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大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2013年11月19日

185-衆-国家安全保障に関する特…-15号 平成25年11月19日

○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
このたびは、青山参考人、三木参考人、西村参考人そして前田参考人、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。
まず、青山参考人、もう共同通信で二十年やっておられて、なおかつ、さまざまな、政府のいろいろなお務めを、審議委員等をやられておったということで、今回の特定秘密保護法では、確かに外国との情報の共有ということもあるんですが、もう一つ、例えば、防衛省あるいは自衛隊の情報がなかなか、外務省に渡すと心配だね、また逆の場合もある。あるいは、警察の公安の情報が、外務省に渡すと心配だね、こういうものがあると思うんですね。そのあたりの実態について多分お詳しいんじゃないかと思うとともに、この秘密保護法を制定することによってそこら辺が解消されるのかどうか、そこをまずお伺いしたいと思います。

○青山参考人 おもねるわけではなく、今の大口先生の質問は、僕にとって一番聞いていただきたかったところであります。
実は、最初の意見陳述のとき、十五分という時間制約がありましたからそれは申しませんでしたが、例えば、拉致問題対策本部が我が日本にあります。政府にあります。厳しいことを言うようですが、本来の機能を果たしていません。
それはどうしてかというと、これは先ほど意見陳述の中で少し申しましたが、十一年前の日朝首脳会談の後、朝鮮総連の内部からも協力者があって、拉致被害者が今どうしていらっしゃるかも含めて、公開されざる情報、実は、日本の交渉のカードとしても、少なくとも日朝首脳会談が開かれるよりはずっとあります。
ところが、それが、拉致問題対策本部の中では情報共有がほとんどされていません。なぜかというと、特定の省庁のことを言うわけじゃありませんが、拉致問題対策本部も予算をつけなきゃいけない、あるいは予算をとらなきゃいけないですから、財務省の方も当然来られていますが、財務省と、例えば警察庁なら警察庁と、省庁の縦割りということももちろんありますけれども、それよりももっと大きいのは、財務省から来ている人を信用しないわけじゃないけれども、しかし、担保がないからその情報を共有できないので、したがって、予算をつくるときに、拉致問題対策本部で、本当に拉致被害者を取り返すために、奪還するためにどんなお金が必要なのかということが協議できないでいるわけですよ。それがずっと続いているわけです。民主党政権下でも自民党政権下でも実は同じであって。
そういうことからすると、まず私たちの一番大事なテーマであるところの拉致被害者を最後の一人まで取り返すためにも、特定秘密と指定されたものについてはちゃんとルールができて、そうすると、恐らくは、これは本当に僕の実感として申しますが、拉致問題対策本部は初めて本当の力を発揮するようになり、十一年間続いてきた、例えば、朝鮮総連だけを取り上げるわけじゃないですけれども、そこから得た、いわば志のある、つまり、在日朝鮮人の方々も、間違っていることは間違っていることとして、フェアな正義のため、あるいは、本当は生まれ育った日本のために役に立ちたいと思っている方もいらっしゃる。そういうものが生かされるような予算がつくられたら、拉致問題対策本部は初めて機能するようになって、交渉のカードが実は何倍にもなるわけですね。
もう時間があれですけれども、先生がおっしゃったことの中で、あるいはほかに本質的なことは、日本は、かつて外務省と防衛庁でありました。そのときは、いわば軍事力を一切背景としない外交だけでしたから、外務官僚だけ悪者にされますけれども、世界のどこに軍事力をバックグラウンドとしない外交があるでしょうか。あの悲惨な第二次世界大戦を経て人類が得たことは、もはや軍事力は、戦争のツールというよりも、侵略戦争の道具ではなくて、むしろ外交のツールなんですね。
防衛庁の時代にはそれがほとんど発揮できなくて、防衛省になってようやくそこもいわば車の両輪になって、ある程度防衛力も抑止力も背景にした外交ができるはずですが、ところが、その防衛機密について外務官僚がタッチできる部分がなくて、本当は、在外公館、日本を離れた場で個人的にわずかにやりとりされていたりするだけで、本省レベルではそれがもう全く、巨大な壁が立ちはだかっていて、防衛庁が防衛省になっただけで、日本の外交は何ら改善されていないという現実があります。
したがって、特定秘密保護法を、修正を経て、よき形で成立させれば、日本外交にとっても実は有益になる、これは私のささやかな信念として考えております。
ありがとうございます。

