大口よしのりの政策・実績

大口よしのり国会質問

大口よしのり国会質問

2013年11月29日

185-参-国家安全保障に関する特…-10号 平成25年11月29日

○井上哲士君 そこで、四党の修正案提案者にお聞きするんですが、この修正では指定の有効期限の上限を原則六十年とされました。報道を見ている限り、協議の中で維新の会やみんなの党から六十年という提案はされていないようなんですが、修正協議の中で一体誰が六十年ということを言われたのか、そしてなぜ五十年でも七十年でもなく六十年になったのか、それぞれお答えいただきたいと思います。

○衆議院議員(桜内文城君) お答えします。
この有効期間の延長の上限についてでありますけれども、私ども、元々最初の政府案におきまして問題視しておりましたのが、三十年を原則上限とするという文言であったんですけれども、そこから内閣の承認があれば無限に延長できるというような制度の立て付けになっておりましたので、それはさすがにいかぬだろうということで、何かしら上限を設けるべきだということを主張いたしました。
その際、特に六十年ということによほど意味があるわけではありませんけれども、三十年というのがまず原則とすれば、そこから毎年五年ごとに内閣の承認を得て延ばしていくとしても、普通に考えましてやはり倍が、倍の六十年というものが上限にふさわしいのではないかということで、そこは与党との話合いの中で今回六十年を、延長する場合であっても六十年を上限とするというふうな形になっていった次第でございます。
そして、その際、私どもの方は、単にその上限を設ける、政府案が無限に延長できるという立て付けだったものですから、上限が必要だということと併せて政府に修正案として申入れをいたしましたのが、三十年を超えて延長した場合に内閣の承認が得られなかった場合、あるいは有効期間がその後やってきてそれで指定が解除される場合、いずれもこれはやはりそのまま国立公文書館に移管されずに廃棄されるものがあってはいけないと、やはり検証に堪える、歴史的な意味でも検証に堪えるものとする必要があるということで、全て公文書館に移管するというふうな形の修正をお出しいたしまして、これは与野党で合意したところでございます。

○井上哲士君 つまり、維新の会が六十年を提案したという理解でいいんですか。

○衆議院議員(桜内文城君) 上限を設けろということがメーンの主張でありまして、その年限が五十年なのか六十年なのかというところは与野党の話合いの中で出てきた数字です。ちなみに、そのときに私の記憶では、与野党で話合いをする中で、アメリカの例を取れば七十五年が一応の上限になっているという例を聞きまして、それよりも短いものにしようというふうな修正協議の中身であったと記憶しております。

○井上哲士君 各党そういう認識でよろしいんでしょうか。今のでいいますと誰が提案したのかよく分からないのですが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(大口善徳君) 今、桜内委員がおっしゃったように、アメリカの方は二十五年、それから五十年超、七十五年超と、こういう節目節目があります。それで、例えば、スパイの場合です、要するに人的な情報源の場合ですね、今三十歳としたならば三十年後は六十歳で御存命なわけですよね。さらに、六十年後であってもこれは御存命の場合があると、あるいはその家族があるということで、やはり人的な情報源というものは、これは例外は認めざるを得ないんですね。ですから、アメリカも七十五年超の場合も認めているんです。
そういうことで、三十年でまず区切ると。三十年を超えた場合は内閣の承認が必要であると。その場合は、そして六十年で更に絞ると。三十年、三十五年、ずっと五年ずつ内閣の承認を必要とする。六十年になりますと、これは七項目なんですが、これ、私が質問しまして、総理も答弁していただきましたけれども、三十年の段階でもこの七項目を基本とするという形でやらさせていただいています。
いずれにしましても、半永久的に延びるということはいかがなものかと、こういう御指摘があって、維新の会さんからそういうお話もありましたので、それを踏まえて、アメリカの制度も踏まえてやらせていただいたと。ちなみに、イギリスは百年超というような基準もございます。
以上です。

