大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2013年11月8日

185-衆-国家安全保障に関する特…-9号 平成25年11月08日

○大口委員 公明党の大口でございます。
特定秘密保護法案につきまして、お伺いさせていただきます。
この時間をいただきまして、本当に、自民党の理事、皆さん、ありがとうございます。
まず、私も、この特定秘密保護法案、公明党のプロジェクトチームの座長をさせていただきまして、集中的に、十三回、ヒアリング、審査等をやらせていただきまして、そして、政府、また自民党の町村先生初め、皆さんともいろいろと意見を交わさせていただきまして、この法案に相なったわけでございます。
そういう中で、やはりこの特定秘密保護法案の必要性、これにつきまして、いろいろと今報道されているわけでございます。
昨日も、総理が、私の質問に対して、やはり今、情報漏えいに関する脅威が高まっている状況、そして外国との情報共有が適切な情報保全を前提としていることに鑑みれば、秘密保全法の整備が喫緊の課題であると。
そして、政府部内の情報の共有の促進、あるいは防衛省のを外務省になかなか出せないというようなこともあったと思うんですね。そういうことも共有化が進む。そして、それは、やはり国家安全保障会議というものが、これが中で非常に、情報をしっかりと吸い上げて、正しい判断をしていく。そのことが、例えば紛争の未然防止でありますとか、我が国の国民の生命財産、そして国家の存立の危機を回避することになるということで、非常に大事だと思っているわけでございます。
この一月にアルジェリア人質事件がございました。町村先生からもありましたように、三十九名が犠牲になり、日本人が十名犠牲になった。私は、やはり国民の生命身体、国の存立にかかわる情報というものをしっかりと、インテリジェンスコミュニティー、他国とのあるいは国際機関との連携によって入手をしていく、そのためには同程度の秘密保護措置が講じられなければならない、でないと重要な情報は得られない、入手できない、そう思っているわけでございます。
今、我が国は、現行の秘密保護措置を見ますと、既に、自衛隊法では防衛秘密が、MDA法では特別防衛秘密が保護されている。国家公務員法の守秘義務もある。さらに、運用上、内閣情報室のカウンターインテリジェンス・センターが中心となって、各省庁で特別管理秘密が指定され、その取扱者に対する秘密取扱者適格性確認制度というのが行われている。
ですから、これで十分じゃないか、こういう意見もあるわけでございますけれども、大臣に改めて、この秘密保護法の必要性についてお伺いしたいと思います。

○森国務大臣 防衛秘密制度は自衛隊のものについて定められておりまして、また、MDA秘密保護法は米国から供与された装備品等を特別防衛秘密として保護するものでありまして、いずれも、防衛以外の安全保障に関する事項は定められておりません。
また、国家公務員法上の守秘義務については、一般職の公務員を対象とするもので、特別職の公務員や契約業者には及んでおりません。
したがって、安全保障に関する事項であって、特に秘匿することが必要な情報の保護については、今の足りないところを規定していく必要がありまして、本法案によって必要な規定を定めた次第でございます。
また、現行の特別管理秘密制度は、カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針に基づいて各行政機関が作成した物的及び人的管理に関する規程により運用されているものでして、これは各省の申し合わせ事項でございまして、法律に基づいているものではございませんし、政府全体の共通のルールとして秘密の保護を図るということでは、十分ではないと考えております。
ですので、今回、この法案を提案させていただいたという次第でございます。

○大口委員 もう一点でありますけれども、これは日弁連の清水先生なんかも御指摘をされているわけですが、本法案は、厳格な適性評価を実施して、業務上特定秘密を取り扱う者からの漏えいを防止している、しかし、最近の漏えい事案を見れば、いずれも秘密の取り扱いを業務としていない者が漏えいしている、また、現在では紙の資料に加えて膨大なデジタルデータが作成されており、これらの状況に対応した情報管理体制の整備こそ重要ではないか、これをしっかりやるということがあればこの秘密保護法は要らないんじゃないか、こういう指摘もあるわけです。
私は、その前半の情報管理体制の整備、これはもっとしっかりやらなきゃいけないと思うんですが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○鈴木政府参考人 お答えします。
本法案におきましては、我が国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿することが必要であるものの保護に関して必要な措置を盛り込んでおりまして、その中で、先生御指摘の情報管理体制の整備が行われるものと考えております。
また、高度通信ネットワーク社会の発展する中、各行政機関において膨大なデジタルデータが作成されておりまして、その漏えいの危険性を低下させるために、御指摘の情報管理体制の強化、整備を政府においてさらに一層推進することが必要であると考えております。

