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大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2013年11月13日

185-衆-国家安全保障に関する特…-12号 平成25年11月13日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
本日は、長谷部参考人、田島参考人、また春名参考人、永野参考人、ありがとうございます。
それでは、早速お伺いをさせていただきたいと思います。
まず、特定秘密保護法というものが現在こうやって議論されているわけでありますが、この必要性について、田島参考人は、必要はない、むしろ自衛隊法改正の防衛秘密保護についても必要はない、こういうお考えだ、こういうふうに思っております。それに対して、ほかの御三人の参考人の方は、この特定秘密保護法の必要性については、ある程度必要性を認めておられる、こういうふうに考えております。
国民に、やはりこの特定秘密保護法が必要であるということをわかりやすく、長谷部参考人、そしてまた永野参考人にお伺いしたいと思います。
そして、田島参考人でございますけれども、今回の法案がなくても、公務員の守秘義務、それから防衛秘密、あるいはMDAの特別防衛秘密や米軍の軍事機密の罰則があるということですが、例えば大臣とか、特別公務員は対象になっていないわけですね。これについて、秘密を守るということを課さなくてよろしいのか。それから、現在も、特別管理秘密について保護をしている、そして、それを担う取扱者についてはセキュリティークリアランスをしている。これは法的な根拠はないんですね。こういう法的根拠はなくてよろしいのか、お伺いしたいと思います。

○長谷部参考人 どうもありがとうございます。
この法律の必要性ということですが、必要性というのは、あるかないかという二者択一というよりは、いろいろな利益、場合によっては対立する利益を考えた上で、ある程度の必要性はある、そういう話なのではないかというふうに思います。
政府の保有情報の中に、やはり特別な保護の必要がある情報がある、これは私は否定しがたいことであります。そういった情報につきましては、何しろ、かつてとは違いまして現在は高度情報化社会でございまして、一旦その情報が漏えい等の形で外に出ていきますと、大げさに言いますと瞬く間に世界に広がりかねないということがございます。そこはかつてとは時代状況が違っていると思います。
また、これはアメリカの九・一一のテロ事件についてよく指摘されていることでございますが、本当は、アメリカのFBI等の各情報機関が持っていたテロ活動に関する情報を突き合わせていれば実はあれは防げたのではないか、そういうことも指摘されているところでございまして、やはりこういう形で、クリアランスを経た政府機関の人々が一定の情報、重要な情報を共有する、そして政府としての方針を考えていく、そういう制度の基盤をつくることには必要性があるというふうに考えております。

○永野参考人 お答えいたします。
先生からの、まず必要性に関する御質問ですが、先ほど答弁させていただいたとおり、秘密の指定、保全、そして将来それを解除して、後世にその判断が正しかったかどうかを仰ぐという、非常に意義のある法案と考えております。
それから、たしか刑法関係の御質問があったと思うのですが、今の一般職の公務員の皆さんに対して国家公務員法第百条で科されている刑罰が、外国から見たら恐らく軽過ぎる、そして実務的には執行猶予がほとんどの場合つくであろう、これで守れるのかという目で見られてしまうと思うんです。
今回の法律で、十年及び五年ということで一定程度実刑を担保する形、かつ、アメリカの加重類型のように、軍人に対して場合によっては死刑を科すというような、日本が急にそういうことをやるとやはり刑の均衡を失すると思いますが、この十年、五年というのは非常にバランスのとれた実効的なものとして、情報共有をする場合に外国政府に説明できるものだと考えております。
それから、クリアランスに関しましては、先ほど意見を述べさせていただいたとおりでございます。

○田島参考人 時間が長くならないように気をつけて話をさせていただきます。
私は、国家の秘密が要らないということは全然言っていないんです。秘密は認めるけれども、その保護の仕方については、いろいろな国際的な経験なり諸外国の経験も踏まえて、それにふさわしい形で保護のあり方を探求していく。それは、知る権利や情報公開を深刻に傷つけないような形で、知る権利や情報公開を大事にしつつ秘密の保護のあり方をどうするかという形の、やはり今回の法律だけではなくて、日本の現行法の仕組みも全部含めて、私は、全体的に精査をして検討をするということが必要かな、その手がかりの一つになるのが先ほど言いましたツワネ原則などで示されているルールなのかなという気がします。
そういうトータルに議論をした中で、例えば大臣にセキュリティークリアランスのチェックが要るかどうか、そういう大きな議論の中で位置づけて議論をしていくということで、要らないとか要るということを今直ちに私は言いませんけれども、そういう全体の中での位置づけをした上でやっていくのが必要かなというのが現段階での私の意見ということになります。

