、憲法に規定するのではなく、地方自治基本法をつくって、そこに当面の課題を盛り込んではどうかという意見もあります。
次に、公明党は、我が国の地方自治や国の統治の新しい形として、国、道州、基礎的自治体の三層構造による地域主権型道州制を提案しています。
道州制の目的は、一、国、都道府県、市町村という統治構造を大きく改革し、地方分権を推進する。二、東京一極集中型の経済を地域ごとの特性を生かした経済へ転換する。三、国と地方自治体の二重行政を解消する。こういう目的のもとに、住民本位の行政サービス提供に寄与するものであると考えておりまして、公明党は、そのための第一歩として、道州制基本法の早期制定、内閣に道州制推進本部の設置を求めております。
同時に、道州制への移行は国の形を大きく変えるため、国会だけで議論できるテーマではなく、国民的議論を喚起しながら具体像を練り上げていく必要があります。そのため、道州制国民会議を設置し、約三年間かけて幅広い議論を集約した上で、その後、二年を目途に移行に向けた法的措置を講ずるプランを道州制基本法の中において提示しておるわけであります。
以上、述べましたように、道州制の導入は、憲法改正を行わなくても、現行憲法下での立法措置で可能と考えられます。現行憲法は、地方自治について詳細な規定を設けておらず、法律でフレキシブルに定めることができると思います。
また、直接選挙で選ばれる道州の首長が内閣総理大臣を上回る政治力を持つことになるため、首相公選制の導入が必要という意見も今ありますが、国と道州はそれぞれの役割分担があります。例えば、道州の首長が外交や防衛の責任者となることはありません。地方自治体の首長が国政への関与をうかがうような特殊な政治状況を前提とした直観的な議論であり、憲法論議としては一般化すべきではないと思います。
地方財政、九十四条でございます。
地方財政については、地方自治体の財政的自立を地方自治の原則として憲法上明確にしたり、課税自主権を憲法に明記すべきとの意見が党内において多くございます。もっとも、具体的な財源のあり方については、例えば、消費税の地方税化のような税源の移譲のみで、大都市はともかく、多くの多様な自治体が自立できる財源確保をすることが課題であります。
そういう点で、財政調整ということが大事でございますので、課税自主権の強化との関係で、やはり客観的で公平な財政調整の新たな仕組みを検討すべきであると考えます。
また、条例制定権についてでございますけれども、最近議論になった事例として、東日本大震災の復興特区法案の制定時に、公明党が、法律上の規制を条例で上書きできる措置を求めたことがあります。また、道州制のもとでの条例制定権のあり方として、国の立法権と道州の立法権の関係が今後議論のテーマになると思われます。
とはいえ、これらのいずれの場面でも、現行憲法のもとでの立法措置で、包括的、一般的に条例の上書きを認めるような方法をとり、その内容を検討する中で、国会を唯一の立法機関とする憲法との関係を整理していけばよく、憲法を改正する必要まではないものと思われます。
九十三条の地方公共団体の組織、機構のあり方についてでございますが、二元代表制、現行のままでよいと考えます。
外国人の地方参政権につきましては、相互主義により、国籍に限定を加え、日本国民に対して同等の地方参政権を付与する国の国民に限るべきです。また、条例制定やリコールなどの直接請求は認めないという考え方であります。
特別法の住民投票でございますが、地方自治特別法の住民投票については、住民投票が行われた事例は昭和二十年代にあって以降ありませんが、今後、地方自治について大きな制度変更がある場合に活用されることもあり得ると思います。住民投票の制度を残しておく方がよいと考えます。
以上、公明党を代表して、第八章地方自治の章に関する現時点での見解を申し述べました。ありがとうございました。

大口よしのりについて
大口よしのりについて
活動記録
活動記録
政策・実績
政策・実績
リンク集
リンク集

▲このページの先頭へ