○井上哲士君 最初の答弁では、六十年に意味があるわけではないが倍が上限というふうに言われました。倍返しという言葉が今年はやっているようでありますが、国民にとっては三十年秘密になって、更に倍に延びるわけですから、全く逆の方向になるわけですね。
外務大臣にお聞きしますけれども、修正部分で、特定秘密の指定の六十年上限の例外事項として、今ありました七点が盛り込まれました。第二号の、「現に行われている外国の政府又は国際機関との交渉に不利益を及ぼすおそれのある情報」というのは、これはどういうものを想定されているんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) この法律上、特定秘密の指定に関しましては、外交分野において、まずこの別表に該当する事項であり、そしてその漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあり、真に必要な部分を個別具体的に検討し、そしてその上で今後策定される外部の有識者の意見を反映させた基準も踏まえて検討していく、このようになっております。
こうした手続を経て、この指定された特定秘密が六十年たち、そして今御指摘になった、「現に行われている外国の政府又は国際機関との交渉に不利益を及ぼすおそれのある情報」、この例外事項に当たるということを考えましたときに、例えば長期間にわたる領土交渉等に関する情報が御指摘の情報に該当し得るというふうには考えます。

○井上哲士君 例えば、私、昨日も安保条約の改定時の問題も質問いたしましたが、そうした安保にかかわる、制定時にかかわる様々な情報というものも、現に安保に基づいてアメリカとの様々な交渉がありますが、こういうものは該当するおそれはないんですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 実際には、先ほど申し上げましたように、別表に該当し、そして漏えいが安全保障に著しい支障を与える真に必要な部分のみを検討する、そして今後策定される横断的な基準を踏まえて検討するということでありますので、個別にどのようなものが特定秘密にまず該当するかは、これ一概には今の段階では申し上げることは難しいとは思います。
領土交渉などが該当するのではないかと今申し上げましたが、領土交渉の場合、現実かなり長期間にわたることが想定されます。そういったことで、今も例示として申し上げさせていただきました。
日米安保にかかわる問題について該当するのかという御質問に対しましては、やはり個別的に検討してみないと一概には申し上げられないのではないかと考えます。

○井上哲士君 昨日もありましたけれども、現に安保にかかわって様々なものが秘密や非公開になってまいりまして、私はこの二号によって安保に関する情報が広く当てはまる可能性が高いと思うんですね。しかも、この例外事項の第七号には、「前各号に掲げる事項に関する情報に準ずるもので政令で定める重要な情報」というのが盛り込まれました。これでは、際限なく対象が拡大をして、多くは永久秘密になってしまうんじゃないかと、こういう懸念が当然出てくるわけであります。
そして、今申し上げましたように、安保条約と日米行政協定、そして日米地位協定にかかわる当時の議論の大半は公表されておりません。それから、その後、日米合同委員会でも合意をしたとされることは発表されますけれども、実際には合意内容で発表されたものが一部内容が隠されていたというケースもありますし、議事録についてはアメリカの合意が必要だといって公表されていないというのが実態ですね。
大変幅広いものが非公表、秘密になっておりますが、日米安保や行政協定、地位協定にかかわるこの不公表の文書というのは現在幾らあるんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 日米安保条約、また日米地位協定等に関連する文書の数、極めて膨大であります。不公表としてきている文書の数、これを網羅的にお答えするのは困難であります。政府としては、可能な範囲内でその内容を対外的に説明するよう努めてきております。

○井上哲士君 網羅的に困難と言わざるを得ないほど莫大な文書がずうっと不公表、秘密になっているわけですね。
旧安保条約の発効から既に六十一年間経過をしておりますけれども、こうした一連の文書というのはそれぞれいつ公表されるんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 日米安保条約あるいは日米地位協定に関連する文書ですが、今申し上げましたように、可能な範囲で内容を対外的に説明するよう努めてきております。
例えば、日米合同委員会合意の合意文書自体は原則として不公表とされてはおりますが、平成八年のSACO最終報告において日米合同委員会合意を一層公表することを追求するとされていること等も踏まえて、政府としては、米側と協議の上、この日米合同委員会の合意を公表し、ホームページ上に掲載をしてきております。今後ともこうした努力は継続していく考えであります。