○大口委員 私どものプロジェクトチームで、早稲田大学大学院の春名幹男教授からお話をお伺いしました。
アメリカ情報安全監視室、ISOOによりますと、アメリカの二〇一〇年の国家安全保障機密化システムの年間予算は百一億七千万ドル、機密文書防護の民間委託費は十二億五千万ドル、合わせて百十四億二千万ドル、一兆を超えるわけですね。そしてまた、機密指定責任者が二〇一二年で二千三百二十六人。膨大な、大規模な予算そして人員をかけています。
また、アメリカの場合は、あの九・一一の反省もあって、やはり情報の共有化ということを進める、その結果、コンフィデンシャル、それからシークレット、トップシークレット、あるいはその上、これにアクセスできる人が五百万人ということになっている。非常にそういう点ではコストがかかる。秘密を保持するというのはコストがかかるということは覚悟しなきゃいけないと思うんです。
ですから、むやみに指定するということは、いかがなものか。やはり他国の状況も勘案しながら、必要なものを限定して指定していく、そして件数を適正なものとする必要がある、私はこう思うわけであります。
そのあり方も、今回私どもが提案いたしました、この指定や解除や更新等、もろもろの統一基準を定めるに当たっての有識者会議、ここでも大いに議論されていくべきじゃないかなと思いますが、これは大臣にお伺いしたいと思います。

○森国務大臣 委員のおっしゃるとおりであるというふうに考えます。
特定秘密は、大臣等の行政機関の長が、法律の別表に限定列挙された事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものを指定するということになっておりますが、むやみに指定することを防いでいく、また、コストの観点もございますので、他国の指定の状況も勘案しながら、この指定のあり方については有識者会議の場でしっかりと議論をされていくようにしたいと思っております。

○大口委員 今回の法案の三条二項には、指定に関する記録、指定書が作成されます。そこには、指定番号、指定年月日、情報の内容、該当する別表の号といった指定に関する事項が記録されています。この指定書は何のために作成をされるのかということが一点。
そして、特定秘密そのものは公開できないといたしましても、この指定書を国民への説明責任あるいは特定秘密の恣意性の排除ということのために供することはできないのか。そしてまた、この指定書というのは、行政文書に当たるわけでありますから情報公開請求の対象となるわけでございまして、そういう点では、その存在そのものが特定秘密に該当する場合等がある場合はともかくといたしまして、これを公開するということも大事ではないか。
この二点、大臣にお伺いしたいと思います。

○鈴木政府参考人 お答えします。
特定秘密の指定をした場合、本法案第三条第二項によりまして、行政機関の長は、指定に関する記録を作成するものとされております。これは、先生御指摘のような、指定番号、指定年月日、情報の内容、該当する別表の号といった、指定に関する事項を記録するために作成するものであります。
この記録につきまして情報公開請求がございました場合につきましては、情報公開法に基づく不開示事由に該当する部分を除き、開示されることとなると考えております。

○大口委員 次に、今回の特定秘密につきましては、情報公開法によって、インカメラ審査というのができるわけでございます。いわゆるインカメラ審査と特定秘密の関係についてお伺いしたいと思うんです。
特定秘密を記載した行政文書について情報公開請求がなされた場合、通常、不開示情報に該当するとして不開示決定がなされる可能性が高いわけですね。この不開示決定に対しては、不服申し立てをすることができる。申し立てがあった場合は、行政機関の長から情報公開・個人情報保護審査会に諮問されます。この審査会では、必要があると認めるときは、当事者を立ち会わせずに対象文書を閲読できるインカメラ審査を行うことができるわけです。
特定秘密の恣意的な指定に対するチェック機能を果たすという点では、この審査会によるインカメラ審査というのはその機能が期待できる、こう思いますが、いかがでございましょうか。