○大口委員 そういう点では、アメリカに十二年おられた春名先生、この秘密の保護はシークレシーということが一つの要請だ、ただ、やはりデモクラシーとのバランスが大事だ、できるだけデモクラシーを優先させてシークレシーの方は抑えて、こういうお考えであったかと思います。
この特定秘密保護法案を政府が出しているわけですが、これについての評価といいますか、必要性についてお考えをお願いします。

○春名参考人 これまで、政府の中でこういう形の手続的なものが定められていなかったので困ったという話をたびたび聞いてきたわけなんです。したがって、ある程度そういった形で機密指定の問題を合理化するという点では前進があったというふうに思いますし、それから、適性評価という形のものをつくるということも、政府職員の間ではやはり一定の安心感といいますか、そういった戸惑いがなくなってきたということがあるんじゃないかというふうに想定されていると思います。さらに、国会の関与というのを一定程度認めつつあるということで、その点も、代議制ですので、それは前進があったと思うんです。
ただ、やはり私のような立場ですと、基本的に言いまして、やむを得ないというふうな言葉になってしまうわけです。したがって、できるだけ秘密は少ない方がいい、将来の公開もしてほしいというふうなことを申し上げている、こういうことでございます。

○大口委員 我が国は法治国家でございますので、やはり、こういう人権に関係する問題につきましては、法律できちっと規定するということが大事だと思います。絶えず見直しはしていかなきゃいけないと思うんですけれども、大事だと思います。
そこで、私ども公明党におきましては、二十一条の一項、二項、一項につきましては、「国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。」これを入れさせていただきました。また、二項におきましては、「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。」正当な業務行為ということですから、刑法三十五条とあわせて、これは罰しないということでございます。
何か雑則に書いてあるからというようなお話がございますけれども、ちょうど刑罰の前に書かれている。しかも、「この法律の解釈適用」ということで、これが、解釈が適用になるんです。
ですから、もちろん、最高裁につきましては、五十三年の外務省の漏えい事件、西山事件があって、あるいは後の裁判を事実上拘束するということがありますが、法律できちっと書くということも大事。
そしてまた、捜査機関でありますとかあるいは行政が、知る権利に配慮し、報道の自由、取材の自由に配慮するということで、秘密の指定や解除等についても当然これを基本としてやっていくということで、全く意味がないということではないんじゃないかな、こういうふうに思っているところでございます。
この点につきまして、永野参考人、お願いいたします。

○永野参考人 お答えいたします。
私は、先ほど、知る権利を直接に規定するということにはやはり問題がある、逆に縮減効果等を生んでしまうというところで、公明党が提案されて、その条文に報道及び取材の自由について書かれたことは非常に意義があることであると思っております。
一方、報道と取材の自由をもっと平文で書いたらどうだという御意見もあるかもしれませんが、私は、アメリカの方を見ておりますと、それは実務上難しいところがあるというふうに考えております。
先ほど春名先生が御紹介になった、二〇一三年情報法の、何と訳していいんでしょうか、自由に流すための法律というのが、上院の司法委員会で可決されました。アメリカの国会も今もめておりますので、上院で可決されるかどうかわかりませんが、問題となるのは、報道機関あるいは報道関係者の範囲です。
先日、私、この委員会の中継を見ておりまして、岡田副大臣だったと思いますが、一定の見解を示されたと思います。
ただ、この委員会で触れられていない点につきまして申し上げますと、メディアとか報道関係者の定義から、外国の権力あるいはそのエージェントというのが排除されています。これは何を意味するかといいますと、報道機関の、例えば新聞記者として来ているという人が外国のエージェントである場合がある、あるいは、例えば日本の新聞社の方が、何か弱みを握られて外国のインテリジェンス機関の手先になってしまっている、こういう事例を、先生、法曹資格をお持ちですからおわかりだと思いますが、全く排除してしまうということはできないわけであります。
そこで、これは情報秘匿特権を正面から定めたものなんですが、そこのところだけはどうしても定義で書いておかざるを得ない。ほとんどないと思いますけれども、やはりそういう配慮も必要だというふうに考えております。
以上であります。