○大口委員 今、青山参考人ならではの視点からの特定秘密保護法についての必要性、もちろん修正もしなきゃいけませんよという条件つきではありますけれども、御意見を賜ったと思います。
次に、特定秘密につきましては、一応、我々の案では、三十年が経過しましたら、内閣の承認を得て、特にその更新が必要なものについてだけ更新をする、原則としては三十年で公文書館に全部移す、こういう提案を今させていただいています。
そういう中で、では、これは百年たっても公開しないのか、六十年、八十年、百年と、そういうような御指摘も維新の会さん初め皆さんからいただいているわけです。
そういうことで、内閣が承認できる場合をやはり限定列挙すべきだというようなことが青山参考人からもありました。私どもも、それもいろいろ工夫していかなきゃならないな、こう思っているわけでありますが、アメリカにおきましては、二十五年、しかし、五十年超で自動機密解除というのを、五十年あるいは七十五年という形でやれるようになっている。
ですから、ある一定の事項以外はもう原則として二十五年でオープンにすべし、こういうことで、その例として、秘密の人的情報源、人的インテリジェンスの情報源、あるいは大量破壊兵器の開発、生産、利用に寄与することになるような情報開示、あるいは暗号、あるいは兵器システムの最新技術、あるいは作戦関係の計画、外国との関係、あるいは、大統領、副大統領、あるいは国家安全上の利益の観点から警護を要するその他の個人を保護することについての連邦関係者の現在の能力を損なうことになるような情報開示等々、いろいろ項目があって、この項目については、その二十五年の例外、あるいは五十年超の例外、七十五年の例外という形になっているわけでございます。
こういう特定秘密の期間、三十年たちましたら原則公開でありますとか、ある一定の場合は更新を認める、ただ、その更新を認めるという場合、限定列挙すべきだということについて、前田参考人、我が党にも来ていただきましたけれども、お伺いしたい。そしてまた、青山参考人にもこの点についてお伺いしたいと思います。

○前田参考人 お答えいたします。
刑罰法規のことではございませんのであれですが、法的な感覚からいいますと、具体的に限定してというか、例示列挙にした方が明快になるというのはそのとおりなんですが、そこのところは、やはり結局は、法益衡量といいますか、どれだけ重要なものかというのと、それから、それが出てしまうとどういうマイナスがあるか、もう一つは、それを国民に知らせなければいけない必要性がどれだけあるかというバランスで、今まで出てきたような、情報源の人の名前とか暗号とかというのは類型化できるのかもしれない。
ただ、それは、今まで御議論を我々が伺っていた範囲では、三十年で切って、内閣なりがそれなりのチェックをするという形で判断するというやり方で十分といいますか、あらゆるものをそういう具体的な例示として出していくというアメリカ型のやり方が日本の法制度としてぴったりかどうかというのは、ちょっと考え方がいろいろあり得る。
もちろん、そうすると逆に曖昧性が伴うということなんですが、その判断の基準で、判断者に対しての信頼度とか、やはり文化の問題がありますので、私は、単純に全部を書き上げることがいいことだというふうには必ずしも思っていない。できれば可能なんですが。あと、動いていきますし、新しい問題も出てきますし、その辺の判断はあり得るんだと思っております。

○青山参考人 お答えします。
二点あります。
一点は、永遠に秘とされる情報はあると考えています。
例えば、情報提供者の氏名やその身辺情報。百年たったら、その人はもちろん生きていないだろうし、親族ももう入れかわっているからいいだろうという考え方は、考え方としてはあるようでいて、特に、例えばアメリカ社会と日本の違うところの一つは、名誉を重んじるということもあります。したがって、百年先には情報が出てしまって、しかも、逆に、百年たったときには、自分がなぜこの情報を例えば日本政府に提供したかということが恐らく非常につかみにくくなると思います。
したがって、安定的に信頼度の高い情報提供者を確保するためには、あなたの個人情報、個人情報というのはいわゆる個人保護法と違う意味ですけれども、あなたの身辺の情報については永遠に公開することはありませんから日本国民のために例えば秘とされることを教えてくださいというのでないと、実際のインテリジェンスは機能しなくなります。
したがって、永遠の秘密というのは存在しますから、逆に、最初に、この部分はいわば絶対の例外なんですということを非常に具体的に、細かく決めませんかと提案いたしたわけです。
それからもう一つは、さっき言いましたとおり、日本にとっては新しい取り組みでもありますから、例えば、二十五年、それから五十年、七十五年というふうに細かく区切っていくというやり方は、僕は賛成できないです。
あくまでこの法案は実務に供するものです。理念は、さっき言いました一のところに盛り込まれていて、それも日本にとって大切な変革ですけれども、実際に使うものですから、わかりやすく、一般の、関心がひょっとしたら薄いかもしれない人々にとっても、主権者ならわからなきゃいけないので、原則五年で公開するか、あるいは、三十年を過ぎても公開しない、永遠に続くか、わかりやすい仕分けにした方がいいと思いますから、細かくカテゴライズ、分類することは、僕は賛成できないです。
ありがとうございます。

○大口委員 ありがとうございます。
三木参考人、防衛秘密についていろいろ研究をされたということでございます。
防衛秘密は、公文書管理法の適用除外を三条でしているということですから、廃棄も防衛大臣ができる。これは、総理の同意は必要ない。今回、そういうこともありまして、私ども、特定秘密につきましては、これは公文書管理法の適用を受けるようにすべしということで、そうなります。その防衛秘密についていろいろ研究をされた中で、御示唆いただけるものがあればと思います。
そして、西村参考人、これからサイバーの攻撃ということについてもいろいろ対応しなければならない、こういうふうに思っておりまして、そういう点で、この法案との関係で、やはり、サイバー攻撃に対して防御をするためにも、こういう方法が必要だということをお教え願えればと思います。