○若生政府参考人 お答えいたします。
情報公開・個人情報保護審査会は、行政機関等からの諮問に応じ、不開示決定等に係る不服申し立てにつき、不開示情報への該当性、あるいは開示、不開示の判断の妥当性について調査審議を行う第三者機関であります。
特定秘密が記載された行政文書につきましても、必要に応じインカメラ審理を行った上で、情報公開法第五条に規定する不開示情報に該当するかどうかを審査することとなります。
このように、情報公開・個人情報保護審査会が審査するのは、情報公開法に規定する不開示情報への該当性でありまして、不開示情報を構成する特定秘密の指定自体の適正性まで直接判断するものではありませんけれども、仮に、特定秘密を含む情報が審査会において不開示情報に該当しないと判断されれば、秘密指定を解除して当該行政文書を開示することとなるというものでございますので、そのような意味では、委員御指摘のとおり、審査会による審査が特定秘密の指定の是非のチェックにつながる場合があるというふうに考えております。

○大口委員 民主党の枝野議員初め、お伺いしたいんです。
前政権におきましても情報公開法の改正を出されましたが、廃案になりました。今回、同じものを出されるということでございます。
私どもも、情報公開を進めるということでは非常に前向きに検討して、昨日もそういうことを私も発言させていただいたわけでございますけれども、これにつきまして、情報公開改正法案が、平成二十三年に民主党政権下で提出された法案、それと今回提出された法案は同じ内容だ、こういうふうに認識しております。
当時の法案の立案に当たって、内閣官房が作成した逐条解説資料というのがここにあるわけです。そして、この逐条解説資料につきましては、やはり、いわゆるインカメラ審査というのは、公開主義ということの例外の、口頭弁論期日外の証拠調べとなると。
そうしますと、一つは、民事訴訟法の基本原則であります双方審尋主義、やはり、裁判の材料になる証拠につきましては、当事者が立ち会って、そして吟味し、弾劾をする、それを、証拠調べの結果として裁判の認定の基礎とする。そして、その点では、当事者の立ち会い権、これは非常に、極めて基本的な権利だ、それを制限するという場合は、やはり、最高裁の決定にありますように、当事者の同意が必要である、こういうこと。そしてまた、公開主義という憲法の要請があります。これにつきましては、弁論に簡略に顕出するという形で、民主党政権のときに、枝野先生も御苦労されて、こういう二十四条の条文をつくり上げられた、こういうふうに思っているわけでございます。
この解説におきましては、インカメラ審査の実施の同意を被告、政府が拒否する場合に関して、国の重大な利益を害する場合に該当するかどうかの判断権は被告、行政にある、こういう解説になっているわけです。
この点について、総務省に確認いたします。

○若生政府参考人 お答えいたします。
平成二十三年当時の逐条解説資料の記述につきましては、委員御指摘のとおりでございます。

○大口委員 そういうことで、この判断権は、被告、行政の側にあるということでございます。
昨日の民主党さんの情報公開における趣旨説明におきましては、インカメラ審査を導入することとしていると。そして、インカメラ審査については、被告たる行政の側が、行政文書を裁判所に提出し、または提示することにより、国の防衛もしくは外交上の利益または公共の安全と秩序の維持に重大な支障を及ぼす場合その他、国の重大な利益を害する場合であることを主張することで、同意を拒否することとされているわけですが、この点につきまして、枝野議員は、国の重大な利益を害する、この立証責任は政府にある、こういうふうに説明をされたわけでございます。
ただ、この立証責任という言葉は、判断権が裁判所にあることが前提となっていると考えます。その場合に、被告の行政の側が立証責任があるとすれば、主張を立証できない場合は、裁判所の判断で行政文書を提出させることになります。
しかし、今、それこそ総務省の確認がありましたように、国の重大な利益を害する場合であるかどうかという判断権は、被告である行政の側にあるわけでありますから、行政の側が国の重大な利益を害する場合であると判断したと裁判所に主張すれば、裁判所は実質的に判断することなく、インカメラ審査は行われないということがこの解説書に書いてあるわけです。
その点について、民主党の提案者に、立証責任という言葉を使われたことについては私は適当でないと考えますが、いかがでございましょうか。