○大口委員 田島参考人、この点についてお願いしたいと思います。

○田島参考人 全部、全くゼロかどうかというと、ゼロではないかもしれないですね。だけれども、本質的な意味はないというのが私の理解の仕方です。
それで、私は、一つは、国家秘密法というのが八〇年代半ばにありまして、あのときにはちゃんと処罰規定が入っていました。なぜ今回そうならなかったのかというのは、ぜひ皆さんで御議論をいただきたいというのが一つ。
それからもう一つ、先ほどのツワネ原則の中では何と書いてあるかというと、非公務員、ジャーナリストや市民も含むんですけれども、これに対して処罰はしてはいけないということを明確に書いてあります。しかも、情報が流出した際に取材源、情報源をたどるようなこともいけない、禁止する、そういうことも言っております。
ですから、本当に取材の自由や報道の自由をきちんと担保するのであれば、やはりそういう形でやらない限り保障にはならないのかなと思います。

○大口委員 この指定につきまして、やはり恣意性を排除する必要があるということで、第三者機関のチェックということが先ほどからも議論になっているわけです。
それで、アメリカの制度、情報保全監督局という、これはアメリカの国立公文書館に所属しているわけです。アメリカの場合は独立性がある。ただ、日本の場合は、公文書館というのも内閣府に所属するということで、ちょっと質的に違うと思うんです。
ただ、この情報保全監督局というのは二十八名だそうですね、この部署の方というのは。しかも、これは大統領令に基づいてやるということで、大統領国家安全保障担当補佐官と連携をしながらやるというので、純粋な第三者的な機関なのかどうかということが一つ。
あと、省庁間の上訴委員会、これにつきましても、今、永野参考人からもお話がありましたように、メンバーがまさしく行政の秘密を扱うメンバーであって、朝日新聞等には、こういうものを参考にすればいいんじゃないかということが書いてありましたけれども、これもまさしく行政機関の中枢がメンバーの委員会だということですので、なかなかアメリカのデータを参考にしづらいなと。
そういうこともありまして、私どもは、まず、特定秘密の指定、解除、更新の各手続、あるいは指定期間の基準ですとか別表の細目ですとか、それから、定期的にそういう指定、解除、更新状況を報告するということのチェックで有識者会議というのを設けたわけなんですね。
この点につきまして、アメリカの制度というものについて日本に導入できるのかどうか。日本においては、どうしても内閣官房、内調が中心になって、それを第三者の目ということで有識者会議でやるわけでありますが、内閣官房でさらにチェックできる仕組みというものが、この有識者会議との関連も踏まえて、永野参考人にお伺いしたいと思います。

○永野参考人 お答えいたします。
アメリカにおきましては、大口委員が御指摘のとおり、実は、情報保全監察局長というのは、行政内部、国立公文書館の館長から指名されて大統領が任命している職です。
委員が御指摘になったとおり、ホームページ等に掲載されている人数も二十八名です。それほど予算も多くなくて、大体日本円で九十八円換算でいきますと四億三十三万円でありますから、全部の機密をチェックできるわけはないわけですね。そこで、サンプリングとか、重要な部門を、大統領令が確実に施行されているかどうかをチェックする機能を担っているのだと考えております。
ちなみに、現在の情報保全監察局長の前職は、国家情報官にインテリジェンスの方法等を進言する国家情報副本部長補でした。それ以前は中央情報局、国家偵察局に勤務しているということで、御出身は情報機関の方であります。
こういうことを考えますと、やはり情報をどういうふうにチェックし分類するかということは、インテリジェンス関係の御専門の知識があった方がいい。それが内部で実際に施行されているかどうかのチェックだと思います。
それと、今回の法案の有識者会議は、恐らく、機密解除の期間等とかあるいはそれに伴う方法等を決める、直接に機密解除の是非を判断するところではないというふうに認識しております。

○大口委員 時間が来ましたので、これで終わります。
ありがとうございました。

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