○三木参考人 防衛秘密は、確かに、私、大分調べさせていただきました。
おっしゃられたとおり、公文書管理法の適用除外ということで、その問題が明らかになってから、とりあえず防衛秘密についても廃棄を凍結ということになりましたので、出口のところについて、今、大出血状態だったものは一応止血はされたということで、それは大変前進だというふうに理解をしております。
ただ、やはり、この間、公明党のプロジェクトチームで提供された資料などは、議員がホームページで出しておられたのでよく拝見させていただいておりますが、政府の説明によれば、管理のルールではなくて、廃棄と移管のルールだけ適用するということをずっと説明されていると理解をしております。
記録の管理、特に廃棄と移管というのは、これは、公文書管理の中では、文書の作成と一体管理というのがあって初めて適切に廃棄と移管の判断ができるということを前提につくられているものです。現在の防衛秘密は、その前の段階の記録の管理、それから作成の部分について明確な法的なルールがないということが非常に問題であると思っています。
防衛秘密は、この間、訓令ですとか、あとは事務次官通達による解釈運用基準とか実施要領とか、いろいろと見させていただいたんですが、記録をどう利用するかとか、どういうふうに物理的に管理するか、あとはアクセス管理をどうするかということには物すごく細かいルールがあるんですが、肝心の、記録としての一体管理というルールが全くありませんでした。
例えば、大臣が決定権者で指定をされますので、大臣の手元にどのような記録が残るかというと、指定した秘密の事項の内容とか、それからあと、別表のどの号に該当するのかというものは残るんですが、例えば保存期間ですとか秘密の指定期間のようなものは、実はその記録簿には記載項目がないんです。局長級が持っている記録簿にも、明確に保存期間とか秘密の指定期間の記録がない。全体を見ていると、いろいろな登録簿や管理簿がございまして、幾つか重ね合わせるとどうもわかるようだというところまでしかやはりわからなかったんですね。
ですので、秘密であっても、国民の知的共有資源としての記録の管理ということはやはり必要なのではないかと思います。

○西村参考人 お答えいたします。
サイバーに関しては、一つ問題になってくるのは、先ほどちょっと時間がなくて申し上げることができなかったんですが、民間企業との連携といいますか、それが非常に重要になってきます。というのは、当然、それはコンピューターのメーカーであるとか、あとインフラの部分、そういった企業とどれだけ特定の秘密を共有して守っていけるかという、その視点もぜひ考慮していただきたいなと思います。
それと、繰り返しになりますけれども、サイバーの場合も、防御するためには、ノウハウとして、要するに攻撃するノウハウがないと防御できないんですね、こちらが攻撃するということではないにせよ。その辺が、もし、例えば防御を研究するときに、従来の、戦後日本のならわしで何らかの縛りがあって攻撃の研究ができないとか、そういうことになると実は防御もできないということが、特にサイバー空間においては非常に顕著であるということを、ぜひ御理解いただければと思います。

○大口委員 前田参考人に、刑事法学者として、お伺いします。
今、維新の会さんからもお話がありました。スパイ目的の場合は、違法な目的であるけれども、特定秘密を取得する行為の態様は問わないで罰する、こういう考え方もMDA法なんかにはあるんですが、私は、どちらかというと、そういう違法な目的だけで罰するというのはいかがなものかという感覚があるんです。どうしても法律家としてはそういう感覚があるわけですね。
今、私どもが提案しているのは、この取得行為というのは、目的犯としてやる、要するに、ちょっと目的が広くなります。外国の利益もしくは自己の不正の利益を図り、または、我が国の安全もしくは国民の生命もしくは身体を害すべき用途に供する目的で、人を欺き、人に暴行を加え云々、そういう違法行為によって秘密を取得したと。
こういうことで、目的を取得行為の全部に課するという形になれば、報道目的の場合は、手段が違法の場合は、住居侵入とか器物損壊とか、そういうものでは罰せられますけれども、取得行為では罰しないということを、今回、与党では提案をしているところなんですが、この点につきまして、前田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

○前田参考人 御質問ありがとうございます。
目的で絞るか、ただ、目的の認定はやはり客観的な行為態様みたいなもので挙証していかなきゃいけないことにはなると思うんですが、一つのやり方だとは思います。
ただ、それは御判断で、各政党間の調整だとは思うんですが、今までのものの態様を動かしてまでそこの目的規定を入れるメリットがどこまであるかなと。あと、やはりさっき申し上げたことなんですが、今まで積み上げてきたものを動かすと、法律の構成要件というのは穴ができる可能性もありますので、ちょっと時間がかかる。ただ、余りそこのところに時間をかけるだけのメリットがある修正なのかという感じが、私は、法文自体は勉強を十分していないのですが、伺っていて感じました。

○大口委員 時間になりました。ありがとうございます。

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