○枝野議員 御指摘のうち、私どもの提案しました改正案で、インカメラについては、被告、行政側の同意が必要であり、ただ、同意を拒否する場合の要件を厳しく限定しております。
ただ、その判断権は行政側にあるというのは、私どもが与党当時に総務省がつくった解説書のとおりでありますが、政府が、これは実は、重大な利益を害するということでいつもいってしまいますと間違えまして、重大な利益を害することが何がなので、公開することがではなくて、裁判官にだけ見せることであっても、それでも重大な利益を害することになるというようなことについて、単に主張するだけでは、これは法を守るべき行政機関としては許されない。
つまり、それが本当に、裁判官に見せることで重大な利益を害することになるのかということを説得力を持って説明をしなければなりませんし、その説明について、それを裏づける証拠等があれば、余り具体的なことを申し上げるべきではないのかもしれませんが、この条項に当てはまるケースがあり得るとすれば、裁判官にだけインカメラで見せて、それでいわゆる情報漏えいのような形で国の重大な利益が害されるおそれというのは普通はありませんから、他国との間で特定の手続を経た人以外には見せないという約束、しかも、その約束自体も合理的な約束に基づいて提供を受けたものであるというようなことが説明されたケースぐらいしか当てはまらないと思います。
その場合には、その合意自体については、当然公表できる合意だというふうに思いますので、その外交上の合意文書があれば、そうしたものはしっかりと証明をしていただきたいという意味では、自分たちの主張を裏づける立証をしていただかなければならないという意味で立証責任があるというふうに申し上げました。
一般的に、立証責任があれば、立証責任を果たさなければ反対側に有利な決定がなされるという意味と捉えられたとすれば、そういう意味ではございませんが、もし、それがなされずに、単に嫌だ嫌だと言っているだけであれば、インカメラを入れるかどうかという手続自体は公開のものでありますし、十分な説得力なくインカメラに同意しなかったということで判決に至れば、そのこと自体が当然判決に影響を与えるし、また、判決文の中にそのことについての裁判所の判断が示されるだろうと思いますので、そのことによって、説得力ある、あるいは証明できるものがあるにもかかわらず、その証明もしないということで拒否するということは許されないということになると考えています。

○大口委員 枝野議員も法律家でございますから、立証責任というふうに法律用語として使われているものと、今おっしゃったことは違うと思いますが、その点はどうですか。

○枝野議員 ここで、せっかく好意的に我が法案を受けとめていただいている先生と論争をする必要はないと思っていますので、立証責任、多義的な言葉だとは思いますが、もし、法律的な、狭義の立証責任と受けとめられるとしたら、それは、今私が申し上げたような趣旨ですので、そういうふうに受けとめていただければと思います。

○大口委員 立証責任という使い方は、法律家としては避けていただきたい、正しい用語を使っていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
それで、そういう場合、行政は、それは、漏えいが我が国の安全に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である情報であると判断して、特定秘密を含む行政文書について、国の重大な利益を害する場合に該当するとして、インカメラ審査の同意を拒否すると思われるわけであります。
この解説書におきましても、最終的には判断権は被告にありますものですから、「被告が同意を拒む場合には、裁判所もこれをそのまま受容するほかない。」、こういうふうに書いてあるわけであります。
ですから、もちろん、この規定が特定秘密との関係で全く意義がないとは私は申しません。ですが、被告である行政が、これは国の重大な利益を害する、こういうふうに主張し、同意を拒んだ場合は、裁判所としても、いたし方ない、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。簡潔にお願いいたします。

○枝野議員 実際にこの法律が運用されて訴訟になったケースを想定していただければと思うんですが、当然、まず、行政側の主張で、これは一般に公開するといろいろ重大な支障が生じるということが証明されれば、インカメラとかする以前の問題として、被告勝訴の判決が出るわけであります。
一方で、これは明らかに隠しているのはおかしい、こんなものは特定秘密に指定しようが何しようが、こんなものは隠すのはおかしいということがはっきりしているものであれば、それは、インカメラをやることなく、公開しろという判決が出るわけであります。
そうしたことの中で、これは裁判官としてもどちらなのか、両者の主張、立証を見ても判断に迷うケース、それについて、裁判官が、当事者の申し立てによってインカメラをやりたいということに対して、被告の側が、十分な説得力なく、裁判官にすら見せられないんだということを徹底して抗弁し、それに対して、当然、求釈明とかがなされると思いますので、そうしたことにも十分に答えられず、つまり、拒否事由があるということについて十分な説得力ある説明ができなければ、これは、一般論として余り言い切れるものではありませんけれども、本来隠さなければならない、秘密にしなければならないものを守っているのではなくて、そうではない事情があるのではないかという相当高い推定が働きますので、最終的な判決に大きな影響を与えるというふうに私は思っています。