○井上哲士君 旧安保条約発効から既に六十一年経過しておりますが、例えば、その当時のものなどはもう私は全て公表すべきだと思いますが、されるんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) ただいま御説明させていただきましたように、合同委員会合意の合意文書などは原則として不公表とされていますが、必要に応じ米側と協議をし、そして協議の上でこの公表に努めている、こうした手順を踏んでおります。今後ともこうした努力を続けていきたいと考えております。

○井上哲士君 結局、これまで、ほとんどの日米合同委員会の協議についてもアメリカから公表の合意を得ていないということで、幾ら要求をしても出てこなかったというのが実態ですね。そして、昨日私質問しましたように、アメリカの公文書館では公表された様々な文書、核密約だけじゃありません、いろんなものを幾ら示しても認めないという態度をずっと取ってきて、本当に大変多くの文書が非公開、そして秘密になってきたというのが実態なんですよ。
そこで、森大臣にお聞きいたしますが、こうした現在外務省の既に秘密文書になったり非公開になっている文書、つまり過去の文書もこの法律ができたら特定秘密の指定というのは可能になるんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 特定秘密はこの法案の別表に該当するもので、非公知性、そして特に秘匿する必要性があれば外務大臣が指定をすることができますが、現行の特定管理秘密、その中でというふうに考えております。

○井上哲士君 つまり、今から新しく秘密になったものではなくて、過去の文書についても指定が可能だということで確認してよろしいですね。

○国務大臣(森まさこ君) 過去の文書についても、今申し上げましたような要件を備えた場合には指定をすることができます。

○井上哲士君 つまり、遡及するんですよ。六十年前の文書が今だって公開されていないんです。それが今後六十年上限ということになりますと、百二十年間秘密になるんですよ。永久秘密に等しいじゃありませんか。そんなのでいいんですか。
修正案提案者、どなたか答えてください。

○衆議院議員(桜内文城君) お答えします。
修正協議の過程におきまして、今委員御指摘のような過去の文書の扱いについて特に議題に上がったわけではございません。ですので、私どもとしては、基本的に先ほど申しましたように原則三十年というのがまずありまして、そこからとにかく無限に延長が可能だということを押しとどめようということで上限を設けたという趣旨でございます。

○井上哲士君 全然上限になっていないですよ。過去の、既に六十年前からたくさんの文書が、安保でいいますと、それが、これを指定すれば更に三十年、そして例外を設けて六十年、それ以上もあり得ると。百二十年間それだけでもなるんですよ。とんでもない話だと思うんですね。
私、昨日の質疑で紹介をしました村田良平氏、彼は一九八七年から八九年まで外務次官を務めておりました。それから二十年後の二〇〇九年に自分の著書で核密約の存在を認めて、マスコミで明らかにして、そして実は翌年に逝去されました。沖縄返還時の核持込み密約を明らかにした若泉氏は、一九六九年に佐藤総理の命を受けてキッシンジャーと協議をして、秘密の合意の準備をしたということを二十五年後に自分の本で明らかにして、それは一九九四年ですよ、その二年後に亡くなられました。
私は、現役の責任ある地位でいろんなことを行ったことを命あるうちに明らかにして歴史の検証にしてもらおうと、そういう思いがこの人たちにあったんではないかと私は推測するんですね。そして、だからこそ、当時存命だったから事情も聞けましたし、周りの人も聞けたんですよ。それが三十年でも困難だけれども、六十年になったらどうなるのか。しかも、百二十年もあり得るんですね。
先ほど大口提案者から、そういう家族や関係者も含めて聞くことができると言われましたけれども、できないんじゃないですか。