○大口委員 双方審尋主義という原則等もありまして、当事者の同意というものを、やはり最高裁もこれを一番重要視しているということもございます。
今御答弁いただいたことも含めて、私どももまた、この二十四条の条項につきましては、私は前向きに考えておるところでございますけれども、やはり正確な法律の議論をしていきたい、こういうふうに思っております。
では、結構です。ありがとうございました。
次に、四条の三項でございます。ここの「やむを得ないもの」の意味ということで、三十年超の原則指定解除についてお伺いします。
指定の更新について、延長の結果、指定の有効期間が三十年を超える場合、昨日も総理から、どういう場合なのかということにつきまして、指定を解除すれば相手国が対抗措置を講ずるおそれがある場合ということを例に挙げていただきました。これも一つの例だと思います。
また、今、町村先生からも、ある国の情報源の方、そこを明らかにすると、その方の生命に影響を及ぼすということですから、その情報源は守るということも必要だと思います。
等々があるわけでございますが、しかし、それは極めてレアケースである、基本的には、原則三十年が経過すれば指定が解除され、公文書管理法の適用を受けて、これは国立公文書館に移り、そして、いろいろな秘密の程度によるとは思います、アメリカの七十五年超という場合もありますから、それは考慮しなきゃいけないとしましても、公文書管理法の適用を受けていくというふうに考えておりますが、大臣の御答弁をお伺いします。

○森国務大臣 委員御指摘のとおり、五年でずっと延々いってしまうんじゃないかというような御指摘も受けておりまして、五年ごとも、もちろん、原則、そこで満了するわけでございますが、さらに、三十年のときには、ここで有効期間は終わるという原則を置きました。その基本的考えのもと、それを延長したい場合には、内閣の承認を要することとしております。
ですので、三十年で延長しない場合には、もちろん公文書管理法の適用を受けていくということになります。

○大口委員 それで、その指定期間が五年以内ということなんですが、三年で済むものもあると思うんですね。だから、秘密の種類によってある程度の基準を示していただいた方が私はいいと思うんです。
このあたりは有識者会議で検討していただくことになると思いますが、大臣の御見解をお伺いします。

○森国務大臣 五年以内でございますので、何でもかんでも五年ということではなく、その事柄の性質に応じて、四年もあれば三年もあれば、さまざまなことがあると思いますので、それについては、有識者会議の中でしっかりと運用基準を定めてまいりたいと思います。

○大口委員 次に、国会との関係をお伺いしたいと思います。
国会に対する特定秘密の提供は、法第十条一項一号イにおいて、国会に対する特定秘密の提供を認めるということになっているんですが、その条件が、特定秘密を利用し、または知る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じ、かつ、行政機関の長が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに限定しているわけですね。
これは、他の機関への提供に比較して厳しい要件ではないか、なぜこのような厳しい要件を課すのか、国会は国権の最高機関ではないか、こういう疑問がありますが、それについて、いかがでございましょうか。

○森国務大臣 言うまでもなく、国会は、国権の最高機関でございます。他の機関に対しては、「提供」ではなく「提示」となっておりまして、また持ち帰ります。国会に、秘密会に対しては、「提供」でございまして、そのまま置いていきます。そこで、その置いていった特定秘密をどのように保護するのか、その保護措置は講じていただきたいというふうに思っております。
ただ、どのように具体的にその文書を管理して保護していくのかということについては、国会の御判断に任せたいと思っております。

○大口委員 この件は、昨日、安倍総理も答弁していただいています。本法案が実施されれば、国会の求めに応じ、特定秘密を提供することが可能となる、これまで行政から国会に提供されてきた情報が提供されなくなることはない、こう答弁をされています。
現在提出されていない秘密について、本法案の施行後、国会の保護措置が講じられれば、これまでは提出できなかったものが、これからは提出できる場合があるのでしょうか。その場合、保護措置が講じられても、なお我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるとして、提出できない場合もあるのでしょうか。保護措置のレベルと、我が国の安全に著しい支障を及ぼすおそれとの相関関係についてお伺いしたいと思います。

○鈴木政府参考人 お答えします。
本法案におきましては、一定の条件のもと、国会に特定秘密を提供することができる仕組みが盛り込まれておりますが、本法案が施行され、国会におきまして特定秘密を保護するために必要な措置が講じられましたならば、国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものではないとして、国会法百四条三項に基づく声明を出すことなく、国会のお求めに応じまして、秘密会に特定秘密を提供することが可能となります。
また、保護措置が講じられている場合に、通常、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれはないものと考えられますが、例えば、外国から第三者への提供を制限することを前提に提供を受けた情報につきましては、なお我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあるとして、提出できない場合が例外的にあり得るものと考えております。

○大口委員 ところで、知得者の範囲の問題なんですが、我々が、例えば秘密会で、国会議員が、その委員会の委員が特定秘密の情報を入手した、知ることになった、それを、例えば我が党の代表、幹事長、政調会長、国対委員長と相談していろいろと方針を決めなきゃいけない、しかし、それが知得者による特定秘密の漏えいとして罰せられると、これは非常に、国会の運営上、政党の政策決定に悪い影響を及ぼすことになるんですね。
このようなことについて、保護措置をどうするかということになるんですが、これはやはり国会が自律権に基づいて決めるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。

○鈴木政府参考人 お答えいたします。
国会の秘密会に特定秘密を提供する場合、国会において所要の保護措置が講じられていることが必要でございますが、特定秘密を利用し、または知る者の範囲をどのように制限するかを含めまして、具体的にどのような保護措置を講ずるかにつきましては、特定秘密の提供を受ける国会において検討されるものと考えております。

○大口委員 適性評価についてお伺いしたいんです。
今、適性評価について、秘密取扱者適格性確認制度によりますと、適性を認められた各省庁の職員が約六万四千人と聞いております。これに都道府県警の職員あるいは適合事業者の職員を加えると相当の数となりますが、大体どれぐらいの規模、数になるのかをお伺いしたいのが一点でございます。
それから、そういう点では、大変多くの対象者になるわけです。それを二年間でやるということなんですが、質問票をしっかりと出して、質問票ベースできちっとやっていくということが大事だと思います。現行の秘密取扱者適格性確認制度ではこの質問票が公表されていないんですが、今回、やはり公表することによって手続の公正性を担保するというのが大事だと思いますが、いかがでございましょうか。

○鈴木政府参考人 お答えいたします。
適性評価の評価対象者の数につきましては、委員今御指摘のように、現在の秘密取扱者適格性確認制度における対象者が六万四千五百人であることに加えまして、都道府県警察の職員や適合事業者の職員も含まれるものでございますので、相当数の職員が対象となることが見込まれますが、現時点においては、確たる数を申し上げることは困難でございます。
また、適性評価を実施するに当たりましては、調査対象者本人の同意を得た上で、まず評価対象者に調査事項が記載された質問票を提出させ、その内容について、必要な範囲内において、公務所または公私の団体への照会等も含めた調査を実施することを考えております。

○大口委員 次に、二十一条の件でお伺いしたいと思います。
「出版又は報道の業務に従事する者」の意味なんですが、これにつきましては、岡田副大臣が、不特定かつ多数の者に対して、客観的事実を事実として知らせることや、これに基づいて意見または見解を述べることを職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う者、こういうことで、具体的には放送機関、新聞社、通信社、雑誌社の記者に限らず個人のフリーランスの記者もこれに含まれる、こういう説明があるわけです。
この規定に関しまして、ちょっと一部報道で、政党や各種団体が発行する機関紙による取材行為が含まれるかどうかということでございますが、私は当然、この二十一条二項の「出版又は報道の業務に従事する者」に含まれる、こういうふうに考えております。
二点目に、「専ら公益を図る目的」の意味ということでありますけれども、これにつきましては、出版、報道を伴う取材行為であれば、当然、「専ら公益を図る目的」というふうに推認できる、こう考えています。
この二点、お伺いします。