○衆議院議員(大口善徳君) まず、私は、今例を挙げたのは人的情報源です。例えば、某国においての情報を、大量破壊兵器の情報あるいは国際テロの情報、そういうものを提供してくれる方がいらっしゃいます。その方が、今例えば二十歳だとした場合、三十年後だと五十歳ですよね。まだ御存命なわけです。それで、名前を明かした場合は、その方は国家反逆罪で処刑されるかもしれません。それから、家族もいますわね、お子さんだとか、そういう方にも累が及ぶ場合があるわけです。
だから、いろいろな場合がありますから、まず三十年で、これは七項目も三十年でも基本的には適用して、そしてそれを絞るわけですよ。三十年たったら五年ごとに内閣の承認が必要ですから、そのときは非常に限定した形でやる。六十年たてば更に絞っていくと。ただ、六十年たっても、例えばその方のお子さんに累が及ぶような、そういう国もありますわね。そういう場合は、そこでもやはり指定せざるを得ない場合があるわけですよ。そういうことですので、そういう全く例外がないということはないものですから、アメリカでも七十五年超、あるいはイギリスは百年ですか、そういうこともあるわけです。
先生、だからそこを否定されると、もう日本、某国から、どの国、国名かは言いませんけれども、某国からも情報が入ってこなくなる。大量破壊兵器のそういう情報が入ってこなくなる、国際テロの情報が入ってこなくなる。これは日本の国民の生命、財産、身体を著しく傷つけることになりますわね。ですから、的確な情報が必要だと。
しっかりとした情報が、正確な情報が入るならば、それは紛争を未然に防止することができるんです。今回、国家安全保障会議が発足しました。そこで、やっぱり正確な情報が入手されるということによって、この政策を、外交政策、防衛政策を過たないようにしていくと、こういう必要もあるわけでございます。

○井上哲士君 外交政策、防衛政策が誤らないように国民の検証が必要なんですよ。それができなくなるということを私は聞いたのに、全く違う答弁をされました。
まさに、事実上の永久秘密にして歴史の国民的検証をできなくするようなことは絶対許せないと申し上げまして、私の質問を終わります。

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。続けて、修正案提案者に伺いたいと思うんですね。
第三者機関の検討だということで置かれた附則九条について、昨日も話題になりました。そこで、まずお尋ねしたいんですが、ここに言う、「独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関」というこの概念なんですが、この機関というのは、膨大な情報の中から特定秘密として指定されるというその個別指定について、これ、判断を正す、あるいは解除をさせるということができるという機関なんですか。

○衆議院議員(中谷元君) 米国におきましても、省庁間の情報保全をチェックするために委員会があったり、また公文書館の中に情報保全の適正委員会、適正の組織もありますので、他国でもそういう形で適正な運用がされているかどうかチェックされていますので、そのようなものを参考に検討するということでございます。

○仁比聡平君 つまり、個別指定を正す、そういう解除を行うということですか。

○衆議院議員(中谷元君) 附則九条によってこの法律の適切、適正な運用をチェックする方法を検討するということでございます。目的というのは、その情報を検証し、そして監察をするということでありまして、どのような組織が適切かどうか、これは政府で検討されると思います。

○仁比聡平君 この点について、今、中谷議員が御答弁されていますが、昨日、総理がその判断に資するために内閣の中に情報監察を行えるような機関を設けまして、これは総理に進言をしたり、またその中の結果を総理に上げるなどによって総理大臣がより的確に判断できる、そのようなことで考えておりますと、そうした御答弁されているんですが、今の個別指定の解除も含めたことができるんだみたいなその独立の機関というものと、この中谷議員の答弁というのはどういう関係になるんですか。

○衆議院議員(中谷元君) これは本則の十八条と附則九条との関係でございますが、我々衆議院段階で、みんなの党そして日本維新の会とこの修正協議、そして民主党の皆さんも、民主党の出された対案につきまして政策協議をしておりました。この中で、当初は総理の、一元化というか、総理がリーダーシップが発揮できるように十八条の規定を提示をいたしましたら、日本維新の方から、それではまだ不十分であると、しっかりとしたチェックができる組織が必要であるということの申出がありまして、附則九条を置いたわけでございます。

○仁比聡平君 今お話に出た十八条なんですけど、この四項に、総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、内閣を代表して行政各部を指揮監督するものとする。この場合において、総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施が当該基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、資料の提出や説明を求め、あるいは指定及びその解除、適性評価の実施について改善を指示することができると、そうなっているわけですよね。
つまり、今の中谷議員の答弁は、この十八条に言う内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督の権限を進言する、昨日の御答弁でいうと、進言するために附則九条の機関が置かれると、そういう意味ですか。

○衆議院議員(中谷元君) 本則の十八条におきましては、内閣総理大臣がそういうものをまとめるという、指揮監督をするという権限の規定でございます。附則九条というのは、チェックをする、言わば各省が行っているこの指定が正しいものであるかどうか、それをチェックする機関を置くということでございます。

○仁比聡平君 よく分からないんですよね。昨日の質疑では、第三者機関として、皆さんが置くんだというこの附則九条にかかわって問われて、その十八条の話を中谷さんされたんですよ。これ結局、附則九条は十八条四項の言わば下にあると、内閣総理大臣の下にあるという、そういうことなんじゃないんですか。

○衆議院議員(桜内文城君) お答えいたします。
昨日もこの点について福山委員から御指摘あったところなんですけれども、これは十八条と附則九条、別のところに書いております。それはなぜかといいますと、別のものだからであります。この十八条の方はもう文字どおり四項で、御指摘のとおり、内閣総理大臣の、内閣を代表して行政各部を指揮監督するという内閣法六条にもあります一般原則をよりこの法律に当てはめて具体化した規定でありまして、それとは別にこの附則九条におきましては、まさにここに、文言に書いておりますとおり、独立した公正な立場において検証し、及び監察するというふうな文言を入れております。そして、それができる新たな機関という権限もこちらに書き込んでございます。
ですので、これは、一般的な行政というのは全て内閣法六条の内閣総理大臣の指揮監督に服するわけですけれども、それとは別にこの第九条におきまして、独立した公正な立場において検証し監察することによって、まさにモニタリングといいますか監査を行っていく機関を設置するという趣旨でございます。

○仁比聡平君 そうすると、先ほど私が紹介した昨日の中谷議員の答弁は、これは間違いということですかね。それとも、十八条の下で何らか新しい機関を、その附則九条に言うのとはまた違うものをつくるような話をされたわけですか。

○衆議院議員(中谷元君) 先ほどこの経緯をお話をいたしましたけれども、日本維新の会、また、みんなの党と協議をしている間に、最初の、当初は我々が、内閣総理大臣が有識者会議の意見を聴いて、まず統一基準の案を作成して閣議決定をする、そして、実際の運用が統一基準に従っているかどうか内閣総理大臣が監督して、必要に応じて行政機関の長から特定秘密を含む情報の提供、説明を求めて、勧告を行うことによって総理大臣のリーダーシップを発揮させるという案、そして、運用状況について有識者会議の意見を聴いた上で国会報告、公表を行うということで指定の恣意性を排除する案というのを提案いたしました。これが十八条になったわけでございます。
しかしながら、この協議を積み重ねた結果、この特定秘密の指定の適正を一層確保するためにこれらの措置に加えて新たな第三者機関の設置を検討することが必要であるということについて、最終的にこの附則九条、これを修正案に盛り込ませていただきまして、四党で合意をしたということでございます。

○仁比聡平君 そうしますと、よく分からないんですけど、十八条の四項で内閣総理大臣にそうした権限を明記すると。その中で個別指定の解除もあり得るかのような、何だかとにかく分からないけど、そういう内閣総理大臣が指導監督をすると。それはもちろん総理大臣が自ら全部やるということはあり得ないでしょうから、そうしたら、その内閣総理大臣の下にそういう新たな専従機関みたいなものをつくるわけですか。

○衆議院議員(中谷元君) 内閣総理大臣というのは内閣の全ての責任を負うわけでございまして、この情報に関しましては、そういった恣意的な指定が行われているかどうか、先ほどお話をいたしましたけれども、十八条においてこれを指導するような責任があるわけでございます。だから、そういう意味におきまして、内閣総理大臣としてはあらゆる手段を使いまして判断を行わなければなりませんので、この十八条の法律を遂行するにおいての判断をするということでございます。

○仁比聡平君 結局、内閣総理大臣が行政各部のあらゆる、先ほど外務相は数えられないと言っていたじゃないですか、そうした膨大な過去の非公表や秘密の情報というのは数えられないとさっきおっしゃった、外務大臣が、そういう情報を、それぞれの全行政部局について内閣総理大臣が直接御自身で監督するなんてあり得ないわけだから、これをサポートする機関をつくるんでしょうと。そういうことなんでしょう、内閣の下に。