○森国務大臣 一点目でございますけれども、委員御指摘のとおりでございます。一部報道でそういう報道があったことは承知しておりますけれども、機関紙による取材行為も、広く不特定多数の方に客観事実を事実として知らせるものでございますので、これは報道等に該当するものと原則として考えております。
それから、「専ら公益を図る目的」についても、御指摘のとおりでございまして、もう本当に例外的に、テロリストが報道機関と偽ってテロのために情報を収集している場合などの例外的な場合のみでありまして、「専ら公益を図る目的」に通常の場合は当たるというふうに考えられます。

○大口委員 次に、法案の二十一条の第二項は、公明党が主張させていただきまして盛り込ませていただいたわけでございます。これは、外務省機密漏えい事件の最高裁判決の判例法理を条文化したわけでございます。こういう文言を私どもは提案させていただいたわけです。
取材行為の罰則の対象となるのは、「法令違反又は著しく不当な方法によるもの」と認められる場合に限っており、この「著しく不当」とは、相手が心理的に拒めない状態に陥らせ、その状態を利用するなど、取材対象者の人格、人権をじゅうりんするような取材行為が行われた場合がそれに当たる、こういうふうに考えておりますが、この点どうかが一点でございます。
そして、「正当な業務による行為とするものとする。」という意味でございますけれども、昨日の本会議で安倍総理は、報道機関による通常の取材行為は処罰対象となるものではありません、こう答弁をされたわけであります。この処罰対象となるものではないというのは、記者とか報道機関に対し任意、強制いずれの捜査も行われない、こういう意味と私は理解しております。この点、大臣にお伺いしたいと思います。
アメリカでも、オバマ政権になってから、メディアに情報漏えいを行った公務員に対するスパイ防止法の適用件数が六件と増加しているわけです。そういう点で、日本でも取材相手の公務員が特定秘密を漏えいしたとして逮捕されたり捜査の対象となった場合に、この場合、正犯がこういう形で捜査の対象になったり強制捜査の対象になったりした場合、例えば、証拠の収集のため、この取材者の職場である報道機関のオフィスやあるいは自宅を捜索する、捜査の対象とする、捜査の手が及ぶということはない、こういうふうに私は解しておりますけれども、いかがでございましょうか。

○鈴木政府参考人 お答えします。
著しく不当な方法につきましては、先生御指摘のとおり、取材対象者の個人としての人格を著しくじゅうりんするような対応のものがこれに当たるものと考えております。
また、漏えい事件が生じた場合の捜査の対象の話でございますが、通常の取材行為は正当業務行為として処罰対象となるものではございませんが、特定秘密の漏えいを行った公務員本人は本法案の処罰対象となり得ます。この場合行われる捜査につきましては、あくまでも個別具体の事例に即して判断をする必要がありますので、一概にお答えすることは困難であると考えております。
しかしながら、捜査機関においても、本法案に規定するとおり報道または取材の自由に十分に配慮がなされているものと考えておりまして、過去の中国潜水艦の防衛秘密の漏えい事件におきましても、取材提供を受けた報道関係者が取り調べられたということはございません。

○大口委員 大臣、今の答弁でございますけれども、やはり法令違反でない、また著しく不当な方法でない、そういう場合については正当業務行為だということですから、報道機関のオフィスにガサ入れが入るというようなことになりますと、これは著しい取材の自由の侵害になると私は思います。
ですから、これは、大臣、その捜査の対象にならないということを明言していただきたいと思います。

○森国務大臣 委員御指摘のとおり、国民の知る権利に資する報道、取材の自由をしっかり尊重してまいるということを条文にも規定したわけでございますので、報道機関のオフィス等にガサ入れが入るというようなことはないというふうにお答えをいたします。

○大口委員 ガサ入れということで、ちょっと。捜索、差し押さえということでございますけれども。(森国務大臣「質問のとおりにお答えしていますから」と呼ぶ)業界用語で申しわけございませんが、今、明快に森大臣にお答えいただきました。
さすが法律家でございますので、非常に今の答弁は重いし、そしてまた、捜査機関は、肝に銘じて、今の森大臣のこの答弁というものを、これは内閣の方針でございますので、しっかりとこれは遵守すべきだ、こういうふうに考えます。
以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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