○衆議院議員(畠中光成君) この十八条の提案というのは、私どもみんなの党がこの内閣総理大臣の指揮監督権を明確化するということを主張しまして合意に至ったわけですが、その趣旨というのは、この四項において、よりその指揮監督権を具体的に条文の中に入れ込むことによってその監督権を明確化したというところに意義があるというふうに思っております。

○仁比聡平君 その今おっしゃる権限の明確化というのだったら、憲法にそもそも書いてあると、内閣法にあるじゃないかという話になるのであって、私が聞いているのは、そういうふうに内閣総理大臣が監督権限を行使するためには、新たな何だか行政各部の特定秘密の指定状況などをここに皆さんがおっしゃるような形で監督する部隊というか独自の機関が例えば内閣総理大臣の下に必要になるんじゃないんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) 先生おっしゃるように、憲法七十二条それから内閣法の六条によりまして、総理大臣は内閣を代表して行政各部を、これを指揮監督すると。今回は、やっぱり指示権ということを改善をすることになっております。こういうことはやはりこの法律できちんと明確化するということであります。
やはり、その指定あるいは解除、更新、あるいは適性評価、こういうものについてきちっと、統一基準は、今回、内閣総理大臣が原案を作って、そして閣議決定でやると。その基準にのっとってちゃんとやっているかどうかということを、総理は、実は特定秘密の中身まで見ることができる、あるいは行政機関の長に対して説明も受けることができる、そういう形でチェックをし、そして指示もできると、こういうことを明確化させていただいたわけです。
それで、内閣情報室というのがこれは内閣官房にございますね。ここが今回内閣府設置法によりまして総合調整というのをやります。ですから、この内閣情報室がこの総理の仕事をサポートすると、こういうことになっております。

○委員長(中川雅治君) 桜内衆議院議員。

○仁比聡平君 いや、もういいですよ。
もう答弁短くしてください。

○衆議院議員(桜内文城君) すぐ、短く答えます。
是非この条文を素直に読んでいただきたいんですが、新たな機関の設置というのは附則九条にのみ書いております。十八条の方は内閣総理大臣の指揮監督権ということで、恐らく、今、内閣総理大臣の指揮監督という意味でいえば、内閣官房に内閣情報調査室、今、大口議員もおっしゃいましたけれども、そういうものがありますので、そこで総合調整を行っていく。附則九条は、あくまでも新たな機関を設置するというふうに読んでいただければ幸いです。

○仁比聡平君 私にはそうは読めないですね。内閣情報調査室が膨大な、巨大な権限を持つような形にもなるのかな、どうなのかなと。何だかよく分からないですよ。
もう一つ伺いたいのは、その附則九条の方の第三者機関の設置ですけど、昨日もその点でよく分からない答弁だったんですが、つまり、その今お尋ねしてきている新たな機関の設置というのはあくまでこの九条によって政府に求められる例示であって、この九条そのものが求めているのは、その他の特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策の検討なのじゃないですか。

○衆議院議員(桜内文城君) これも素直に是非読んでいただきたいんですけれども、まさに新たな機関の設置というふうに書いてあります。その下に、その他ということで、それに類する秘密の指定及びその解除の適正を確保するための必要な方策というのを別途考えていくと、それに併せて考えていくというふうなものであります。

○仁比聡平君 桜内議員には申し訳ないけど、この法文そのものはそうは読めないですよ。
新たな機関の設置その他のでしょう。中谷さん、違いますか。中谷さん、違いますか。(発言する者あり)

○衆議院議員(桜内文城君) ええ、統一なんですが、私がこれまず提起しましたので私が答えます。
法律の読み方なんですけど、これもう本当に新たな機関の設置とありまして、その他のというところがむしろ、下の方が、後段の方が例示であります。

○仁比聡平君 そうすると、昨日は議論混乱したけど、新たな機関を、先ほどお話のあったような機関を設置するんですね。

○衆議院議員(桜内文城君) 衆議院での安倍総理からの答弁にもありましたけれども、総理が、私は設置すべきと考えるという答弁をいただいております。

○仁比聡平君 いや、それは考えるとおっしゃっているだけで、森大臣も何だか繰り返し検討するというふうにおっしゃってきたけれども、何だか訳が分からないですよね。
それで、こうした新たな機関だとか、あるいは内閣情報室がどんな役割を果たすのかというようなお話を聞いてくると、結局、重層的というふうにおっしゃるけれども、重層的どころか、何だか中二階とか屋根裏部屋とか離れとか、そういうやつをどんどんどんどんつくって、何か、どこで何をしているか分からない、そんなことになるのではないですかね。
もう一つ、その修正案にかかわって、今日会議録をもう一回読んで問題があればまた伺いますから、ちょっと別の点で伺いたいんですけど、刑罰適用の関係なんですよ。二十四条、新しい、これによって不正取得罪が目的犯とされたわけですよね。この目的犯の目的が「外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的」というふうになっているんですが、これ、一体どういう意味なんですかね。
先ほど、前の質疑で、スパイ防止を目的とするというふうに森大臣答弁されたんですが、それならそう書きゃいいんだけど、そう書いていないでしょう。どういう目的なんですか、これ、構成要件の意味というのは。

○衆議院議員(大口善徳君) スパイ等の目的ということですね。
それで、これは修正協議で維新の会さんの方から、やはりこのスパイ目的のあるものについてはもうしっかり罰すべきだと、こういう御提案があったんですよ。要するに、国際社会の標準からすると、外国の利益を得る目的という場合は、この手段が、取得行為自体が違法でない場合においてもスパイ目的であれば、特定秘密を取得した場合これはもう罰すべきだと、これがまあ一つの世界標準だと、こういうお話があったんです。
ただ、私どもは、そうではなくて、それでは、これ逆提案なんですが、もうこの取得行為につきましてはスパイ等の目的がなければもう罰しないと。ですから、手段が、例えば暴行であればこれは暴行罪、傷害罪、それから施設への侵入だとこれは住居侵入罪、あるいは不正アクセスの場合ですと不正アクセス防止法違反と、こういうふうに手段でもう罰すればいいと。ですから、こういう目的がなければ、その取得行為についてですね、たとえ違法な取得行為であってもこれは罰しない。その違法な手段において、ただ住居侵入とか器物損壊とかそういうもので罰しようと、こういう形で、目的犯という形で絞らせていただいたわけです。
それで、外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途の目的という形で、違法目的に絞ってこの取得行為というものを限定をさせていただいたわけでございます。

○仁比聡平君 限定したって何かしきりにおっしゃるんですけど、この「害すべき用途に供する」ってどういう意味なんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) ですから、特定秘密のこの情報を、例えば外国の利益を図るという場合は外国にその利益を提供すると、あるいは、自己の不正な利益ということはその特定秘密のその情報というものを自分の利益を図るために提供すると、こういうような目的ですね。
ですから、逆に言えば、報道目的等のために違法な手段でやった場合は罰せられないということです、この取得行為ではね。

○仁比聡平君 私が正面から構成要件の意味を問うているのに、お答えになれないでしょう。お答えになっていないじゃないですか。
いいですか、あなた方が作ったのは、外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は害すべき用途に供する目的でしょう。この害すべき用途に供するという、そういう行為というか目的、狙いというのは、どんなことをもって害すべき用途に供するというのかと。安全、生命、身体を害すべき用途とは何か、それに供するというのは何かと、そう聞いているんですよ。それを答えられないじゃないですか。何かあるんですか。

○衆議院議員(大口善徳君) 例えば……

○仁比聡平君 例えばじゃなくて、定義を聞いているんです。

○衆議院議員(大口善徳君) ですから、我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき、特定秘密が漏れると害される場合があるわけですね。そういう目的ということでございます。

○仁比聡平君 私がここまで具体的に聞いているのに、害するとは何か、用途とは何か、供するとはどういう行為をいうのかというのは分からないですよ、これ。
実際にこうした構成要件がもし成立をするなら、それの運用、適用というのは、当然、捜査機関、刑事司法手続によって行われるわけですよね。この刑罰の現実の適用において、こうした主観的な要件、内心に入り込む要件というのは、これ、どんなふうにして判断をされるんでしょうか、谷垣大臣。

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